Site Studioで作成したWebサイトは、コンテンツ・サーバーの1つのインスタンスに存在します。ある時点で、コンテンツ・サーバーから別のコンテンツ・サーバーにサイトをコピーできます。このプロセスをレプリケーションと言います。レプリケーションは、多くの場合、2つ(またはそれ以上)のコンテンツ・サーバーでサイトを複製する際に管理者によって使用されます。たとえば、開発用サーバーと本番用サーバーでサイトを複製する場合です。このコピー・プロセスは、すべてのサーバーでサイトが現在の状態で維持されるように自動化できます。
この項の内容は次のとおりです。
レプリケーションの理解を深めるには、関連用語とプロセスを把握する必要があります。Site Studioではコンテンツ・サーバーのアーカイバ/レプリケータ・ツールを使用してサイトをレプリケートするため、詳細はコンテンツ・サーバーのドキュメントで確認できます。
サイトをレプリケートするには、複数の手順を実行して、サイトのコピー先のサーバー(ターゲット・サーバー)でそのサイトが適切に機能するかどうかを確認する必要があります。また、ターゲット・サーバーの環境を準備して、2つのサーバーが相互対話するように構成し、両方のサーバーでアーカイブを設定して、レプリケーションを実行する必要があります。
ほとんどのレプリケーション機能は、コンテンツ・サーバーの「サイト・レプリケーションの管理」ページにありますが、Site Studio Replicatorを使用して、レプリケーションをさらにカスタマイズすることも可能です。4つのパートで構成されるこのウィザードでは、サイトの各セクションをレプリケートし、ターゲット・サーバーでセクションをマージして、環境プロパティを上書きすることができます。
サイトをレプリケートする場合、サイト階層やサイト・アセットなどをコピーします。Site Studioのレプリケーション機能では、コンテンツ・サーバーの既存のレプリケーション・フレームワーク(アーカイバ/レプリケータ)を使用します。そのため、以前にこのツールを使用したことがある場合は、Site Studioでの手順にほとんど慣れているはずです。
次の項で、レプリケーションについてさらに詳しく説明します。
Site Studioのレプリケーション・プロセスには、ソース・サーバー、ターゲット・サーバー、エクスポート・アーカイブ、インポート・アーカイブおよび転送があります。
エクスポート: ネイティブ・ファイル、Webで参照可能なファイル、コンテンツ・タイプおよびユーザー属性が、ソース・コンテンツ・サーバーからエクスポート・アーカイブにコピーされます。
インポート: ファイルとコンテンツ・サーバーの情報が、インポート・アーカイブからターゲット・コンテンツ・サーバーにコピーされます。
転送: コンテンツが、あるコンテンツ・サーバーから別のコンテンツ・サーバーに転送されます。この機能を使用すると、ファイアウォールを越えて、または同じファイル・システムにアクセスできない2つのサーバー間でコンテンツをコピーできます。また、同じファイル・システムにアクセスできる2つのコンテンツ・サーバー間でアーカイブを転送することもできます。
レプリケート: エクスポート、インポートおよび転送の各手順を自動化します。レプリケーションを使用すると、あるコンテンツ・サーバーからのエクスポート、別のコンピュータへのアーカイブの転送、別のコンテンツ・サーバーへのインポートを自動で行うことができます。
レプリケーション・プロセスは次の手順で構成されます。
Site Studioのレプリケーション機能を使用して、あるコンテンツ・サーバーから別のコンテンツ・サーバーにサイトをレプリケートする場合、次のアイテムがレプリケートされます。
サイトのコンテンツをレプリケートするには、xWebsites、xWebsiteSectionおよびxWebsiteObjectTypeのメタデータの値がサイトで正しく使用されることが重要です。
最新のエクスポート日よりも遅いリリース日のリビジョンがエクスポートされます。このため、すでにエクスポートされたコンテンツがアーカイブでエクスポートされることはありません。これにより、コンテンツは確実に1回のみ移行され、アーカイブのサイズが無制限に大きくなることはありません。さらに、エクスポートの問合せに一致するコンテンツの選択されたリビジョンがすべてアーカイブにエクスポートされます。これはリリース日のフィルタと連動し、必要なWebサイトのコンテンツが確実にレプリケートされます。
Site Studioのレプリケーション機能にはその他の便利な設定がいくつかあり、サイトの正常なレプリケートが保証されます。
コンテンツの構成情報は、2つのコンテンツ・サーバー間でメタデータ・モデルを同期化する管理者のためにあります。(Site Studioではこの情報は使用されません。)
ソース・アーカイブは、転送の所有者(ソース・アーカイブからターゲット・アーカイブへの転送を開始するコンテンツ・サーバー)とみなされます。
