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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B55899-09
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8 エンタープライズ・デプロイメント用のドメインの作成

この章では、構成ウィザード、Oracle WebLogic Server管理コンソール、Oracle Enterprise ManagerおよびOracle WSM Policy Managerを使用してドメインを作成する方法を説明します。ドメインを拡張して、SOAコンポーネントを追加できるほか、必要に応じてOracle Business Activity Monitoringを追加することもできます。


注意:

セットアップのプロセスを開始する前に、Oracle Fusion Middlewareリリース・ノートを読み、インストールとデプロイメントに関する追加情報を確認してください。


この章の項目は次のとおりです。

8.1 ドメイン作成の概要

表8-1に、構成後タスクを含む、WebLogicドメインの作成手順を示します。

表8-1 WebLogicドメインの作成手順

手順 説明 詳細

SOAHOST1でのVIP1の有効化

SOAHOST1ホスト名に対してADMINVHNを有効にします。

第8.2項「SOAHOST1でのVIP1の有効化」


WebLogicドメインの作成

構成ウィザードを起動してWebLogicドメインを作成します。

第8.3項「SOAHOST1での構成ウィザードを使用したドメインの作成」


構成後タスクおよび検証タスク

構成後タスクおよび検証タスクの手順に従います。

第8.4項「構成後タスクおよび検証タスク」


SOAHOST2へのドメイン構成の伝播

起動スクリプトとクラスパス構成を管理サーバーのドメイン・ディレクトリから管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに伝播します。

第8.5項「SOAHOST2へのドメイン構成の伝播」


WebLogicドメインでのOracle HTTP Serverの構成

Oracle HTTP ServerをWebLogicドメインを使用して構成し、構成を検証します。

第8.7項「WebLogicドメインのOracle HTTP Serverの構成」


ドメインのバックアップ

新しく構成したWebLogicドメインをバックアップします。

第8.9項「WebLogicドメイン構成のバックアップ」



一度このドメインを作成および構成すると、次の章で説明するOracle SOAコンポーネント、Oracle BAMまたはOracle BAMをドメインに追加するためのドメイン拡張を実行できます。

8.2 SOAHOST1でのVIP1の有効化

SOAがインストールされているかどうかにかかわらず、この手順は管理サーバーのフェイルオーバーを可能にするために必要です。

管理サーバーは仮想ホスト名(ADMINVHN)に関連付けます。仮想ホスト名は、DNSサーバーとカスタムの/etc/hostエントリのいずれかによって、適切な仮想IP (VIP1)にマップする必要があります。SOAトポロジの必要なノードで、名前解決システム(DNSサーバー、/etc/hosts)に従ってADMINVHNが使用可能であることを確認します。この仮想ホスト名(ADMINVHN1)に関連付けられた仮想IP (VIP1)は、SOAHOST1で有効になっている必要があります。

仮想IPを有効にするには、第3.5項「管理サーバーの仮想IPアドレスの有効化」を参照してください。

8.3 SOAHOST1での構成ウィザードを使用したドメインの作成

Oracle共通ホーム・ディレクトリで構成ウィザードを実行して、管理サーバーとOracle Web Services Managerを含むドメインを作成します。後で、SOAコンポーネントを収めるようにこのドメインを拡張します。

ドメインを作成する手順:

  1. リポジトリをインストールしたデータベースを実行していることを確認します。Oracle RACデータベースの場合は、後で実行する検証チェックの信頼性を確保するために、すべてのインスタンスを実行しておく必要があります。

  2. ディレクトリを構成ウィザードの場所に変更します。これはSOAホーム・ディレクトリ内にあります。SOAHOST1で次のコマンドを実行します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
  3. Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを開始します。

    ./config.sh
    
  4. 「ようこそ」画面で、「新しいWebLogicドメインの作成」を選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「ドメイン・ソースの選択」画面が表示されます(図8-1)。

    図8-1「ドメイン・ソースの選択」画面

    図8-1の説明が続きます
    「図8-1 「ドメイン・ソースの選択」画面」の説明

    「ドメイン・ソースの選択」画面で、次の手順を実行します。

    • 「以下の製品をサポートするために、自動的に構成されたドメインを生成する」を選択します。

    • 次の製品を選択します。

      • WebLogic Serverの基本ドメイン - 10.3.6.0 [wlserver_10.3](これは自動的に選択されます)

      • Oracle Enterprise Manager - 11.1.1.0 [oracle_common]

      • Oracle WSM Policy Manager 11.1.1.0 [oracle_common]

      • Oracle JRF - 11.1.1.0 [oracle_common]

    いくつかのターゲットを間違って選択解除した場合は、この画面で次の項目が選択されていることを確認します。

    • Oracle Enterprise Manager

    • Oracle WSM Policy Manager

    • Oracle JRF

    「次へ」をクリックします。

  6. 「ドメイン名と場所の指定」画面で、ドメイン名(soaedg_domain)を入力します。

    ドメイン・ディレクトリが第4章「各種ディレクトリの推奨場所について」で推奨されているディレクトリおよび共有記憶域のマウント・ポイントと一致していることを確認します。ドメイン・ディレクトリには次のように入力します。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/
    

    アプリケーション・ディレクトリには次のように入力します。このディレクトリは共有記憶域内にある必要があります。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/applications
    
  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「管理者ユーザー名およびパスワードの構成」画面で、ドメインの管理者が使用するユーザー名とパスワードを入力します。

