Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integratorアプリケーション・アダプタ・ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B70181-02 |
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この章では、Oracle Data IntegratorでのJD Edwards Worldナレッジ・モジュールの使用方法について説明します。
この章では、次の項目について説明します。
JD Edwards(JDE)Worldは、は、ビジネス価値、標準ベースのテクノロジおよび業界での豊富な経験を結合し、総所有コストの低いビジネス・ソリューションを実現する、包括的なERPソフトウェアの統合アプリケーション・スイートです。
Oracle Data IntegratorのJDEナレッジ・モジュールは、次のような目的で、JDE Worldの成熟したデータベースレベルの統合メソッドを使用しています。
JDE Worldデータ構造のリバース・エンジニアリング
JDE Worldからのデータの読取り(ダイレクト・データベース統合)
JDE WorldアプリケーションへのZ表によるデータの書込み(インタフェース表の統合)
Oracle Data Integratorには、JDE Worldデータを処理するためのナレッジ・モジュールが用意されています。これらのリストを表4-1に示します。これらの特定のJDE World KMでは、Oracle Data IntegratorによるJDE Worldのプラットフォームと任意のデータベース・アプリケーションとの接続性および統合を提供しています。
JDE Worldデータでの作業を開始する前に、この項の情報を必ず読んでください。
インストールを実行する前に、システム要件および動作要件のドキュメントを読んで、使用する環境がインストールする製品の最低インストール要件を満たすことを確認する必要があります。
サポートされているプラットフォームおよびバージョンのリストには、次のOracle Technical Network (OTN)からアクセスできます。
http://www.oracle.com/technology/products/oracle-data-integrator/index.html
この項では、JDE Worldナレッジ・モジュールのテクノロジ固有の要件をリストします。
IKM JDE World Control Append
RPGプログラムには次のファイルが必要です。
JDEWorldJDBC.jar
:このJDE World JDBCドライバ・ファイルは、userlib
フォルダまたはdriver
フォルダに置く必要があります。
これらのフォルダの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorインストレーション・ガイドの追加ドライバとオープン・ツールの追加に関する項を参照してください。
WorldBase.jar
- このjarファイルは、userlib
フォルダまたはdriver
フォルダに置く必要があります。
config.xml
- この構成ファイルはODI_HOME/odi/bin
フォルダに置く必要があります。
注意: この3つのファイルはODIとともに提供され、 |
ヒント:
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RKM JDE World
RKM JDE Worldには、テクノロジ固有の要件はありません。
Oracle Data Integratorは、JDBC接続を使用して、JDE Worldデータをホストするデータベースに接続します。
IKM JDE World Control AppendおよびRKM JDE Worldの両方で、標準のIBM Toolbox for Javaドライバ(jt400.jar
)が使用され、ここで、SQL問合せを実行してデータベースに挿入またはアクセスし、JDE Worldのメタデータ情報を抽出します。
注意: JDBC URLでは、 アプリケーションが |
IBM DB2 for iSeriesとのJDBC接続性の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド』のIBM DB2 for iSeriesの接続性要件に関する項を参照してください。
この手順では、データ・サーバー、およびJDE Worldデータの格納に使用される物理スキーマと論理スキーマを、Oracle Data Integratorでで宣言します。
JDE World表は、IBM DB2 for iSeriesライブラリに格納されています。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド』のDB2/400データ・サーバーの作成に関する項に記載されている標準の手順で、IBM DB2 for iSeriesテクノロジ用のデータ・サーバーを作成します。
注意: データ・サーバーの接続パラメータを定義する際、JDBC URLフィールドに たとえば、次のようになります。
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このデータ・サーバーは、JDE Worldデータを格納するライブラリを指している必要があります。
4.3.1項「データ・サーバーの作成」で作成したデータ・サーバーの下に物理スキーマを作成します。『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の物理スキーマの作成に関する項に記載されている標準の手順に従います。
