Oracle Virtual Assembly Builder。この章には次の項が含まれます:
表1-1に、Oracle Virtual Assembly Builderのインストールに必要な手順を示します。
表1-1 Oracle Virtual Assembly Builderのインストール手順におけるタスク
タスク | 説明およびドキュメント |
---|---|
インストール用のシステム環境の準備。 |
システム環境がOracle Virtual Assembly Builderの一般的なインストール要件を満たしていることを確認します。 次の項を参照してください。 |
参照システムが設定されていることの確認。 |
Oracle Virtual Assembly Builderのイントロスペクション機能を使用してアプライアンスを作成するには、適切な参照システムを設定する必要があります。これらのシステム要件および設定については、製品固有のドキュメントを参照してください。 |
デプロイメント環境のインストールおよび構成。 |
アセンブリをデプロイするには、Oracle VM環境をインストールおよび構成する必要があります。詳細は、Oracle VM( |
アプリケーション・サーバーのインストール。 |
Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤには、Oracle MiddlewareホームにOracle WebLogic Serverをインストールする必要があります。 Oracle WebLogic Serverをインストールすると、Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤのインストールに必要なMiddlewareのホームおよびWebLogicホーム・ディレクトリが作成されます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のMiddlewareおよびWebLogicのホーム・ディレクトリに関する項を参照してください。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』の次の各項も参照してください。
|
Oracle Virtual Assembly Builderのインストール。 |
このインストーラを使用して、Oracle Virtual Assembly Builder Studioおよびデプロイヤをインストールし、Studioインスタンスを構成します。 これによって、次のディレクトリが作成されます。
インストール手順については、第2章「Oracle Virtual Assembly Builderのインストール」を参照してください。 |
Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤ用にOracle WebLogic Serverドメインを作成および構成します。 |
Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、WebLogicドメインを作成し、Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤを構成します。 ドメインのホーム・ディレクトリの場所を指定するように要求されます(管理サーバーがある場所です)。このディレクトリは、システム上の任意の場所でかまいません。 構成ウィザードの起動、WebLogicドメインの作成、手動での構成の実行およびセキュリティの構成については、第3章「Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤの構成」を参照してください。 |
サーバーの開始。 |
管理サーバーを起動します。 管理サーバーを起動する手順については、『Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動および停止に関する説明を参照してください。 |
Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤコンポーネントは、Oracle WebLogic Server内部で動作します。CLIおよびStudioグラフィカル・ユーザー・インタフェースは、Oracle WebLogic Serverで公開されるWebサービス経由でOracle Virtual Assembly Builderデプロイヤと対話します。インストールおよび構成プロセスの一部として、Oracle WebLogic Serverを構成する必要があります。
次のいずれかのインストール・オプションを選択できます。
このオプションでは、Oracle Virtual Assembly Builder Studioのみがインストールされます。アプライアンスとアセンブリの作成、アプライアンス・テンプレートとアセンブリ・アーカイブの作成、およびデプロイメント計画の作成をするための機能が含まれています。
このオプションでは、新規または既存のMiddlewareホームの新規Oracleホームにインストールされます。
このオプションでは、abctlコマンドラインおよびStudioグラフィカル・ユーザー・インタフェースが公開されます。
このオプションでは、Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤのみがインストールされます。デプロイメント・ターゲットの構成、デプロイヤへのアセンブリ・アーカイブのアップロード、アセンブリ・インスタンスの作成、アセンブリ・インスタンスのデプロイ/アンデプロイ/起動/停止、およびアプライアンス・インスタンスのスケーリングを行う機能が含まれます。
Oracle WebLogic Serverは、Middlewareホームに事前にインストールされている必要があります。
Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤは、Oracle WebLogic ServerがインストールされているMiddlewareホームの新しいOracleホームにインストールされます。
このオプションでは、abctlコマンドラインおよびWebサービス・インタフェースが公開されます。
デフォルトのインストール・オプションでは、Oracle Virtual Assembly Builder Studioとデプロイヤの両方がインストールされます。これには、Oracle Virtual Assembly Builder StudioおよびOracle Virtual Assembly Builderデプロイヤのインストール・オプションの説明で記載している機能が含まれます。
Oracle WebLogic Serverは、Middlewareホームに事前にインストールされている必要があります。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioおよびデプロイヤの両方が、Oracle WebLogic ServerがインストールされているMiddlewareホームの新しいOracleホームにインストールされます。