    「次へ」をクリックします。

  9. 「サーバーの起動モードおよびJDKの構成」画面で、次の手順を実行します。

    • 「WebLogicドメインの起動モード」には、「本番モード」を選択します。

    • 「JDKの選択」では、「JROCKIT SDK1.6.0_<version>」を選択します。

    「次へ」をクリックします。

  10. 「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面で、次の手順を実行します。

    • OWSM MDSスキーマを選択します。

    • 「コンポーネント・スキーマのOracle RAC構成」については、「GridLinkへ変換」を選択します。

    「次へ」をクリックします。

  11. 「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面が表示されます(図8-2)。

    図8-2 「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面

    「RACマルチ・データ・ソース・コンポーネント・スキーマの構成」画面

    この画面で、次の各フィールドに値を入力して、RCUでシードされたOracle RACデータベースの接続情報を指定します。

    • ドライバ: OracleのGridLinkConnections用ドライバ (Thin) バージョン: 10以上を選択します。

    • サービス名: データベースのサービス名を、小文字で入力します。例:

      soaedg.mycompany.com

    • ユーザー名: 対応するコンポーネントのデータベース・スキーマ・オーナーの名前を入力します。

    • パスワード: データベース・スキーマ・オーナーのパスワードを入力します。

    • 「FANの有効化」を選択します。

    • 「SSLの有効化」が選択解除されていることを確認します(暗号化するONS通知にsslが選択されている場合は、適切なウォレットとウォレット・パスワードを指定します)。

    • サービス・リスナー: 使用するRACデータベースのためのSCANアドレスとポートを入力します。このアドレスは、TCPプロトコルを使用してデータベース内の適切なパラメータを問い合せれば識別できます。

      SQL>show parameter remote_listener;
      
      NAME              TYPE                VALUE
      -------------------------------------------------------------
      remote_listener   string    db-scan.mycompany.com:1521
      

      注意:

      Oracle Database 11g リリース1 (11.1)では、次の例のように、各データベースのインスタンス・リスナーの仮想IPとポートを使用します。

      custdbhost1-vip.mycompany.com (port 1521)
      

      および

      custdbhost2-vip.mycompany.com (1521)
      

      Oracle Database 10gでは、Oracle RACデータベースへの接続にマルチ・データ・ソースを使用します。マルチ・データ・ソースの構成の詳細は、付録A「Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用」を参照してください。


    • ONSホスト: Oracle RACデータベースのSCANアドレスおよびデータベースから報告されたONSリモート・ポートを入力します。

      [orcl@db-scan1 ~]$ srvctl config nodeapps -s
       
      ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016 
      

      注意:

      Oracle Database 11gリリース1 (11.1)の場合は、各データベースのONSサービスのホスト名とポートを使用します。次に例を示します。

      custdbhost1.mycompany.com (port 6200)
      

      および

      custdbhost2.mycompany.com (6200)
      

  12. 「JDBCデータ・ソースのテスト」画面で、接続が自動的にテストされます。「ステータス」列に結果が表示されます。すべての接続が正常に確立したことを確認してください。正常に接続できない場合は、「前へ」をクリックして前の画面に戻り、入力内容を修正します。

    すべての接続に成功したら「次へ」をクリックします。

  13. 「詳細構成の選択」画面で、次の項目を選択します。

    • 管理サーバー

    • 管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン

    • デプロイメントとサービス

    「次へ」をクリックします。

  14. 「管理サーバーの構成」画面で、次の値を入力します。

    • 名前: AdminServer

    • リスニング・アドレス: ADMINVHN

    • リスニング・ポート: 7001

    • SSLリスニング・ポート: 該当なし

    • SSL有効: 選択解除

    「次へ」をクリックします。

  15. 「管理対象サーバーの構成」画面で、「追加」をクリックして次の管理対象サーバーを追加します。

    表8-2 管理対象サーバー

    名前 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLリスニング・ポート SSL有効

    WLS_WSM1

    SOAHOST1

    7010

    なし

    いいえ

    WLS_WSM2

    SOAHOST2

    7010

    なし

    いいえ


    「次へ」をクリックします。

  16. 「クラスタの構成」画面で、「追加」をクリックして次のクラスタを追加します。

    表8-3 クラスタ

    名前 クラスタ・メッセージング・モード マルチキャスト・アドレス マルチキャスト・ポート クラスタ・アドレス

    WSM-PM_Cluster

    ユニキャスト

    なし

    なし

    空白


    「次へ」をクリックします。

  17. 「サーバーのクラスタへの割当」画面で、次のようにサーバーをWSM-PM_Clusterに割り当てます。

    • WLS_WSM

    • WLS_WSM2

    「次へ」をクリックします。

  18. 「マシンの構成」画面で、「UNIXマシン」タブをクリックし、「追加」をクリックして次のマシンを追加します。


    注意:

    「名前」には任意の一意な文字列を指定できます。「ノード・マネージャ・リスニング・アドレス」には解決可能なホスト名を指定する必要があります。


    表8-4 マシン

    名前 ノード・マネージャのリスニング・アドレス

    SOAHOST1

    SOAHOST1

    SOAHOST2

    SOAHOST2

    ADMINHOST

    localhost


    他のフィールドはすべてデフォルト値のままにします。


    注意:

    マシン名は有効なホスト名またはリスニング・アドレスである必要はありません。これはノード・マネージャの場所を示す一意の識別子です。


    「次へ」をクリックします。

  19. 「サーバーのマシンへの割当」画面で、次のようにサーバーをマシンに割り当てます。

    • SOAHOST1: WLS_WSM1

    • SOAHOST2: WLS_WSM2

    • ADMINHOST: AdminServer

    「次へ」をクリックします。

  20. 「デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、wsm-pmアプリケーションがWSM-PM_Clusterのみにターゲット設定されていることを確認します。oracle.wsm.seedpoliciesライブラリは、WSM-PM_Clusterにターゲット設定します。その他すべてのデプロイメントが「AdminServer」にターゲット設定されていることを確認し、「次へ」をクリックします。

  21. 「サービスのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、次のように選択します。

    • 左側で「WSM-PM_Cluster」を選択します。右側で「JDBCシステム・リソース」を選択します。これにより、すべてのwsmデータソース(mds-owsm)を自動的に選択できます。

    • 左側で「管理サーバー」を選択します。右側で「JDBCシステム・リソース」を選択します。これにより、すべてのwsmデータソース(mds-owsm)を自動的に選択できます。

    すべてのJDBCシステム・リソースは、「Admin Server」「WSM-PM_Cluster」の両方にターゲット設定する必要があります。

    • 残りのすべてのサービスが「Admin Server」にターゲット設定されていることを確認します。

    • 「次へ」をクリックします。

    アプリケーションとリソースのターゲット設定の詳細は、付録B「アプリケーションとリソースのサーバーへのターゲット設定」を参照してください。

  22. 「構成サマリー」画面で「作成」をクリックします。

  23. 「ドメインの作成」画面で「完了」をクリックします。

8.4 構成後タスクおよび検証タスク

構成ウィザードでドメインを構成したら、次の手順に従って構成後タスクと検証タスクを実行します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.4.1 SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成

SOAHOST1上で管理サーバーのboot.propertiesファイルを作成します。ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動するには、この手順を必ず実行する必要があります。

管理サーバーのboot.propertiesファイルを作成する手順は次のとおりです。

  1. 次のディレクトリ構造を作成します。

    mkdir -p ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/servers/AdminServer/security
    
  2. テキスト・エディタで、次の行を記述したboot.propertiesというファイルを、前の手順で作成した最後のディレクトリに作成します。

    username=<adminuser>
    password=<password>
    

    注意:

    管理サーバーを起動すると、ファイル内のユーザー名とパスワードのエントリは暗号化されます。管理サーバーは、第8.4.3項「SOAHOST1での管理サーバーの起動」の手順で起動します。

    セキュリティ上の理由から、ファイル内のエントリが暗号化されていない時間を短くする必要があります。ファイルを編集した後、できるだけ速やかにサーバーを起動し、エントリを暗号化してください。


  3. ファイルを保存してエディタを閉じます。

8.4.2 SOAHOST1でのノード・マネージャの起動

SOAHOST1でノード・マネージャを起動するには、StartScriptEnabledプロパティを'true'に設定し、startNodeManager.shを使用してノード・マネージャを起動します。

SOAHOST1でノード・マネージャを起動する手順は次のとおりです。

  1. 次のディレクトリにあるsetNMProps.shスクリプトを実行します。

    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    

    StartScriptEnabledプロパティを'true'に設定してから、ノード・マネージャを起動します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./setNMProps.sh
    

    注意:

    クラスのロードの失敗やその他の問題を回避するには、StartScriptEnabledプロパティを使用します。詳細は、第16.14.5項「SOAサーバーの再起動に失敗したためにポリシー移行が未完になる」も参照してください。


  2. ノード・マネージャを起動します。

    cd WL_HOME/server/bin
    export JAVA_OPTIONS="-DDomainRegistrationEnabled=true"
    ./startNodeManager.sh
    

    注意:

    AdminServerを管理するノード・マネージャの起動時には、-DDomainRegistrationEnabled=trueを設定することが重要です。このマシンにAdminServerが存在せず、このマシンがAdminServerのフェイルオーバー・ノードでもない場合は、SOAHOAST1で次のコマンドを使用してノード・マネージャを起動できます。

    ./startNodeManager.sh
    

8.4.3 SOAHOST1での管理サーバーの起動

管理サーバーは、ノード・マネージャを使用して起動および停止します。ただし、初めてノード・マネージャで管理サーバーを起動するときに、構成ウィザードによりノード・マネージャにデフォルトで設定されているユーザー名とパスワードを変更する必要があります。そのため、管理サーバーの初回の起動時に起動スクリプトを使用します。

最初の起動操作には手順1から4が必要ですが、2回目以降の起動には手順4のみが必要です。

ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する手順は次のとおりです。

  1. SOAHOST1上のドメイン・ディレクトリの起動スクリプトを使用して、管理サーバーを起動します。

    cd ASERVER_HOME/bin
    ./startWebLogic.sh
    
  2. 管理コンソールを使用してノード・マネージャの資格証明を更新します。

    1. ブラウザで、次のURLにアクセスします。

      http://ADMINVHN:7001/console
      
    2. 管理者としてログインします。

    3. 「ロックして編集」をクリックします。

    4. domain_name(セキュリティ)タブ→「一般」をクリックして、下部にある「詳細」オプションを開きます。

    5. ノード・マネージャの新しいユーザー名を入力するか、既存のユーザー名を書き留めておいてノード・マネージャのパスワードを更新します。

    6. 「保存」「変更のアクティブ化」をクリックします。

  3. 管理サーバーのプロセスを停止します。そのためには、そのプロセスが起動したシェルで[Ctrl]キーを押しながら[C]キーを押すか、OSでプロセスを確認してkillコマンドを使用します。