ターゲット・サーバーのインポート・アーカイブは、ターゲット・アーカイブとみなされます。ターゲット・アーカイブは、ソース・サーバーからエクスポートおよび転送されたコンテンツを受信してから、ターゲット・サーバーにそのコンテンツをインポートします。
Site Studioのレプリケーション機能は、あるコンテンツ・サーバーから別のコンテンツ・サーバーにサイトをコピーします。ただし、ソース・サーバーからターゲット・サーバーへのコンテンツ・サーバー環境のコピーは行いません。
サイトをレプリケートする前に、ターゲット・サーバー上のコンテンツ・サーバー環境がソース・サーバーと同様に設定されているかどうか(少なくともサイトで使用される部分)を確認する必要があります。この手順を省略すると、レプリケーション・プロセス中にWebサイトで問題が発生します。
コンテンツ・サーバー環境を複製する手順は、組織やWebサイトごとに異なります。そのため、ここでは一般的なガイドラインを示します。
ターゲット・サーバー環境を手動で構成するには、次の作業を行います。
ソース・サーバーで使用されるメタデータ・モデルを再作成します。このモデルには、すべてのカスタム・メタデータ・フィールドと新規ファイルの形式があります。サイトが適切に機能するには、このメタデータが必要です。たとえば、ファイルのチェックインは一般的にメタデータ設定に依存し、サイトの特定の機能はカスタム・メタデータ・フィールドに依存します。
サイトで使用するすべてのコンポーネントをソース・サーバーに再インストールします。再インストールの対象コンポーネントは、Dynamic Converter (ネイティブ・ドキュメントの場合)とCheck Out and Open (コントリビューション・アイコンを使用してネイティブ・ドキュメントをチェックアウトする場合)です。
管理対象外のリソースを再作成します。再作成の対象リソースは、サイトで使用されるカスタムActiveXコントロールまたはJSPオブジェクトなどです。
サーバーに導入したその他の構成設定を再作成します。再作成の対象は、サーバーの動作を変更したすべての設定です。
バージョン7.5.2以降のOracle Content Server (10gR3など)を実行している場合は、Content Serverの構成移行ユーティリティを使用して、コンテンツ・サーバー環境をレプリケートできます。次の手順では、外部プロバイダを設定します(第B.3項「ソース・サーバーでの外部プロバイダの設定」を参照)。
Oracle Content Serverでのプロバイダは、2つ以上のコンテンツ・サーバー間の接続を確立するAPI (Application Programming Interface)になります。Webサイトをレプリケートするには、ソース・サーバーとターゲット・サーバー間の接続を確立する外部プロバイダをソース・サーバーで作成する必要があります。
ターゲット・サーバーを構成すると(第B.2項「レプリケーション用のターゲット・サーバーの構成」を参照)、ソース・サーバーで外部プロバイダを設定する準備ができます。
ソース・サーバーで外部プロバイダを設定するには、次の作業を行います。
「新規プロバイダの作成」の下のプロバイダ・タイプ「送信」のそばにある「追加 」をクリックします。
「プロバイダ名」には、プロバイダを特定する名前を入力します(前述の図を参照)。名前はこのページの「プロバイダ」リストに表示され(名前の追加後)、ソース・サーバーの[CS-Dir]/data/providers/のサブディレクトリになります。
「プロバイダ・クラス」には、intradoc.provider.SocketOutgoingProvider (外部プロバイダのJavaクラスの名前)を入力します。
「接続クラス」には、intradoc.provider.SocketOutgoingConnection (プロバイダ接続を実装するJavaクラスの名前)を入力します。
「構成クラス」は空白のままで構いません(その他の構成設定のJavaクラスを特定します。データベース・プロバイダの場合に役立ちます)。
「サーバー・ホスト名」には、ターゲット・サーバーの名前(通常はシステムの名前またはIPアドレス)を入力します。
このホストに対するソケット接続が確立されます。
「HTTPサーバー・アドレス」(ターゲット・サーバーのHTTPアドレス。このタイプの接続には必要ありません)は空白のままで構いません。
「サーバー・ポート」には、ターゲット・サーバーとの通信に使用するポート(通常は4444)を入力します。
ポートを決定するには、コンテンツ・サーバーの開始時にサーバー出力を表示します。
「相対Webルート」には、ターゲット・コンテンツ・サーバーの相対Webルート(/stellent/など)を入力します。
残りのオプションは、このタイプの接続に不要な場合は省略できます。
「追加」を押して、プロバイダ情報を保存し、「プロバイダ」ページに戻ります。(「プロバイダ」リストに、追加した外部プロバイダが含まれます。)
コンテンツ・サーバーを再起動します。
プロバイダをテストして、プロバイダが適切に設定されたことを確認するには、「プロバイダ」ページに戻り、外部プロバイダのそばにある「テスト」をクリックします。
