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Oracle Fusion Middleware 2日で管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B55896-04
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9 環境のスケーリング

管理対象サーバーを追加したり、WebLogic Serverドメインを拡張して他の製品を含めたり、Oracle SOA SuiteやOracle HTTP Serverなどのコンポーネントを含む既存のOracle Fusion Middleware環境をソースから別のソースへコピーすることにより、環境を拡張できます。

この章の内容は次のとおりです。

9.1 環境のスケーリングの概要

スケーラビリティとは、使用可能なハードウェア・リソースに応じた(また、ハードウェア・リソースによってのみ制限される)スループットを提供する、システムの能力のことです。スケーラブルなシステムとは、レスポンス時間とスループットに悪影響を与えずに、リクエストの増加を処理するシステムです。

1つのオペレーティング環境内の計算能力を高めることを、垂直スケーリングと呼びます。水平スケーリングでは、複数のシステムを連携して、1つの共通の問題を並列処理します。

Oracle Fusion Middlewareでは、垂直と水平の両方でスケーリングを行います。水平スケーリングの場合、Oracle Fusion Middlewareでは、いくつかの管理対象サーバーをグループ化してワークロードを共有することで、スループットを増やすことができます。また、Oracle Fusion Middlewareは垂直スケーラビリティにも優れているため、多くの管理対象サーバーやコンポーネントを1つの同じホストに追加できます。

高可用性とは、システムにユーザーがアクセスできるようにする能力のことです。高可用性システムを配置することで、システムの停止時間(システムが使用不可な時間)を最小限に抑えながら、システムの稼働時間(システムが使用可能な時間)を最大化できます。Oracle Fusion Middlewareは、ロード・バランシングや基本的なクラスタリングから、壊滅的なハードウェアおよびソフトウェア障害時に最大のシステム可用性を実現する機能まで、多種多様な高可用性ソリューションの提供を目的として設計されています。

高可用性ソリューションは、ローカル高可用性および障害時リカバリという2つの基本的なカテゴリに分けられます。


関連項目:

  • 高可用性の詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middlewareディザスタ・リカバリ・ガイド』


9.2 追加コンポーネントをサポートするWebLogic Serverドメインの拡張

Oracle WebLogic Serverドメインの作成は、特定のドメイン・テンプレートを使用して行います。そのテンプレートは、特定のコンポーネントや、Oracle SOA Suiteなどのコンポーネント・グループをサポートしています。このドメインにOracle WebCenter Portalなどの他のコンポーネントを追加する場合は、追加するコンポーネントのドメイン・テンプレートを使用してドメインに追加の管理対象サーバーを作成することによってドメインを拡張できます。


関連項目:

既存のドメインに追加できるコンポーネントおよび必要なドメイン・テンプレートの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のサポートされているドメイン拡張に関する表を参照してください。


ドメインを拡張する際には、ドメインをオフラインにする必要があります。

ドメインを拡張するには、必要なコンポーネントをインストールしたOracleホームから、Oracle WebLogic Server構成ウィザードを使用します。次に、拡張するドメインと追加するコンポーネントを選択します。

たとえば、最初はOracle SOA Suiteをサポートするために作成したドメインを、Oracle WebCenterポータルもサポートするように拡張する手順は次のとおりです。

  1. 第3.2.1項の説明に従い、RCUを使用してコンポーネントに必要なスキーマを追加します。

  2. 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイド』の説明に従って、Oracle WebCenterポータルをインストールします。

  3. 追加するコンポーネント(たとえば、Oracle WebCenterポータル)に対してインストールされているOracleホームから、次のコマンドを使用して、構成ウィザードを起動します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/common/bin/config.sh
    (Windows) ORACLE_HOME\common\bin\config.cmd
    

    構成ウィザードの「ようこそ」画面が表示されます。

  4. 「既存のWebLogicドメインの拡張」を選択します。

  5. 「次へ」をクリックします。

    「WebLogicドメイン・ディレクトリの選択」画面が表示されます。

  6. ドメインの中でコンポーネントの追加先とするディレクトリを選択します。

  7. 「次へ」をクリックします。

    「拡張ソースの選択」画面が表示されます。

  8. 「以下の追加製品をサポートするために、自動的にドメインを拡張する」を選択し、このドメインの拡張元となるソースを選択します。たとえば、Oracle WebCenter Spacesを選択します。

  9. 「次へ」をクリックします。

    「JDBCデータ・ソースの構成」画面が表示されます。

  10. 次の情報を入力し、追加した新しいコンポーネントのスキーマを選択します。

    • 「ベンダー」で、「Oracle」を選択します。

    • 「ドライバ」で、「Oracle's Driver (Thin) for Service connections; Versions:9.0.1,9.2.0,10,11」を選択します。

    • 「スキーマ・オーナー」には何も入力しないでください。各データソースは、この表で指定されたユーザー名を使用します。

    • スキーマ作成時と同じパスワードを使用する場合は、すべてのスキーマを選択して、そのパスワードを「スキーマ・パスワード」に入力します。

      または、各スキーマを個別に選択し、パスワードを入力することによって、データ・ソースごとに異なるパスワードを指定することができます。

    • すべてのスキーマを選択し、「DBMS/サービス」にデータベースのSIDを入力します。

    • すべてのスキーマを選択し、「ホスト名」にデータベースのホスト名を入力します。

    • すべてのスキーマを選択し、「ポート」にデータベースのリスニング・ポートを入力します。

  11. 「次へ」をクリックします。

    「コンポーネント・スキーマのテスト」画面が表示されます。

  12. テストに成功したら、「次へ」をクリックします。

    「オプションの構成を選択」画面が表示されます。

  13. この画面とその後に続くカスタマイズ画面で、カスタマイズすることを選択できます。そのためには、カスタマイズのタイプを選択します。設定をカスタマイズしない場合は、「次へ」をクリックします。