  4. WLSTを起動して、nmconnectと前の手順で設定した資格証明により、ノード・マネージャに接続し、nmstartを使用して管理サーバーを起動します。手順2eで入力した、ノード・マネージャのユーザー名とパスワードを入力します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./wlst.sh
    

    WLSTシェルを起動したら、次のように指定します。

    wls:/offline>nmConnect('nodemanager_username','nodemanager_password',
    'SOAHOST1','5556','domain_name','ASERVER_HOME')
     
    wls:/nm/domain_name nmStart('AdminServer')
    

    注意:

    このユーザー名とパスワードは、ノード・マネージャとクライアントの間の接続の認証にのみ使用されます。これらは、サーバー管理IDおよびパスワードとは無関係であり、次のディレクトリにあるnm_password.propertiesファイルに格納されます。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name/config/nodemanager
    

8.4.4 GridLinkデータ・ソースの検証

サーバーが開始したら、GridLinkデーター・ソースが正しく構成され、ONS設定が正しいことを確認します。作成されたすべてのGridLinkデータ・ソースに対して、この手順を実行します。

GridLinkデータ・ソースの構成を検証する手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic管理コンソールにログインします。

  2. 「ドメイン構造」ツリーで「サービス」を開き、「データ・ソース」を選択します。

  3. 新しいデータ・ソースの内の1つをクリックします。

  4. 「監視」タブをクリックし、いずれかのサーバーを選択します。

  5. 「統計」タブをクリックし、いずれかのサーバーを選択します。

  6. 「ONS」タブをクリックし、「テスト」タブをクリックします。

  7. サーバーを選択して、「ONSのテスト」をクリックします。

    テストが両方とも成功すれば、正しく構成されています。ONSのテストが失敗した場合は、RACデータベース・ノードでONSサービスが実行されていることを確認します。

    orcl@db-scan1 ~]$ srvctl status scan_listener
    SCAN Listener LISTENER_SCAN1 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN1 is running on node db-scan1
    SCAN Listener LISTENER_SCAN2 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN2 is running on node db-scan2
    SCAN Listener LISTENER_SCAN3 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN3 is running on node db-scan2
     
    [orcl@db-scan1 ~]$ srvctl config nodeapps -s 
    ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016
     
    [orcl@db-scan1 ~]$ srvctl status nodeapps | grep ONS
    ONS is enabled
    ONS daemon is running on node: db-scan1
    ONS daemon is running on node: db-scan2
    

データ・ソースを使用するすべてのWebLogic Serverで、ONSテストを実行します。

8.4.5 管理サーバー構成の検証

ドメインに作成した管理サーバーが正しく構成されているかどうかを確認するため、Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインして管理対象サーバーとクラスタが表示されることを確認し、その後Oracle Enterprise Managerにログインします。

管理サーバーが適切に構成されていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. ブラウザで、次のURLにアクセスします。

    http://ADMINVHN:7001/console
    
  2. 管理者としてログインします。

  3. 管理対象サーバーとしてWLS_WSM1とWLS_WSM2が表示されていることを確認します。

  4. WSM-PM_Clusterクラスタが表示されていることを確認します。

  5. 次のURLのOracle Enterprise Managerにアクセスできることを確認します。

    http://ADMINVHN:7001/em
    
  6. 第8.4.1項「SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成」で指定したユーザー名とパスワードを使用してEMコンソールにログインします。

8.4.6 管理サーバーと同じノードでの管理対象サーバー用独立ドメイン・ディレクトリの作成

packコマンドおよびunpackコマンドを使用して、管理サーバーが使用するドメイン・ディレクトリを、SOAHOST1で管理対象サーバーが使用するドメイン・ディレクトリから分離します。ディレクトリを分離するこの処理は、第4章「エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備」で推奨されています。

unpackスクリプトを実行する前に、第4.3項「各種ディレクトリの推奨場所について」の説明のとおり次のディレクトリが存在することを確認してください。

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver

独立ドメイン・ディレクトリを作成する手順は次のとおりです。

  1. 次のように、packコマンドをSOAHOST1上で実行してテンプレート・パックを作成します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
     
    ./pack.sh -managed=true -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name -template=soadomaintemplate.jar -template_name=soa_domain_template
    
  2. 次のように、unpackコマンドをSOAHOST1上で実行して、このテンプレートを管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに解凍します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name 
    -template=soadomaintemplate.jar -app_dir=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications
    

注意:

unpackコマンドを実行するには、次のディレクトリに対する書込み権限が必要です。

/ORACLE_BASE/admin/domain_name

例:

ORACLE_BASE/admin/soaedg_domain/


注意:

このエンタープライズ・デプロイメント・トポロジで用意されている構成手順では、管理対象サーバーごとにローカル(ノード単位)のドメイン・ディレクトリが使用されると想定しています。


8.4.7 WSM-PM_ClusterへのJava Required Files (JRF)テンプレートの適用

構成ウィザードを使用してドメインが作成された後、WebLogic Serverのインストールに含まれていない多数のリソースをWSM-PM_Clusterにターゲット設定する必要があります。

これらのリソースをターゲット設定する手順は次のとおりです。

  1. 第8.4.1項「SOAHOST1での管理サーバー用boot.propertiesの作成」で指定したユーザー名とパスワードを使用してOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにログインします。

  2. 左側のナビゲーション・ツリーで、「Farm_<domain_name>」→「WebLogicドメイン」→「<domain_name>」を開き「WSM-PM_Cluster」を選択します。