このオプションでは、abctlコマンドライン、Studioグラフィカル・ユーザー・インタフェースおよびWebサービス・インタフェースが公開されます。
処理を進める前に、この項をお読みください。ここでは、セキュリティに関する非常に需要な情報および対策を示しています。ここに示す内容を理解していないと、セキュリティの脆弱性が生じる可能性があります。
インストールを行うユーザーは信頼できるユーザーで、信頼できるOSグループのメンバーである必要があります。
テンプレートの作成プロセスでは、テンプレートを作成するオペレーティング・システム(OS)・ユーザーが、Oracle Virtual Assembly Builderのbin
ディレクトリを所有するOSユーザーと同じであることを確認するために、セキュリティ・チェックが行われます。製品をインストールするOSユーザーを、テンプレートを作成するOSユーザーと同じにすることによって、セキュリティ・チェックが確実に正常に完了します。
Oracle WebLogic Serverは、Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤをデプロイする前に、セキュアな構成にインストールされる必要があります。
Oracle Virtual Assembly Builderでは、仮想化インフラストラクチャとしてOracle VMの製品セットが使用されます。
Oracle Virtual Assembly BuilderおよびOracle VM Managerは、ネットワークおよびストレージ集中型の製品です。Oracle VMサーバー、Oracle VM ManagerおよびOracle Virtual Assembly Builderは、VMのイントロスペクション、登録およびデプロイメントの流れの中でネットワークを介して対話を行います。
この設定には、次の特性があります。
合計で16GB以上の物理メモリー、ギガビット・ネットワーク機能、高容量かつ高速の記憶領域(様々なテストおよび構成用)、許容できる処理能力を備えたOracle VMサーバー・プール・マシン。高速プロセッサ、メモリーおよび高性能の記憶域サブシステムを備えたサーバー・クラスのマシンで最高のパフォーマンスが得られます。
別のマシンでホストされるOracle VM Managerマシン。このマシンは、OEL x86_64 Linuxを実行し、ギガビット・ネットワーク・スイッチによってOracle VMサーバー・プールに接続される必要があります。
イントロスペクションおよびファイル・セットの取得を高速化するために、参照システム(イントロスペクトする計画の製品)をこのマシンにインストールすることも可能です。Oracle Virtual Assembly Builderもリモート・イントロスペクションをサポートするため、参照システムをOracle Virtual Assembly Builderと共存させる必要はありません。コンポーネント用に作成されるOracle Virtual Assembly Builderの様々なアーティファクトのサイズが大きいため、このマシンのディスク領域に十分な余裕があることを確認する必要があります。
デプロイメント対象のアセンブリのアプライアンスに静的IPアドレスを使用する場合は、アプライアンス・インスタンスごとに1つの静的IPアドレスが必要です。
Oracle Virtual Assembly Builderを使用する前に、ご使用の環境が次の前提条件を満たしていることを確認します。この項目はインストールには不要ですが、Oracle Virtual Assembly Builderを使用するために必要な環境コンポーネントです。
インストールを開始する前に、ご使用の環境がすべての要件を満たしていることを確認します。
次の動作保証に関するドキュメントには、サポートされているインストール・タイプ、プラットフォーム、オペレーティング・システム、データベースおよびJDKが詳細に示されています。Oracle Fusion Middleware 11g リリース1のVirtual Assembly Builder(http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html
)を参照してください。
次のオペレーティング・システムがサポートされます。
Oracle Enterprise Linux 5 (UL3+)(32ビット。32ビット・モードでサポートされる64ビット)
Red Hat Enterprise Linux 5 (UL3+)(32ビット。32ビット・モードでサポートされる64ビット)
次のコマンドを使用して、ご使用のオペレーティング・システムのバージョンを確認できます。
Oracle Enterprise Linuxの場合:
# cat /etc/enterprise-release
Red Hat Enterprise Linuxの場合:
# cat /etc/redhat-release
Oracle Universal Installerには、Linux用のSun JDKが含まれています。インストール中にこれ(JDK)をインストールすることを選択でき、これをOracle Virtual Assembly Builderで使用できます。ユーザー独自のJDKインストールを使用することもできます。
http://edelivery.oracle.com/oraclevm
からOracle Enterprise Linux JeOSをダウンロードしてインストールします。eDeliveryを初めて使用する場合は登録が必要です。登録して続行します。
「ようこそ」画面で、「続行」をクリックします。「メディア・パックの検索」画面が表示されます。
「製品パック」(Oracle Linux)と「プラットフォーム」(x86 32ビット)を選択します。「移動」をクリックします。結果が表示されます。
「x86 (32ビット)用のOracle VMのテンプレート構築のOracle Linux JeOS」を選択します。「続行」をクリックします。利用可能なダウンロードが表示されます。
「ダウンロード」をクリックして、JeOSベースx86およびx86_64をダウンロードします。ファイルがダウンロードされます。
ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
(ルートとして)rpm
コマンドに-i
オプションを指定して使用し、ovm-modify-jeosパッケージをインストールします。
Oracle Open-OVFパッケージを、yumリポジトリのOVM 3.0チャネルからダウンロードしてインストールします。yumリポジトリの設定については、http://www.oracle.com/technetwork/topics/linux/yum-repository-setup-085606.html
を参照してください。