    「構成のサマリー」画面が表示されます。

  14. この画面に表示されている情報を確認して、正しければ「拡張」をクリックします。

  15. 操作が完了したら、「完了」をクリックします。


関連項目:

追加の管理対象サーバーの作成の詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソールのオンライン・ヘルプを参照してください。


9.3 WebLogic Serverドメインへの管理対象サーバーの追加

管理対象サーバーをドメインに追加して、システムの性能を向上させることができます。管理対象サーバーは、クラスタに追加できます。

クラスタに追加した管理対象サーバーは、そのクラスタを対象としているアプリケーションとサービスを継承します。ドメインに追加した管理対象サーバーは、テンプレートからアプリケーションとサービスを自動的には継承しません。

管理対象サーバーをドメインに追加するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールまたはWLSTを使用できます。


関連項目:

管理対象サーバーの追加の詳細は、管理コンソールのオンライン・ヘルプおよび『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。


管理コンソールを使用して、追加の管理対象サーバーを作成するには:

  1. 第2.3.1項の説明に従って、管理コンソールを表示します。

  2. 第2.3.2項の説明に従って、Oracle WebLogic Server構成をロックします。

  3. 左側のペインで、「環境」を開いてから、「サーバー」を選択します。

  4. 「サーバー」の表で、「新規」をクリックします。

    「新しいサーバーの作成」の「サーバーのプロパティ」ページが表示されます。

  5. 次の情報を入力します。

    • 「名前」にサーバーの名前を入力します。

      ドメインにある各サーバーの名前は、そのドメインにあるすべての構成オブジェクトに対して一意としておく必要があります。ドメインにあるすべてのサーバー、コンピュータ、クラスタ、JDBC接続ツール、仮想ホストおよびその他のタイプのリソースの名前は一意であることが必要です。また、ドメイン名と同じ名前とすることはできません。

    • サーバー・インスタンスの有効なアドレスを制限する場合は、「リスニング・アドレス」に特定のIPアドレスまたはDNS名を入力します。制限しない場合は、サーバーへのURLとして、ホスト・コンピュータのIPアドレス、IPアドレスにマップされた任意のDNS名またはlocalhost文字列を指定できます。

    • 「リスニング・ポート」には、サーバー・インスタンスへのアクセスに使用するポート番号を入力します。

      1台の同じコンピュータ上で複数のサーバー・インスタンスを実行する場合は、サーバーごとに専用リスニング・ポートを使用する必要があります。

    • このサーバーをスタンドアロン・サーバーにするか、既存のクラスタまたは新しいクラスタに属するサーバーにするかを指定します。

      • このサーバーをスタンドアロン・サーバーにする場合は、「いいえ、これはスタンドアロン・サーバーです。」を選択します。

      • 既存のクラスタに属するサーバーとする場合は、「はい、このサーバーを既存のクラスタのメンバーにします。」を選択します。次に、所属先とするクラスタを選択します。

        既存のクラスタが存在しない場合、このオプションは表示されません。

      • 新しいクラスタに属するサーバーとする場合は、「はい、このサーバー用に新しいクラスタを作成します。」を選択します。

  6. 「次へ」をクリックします。

    「選択内容の確認」ページが表示されます。

  7. 表示された情報を確認します。情報が正しい場合は、「終了」をクリックします。

  8. 第9.3.1項の説明に従って、Oracle JRFを管理対象サーバーまたはクラスタに適用します。

ドメインに管理対象サーバーを追加するときには、Fusion Middleware Controlを使用することもできます。「ファーム」メニューから、「コンポーネントの作成/削除」を選択します。「Fusion Middlewareコンポーネント」ページで、「作成」「WebLogic Server」を選択します。

9.3.1 管理対象サーバーまたはクラスタへのOracle JRFの適用

Oracle JRF(Java Required Files)は、Oracleビジネス・アプリケーションおよびアプリケーション・フレームワークに共通の機能を提供するコンポーネントのうち、Oracle WebLogic Serverと同時にインストールされないコンポーネントで構成されています。

JRFは、共通の場所にデプロイされる、別々に開発された多数のライブラリとアプリケーションで構成されます。JRFに属すると見なされるコンポーネントには、Oracle Application Development Frameworkの共有ライブラリやODLロギング・ハンドラなどがあります。

一定の条件下では、管理対象サーバーまたはクラスタにJRFを適用する必要があります。JRFを適用できる管理対象サーバーは、JRFを構成済のドメインにあるもののみです。つまり、ドメインを作成または拡張するときに、構成ウィザードでOracle JRFを選択しておく必要があります。

JRFの適用が必要となる条件については、次の点を考慮してください。

  • すでにJRFを構成済の既存のクラスタに管理対象サーバーを追加する場合は、管理対象サーバーにJRFを適用する必要はありません。

  • 管理対象サーバーをドメインに追加する場合、その管理対象サーバーがJRFのサービスを必要とするにもかかわらず、クラスタに属していないときは、管理対象サーバーにJRFを適用する必要があります。

