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Oracle® Virtual Assembly Builderインストレーション・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.6)
B66715-02
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1 インストールの概要

Oracle Virtual Assembly Builder。この章には次の項が含まれます:

1.1 Oracle Virtual Assembly Builderのインストール・ロードマップ

表1-1に、Oracle Virtual Assembly Builderのインストールに必要な手順を示します。

表1-1 Oracle Virtual Assembly Builderのインストール手順におけるタスク

タスク 説明およびドキュメント

インストール用のシステム環境の準備。

システム環境がOracle Virtual Assembly Builderの一般的なインストール要件を満たしていることを確認します。

次の項を参照してください。

参照システムが設定されていることの確認。

Oracle Virtual Assembly Builderのイントロスペクション機能を使用してアプライアンスを作成するには、適切な参照システムを設定する必要があります。これらのシステム要件および設定については、製品固有のドキュメントを参照してください。

デプロイメント環境のインストールおよび構成。

アセンブリをデプロイするには、Oracle VM環境をインストールおよび構成する必要があります。詳細は、Oracle VM(http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/vm)を参照してください。

アプリケーション・サーバーのインストール。

Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤには、Oracle MiddlewareホームにOracle WebLogic Serverをインストールする必要があります。

Oracle WebLogic Serverをインストールすると、Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤのインストールに必要なMiddlewareのホームおよびWebLogicホーム・ディレクトリが作成されます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のMiddlewareおよびWebLogicのホーム・ディレクトリに関する項を参照してください。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』の次の各項も参照してください。

  • 最新バージョンをダウンロードする方法の説明は、製品配布に関する項を参照してください。

  • インストール手順は、グラフィカル・モードでのインストール・プログラムの実行に関する項を参照してください。

Oracle Virtual Assembly Builderのインストール。

このインストーラを使用して、Oracle Virtual Assembly Builder Studioおよびデプロイヤをインストールし、Studioインスタンスを構成します。

これによって、次のディレクトリが作成されます。

  • Middlewareホーム内のOracle Virtual Assembly Builderホーム。

  • Oracle Virtual Assembly Builder Studioインスタンス・ホーム。Studioインスタンスのホーム・ディレクトリの場所を指定するように要求されます(ご使用のシステムの任意の場所に配置可能です)。

インストール手順については、第2章「Oracle Virtual Assembly Builderのインストール」を参照してください。

Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤ用にOracle WebLogic Serverドメインを作成および構成します。

Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、WebLogicドメインを作成し、Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤを構成します。

ドメインのホーム・ディレクトリの場所を指定するように要求されます(管理サーバーがある場所です)。このディレクトリは、システム上の任意の場所でかまいません。

構成ウィザードの起動、WebLogicドメインの作成、手動での構成の実行およびセキュリティの構成については、第3章「Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤの構成」を参照してください。

サーバーの開始。

管理サーバーを起動します。

管理サーバーを起動する手順については、『Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動および停止に関する説明を参照してください。


1.1.1 インストールおよび構成オプション

Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤコンポーネントは、Oracle WebLogic Server内部で動作します。CLIおよびStudioグラフィカル・ユーザー・インタフェースは、Oracle WebLogic Serverで公開されるWebサービス経由でOracle Virtual Assembly Builderデプロイヤと対話します。インストールおよび構成プロセスの一部として、Oracle WebLogic Serverを構成する必要があります。

次のいずれかのインストール・オプションを選択できます。

1.1.1.1 Studioのみのインストール

このオプションでは、Oracle Virtual Assembly Builder Studioのみがインストールされます。アプライアンスとアセンブリの作成、アプライアンス・テンプレートとアセンブリ・アーカイブの作成、およびデプロイメント計画の作成をするための機能が含まれています。