  3. 右側で「JRFテンプレートの適用」をクリックします。

  4. 確認メッセージが画面に表示されるまで待ちます。

    このメッセージで、WSM-PM_ClusterクラスタにJRFテンプレートが正しく適用されていることを確認します。

  5. JRFテンプレートも管理サーバーに適用されていることを確認します。そうでない場合は、管理サーバー用のEnterprise Manager画面に「JRFテンプレートの適用」ボタンが表示されます。

アプリケーションとリソースのターゲット設定の詳細は、付録B「アプリケーションとリソースのサーバーへのターゲット設定」を参照してください。

8.4.8 ホスト名検証の無効化

この手順は、管理サーバーで様々なノードを認証するための適切な証明書をまだ設定していないために必要になる手順です(第13章「エンタープライズ・デプロイメント用のノード・マネージャの設定」を参照)。サーバー証明書を構成していないため、様々なWebLogic Serverを管理するときにエラーになります。このエラーを回避するには、トポロジの設定と検証を行う際にホスト名の検証を無効にし、第13章「エンタープライズ・デプロイメント用のノード・マネージャの設定」の説明に従ってエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの構成を完了した後に再びホスト名の検証を有効にします。

ホスト名検証を無効化するには:

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. 「ロックして編集」をクリックします。

  3. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

  4. 「サーバー」をクリックします。「サーバーの概要」ページが表示されます。

  5. 表の「名前」列の「AdminServer(admin)」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。

  6. 「SSL」タブをクリックします。

  7. 「詳細」をクリックします。

  8. 「ホスト名の検証」を「なし」に設定します。

  9. 「保存」をクリックします。

  10. WLS_WSM1サーバーについてステップ5から9を繰り返します。

  11. 変更を保存してアクティブ化します。

  12. 変更を有効にするには、管理サーバーを再起動します。

    管理サーバーを再起動する手順は次のとおりです。

    1. 「サーバーの概要」画面で、「制御」タブを選択します。

    2. 表で「AdminServer(admin)」を選択して、「停止」をクリックします。

    3. 管理サーバーは、第8.4.3項「SOAHOST1での管理サーバーの起動」の手順を使用して再度起動します。

8.4.9 WLS_WSM1管理対象サーバーの起動と検証

管理対象サーバーの構成後、正常に実行されているかどうかを確認します。Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、管理対象サーバーを起動しそのステータスを確認できます。

WLS_WSM1管理対象サーバーを起動して、このサーバーが正しく構成されていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. 次の手順に従い、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_WSM1管理対象サーバーを起動します。

    1. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

    2. 「サーバー」を選択します。「サーバーの概要」ページが表示されます。

    3. 「制御」タブをクリックします。

    4. 「WLS_WSM1」を選択して、「起動」をクリックします。

  2. 管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第16.14項「エンタープライズ・デプロイメントのトポロジのトラブルシューティング」を参照してください。

  3. 次のURLにアクセスします。

    http://SOAHOST1:7010/wsm-pm
    
  4. 「ポリシー・マネージャの検証」をクリックします。

    構成が正しい場合は、データ・ストアで使用できるポリシーとアサーション・テンプレートのリストが表示されます。ポリシーやアサーション・テンプレートがまったく表示されない場合は、構成が正しくありません。

8.5 SOAHOST2へのドメイン構成の伝播

SOAHOST1の構成が完了したら、unpackユーティリティを使用してSOAHOST2に構成を伝播し、伝播した構成を検証します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.5.1 unpackユーティリティを使用したSOAHOST2へのドメイン構成の伝播

unpackユーティリティを使用してドメイン構成を伝播します。unpackスクリプトを実行する前に、第4.3項「各種ディレクトリの推奨場所について」の説明のとおり次のディレクトリが存在することを確認してください。

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver

ドメイン構成を伝播する手順は次のとおりです。

  1. 次のコマンドをSOAHOST1上で実行して、前の手順で作成したテンプレート・ファイルをコピーします。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    scp soadomaintemplate.jar oracle@SOAHOST2:/ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
  2. SOAHOST2のWL_HOME/common/binディレクトリではなく、ORACLE_COMMON_HOME/common/binディレクトリからunpackコマンドを実行し、伝播するテンプレートを解凍します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name
    -template=soadomaintemplate.jar -app_dir=ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications
    

注意:

このエンタープライズ・デプロイメント・トポロジで用意されている構成手順では、管理対象サーバーごとにローカル(ノード単位)のドメイン・ディレクトリが使用されると想定しています。


8.5.2 アップロードおよびステージング・ディレクトリの絶対パスへの変更

ドメインの作成およびmserverディレクトリへの解凍の後、uploadおよびstageディレクトリを更新します。デフォルトでは次のディレクトリが設定されています。

./servers/AdminServer/upload

および

./servers/server_name/stage

結果として、これらのデフォルト・ディレクトリ・パスにより、リモート・デプロイメントに関する問題およびステージ・モードを使用したデプロイメントに関する問題が発生します。