  • 新しいクラスタを作成する場合、そのクラスタがJRFを必要とするときは、クラスタにJRFを適用する必要があります。

  • テンプレート拡張プロセス時に製品のテンプレートによって追加した管理対象サーバーには、JRFを適用する必要はありません(ただし、構成ウィザードでJRFを選択する必要があります)。

  • JRFの適用後、サーバーまたはクラスタを再起動する必要があります。

  • サーバーの作成にFusion Middleware Controlを使用した場合は、JRFテンプレートが自動的に適用されます。

管理対象サーバーまたはクラスタをJRFで構成するには、カスタムWLSTコマンドapplyJRFを使用します。カスタムWLSTコマンドを使用するには、Oracle CommonホームからWLSTスクリプトを起動する必要があります。詳細は、第2.4.1.1項を参照してください。

applyJRFコマンドの形式は、次のとおりです。

applyJRF(target={server_name | cluster_name | *}, domainDir=domain_path
        [,shouldUpdateDomain= {true | false}])

applyJRFコマンドは、次のようにオンラインまたはオフラインで使用できます。

  • オンライン・モードでは、shouldUpdateDomainオプションをtrue値(デフォルト値)に設定して使用すれば、JRFの変更内容は暗黙的にアクティブになります。オンライン・モードでは、このオプションにより、オンラインWLSTコマンドのsave()とactivate()がコールされます。

  • オフライン・モードでは、管理サーバーおよび管理対象サーバーまたはクラスタを再起動する必要があります(オフライン・モードでは、shouldUpdateDomainオプションを値trueで指定した場合、このオプションによってWLST updateDomain()コマンドがコールされます)。

管理対象サーバーにJRFを構成するには、次のコマンドを使用します。

applyJRF(target='server1', domainDir='/scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/domain1')

ドメインにあるすべての管理対象サーバーにJRFを構成するには、targetオプションの値としてアスタリスク(*)を指定します。

クラスタにJRFを構成するには、次のコマンドを使用します。

applyJRF(target='cluster', domainDir='/scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/domain1')

関連項目:

  • 『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のJava Required FilesカスタムWLSTコマンドに関する項

  • JRFとともに提供されるものとは別のバージョンのSpringを使用するには、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の別バージョンのSpringの使用に関する項を参照してください。


9.4 クラスタの作成

WebLogic Serverクラスタは、スケーラビリティや信頼性を向上させるために同時に稼働および連携する、WebLogic Server上の複数のサーバー・インスタンスで構成されています。クライアントから見ると、クラスタはWebLogic Serverの1つのインスタンスです。クラスタを構成するサーバー・インスタンスは、同じコンピュータ上で実行することや、別のコンピュータに配置することが可能です。既存のコンピュータ上のクラスタに別のサーバー・インスタンスを追加することで、クラスタの性能を向上させることができます。または、クラスタにコンピュータを追加して、さらに多くのサーバー・インスタンスをホストできます。クラスタ内の各サーバー・インスタンスは、同じバージョンのWebLogic Serverを実行する必要があります。

WLST、Oracle WebLogic Server管理コンソールまたはFusion Middleware Controlを使用して、管理対象サーバーのクラスタを作成できます。この項では、Fusion Middleware Controlを使用してクラスタを作成する方法を説明します。


注意:

Identity Managementコンポーネント、Oracle Portal、Oracle Forms Services、Oracle ReportsおよびOracle Business Intelligence Discovererでは、クラスタに含める1つ以上の管理対象サーバーがリモート・ホストにある場合、WebLogic Serverホームのフルパスは、他の管理対象サーバーのWebLogic Serverホームのフルパスと同じである必要があります。

たとえば、ホストAとホストBにそれぞれ管理対象サーバーがあり、それらをクラスタに含めるとします。ホストA上のWebLogic Serverホームが/scratch/oracle/Middleware/wlserver_10.3にある場合、ホストB上のWebLogic Serverホームも/scratch/oracle/Middleware/wlserver_10.3にある必要があります。


Fusion Middleware Controlを使用して、soa_server1とsoa_server2という2つの管理対象サーバーのクラスタを作成するには:

  1. 「ファーム」メニューから、「コンポーネントの作成/削除」を選択します。

    「Fusion Middlewareコンポーネント」ページが表示されます。

  2. 「作成」「WebLogicクラスタ」を選択します。

    「WebLogicクラスタの作成」ページが表示されます。

  3. 「名前」にクラスタの名前を入力します。

  4. 「クラスタ・メッセージング・モード」セクションで、次のいずれかのオプションを選択します。

    • 「ユニキャスト」「ユニキャスト・ブロードキャスト・チャネル」にチャネルを入力します。このチャネルは、クラスタ内でのメッセージ転送に使用されます。

    • 「マルチキャスト」マルチキャスト・ブロードキャスト・チャネルにチャネルを入力します。マルチキャスト・アドレスは、224.0.0.0から239.255.255.255の範囲のIPアドレスです。「マルチキャスト・ポート」にポート番号を入力します。


      注意:

      指定したマルチキャスト・アドレスが使用中でないことを確認する必要があります。


  5. 「サーバー」セクションで、クラスタに追加する1つ以上のサーバーを選択します。このシナリオでは、soa_server1とsoa_server2を選択します。

  6. 「作成」をクリックします

これで、soa_server1とsoa_server2という2つのメンバーを持つクラスタが存在することになります。


関連項目:

クラスタの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使い方』を参照してください。


サーバーの作成にFusion Middleware Controlを使用した場合は、JRFテンプレートが自動的に適用されます。

9.5 Middlewareホームまたはコンポーネントのコピー

既存のMiddlewareホーム、Oracleホームおよびいくつかのコンポーネントを同じホストまたは別のホストにコピーすることで、環境を拡張し、増加する要求に応えることができます。Oracle Fusion Middlewareには、環境のコピーに使用可能な一連のスクリプトが用意されています。たとえば、テスト環境を本番環境に移行する場合などに使用できます。このスクリプト(移行スクリプトと呼ばれます)を使用して、MiddlewareホームやOracleホーム、Oracle WebLogic Serverドメインの他に、Oracle SOA Suite、Oracle HTTP Server、Oracle Internet Directory、Oracle Virtual Directoryなどの特定のOracle Fusion Middlewareコンポーネントの構成をコピーできます。

移行スクリプトを使用しない場合、移行元の環境で行ったカスタマイズや構成変更は、移行先の環境にすべて再適用する必要がありますが、移行スクリプトを使用することにより、このような作業が最小化されます。これらのスクリプトを使用することにより、次のことが可能になります。

同一ホスト上または別のホスト上に移行できるものは、次のとおりです。ソース環境とターゲット環境では、同じオペレーティング・システムおよび同じプラットフォーム・アーキテクチャ(ビット数に関して)を使用している必要があります。

9.5.1 移行スクリプトの使用

Middlewareホームまたはコンポーネントのコピーに使用するスクリプトは次のとおりです。

  • クローニング元のMiddlewareホームをコピーします:

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/bin/copyBinary.sh
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\bin\copyBinary.cmd
    
  • コピーしたMiddlewareホームをターゲットに適用します:

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/bin/pasteBinary.sh
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\bin\pasteBinary.cmd
    
  • クローニング元のコンポーネント構成をコピーします:

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/bin/copyConfig.sh
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\bin\copyConfig.cmd
    
  • ソース・コンポーネントから移動プランを抽出します:

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/bin/extractMovePlan.sh
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\bin\extractMovePlan.cmd
    
  • コピーしたコンポーネント構成をターゲットに適用します:

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/bin/pasteConfig.sh
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\bin\pasteConfig.cmd
    
  • 不明瞭化されたパスワードが含まれるファイルを生成します:

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/bin/obfuscatePassword.sh
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\bin\obfuscatePassword.cmd
    

各移行スクリプトでは、-silent trueオプションを指定しない場合は常に、続行するかどうかを確認するメッセージが表示されます。続行するには、Yesと入力します(大/小文字は区別されません)。Yes以外の語句を入力すると、スクリプトからエラーが返されます。また、silentモードでは、必要な箇所にパスワードを入力しないと、スクリプトによってエラーが生成されます。

追加のJavaオプションを指定するには、T2P_JAVA_OPTIONS環境変数を定義し、変数定義でオプションを指定します。次の例では、Java一時ディレクトリの値を設定します。

  • LinuxまたはUNIXの場合:

    setenv T2P_JAVA_OPTIONS "-Djava.io.tmpdir=/home/t2p/temp"
    export T2P_JAVA_OPTIONS="-Djava.io.tmpdir=/home/t2p/temp"
     
    
  • Windowsの場合:

    set T2P_JAVA_OPTIONS="-Djava.io.tmpdir=c:\home\t2p\temp"
    

関連項目:

構文を含む、スクリプトの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の移行スクリプトの使用に関する項を参照してください。



注意:

Oracle Fusion MiddlewareがインストールされていないホストにMiddlewareホームのアーカイブを適用する場合、次の点に注意してください。

  • ホストには、JDK 1.6.04以降がインストールされている必要があります。さらに、PATH、CLASSPATHおよびJAVA_HOMEの各環境変数が、このJDKを指すようにします。

  • ソース・ホストの次の場所からpasteBinaryスクリプトをターゲット・ホストにコピーします。

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/bin/pasteBinary.sh
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\bin\pasteBinary.cmd
    
  • ソース・ホストの次の場所から次のファイルをターゲット・ホストにコピーします。

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/jlib/cloningclient.jar
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\jlib\cloningclient.jar
    
  • ORACLE_COMMON_HOME/bin以外の場所からpasteBinaryスクリプトを実行する場合は、pasteBinaryスクリプトとcloningclient.jarファイルが同一ディレクトリにある必要があります。

  • ファイルに実行権限があることを確認してください。


9.5.2 ソース環境からターゲット環境への移行手順の概要

この項では、インストールをソース環境からターゲット環境に移行する一般的な手順について説明します。

一般的な手順は次のとおりです。

  1. ソース環境を準備します。第9.5.3項を参照してください。

  2. ターゲット環境を準備します。第9.5.4項を参照してください。

  3. ご使用の環境でデータベースを使用する場合は、新しいデータベースを作成するか、またはソース環境のデータベースをターゲット環境にコピーします。第9.5.5項を参照してください。

  4. Oracle Identity Managementをターゲット環境に移行します。『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のアイデンティティ管理の新しいターゲット環境への移行に関する項を参照してください。