このオプションでは、新規または既存のMiddlewareホームの新規Oracleホームにインストールされます。

このオプションでは、abctlコマンドラインおよびStudioグラフィカル・ユーザー・インタフェースが公開されます。

1.1.1.2 デプロイのみのインストール

このオプションでは、Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤのみがインストールされます。デプロイメント・ターゲットの構成、デプロイヤへのアセンブリ・アーカイブのアップロード、アセンブリ・インスタンスの作成、アセンブリ・インスタンスのデプロイ/アンデプロイ/起動/停止、およびアプライアンス・インスタンスのスケーリングを行う機能が含まれます。

Oracle WebLogic Serverは、Middlewareホームに事前にインストールされている必要があります。

Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤは、Oracle WebLogic ServerがインストールされているMiddlewareホームの新しいOracleホームにインストールされます。

このオプションでは、abctlコマンドラインおよびWebサービス・インタフェースが公開されます。

1.1.1.3 Studioおよびデプロイヤのインストール(デフォルトのインストール・オプション)

デフォルトのインストール・オプションでは、Oracle Virtual Assembly Builder Studioとデプロイヤの両方がインストールされます。これには、Oracle Virtual Assembly Builder StudioおよびOracle Virtual Assembly Builderデプロイヤのインストール・オプションの説明で記載している機能が含まれます。

Oracle WebLogic Serverは、Middlewareホームに事前にインストールされている必要があります。

Oracle Virtual Assembly Builder Studioおよびデプロイヤの両方が、Oracle WebLogic ServerがインストールされているMiddlewareホームの新しいOracleホームにインストールされます。

このオプションでは、abctlコマンドライン、Studioグラフィカル・ユーザー・インタフェースおよびWebサービス・インタフェースが公開されます。

1.2 セキュリティ対策

処理を進める前に、この項をお読みください。ここでは、セキュリティに関する非常に需要な情報および対策を示しています。ここに示す内容を理解していないと、セキュリティの脆弱性が生じる可能性があります。

1.3 推奨トポロジ

Oracle Virtual Assembly Builderでは、仮想化インフラストラクチャとしてOracle VMの製品セットが使用されます。

Oracle Virtual Assembly BuilderおよびOracle VM Managerは、ネットワークおよびストレージ集中型の製品です。Oracle VMサーバー、Oracle VM ManagerおよびOracle Virtual Assembly Builderは、VMのイントロスペクション、登録およびデプロイメントの流れの中でネットワークを介して対話を行います。

この設定には、次の特性があります。

1.4 環境に関する考慮事項

Oracle Virtual Assembly Builderを使用する前に、ご使用の環境が次の前提条件を満たしていることを確認します。この項目はインストールには不要ですが、Oracle Virtual Assembly Builderを使用するために必要な環境コンポーネントです。

1.4.1 参照システムにおける解凍ツール

Oracle Virtual Assembly Builderでは、リモート・イントロスペクションが正しく機能するために、参照システムに解凍ユーティリティ必要です。

1.4.2 SSHポート転送の有効化が必須

Oracle Virtual Assembly Builderでは、リモート操作(イントロスペクションやパッケージ化など)が正しく機能するために、参照システムでSSHポート転送が有効化される必要があります。

1.5 動作保証およびシステム要件

インストールを開始する前に、ご使用の環境がすべての要件を満たしていることを確認します。

1.5.1 動作保証

次の動作保証に関するドキュメントには、サポートされているインストール・タイプ、プラットフォーム、オペレーティング・システム、データベースおよびJDKが詳細に示されています。Oracle Fusion Middleware 11g リリース1のVirtual Assembly Builder(http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html)を参照してください。

1.5.2 システム要件

次の要件を満たしていることを確認してください。

1.5.2.1 オペレーティング・システム

次のオペレーティング・システムがサポートされます。

  • Oracle Enterprise Linux 5 (UL3+)(32ビット。32ビット・モードでサポートされる64ビット)

  • Red Hat Enterprise Linux 5 (UL3+)(32ビット。32ビット・モードでサポートされる64ビット)

次のコマンドを使用して、ご使用のオペレーティング・システムのバージョンを確認できます。

  • Oracle Enterprise Linuxの場合:

    # cat /etc/enterprise-release
    
  • Red Hat Enterprise Linuxの場合:

    # cat /etc/redhat-release
    

1.5.2.2 Java Development Kit

Oracle Universal Installerには、Linux用のSun JDKが含まれています。インストール中にこれ(JDK)をインストールすることを選択でき、これをOracle Virtual Assembly Builderで使用できます。ユーザー独自のJDKインストールを使用することもできます。

1.5.2.3 Oracle Enterprise Linux JeOS

http://edelivery.oracle.com/oraclevmからOracle Enterprise Linux JeOSをダウンロードしてインストールします。eDeliveryを初めて使用する場合は登録が必要です。登録して続行します。

  1. 「ようこそ」画面で、「続行」をクリックします。「メディア・パックの検索」画面が表示されます。

  2. 「製品パック」(Oracle Linux)と「プラットフォーム」(x86 32ビット)を選択します。「移動」をクリックします。結果が表示されます。

  3. 「x86 (32ビット)用のOracle VMのテンプレート構築のOracle Linux JeOS」を選択します。「続行」をクリックします。利用可能なダウンロードが表示されます。

  4. 「ダウンロード」をクリックして、JeOSベースx86およびx86_64をダウンロードします。ファイルがダウンロードされます。

  5. ダウンロードしたzipファイルを解凍します。

  6. (ルートとして)rpmコマンドに-iオプションを指定して使用し、ovm-modify-jeosパッケージをインストールします。

1.5.2.4 Oracle Open-OVF

Oracle Open-OVFパッケージを、yumリポジトリのOVM 3.0チャネルからダウンロードしてインストールします。yumリポジトリの設定については、http://www.oracle.com/technetwork/topics/linux/yum-repository-setup-085606.htmlを参照してください。

Unbreakable Linuxネットワークに関するホワイトペーパー(http://www.oracle.com/us/technologies/027615.pdf)も参照してください(Oracle LinuxおよびOracle VMサポート・サブスクライバ向けの包括的なリソースで、yumプログラムおよびサポート・ポリシーに関する情報とともに、Linuxソフトウェアのパッチ、更新および修正にアクセスできます)。

1.5.2.5 システムのベース・イメージ

サポートされるGuest OSは、Oracle Enterprise Linuxベース・イメージです。


注意:

Oracle提供のサンプルOracle Enterprise Linuxベース・イメージをダウンロードするか、またはユーザー独自のものを作成することができます。サンプル・イメージは、Oracle Technology Network(http://www.oracle.com/technology/products/ovab)で入手できます。

ベース・イメージのアーキテクチャがご使用のコンポーネント・ソフトウェアに適合していることを確認します。すなわち、ご使用のコンポーネント・ソフトウェアが32ビットの場合は32ビットのベース・イメージを使用し、64ビットのコンポーネント・ソフトウェアの場合は64ビットのベース・イメージを使用します。


適切なベース・イメージを作成するには、次のことを確認してください。

  • Oracle Enterprise Linuxベース・イメージ(http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/vm/overview/templates-101937.htmlを参照)。このページおよび参照先のページでは、ユーザー独自のシステム・ベース・イメージの作成に必要な情報が提供されます。

    ベース・イメージを指定する際に、イメージは次の要件を満たしている必要があります。

    • Oracle Enterprise Linux 5 (UL3+)

    • /tmp用に250MB以上の空き領域。(アプライアンスを作成しデプロイする製品タイプに応じて、さらに多くの空き領域が必要な場合があります。固有の空き領域要件については、該当する製品のインストール・ガイドを参照してください)。

    • 500MB以上のスワップ領域

    • 次のパッケージ(RPM)をインストールしておく必要があります。

      • nc

      • libaio

      • zip

      • unzip

      • nfs-utils

      • xen-tool

      • ovmapi-lib

      • ovmapi-xenstoreprovider

      • kmod-ovmapi-xen

    • 次のカーネル・モジュールをインストールします。

      • ovmapi_5.5.ko (32ビット)