これらの問題を回避するには、uploadディレクトリを次のディレクトリに更新します。

MSERVER_HOME/servers/AdminServer/upload

また、stageディレクトリを次のディレクトリに更新します。

MSERVER_HOME/servers/server_name/stage

すべてのサーバーについてこれらのディレクトリ・パスを更新します。

これらのディレクトリを更新する手順は次のとおりです。

  1. 管理コンソールにアクセスします。

  2. 左側のナビゲーション・ツリーで、「ドメイン」、「環境」の順に開きます。

  3. 「ロックして編集」をクリックします。

  4. 「サーバー」をクリックし、次にサーバーの名前をクリックします。

  5. 「構成」「デプロイメント」セクションで、UploadおよびStageディレクトリを変更します。

8.5.3 WLS_WSM2管理対象サーバーに対するホスト名検証の無効化

このガイドで説明するエンタープライズ・デプロイメントでは、Oracle SOA Suiteを使用するためのドメイン拡張手順を実行した後、適切な証明書を設定して管理サーバーで様々なノードを認証できるようにします。WLS_SOA1およびWLS_SOA2管理対象サーバーのホスト名検証を無効化して、様々なWebLogic Serverインスタンスを管理するときにエラーが出ないようにします。詳細は、第8.4.8項「ホスト名検証の無効化」を参照してください。

エンタープライズ・デプロイメントのトポロジ構成が完了したときに、ホスト名検証を再び有効化します。詳細は、第13.3項「SOAHOST1でのノード・マネージャに対するホスト名検証証明書の有効化」を参照してください。

8.5.4 SOAHOST2でのノード・マネージャの起動

ドメイン構成を伝播しホスト名検証を無効にしたら、StartNodeManager.shスクリプトを使用してノード・マネージャを起動します。

クラスのロードの失敗やその他の問題を回避するには、StartScriptEnabledプロパティを使用します。第16.14.5項「SOAサーバーの再起動に失敗したためにポリシー移行が未完になる」も参照してください。

SOAHOST2でノード・マネージャを起動する手順は次のとおりです。

  1. ノード・マネージャを起動する前に、ORACLE_COMMON_HOME/common/binディレクトリにあるsetNMProps.shスクリプトを実行し、StartScriptEnabledプロパティをtrueに設定します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./setNMProps.sh
    
  2. ノード・マネージャを起動します。

    cd WL_HOME/server/bin
    ./startNodeManager.sh
    

8.5.5 WLS_WSM2管理対象サーバーの起動と検証

管理コンソールを使用して、WLS_WSM2管理対象サーバーを起動して検証します。

WLS_WSM2管理対象サーバーを起動して、このサーバーが正しく構成されていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. 管理コンソールを使用してWLS_WSM2管理対象サーバーを起動します。

  2. 管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第16.14項「エンタープライズ・デプロイメントのトポロジのトラブルシューティング」を参照してください。

  3. 次のURLにアクセスします。

    http://SOAHOST2:7010/wsm-pm
    
  4. 「ポリシー・マネージャの検証」をクリックします。

8.6 Oracle WSMでのJava Object Cacheの構成

Oracle WSMが稼働するすべてのサーバー間でJavaオブジェクト・キャッシュ(JOC)を構成します。この手順はオプションですが、ローカル・キャッシュを保持することでキャッシュを検索する必要がなくなるため、Oracle WSMのパフォーマンスが向上します。

B2Bアグリーメントの配信チャネルを頻繁に変更する予定の場合は、B2BのMDS更新にJOCを使用します。

次のディレクトリにあるconfigure-joc.pyスクリプトを使用してJavaオブジェクト・キャッシュを構成します。

MW_HOME/oracle_common/bin/

これはWLSTオンライン・モードで実行するPythonスクリプトであるため、管理サーバーが稼働している必要があります。

Oracle製品のJOCポートを構成する場合は、9988から9998の範囲のポートを使用します。

Oracle WSMのJavaオブジェクト・キャッシュを構成する手順は次のとおりです。

  1. コマンド行のOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して、SOAHOST1上の管理サーバーに接続します。次に例を示します。

    MW_HOME/soa/common/bin/wlst.sh
    connect()
    

    入力を求められた場合は、サーバーのURL (t3://ADMINVHN:7001)およびOracle WebLogic Server管理者のユーザー名とパスワードを入力します。

  2. wlstを使用して管理サーバーに接続したら、execfileコマンドを次のように使用してスクリプトを起動します。

    wls:/mydomain/serverConfig> execfile('MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py')
    
  3. 指定されたクラスタのすべての管理対象サーバーのJOCを構成します。

    スクリプトでクラスタ名を指定するかどうかを尋ねられたら「y」と入力し、さらにクラスタ名と検出ポートの入力を求められたらそれらも指定します。これによって、指定されたクラスタのすべての管理対象サーバーが検出され、JOCが構成されます。検出ポートは、そのクラスタのJOC構成全体で共通になります。例:

    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>
    Enter Cluster Name : WSM-PM_Cluster
    Enter Discover Port : 9991
    

    次に、HA環境でconfigure-joc.pyを使用したときのやり取りを示します。

    execfile('MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py')
    .
    Enter Hostnames (eg host1,host2) : SOAHOST1,SOAHOST2
    .
    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>y
    .
    Enter Cluster Name : WSM-PM_Cluster
    .
    Enter Discover Port : 9991
    .
    Enter Distribute Mode (true|false) <true> : true
    .
    Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n> n
    
  4. wlstコマンドまたはconfigure-joc.pyスクリプトを使用してJavaオブジェクト・キャッシュを構成したら、影響を受ける管理対象サーバーをすべて再起動して、その構成を有効にする必要があります。

このスクリプトは、次のオプションのJOC構成の実行にも使用できます。

CacheWatcherユーティリティを使用し、JOCの構成を確認します。『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。

『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』で説明しているように、Oracle WebLogic管理コンソールで「HAパワー・ツール」タブを使用してJavaオブジェクト・キャッシュ(JOC)を構成できます。