  5. 第9.5.6項の説明に従って、copyBinaryおよびpasteBinaryスクリプトを使用して、Middlewareホームとバイナリ・ファイルのコピーをソース環境からターゲット環境に移行します。

  6. 第9.5.7項または第9.5.8項の説明に従って、コンポーネントの構成のコピーを移行します。ほとんどの場合、copyConfig、extractMovePlanおよびpasteConfigスクリプトを使用します。

  7. その他のデータ(UMSユーザー・メッセージング・プリファレンス、Oracle WebCenter Portalアプリケーションのデータ、Oracle Web Cache構成ファイルなど)を移行します。新しい環境に固有の情報(ホスト名、ポートなど)を変更します。各コンポーネントに固有の情報は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareコンポーネントの移行に関する項を参照してください。

9.5.3 ソース環境の準備

この章の手順では、次の一部またはすべてが含まれる、Oracle Fusion Middlewareのインストールおよび構成がソース環境で行われていることを想定しています。

  • Oracle Fusion Middlewareコンポーネント(アイデンティティ管理、Oracle SOA Suite、Oracle WebCenter Portalなど)で使用される1つ以上のデータベースをインストールしました。

  • RCUを使用してソース環境で必要なスキーマを作成しました。『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • Oracle WebLogic Serverをインストールし、Middlewareホームを作成しました。

  • Identity Managementをインストールし、構成しました。

    これには、目的のLDAPツリーおよびエントリ(特にユーザーおよびグループ)の作成(Oracle Internet Directoryの場合)、データソースに対するアダプタの作成(Oracle Virtual Directoryの場合)、ポリシーの作成(Oracle Web Services Managerの場合)が含まれます。また、SSL用の自己署名証明書の構成も含まれます。(ターゲット環境では、信頼できるCA署名付き証明書を使用します。)

  • Oracle Fusion Middlewareコンポーネント(Oracle SOA Suite、Oracle WebCenter Portalなど)をインストールし、構成しました。

  • セキュリティ・ポリシーを構成しました。

  • 1つ以上のアプリケーションまたはSOAコンポジット・アプリケーションをデプロイしました。これらのアプリケーションには、内部参照および外部参照が含まれる場合があります。

ソース環境のMiddlewareホームのすべてのOracleホームは、同じOracleインベントリに登録されている必要があります。複数のコンポーネントを1つのMiddlewareホームにインストールしているが、使用しているOracleインベントリの場所が様々である場合は、スクリプトで一部のOracleホームを検出できません。

9.5.4 ターゲット環境の準備

この章の手順を使用するには、ターゲット環境が次の前提条件を満たしている必要があります。

  • コピーするMiddlewareホームおよびコンポーネントのバージョンと互換性のあるcloningclient.jarファイルおよび移行スクリプトを使用する必要があります。この章の手順では、現行バージョンのcloningclient.jarファイルおよび移行スクリプトを使用することを前提としています。

  • ターゲット環境は、ソース環境と同じオペレーティング・システム上にある必要があります。また、オペレーティング・システム・アーキテクチャは、両方の環境で同じでなければなりません。たとえば、両方の環境で32ビットのオペレーティング・システムまたは64ビットのオペレーティング・システムを実行している必要があります。

    MiddlewareホームのすべてのOracleホームは、すべてが32ビットまたはすべてが64ビットである必要があります。この操作は、32ビットと64ビットのOracleホームが混在する環境をサポートしません。

    スクリプトを実行するときに、対応するJavaホームを指定する必要があります。つまり、Oracleホームが64ビットの場合、64ビットのJavaホームを指定する必要があります。Oracleホームが32ビットの場合、32ビットのJavaホームを指定する必要があります。

  • ターゲット環境では、ソース環境のユーザーと同じスーパーユーザーまたは管理ユーザーが必要です。ユーザーのパスワードは、別々のものにでき、パスワードは、pasteConfigスクリプトを使用してコマンドラインで指定できます。

    インストールの移行が完了したら、ターゲット環境でユーザーを変更できます。

  • ターゲット環境のデータベースは、ソース環境のデータベースと同じタイプである必要があります。たとえば、ソース環境のデータベースがOracle Databaseである場合、ターゲット環境のデータベースもOracle Databaseである必要があります。ターゲット環境のデータベースは、ソース環境のデータベースと同じバージョンである必要があります。

  • データベースが適切に調整されていない場合、copyConfig操作およびpasteConfig操作でパフォーマンスの問題が発生することがあります。このようなパフォーマンスの問題を回避するには、次の標準データベース・パフォーマンス調整ガイドラインに加えて、MDS表のインポート用に、データベースに十分なRAMが割り当てられていることを確認します。また、次のプロシージャを実行して、ターゲット・データベースに対する統計を実行します。

    BEGIN
    dbms_stats.gather_schema_stats(ownname => 'prefix_MDS', 
               METHOD_OPT => 'FOR ALL COLUMNS SIZE AUTO',
               CASCADE => TRUE, ESTIMATE_PERCENT => NULL);
    END;
    

    このプロシージャでは、prefix_MDSは、インストールのMDSスキーマ名です。

9.5.5 ターゲット環境でのデータベースのインストール

様々なコンポーネント(Oracle Internet Directory、Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenter Portalなど)でデータベースが必要となります。

ターゲット環境のデータベースは、ソース環境のデータベースと同じタイプである必要があります。たとえば、ソース環境のデータベースがOracle Databaseである場合、ターゲット環境のデータベースもOracle Databaseである必要があります。ターゲット環境のデータベースは、ソース環境のデータベースと同じバージョンである必要があります。