      • ovmapi_5.3_64bit.ko (64ビット)

    • さらに、FMWコンポーネント用の仮想マシンをデプロイするために、次のものをインストールしておく必要があります。

      • gcc

      • gcc-c++

      • setarch

      • sysstat

      • libaio

      • libaio-devel

      • libstdc++

      • libstdc++-devel

      • compat-libstdc++

      • compat-db

      • control-center

      • glibc-common

      • binutils

      • make

      • openmotif22 (Oracle FormsおよびOracle Reportsの各サーバーでのみ必要)

    • Oracle Database用の仮想マシンをデプロイするために、次のものをインストールしておく必要があります。

      • binutils

      • compat-libstdc++

      • elfutils-libelf

      • elfutils-libelf-devel

      • gcc

      • gcc-c++

      • glibc

      • glibc-common

      • glibc-devel

      • glibc-headers

      • libaio

      • libaio-devel

      • libgcc

      • libstdc++

      • libstdc++-devel

      • make

      • numactl-devel

      • sysstat

      • ksh

    • FMWコンポーネントの場合、次のシェル・パラメータの設定が必要です。

      • soft=4096

      • hard=4096

    • Oracle Databaseの場合、次のシェル・パラメータの設定が必要です。

      • nproc-soft=2047

      • nproc=hard=16384

      • nofile-soft=1024

      • nofile-hard=65536

      • maxproc(ulimit -p)=16384

      • descriptors(ulimit -n)=65536

    • Oracle Databaseの場合、次のカーネル・パラメータの設定が必要です。

      • セマフォの制限

        semmni=128 # max number of arrays; default is 128
        semmsl=250 # max semaphores per array. default is 250
        semmns=32000 # max semaphores system wide; default is 32000
        semopm=100 # max ops per semop call; default is 32
        
      • 共有メモリーの制限

        shmmni=4096 # max number of segments; default is 4096
        shmmax=0.5GB # max seg size (kbytes); default is 4194303, which is 3GB
        shmall=2097152 # max total shared memory (kbytes); default is 1073741824
        
      • ファイル記述子

        file-max=6815744 # system wide file descriptors; default is 204573;
        aio-max-nr=Maximum:1048576 # default is 65536;
        ip_local_port_range=9000 65500 # default is 32768 61000;
        rmem_default=262144 # default is 109568;
        rmem_max=4194304 # default is 131071;
        wmem_default=262144 # default is 105968
        wmem_max=1048576 # default is 131071
        
    • 追加のデータベース要件は次のとおりです。

      • 名前解決: /etc/hostsファイルによってホスト名が解決されていることを確認します。

      • /tmpディレクトリには1GB以上の領域が必要です。

      • /etc/pam.d/ログイン・ファイルに、次の行を追加します。

        session required pam_limits.so
        
    • イメージの作成中に、oraclevm-templatesを有効にする必要があります。

    • イメージの作成中に、iptablesを無効にすることをお薦めします。

    • sudo操作が機能するように、ベース・イメージではrequirettyを無効にする必要があります。これは、Enterprise Manager経由でアセンブリ・アーカイブをデプロイするために必要です。

    • ベース・イメージでは、ユーザーをoracleとする必要があります。ベース・イメージにユーザーを追加する方法の1つに、ベース・イメージを起動し、これにルートとしてログオンして/usr/sbin/useradd oracleを呼び出す方法があります。


      注意:

      oracleユーザーのプライマリ・グループは、oracleである必要があります。デフォルトでは、oracleユーザーの作成時に自動的に設定されます。手動で設定するには、グループを作成し、次のように実行して、これをoracleユーザーに割り当てます。

      /usr/sbin/groupadd oracle
      /usr/sbin/usermod -g oracle -a -G oracle oracle
      

      ベース・イメージを作成する手順については、modifyjeosのドキュメントを参照してください。