このスキーマは、リバース・エンジニアリングするJDE World表を含むライブラリを指している必要があります。
注意: JDE表を格納するライブラリは、物理スキーマ定義で作業スキーマとして定義しないでください。また、このライブラリは、インタフェースのステージング領域として使用しないでください。 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の論理スキーマの作成に関する項に記載されている標準の手順で、この物理スキーマ用の論理スキーマを作成し、特定のコンテキストで関連付けます。
JDE Worldの機能を使用してプロジェクトを設定するには、標準の手順に従います。『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の統合プロジェクトの作成に関する項を参照してください。
次のKMをOracle Data Integratorプロジェクトにインポートします。
IKM JDE World Control Append
RKM JDE World
これらの特定のJDE World KMに加えて、JDE World表をホストするテクノロジの標準LKMをインポートします。利用できるKMのリストは、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド』のIBM DB2 for iSeriesナレッジ・モジュールに関する項を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のモデルの作成に関する項の説明に従って、JDE World表をホストするIBM DB2/400テクノロジおよび、標準の手順を使用したJDE World接続の構成時に作成された論理スキーマに基づいてモデルを作成します。
JDE RKMはJDE表のリバース・エンジニアリングを行うことができます。これらのRKMは、表やインタフェース表など、JDEオブジェクトからメタデータを取得します。
RKM JDE Worldを使用して、JDE表のカスタマイズされたリバース・エンジニアリングを実行するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のモデルのリバースエンジニアリングに関する項に記載されている通常の手順を使用します。この項では、JDE World表固有のフィールドのみについて説明します。
モデルの「リバース」タブで、RKM JDE Worldを選択します。
次のようにRKMのオプションを設定します。
JDE_DATA_TABLES: データ表のリバース・エンジニアリングを行うには、このオプションをYES
に設定します。
JDE_Z_TABLES: インタフェース表(Z表)のリバース・エンジニアリングを行うには、このオプションをYES
に設定します。
JDE_MODULES: JDEシステムの短縮名が次のように示されます。
00
は、基盤環境です。
01
は、アドレス帳です。
02
は、電子メールです。
%
は、すべてのJDEシステムです。
デフォルトは01
です。
注意: モジュールのリストも指定できます。このリストでは、モジュールは次の例のように、カンマで区切り、一重引用符で囲む必要があります。
|
JDE_LANGUAGE: E
は英語、F
はフランス語、S
はスペイン語など、オブジェクトの説明やコメントの取得に使用する言語を示します。デフォルトはE
です。
リバースする表を選択するには、「マスク」フィールドでリバース・マスクを指定します。「リバース」タブの「マスク」フィールドで、名前に基づいてリバース・エンジニアリングされるオブジェクトがフィルタ処理されます。「マスク」フィールドは空にしないでください。少なくともパーセント記号(%
)を含める必要があります。
リバース・エンジニアリング・プロセスによって、モジュールごとにグループ化されたデータストアが返されます。これらのデータストアを統合インタフェースのソースまたはターゲットとして使用できます。
JDE Worldのデータ表は統合インタフェースのソースとして使用できます。JDE Z表は、統合インタフェースのターゲットとして使用できます。
インタフェース用に選択したKMによって、このインタフェースの機能およびパフォーマンスが決まります。この項に示す推奨事項は、JDE Worldデータのロードおよび統合に関連する様々な状況でのKMの選択に役立ちます。
RKM JDE Worldを使用してリバース・エンジニアリングを実行すると、JDE Worldのデータ表を統合インタフェースのソースとして使用し、JDE Worldアプリケーションからデータを抽出して他のシステム(データ・ウェアハウス、他のデータベースなど)に統合できます。
この状況でJDE Worldをソースとして使用することは、統合インタフェースでソースとしてDB2/400を使用することと同じです。汎用SQLおよびIBM DB2 for iSeriesのKMをこの目的で使用できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド』の次の章を参照してください。
「汎用SQL」
「IBM DB2 for iSeries」
RKM JDE Worldを使用してリバース・エンジニアリングを実行すると、JDE Z表をインタフェースのターゲットとして使用し、IKM JDE World Control Appendにより任意のシステムからのデータをJDE Worldアプリケーションにロードできます。
JDE Worldへのデータの統合は、次の2つのフェーズで実行されます。
最初のフェーズでは、RPGプログラムをコールすることなく、いくつかのインタフェースを使用して、データがZ表のセットに統合されます。これらのインタフェースでは、JDE_INVOKEオプションをNo
に設定して、IKM JDE World Control Appendを使用できます。