新しいデータベースをインストールするか、またはソース環境からデータベースをコピーできます。

  • 新しいデータベースをインストールする手順は次のとおりです。

    1. データベース・ソフトウェアをインストールして構成します。

    2. RCUを使用してターゲット・データベースで必要なスキーマを作成します。『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

    3. アプリケーションで使用するカスタム・スキーマを作成します。たとえば、アプリケーションがソース環境でカスタム・スキーマを使用する場合、ターゲット環境でそのスキーマを作成します。

  • Oracle Database RMANのduplicateコマンドを使用して、複製データベースを作成します。複製データベースは、完全に独立して動作するように、ソース・データベースと異なるDBIDを使用して作成する必要があります。

    ターゲット環境での複製Oracle Databaseリリース11gの作成については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のターゲット環境でのデータベースのインストールに関する項を参照してください。

9.5.6 Middlewareホームおよびバイナリ・ファイルの移行

Middlewareホームのコピーをターゲット環境に移行するには、copyBinaryおよびpasteBinaryスクリプトを使用します。Middlewareホーム内のOracle WebLogic Serverホーム、Oracleホームおよびバイナリ・ファイルも移行されます。

Middlewareホームを移行する手順は次のとおりです。

  1. Windowsの場合は、ソースで、管理サーバーおよびMiddlewareホームで実行されている管理対象サーバーをすべて停止します。(UNIXの場合は、サーバーを停止する必要はありません。)

  2. ソースでcopyBinaryスクリプトを実行し、Middlewareホーム、WebLogic ServerホームおよびMiddlewareホーム内に含まれるOracleホームをコピーします。ソースのMiddlewareホーム内にOracleホームがない場合、アーカイブにOracleホームは含まれなくなります。copyBinaryスクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のcopyBinaryスクリプトに関する項を参照してください。

    たとえば、/scratch/Oracle /Middleware1のMiddlewareホームをコピーするには、次のコマンドを使用します。

    copyBinary.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware1/jrockit_160_20_D1.1.0-18
                  -archiveLoc /tmp/mw_copy.jar
                  -sourceMWHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1 
                  -invPtrLoc /scratch/oracle/oraInst.loc
    
  3. Middlewareホームを別のホストにコピーする場合は、そのシステムにアーカイブ・ファイルをコピーします。

  4. pasteBinaryスクリプトとcloningclient.jarファイルをターゲット・システムにコピーし、実行権限があることを確認します。ファイルの場所については、第9.5.1項を参照してください。

    pasteConfigなど他のスクリプトをコピーしないでください。これらのスクリプトは、ステップ5で説明しているように、ファイルの抽出時に生成されます。

  5. ターゲットで、pasteBinaryスクリプトを使用して、アーカイブからファイルを抽出します。pasteBinaryスクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のpasteBinaryスクリプトに関する項を参照してください。

    たとえば、/scratch/oracle/MW_Home_prodディレクトリにアーカイブを適用するには、次のコマンドを使用します。

    pasteBinary.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware1/jrockit_160_20_D1.1.0-18 
                   -archiveLoc  /tmp/mw_copy.jar 
                   -targetMWHomeLoc  /scratch/oracle/MW_Home_prod 
    

    Middlewareホームが/scratch/oracle/MW_Home_prodに抽出され、その下にWebLogic Serverホーム、およびソースOracleホーム名と同じ名前ですべてのOracleホームが抽出されます。

  6. ターゲットで、ノード・マネージャ・ディレクトリおよびこのディレクトリ内のファイルを削除します。このディレクトリのデフォルトの場所:

    WL_hOME/common/nodemanager
    

    ノード・マネージャ構成は、第9.5.7項のステップ8で移行します。

9.5.7 Javaコンポーネントの構成の移行

Javaコンポーネント(Oracle SOA Suiteなど)のドメイン構成のコピーを移行するには、copyConfig、extractMovePlanおよびpasteConfigスクリプトを使用します。この手順により、ドメイン、管理サーバーおよび管理対象サーバーを含む構成がコピーされます。続いて、管理サーバーが起動されます。ノード・マネージャ構成のコピーも移行できます。

通常、ユーザーに固有のデータはターゲット環境とソース環境で同じではないため、この処理では、ユーザー固有のデータは移行されません。


注意:

  • コンポーネントの構成を移行すると、スクリプトによりソースのトポロジがレプリケートされます。たとえば、ソース・ドメインにホストAの管理対象サーバーserver_1とserver_2、およびホストBの管理対象サーバーserver_3とserver_4が含まれる場合、ターゲットにも同様の管理対象サーバーとホストの関係を指定する必要があります。(移動計画のそれぞれの管理対象サーバーに対してホストを指定します。)

  • ドメイン・ディレクトリは各マシンに対してローカルであり、pasteConfigは管理サーバー・ドメイン・ディレクトリでのみ実行されます。その後、管理対象サーバーのディレクトリが管理サーバーと異なる場合は、Oracle WebLogic Serverのpackおよびunpackコマンドを使用して、管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリを再作成する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』を参照してください。


ドメイン構成およびノード・マネージャ構成のコピーを移行する手順は次のとおりです。

  1. ソースで、管理サーバーおよびすべての管理対象サーバーが起動されていることを確認します。

  2. ソースでcopyConfigスクリプトを実行して、ドメイン構成をコピーします。copyConfigスクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のJavaコンポーネントのcopyConfigスクリプトに関する項を参照してください。