8.7 WebLogicドメインのOracle HTTP Serverの構成

この項では、WebLogicドメインのOracle HTTP Serverの構成タスクと、構成の検証タスクについて説明します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.7.1 管理サーバーとWLS_WSMn管理対象サーバーについてのOracle HTTP Serverの構成

WLS_WSMn管理対象サーバーが属するWSM-PM_Clusterと管理サーバーにOracle HTTP Serverからルーティングできるようにするには、WebLogicClusterパラメータをこのクラスタにあるノードのリストに設定する必要があります。

WebLogicClusterパラメータを設定する手順は次のとおりです。

  1. WEBHOST1とWEBHOST2上で、次のディレクトリにあるadmin_vh.confおよびsoainternal_vh.confファイルにディレクティブを追加します。

    ORACLE_BASE/admin/instance_name/config/OHS/component_name/moduleconf
    

    第7.6項「仮想ホストの定義」の指示に従って、admin_vh.confおよびsoainternal_vh.confファイルを作成しておく必要があります。

    次のディレクティブをadmin_vh.confファイルの<VirtualHost>タグ内に追加します。

    # Admin Server and EM
    <Location /console>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicHost ADMINVHN
        WeblogicPort 7001
    </Location>
    
    <Location /consolehelp>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicHost ADMINVHN
        WeblogicPort 7001
    </Location>
    
    <Location /em>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicHost ADMINVHN
        WeblogicPort 7001
    </Location>
    

    admin_vh.confファイルは、例8-1のように表示されます。

  2. 次のディレクティブをsoainternal_vh.confファイルの<VirtualHost>タグ内に追加します。

    # WSM-PM
    <Location /wsm-pm>
        SetHandler weblogic-handler
        WebLogicCluster SOAHOST1:7010,SOAHOST2:7010
        WLProxySSL ON
        WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    

    soainternal_vh.confファイルは、例8-2のように表示されます。

  3. WEBHOST1およびWEBHOST2の両方で、Oracle HTTP Serverを再起動します。

    WEBHOST1> ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs1
    
    WEBHOST2> ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs2
    

例8-1 admin_vh.confファイル

# The admin URLs should only be accessible via the admin virtual host 

<VirtualHost *:7777>
    ServerName admin.mycompany.com:80
    ServerAdmin you@your.address
    RewriteEngine On
    RewriteOptions inherit

# Admin Server and EM
<Location /console>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicHost ADMINVHN
    WeblogicPort 7001
</Location>

<Location /consolehelp>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicHost ADMINVHN
    WeblogicPort 7001
</Location>

<Location /em>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicHost ADMINVHN
    WeblogicPort 7001
</Location>
</VirtualHost>

例8-2 soainternal_vh.confファイル

<VirtualHost *:7777>
    ServerName soainternal.mycompany.com:80
    ServerAdmin you@your.address
    RewriteEngine On
    RewriteOptions inherit

# WSM-PM
<Location /wsm-pm>
    SetHandler weblogic-handler
    WebLogicCluster SOAHOST1:7010,SOAHOST2:7010
    WLProxySSL ON
    WLProxySSLPassThrough ON
</Location>
</VirtualHost>

WebLogicClusterパラメータで指定したサーバーは、起動時のプラグインに対してのみ重要な役割を持ちます。このノードのリストには、実行しているクラスタ・メンバーを1つ以上記述しておく必要があります。記述しておかないと、このプラグインで他のクラスタ・メンバーを検出できません。Oracle HTTP Serverの起動時には、リストに記述したクラスタ・メンバーを実行している必要があります。Oracle WebLogic Serverとこのプラグインの連携により、クラスタに発生した新規のクラスタ・メンバー、失敗したクラスタ・メンバーおよびリカバリしたクラスタ・メンバーを反映してサーバーのリストが自動的に更新されます。

次に例を示します。

  • 例1: 2つのノードで構成したクラスタに3番目のメンバーを追加する場合、そのメンバーを追加するために構成を更新する必要はありません。3番目のメンバーは、実行時に自動的に検出されます。

  • 例2: クラスタは3つのノードで構成されていても、構成に記述されているノードはそのうちの2つのみであるとします。Oracle HTTP Serverを起動するときにこの2つのノードが両方とも停止していると、プラグインはクラスタを検出できません。Oracle HTTP Serverを起動するときは、リストに記述したノードを1つ以上実行している必要があります。

    クラスタのメンバーをすべてリストに記述した場合は、Oracle HTTP Serverの起動時にそのうちの1つ以上を実行しておくことで、クラスタに確実に到達できます。

WebLogic Serverプラグインの構成の詳細は、『Oracle WebLogic ServerにおけるWebサーバー・プラグインの使用』ガイドを参照してください。

8.7.2 WebLogicプラグイン有効化フラグの有効化

セキュリティのため、またロード・バランサがSSLリクエストを終了するため(Oracle HTTP ServerはリクエストをWebLogic Serverに非SSLとしてルーティングします)、ロード・バランサにSSLを構成した場合、そのドメインに対しWebLogicプラグイン有効化フラグをオンにする必要があります。

WebLogicプラグイン有効化フラグを有効にする手順は次のとおりです。

  1. 管理コンソールにログインします。

  2. 左側のナビゲーション・ツリーからドメイン名をクリックします。

  3. 「Webアプリケーション」タブをクリックします。

  4. 「ロックして編集」をクリックします。

  5. 「WebLogicプラグインの有効化」チェック・ボックスを選択します。

  6. 変更を保存してアクティブ化します。

8.7.3 WebLogic ServerへのOracle HTTP Serverの登録

Oracle WebLogicドメインが作成されたら、Oracle Web Tierをドメインに接続できます。これには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してOracle Web層を管理および監視できるというメリットがあります。