2番目のフェーズでは、RPGプログラムが起動され、Z表からのデータがJDE Worldに統合されます。これは、一般的に、最後に要求されるZ表をロードするインタフェースで行われます。このインタフェースでは、JDE_INVOKEオプションをYes
に設定して、IKM JDE World Control Appendを使用します。
これらのインタフェースはパッケージに並べる必要があります。
Oracle Data Integratorでは、自動的にRPGプログラムをコールしてJDE Worldに書き込むことができます。IKMでのRPGプログラム・コールの有効化は、JDEへの移入に必要なすべてのZ表をロードした後でのみ行ってください。IKM JDE World Control Appendにより、RPGプログラムがコールされるとともにZ表のロードが可能となります。
JDE Worldをターゲットにするインタフェースを作成する手順は次のとおりです。
Z表をターゲット・データストアとして統合インタフェースを作成します。
通常どおり結合、フィルタおよびマッピングを作成します。
「フロー」タブで、IKM JDE World Control Appendを選択します。
標準のKMオプション(INSERT、COMMIT、FLOW_CONTROL)を設定します。
このインタフェースでRPGプログラムを起動する場合は、KMオプションを次のように指定します。
JDE_INVOKEオプションをYes
に設定します。
セキュリティ・ファイルを作成する場合は、表4-2に示すように接続関連のオプションを設定します。
表4-2 接続関連KMオプション
オプション | 値 | 備考 |
---|---|---|
USE_SECURITY_FILE |
Yes |
RPGプログラム実行時のセキュリティを向上させるため、システムはJDE_SECURITY_FILEオプションで指定されたテキスト・ファイルを読み取り、このテキスト・ファイルに示されているJD Edwards Worldのユーザー、パスワード、環境およびアドレスを使用します。 |
JDE_SECURITY_FILE |
接続セキュリティ・ファイルの絶対パス |
このファイルには、JDE_USER、JDE_PASSWORD、JDE_ENVIRONMENTおよびJDE_ADDRESSの各オプションで指定したJDE Worldのユーザー、パスワード、環境およびアドレスが含まれています。詳細は、次のセキュリティ・ファイルの例を参照してください。 USE_SECURITY_FILEがYesに設定されている場合は必須です。この場合は、JDE_USER、JDE_PASSWORD、JDE_ENVIRONMENTおよびJDE_ADDRESSの値を設定する必要はありません。 RPGプログラムに必要なファイルとともに提供されたテンプレート・セキュリティ・ファイルを使用できます。詳細は、4.2.2項「テクノロジ固有の要件」のヒントを参照してください。 |
JDE_USER |
JDE Worldユーザー |
ユーザーは、ONEWORLDプロファイルを所有する必要があります。 |
JDE_PASSWORD |
JDE Worldパスワード |
ユーザーのJDE Worldパスワードです。 |
JDE_ENVIRONMENT |
JDE World環境 |
JDE Worldの環境です。 |
JDE_ADDRESS |
JDE Worldアドレス |
iSeriesサーバーのIPアドレスまたは完全アドレスです。 |
次の例はセキュリティ・ファイルを示しています。セキュリティ・ファイル内では同じ構文名とキー名を使用する必要があります。
Username=ODI Password=password Environment=JDEENV Address=iseries.organization.com
RPGプログラムのパラメータを表4-3に示すように設定します。
表4-3 RPGプログラム関連KMオプション
オプション | 値 | 備考 |
---|---|---|
JDE_PRGNAME |
PRGプログラムの名前 |
例: |
JDE_CLNAME |
PRGプログラムのタイプ |
例: |
JDE_VERSION |
処理するレポートのバージョンの名前 |
例: 注意:
|
JDE_KCO |
バッチID |
例: バッチIDによって、RPGプログラムで処理される行を指定できます。 |
JDE_EDTN |
トランザクションID |
例: トランザクションIDによって、1つのトランザクション内の複数の行をグループ化できます。これは通常、ヘッダー詳細表のケースです。ヘッダーは、トランザクションIDによって詳細にリンクされています。このIKMでは切捨ては行われません。 |
IKM JDE World Control Appendの制限
RECYCLE_ERRORSオプションを使用している場合、インタフェースに更新キーを設定する必要があります。
このモジュールをジャーナル化されたソース表と組み合せて使用する場合、ソースの削除を含めないようデータが自動的にフィルタ処理されます。
FLOW_CONTROLおよびSTATIC_CONTROLオプションは、無効なデータを分離するためにチェック・ナレッジ・モジュールをコールします(CKMが設定されていない場合、エラーが発生します)。
RPGプログラムは、JDE World iSeriesサーバー上で実行する必要があります。
Oracle Data Integratorランタイム・エージェントは、このサーバー上にインストールできます。
RPGプログラムが起動されたかどうかの情報以外に、ODIはプログラムの実行に関する詳細を示しません。プログラムの実行の詳細を把握するには、iSeriesサーバーで作成されたログ・ファイルを確認するか、スプール・ファイル(WRKSPLF
)コマンドでWorkを発行します。