    たとえば、Middlewareホーム/scratch/Oracle/Middleware1にあるSOA_domain1というOracle SOA Suiteドメインの構成をコピーするには、次のコマンドを使用します。

    copyConfig.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware1/jrockit_160_20_D1.1.0-18 
                  -archiveLoc /tmp/soa.jar
                  -sourceDomainLoc /scratch/Oracle/Middleware1/user_projects/domains/SOA_domain1
                  -sourceMWHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1
                  -domainHostName example.com
                  -domainPortNum 8001
                  -domainAdminUserName domain_admin_username
                  -domainAdminPassword /scratch/admin/passwd.txt
                  -logDirLoc /tmp/logs
    
  3. ドメイン構成を別のホストにコピーする場合は、そのシステムにアーカイブ・ファイルをコピーします。

  4. ソースでextractMovePlanスクリプトを使用して、アーカイブから移動計画を抽出します。extractMovePlanスクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のextractMovePlanスクリプトに関する項を参照してください。

    例:

    extractMovePlan.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware1/jrockit_160_20_D1.1.0-18
                     -archiveLoc /tmp/soa.jar
                     -planDirLoc /tmp/Oracle/t2p_plans/soa
    
  5. ターゲット環境の値にあわせてプロパティを変更するために、移動計画を編集します。移行するコンポーネントのタイプのプロパティのリストは、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコンポーネントの移行プランのプロパティに関する表を参照してください。

    複数のドメインを含む環境のドメインを1つのみ移行する場合は、移動計画で移行しないドメインのエントリを削除します。

  6. ターゲットで次のスクリプトを実行して、移動計画に必要な不明瞭化したパスワード・ファイルを生成します。パスワード・ファイルごとにスクリプトを実行します。

    ORACLE_COMMON_HOME/bin/obfuscatePassword.sh
    

    スクリプトによって、パスワードおよびパスワード・ファイルが書き込まれる場所の入力を求めるプロンプトが表示されます。

  7. クローニング先で、pasteConfigスクリプトを使用してアーカイブからファイルを抽出します。スクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のJavaコンポーネントのpasteConfigスクリプトに関する項を参照してください。

    たとえば、Middlewareホーム/scratch/Oracle/Middleware1にアーカイブを適用するには、次のコマンドを使用します。

    pasteConfig.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware1/jrockit_160_20_D1.1.0-18
                -archiveLoc /tmp/soa.jar
                -movePlanLoc /tmp/Oracle/t2p_plans/soa/moveplan.xml
                -targetDomainLoc /scratch/Oracle/Middleware1/user_projects/domains/SOA_domain1
                -targetMWHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1/
                -domainAdminPassword /scratch/pwd_dir/pass.txt
     
    
  8. ソースでcopyConfigスクリプトを実行して、ノード・マネージャ構成をコピーします。スクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のノード・マネージャのcopyConfigスクリプトに関する項を参照してください。たとえば、次のコマンドを使用します。

    copyConfig.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware1/jrockit_160_20_D1.1.0-18 
                  -archiveLoc /tmp/nm.jar
                  -sourceNMHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/wlserver_10.3/common/nodemanager
                  -logDirLoc /tmp/logs
    
  9. ノード・マネージャを別のホストにコピーする場合は、そのシステムにアーカイブ・ファイルをコピーします。

  10. ソースでextractMovePlanスクリプトを使用して、アーカイブから移動計画を抽出します。extractMovePlanスクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のextractMovePlanスクリプトに関する項を参照してください。

    例:

    extractMovePlan.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware1/jrockit_160_20_D1.1.0-18
                     -archiveLoc /tmp/nm.jar
                     -planDirLoc /tmp/Oracle/t2p_plans/nm
    
  11. ターゲット環境の値にあわせてプロパティを変更するために、移動計画を編集します。ノード・マネージャのプロパティのリストは、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のノード・マネージャの移行プランのプロパティに関する表を参照してください。

  12. ターゲットで次のスクリプトを実行して、移動計画に必要な不明瞭化したパスワード・ファイルを生成します。パスワード・ファイルごとにスクリプトを実行します。

    ORACLE_COMMON_HOME/bin/obfuscatePassword.sh
    

    スクリプトによって、パスワードおよびパスワード・ファイルが書き込まれる場所の入力を求めるプロンプトが表示されます。

  13. クローニング先で、pasteConfigスクリプトを使用してアーカイブからファイルを抽出します。スクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のノード・マネージャのpasteConfigスクリプトに関する項を参照してください。たとえば、次のコマンドを使用します。

    pasteConfig -javaHome USER_HOME/jrockit_160_17_R28.0.0-679/
                -archiveLoc /tmp/nm.jar
                -targetNMHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1/wlserver_10.3/common/nodemanager
                -targetMWHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1
                -movePlanLoc /tmp/Oracle/t2p_plans/nm/moveplan.xml
                -silent true
    

このタスクが完了したら、コンポーネントごとに追加手順を実行する必要がある場合があります。『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareコンポーネントの移行に関する項を参照してください。

9.5.8 Oracleインスタンスおよびシステム・コンポーネントの構成の移行

OracleインスタンスおよびOracle HTTP Server、Oracle Internet Directory、Oracle Virtual Directory、Oracle BI EEなどのシステム・コンポーネントは、次のいずれかの方法で移行できます