Oracle Web TierをWebLogicドメインに関連付けるには、次のコマンドを使用します。

WEBHOST1> cd ORACLE_BASE/admin/instance_name/bin

WEBHOST1> ./opmnctl registerinstance -adminHost ADMINVHN -adminPort 7001 -adminUsername weblogic

このコマンドは、OHS2に対してWEBHOST2からも実行する必要があります。

Oracle HTTP Serverの登録後、Oracle Enterprise Managerコンソールで管理可能なターゲットとして表示されます。これを確認するには、Enterprise Managerコンソールにログインします。ナビゲーション・ツリーにある「WebTier」項目に、該当のOracle HTTP Serverが登録されていることが示されます。

8.7.4 管理コンソールのフロントエンドURLの設定とリダイレクション・プリファレンスの設定

ロード・バランサを使用してOracle WebLogic Server管理コンソールにアクセスする場合、管理サーバーのフロントエンドURLを変更し、ユーザーのブラウザが適切なロード・バランサ・アドレスにリダイレクトされるようにする必要があります。

Oracle WebLogic Server管理コンソール・アプリケーションでは、コンソールを使用して、ポート、チャネル、セキュリティに対する変更を追跡します。コンソールを使用して行われた変更をアクティブ化するとき、コンソールは現在のリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルを検証します。このリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルがまだ有効の場合、コンソールはHTTPリクエストをリダイレクトし、ホストとポートの情報を管理サーバーのリスニング・アドレスとポートに置き換えます。

管理サーバーのフロントエンドURLを変更する手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. 「ロックして編集」をクリックします。

  3. 「ドメイン構造」ウィンドウの「環境」ノードを開きます。

  4. 「サーバー」をクリックして、「サーバーの概要」ページを開きます。

  5. 表の「名前」列で「管理サーバー」を選択します。「AdminServer(admin)」の「設定」ページが表示されます。

  6. 「プロトコル」タブをクリックします。

  7. 「HTTP」タブをクリックします。

  8. 「フロントエンド・ホスト」「admin.mycompany.com」に設定し、「フロントエンドHTTPポート」「80」に設定します(管理URLにHTTPSを使用する場合は、適宜変更します)。

  9. 変更を保存してアクティブ化します。

  10. 変更がアクティブ化されたときにコンソールで構成ページがリロードされないように、Oracle WebLogic Server管理コンソールで構成変更の追跡を無効にします。

    1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    2. バナー内の「プリファレンス」リンクをクリックします。

    3. 「共有プリファレンス」タブをクリックします。

    4. 「構成変更の追跡」チェック・ボックスの選択を解除します。


注意:

フロントエンド・ホストやポートの設定を変更した後、構成の変更をアクティブ化できない場合は、第16.14.14項「管理コンソールで変更をアクティブ化した後にユーザーがログイン画面にリダイレクトされる」を参照してください。


8.7.5 Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証

Oracle HTTP Serverを介したアクセスを検証する手順は次のとおりです。

管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。「管理」「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第16.14項「エンタープライズ・デプロイメントのトポロジのトラブルシューティング」を参照してください。

次のURLを使用し、両方のOracle HTTP Serverを介してWSM-PM_Clusterを検証します。

  • http://WEBHOST1:7777/wsm-pm

  • http://WEBHOST2:7777/wsm-pm

  • http://WEBHOST1:7777/console

  • http://WEBHOST2:7777/console

  • http://WEBHOST1:7777/em

  • http://WEBHOST2:7777/em

  • https://soa.mycompany.com/wsm-pm

  • http://admin.mycompany.com/console

  • http://admin.mycompany.com/em

フロントエンドURLをロード・バランサのアドレスに設定すると、WEBHOSTnアドレスを介したコンソールへのアクセスはコンソールによってフロントエンドURLにリダイレクトされるため、Oracle HTTP Serverとロード・バランサの両方の構成が正しいことを検証できます。

ロード・バランサを介したシステム・アクセスの構成の詳細は、第3.3項「ロード・バランサの構成」を参照してください。

第8.7.3項「WebLogic ServerへのOracle HTTP Serverの登録」の説明に従ってOracle HTTP Serverを登録すると、そのOracle HTTP Serverは管理可能なターゲットとしてOracle Enterprise Managerコンソールに表示されます。これを確認するには、Enterprise Managerコンソールにログインします。ナビゲーション・ツリーにある「WebTier」項目に、該当のOracle HTTP Serverが登録されていることが示されます。

8.8 管理サーバーの手動フェイルオーバーの検証

ドメインの構成後、第16.7項「管理サーバーの手動フェイルオーバーの確認」の手順に従って、フェイルオーバーをテストします。

8.9 WebLogicドメイン構成のバックアップ

バックアップを実行してドメイン構成を保存します。最初にサーバーが停止していることを確認します。構成ファイルは次のディレクトリにあります。

ORACLE_BASE/admin/domain_name

ドメイン構成をバックアップするには、SOAHOST1で次のコマンドを実行します。

tar -cvpf edgdomainback.tar ORACLE_BASE/admin/domain_name

次のコマンドを使用して、Web層のインスタンス・ホームをバックアップします。

tar -cvpf BACKUP_LOCATION/web_instance_name.tar ORACLE_INSTANCE