Unbreakable Linuxネットワークに関するホワイトペーパー(http://www.oracle.com/us/technologies/027615.pdf
)も参照してください(Oracle LinuxおよびOracle VMサポート・サブスクライバ向けの包括的なリソースで、yumプログラムおよびサポート・ポリシーに関する情報とともに、Linuxソフトウェアのパッチ、更新および修正にアクセスできます)。
サポートされるGuest OSは、Oracle Enterprise Linuxベース・イメージです。
注意: Oracle提供のサンプルOracle Enterprise Linuxベース・イメージをダウンロードするか、またはユーザー独自のものを作成することができます。サンプル・イメージは、Oracle Technology Network( ベース・イメージのアーキテクチャがご使用のコンポーネント・ソフトウェアに適合していることを確認します。すなわち、ご使用のコンポーネント・ソフトウェアが32ビットの場合は32ビットのベース・イメージを使用し、64ビットのコンポーネント・ソフトウェアの場合は64ビットのベース・イメージを使用します。 |
適切なベース・イメージを作成するには、次のことを確認してください。
Oracle Enterprise Linuxベース・イメージ(http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/vm/overview/templates-101937.html
を参照)。このページおよび参照先のページでは、ユーザー独自のシステム・ベース・イメージの作成に必要な情報が提供されます。
ベース・イメージを指定する際に、イメージは次の要件を満たしている必要があります。
Oracle Enterprise Linux 5 (UL3+)
/tmp用に250MB以上の空き領域。(アプライアンスを作成しデプロイする製品タイプに応じて、さらに多くの空き領域が必要な場合があります。固有の空き領域要件については、該当する製品のインストール・ガイドを参照してください)。
500MB以上のスワップ領域
次のパッケージ(RPM)をインストールしておく必要があります。
nc
libaio
zip
unzip
nfs-utils
xen-tool
ovmapi-lib
ovmapi-xenstoreprovider
kmod-ovmapi-xen
次のカーネル・モジュールをインストールします。
ovmapi_5.5.ko (32ビット)
ovmapi_5.3_64bit.ko (64ビット)
さらに、FMWコンポーネント用の仮想マシンをデプロイするために、次のものをインストールしておく必要があります。
gcc
gcc-c++
setarch
sysstat
libaio
libaio-devel
libstdc++
libstdc++-devel
compat-libstdc++
compat-db
control-center
glibc-common
binutils
make
openmotif22 (Oracle FormsおよびOracle Reportsの各サーバーでのみ必要)
Oracle Database用の仮想マシンをデプロイするために、次のものをインストールしておく必要があります。
binutils
compat-libstdc++
elfutils-libelf
elfutils-libelf-devel
gcc
gcc-c++
glibc
glibc-common
glibc-devel
glibc-headers
libaio
libaio-devel
libgcc
libstdc++
libstdc++-devel
make
numactl-devel
sysstat
ksh
FMWコンポーネントの場合、次のシェル・パラメータの設定が必要です。
soft=4096
hard=4096
Oracle Databaseの場合、次のシェル・パラメータの設定が必要です。
nproc-soft=2047
nproc=hard=16384
nofile-soft=1024
nofile-hard=65536
maxproc(ulimit -p)=16384
descriptors(ulimit -n)=65536
Oracle Databaseの場合、次のカーネル・パラメータの設定が必要です。
セマフォの制限
semmni=128 # max number of arrays; default is 128 semmsl=250 # max semaphores per array. default is 250 semmns=32000 # max semaphores system wide; default is 32000 semopm=100 # max ops per semop call; default is 32
共有メモリーの制限
shmmni=4096 # max number of segments; default is 4096 shmmax=0.5GB # max seg size (kbytes); default is 4194303, which is 3GB shmall=2097152 # max total shared memory (kbytes); default is 1073741824
ファイル記述子
file-max=6815744 # system wide file descriptors; default is 204573; aio-max-nr=Maximum:1048576 # default is 65536; ip_local_port_range=9000 65500 # default is 32768 61000; rmem_default=262144 # default is 109568; rmem_max=4194304 # default is 131071; wmem_default=262144 # default is 105968 wmem_max=1048576 # default is 131071
追加のデータベース要件は次のとおりです。
名前解決: /etc/hosts
ファイルによってホスト名が解決されていることを確認します。
/tmp
ディレクトリには1GB以上の領域が必要です。
/etc/pam.d/
ログイン・ファイルに、次の行を追加します。
session required pam_limits.so
イメージの作成中に、oraclevm-templates
を有効にする必要があります。
イメージの作成中に、iptables
を無効にすることをお薦めします。
sudo操作が機能するように、ベース・イメージではrequiretty
を無効にする必要があります。これは、Enterprise Manager経由でアセンブリ・アーカイブをデプロイするために必要です。
ベース・イメージでは、ユーザーをoracleとする必要があります。ベース・イメージにユーザーを追加する方法の1つに、ベース・イメージを起動し、これにルートとしてログオンして/usr/sbin/useradd oracle
を呼び出す方法があります。