  • Oracleインスタンスおよびそのすべてのシステム・コンポーネントは、この項の説明に従って移行できます。

  • 個々のシステム・コンポーネントは、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の個々のシステム・コンポーネントの移行に関する項に従って移行できます。

いずれの場合も、copyConfig、extractMovePlanおよびpasteConfigスクリプトを使用します。スクリプトに渡すオプションのみが異なります。

インスタンス内のすべてのシステム・コンポーネントの構成を含む、Oracleインスタンス全体を移行するには:

  1. ソースで、copyConfigスクリプトを実行します。スクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracleインスタンスのcopyConfigスクリプトに関する項を参照してください。

    たとえば、/scratch/Oracle/Middleware1/webtier_1に配置されているOracleインスタンスをコピーするには、次のコマンドを使用します。

    copyConfig.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware1/jrockit_160_20_D1.1.0-18 
                  -archiveLoc /tmp/ohs1.jar
                  -sourceInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1/webtier_1
    
  2. コンポーネントを別のホストにコピーする場合は、そのシステムにアーカイブ・ファイルをコピーします。

  3. ソースでextractMovePlanスクリプトを使用して、アーカイブから移動計画を抽出します。スクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のextractMovePlanに関する項を参照してください。

    例:

    extractMovePlan.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware1/jrockit_160_20_D1.1.0-18
                     -archiveLoc /tmp/ohs1.jar
                     -planDirLoc /tmp/Oracle/t2p_plans/ohs
    
  4. 移動計画を編集して、ターゲット環境の値を反映するように特定のコンポーネントのプロパティを変更します。移行するコンポーネントのタイプのプロパティのリストは、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコンポーネントの移行プランのプロパティに関する表を参照してください。

  5. ターゲットで次のスクリプトを実行して、移動計画に必要な不明瞭化したパスワード・ファイルを生成します。パスワード・ファイルごとにスクリプトを実行します。

    ORACLE_COMMON_HOME/bin/obfuscatePassword.sh
    

    スクリプトによって、パスワードおよびパスワード・ファイルが書き込まれる場所の入力を求めるプロンプトが表示されます。

  6. クローニング先で、pasteConfigスクリプトを使用してアーカイブからファイルを抽出します。スクリプトの完全な構文については、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracleインスタンスのpasteConfigスクリプトに関する項を参照してください。

    たとえば、Oracleインスタンスwebtier_2にアーカイブを適用し、ターゲットのOracle HTTP Serverインスタンスにohs_clという名前を付けるには、次のコマンドを使用します。

    pasteConfig.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_20_D1.1.0-18
                -archiveLoc /tmp/ohs1.jar
                -movePlanLoc /tmp/Oracle/t2p_plans/ohs/moveplan.xml
                -targetOracleHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/Oracle_WebTier 
                -targetInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/webtier_2 
                -targetInstanceName webtier_2 
                -targetComponentName ohs_cl 
                -domainHostName myhost
                -domainPortNum 7001 
                -domainAdminUserName domain_admin_username
                -domainAdminPasswordFile domain_admin_password_file 
    

    Oracleインスタンス名はドメイン内で一意である必要があります。Oracleインスタンスのアーカイブを同一ドメインに適用する場合は、-targetInstanceNameオプションを使用してインスタンスに別の名前を指定します。

このタスクが完了したら、コンポーネントごとに追加手順を実行する必要がある場合があります。『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareコンポーネントの移行に関する項を参照してください。

9.5.9 コンポーネント移行時の移動計画のカスタマイズ

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントを移行する際には、extractMovePlanスクリプトを実行して、移行するコンポーネントの移動計画を作成します。extractMovePlanスクリプトは、構成情報をアーカイブから移動プランに抽出します。必要となる構成プランも抽出します。アーカイブをターゲットに適用する前に、ターゲット環境の値を反映するように、移動計画を編集する必要があります。

次に、WebLogic Javaコンポーネントの移動プランの抜粋を示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<movePlan>
    <movableComponent>
        <componentType>J2EEDomain</componentType>
        <moveDescriptor>
            <configProperty>
                <name>Startup Mode</name>
                <value>PRODUCTION</value>
                <itemMetadata>
                    <dataType>STRING</dataType>
                    <scope>READ_WRITE</scope>
                </itemMetadata>
            </configProperty>
            <configGroup>
                <type>SERVER_CONFIG</type>
                <configProperty id="Server1">
                    <configProperty>
                        <name>Server Name</name>
                        <value>AdminServer</value>
                        <itemMetadata>
                            <dataType>STRING</dataType>
                            <scope>READ_ONLY</scope>
                        </itemMetadata>
                    </configProperty>
                    <configProperty>
                        <name>Listen Address</name>
                        <value>example.com</value>
                        <itemMetadata>
                            <dataType>STRING</dataType>
                            <scope>READ_WRITE</scope>
                        </itemMetadata>
                    </configProperty>

READ_WRITEのスコープのプロパティを変更できます。READ_ONLYのスコープのプロパティは変更しないでください。

編集するプロパティは、コンポーネントのタイプにより異なります。各タイプのコンポーネントで編集するプロパティの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の移行プランの変更に関する項にある表を参照してください。

9.6 関連情報

この章で説明した内容の詳細は、次を参照してください。