外部プロバイダを設定する他に、ソース・サーバーがターゲット・サーバーと通信できるように、ターゲット・システムでサーバーIPアドレスのフィルタを構成する必要があります(詳細は、Oracle Content Serverのヘルプを参照してください)。
ファイアウォールが配置されている場合は、手順10で定義したポートでのソース・サーバーからターゲット・サーバーへの接続を許可する必要があります。
次の手順では、インポート・アーカイブを作成します(第B.4.1項「ターゲット・サーバーでのインポート・アーカイブの設定」を参照)。
あるコンテンツ・サーバーから別のコンテンツ・サーバーにサイトをレプリケートする場合、Site Studioのレプリケーション機能では、サイトのコンテンツをエクスポート・アーカイブにエクスポートします。エクスポート・アーカイブのコンテンツは、ターゲット・サーバーに存在するインポート・アーカイブにコピーされます。その後、インポート・アーカイブがそのターゲット・サーバーに抽出されるため、新しいサーバーでサイトを参照して再度使用できます。
エクスポート・アーカイブはソース・サーバーで作成し、インポート・アーカイブはターゲット・サーバーで作成します。最初にインポート・アーカイブをターゲット・サーバーで作成する必要があります。これにより、エクスポート・アーカイブの設定時にインポート・アーカイブの場所を示すようにエクスポート・アーカイブを指定できます。
インポート・アーカイブは、ターゲット・コンテンツ・サーバーに存在します。レプリケーション中に、エクスポート・アーカイブのコンテンツ(ソース・サーバーに存在)はインポート・アーカイブにコピーされます。その後、インポート・アーカイブはコンテンツをターゲット・コンテンツ・サーバーにコピーして、レプリケーション・プロセスが完了します。
プロバイダ接続を設定すると(第B.3項「ソース・サーバーでの外部プロバイダの設定」を参照)、インポート・アーカイブを作成する準備ができます。ターゲット・サーバーの「サイト・レプリケーションの管理」ページでインポート・アーカイブを作成(または編集)します。
インポート・アーカイブを設定するには、次の作業を行います。
ターゲット・コンテンツ・サーバーに管理者としてログインします。メイン・メニューで、「管理」→「Site Studioの管理」→「サイト・レプリケーションの管理」を選択します。
または、既存のインポート・アーカイブを更新する場合は、アーカイブのリストでそのアーカイブをハイライト表示して、「設定の変更」をクリックします。
「アーカイブ名」のそばにアーカイブの名前を入力します(この名前は、「サイト・レプリケーションの管理」ページで使用可能なアーカイブのリストに表示されます)。
アーカイブ名には、空白や特殊文字を使用しないでください。
コントリビュータがターゲット・サイトの各リージョンに割り当てるコンテンツを保持するには、「インポート中は、ターゲット・サーバーで切り替えられたリージョン・コンテンツを維持します」を選択します。
これらは、データ・ファイルまたはネイティブ・ドキュメントをコントリビュータが切り替えた領域です。
コントリビュータがターゲット・サイトの各リージョンで編集するコンテンツを保持するには、「インポート中は、ターゲット・サーバーのリージョン・コンテンツを維持します」を選択します。
これにより、データ・ファイルやネイティブ・ドキュメントがソース・サーバーからターゲット・サーバーにコピーされたり、場合によってはコントリビュータが編集するファイルが上書きされたりすることがなくなります。
「アーカイブの追加」をクリックします。
または、既存のインポート・アーカイブを更新する場合は、「更新」をクリックします。
通常、開発用サーバー(ソース)からコントリビューション・サーバー(ターゲット)にレプリケートする場合、そのシナリオではコントリビュータが行った変更が失われないようにするため、リージョン・コンテンツと切り替えたリージョン・コンテンツの保持を選択します。
コントリビューション・サーバー(ソース)から消費サーバー(ターゲット)にレプリケートする場合、そのシナリオでは消費サーバーで変更した内容をすべて上書きするため、これらのオプションを無効にします(選択を解除します)。
次の手順では、エクスポート・アーカイブを作成します(第B.4.2項「ソース・サーバーでのエクスポート・アーカイブの設定」を参照)。
エクスポート・アーカイブは、ソース・コンテンツ・サーバーに存在し、Webサイトから情報を収集します。レプリケーション中に、エクスポート・アーカイブはターゲット・サーバーに存在するインポート・アーカイブにコピーされます。(インポート・アーカイブを最初に作成する必要があります。これにより、エクスポート・アーカイブの作成時にそのインポート・アーカイブを指し示すことができます。)
インポート・アーカイブを作成すると(第B.4.1項「ターゲット・サーバーでのインポート・アーカイブの設定」を参照)、エクスポート・アーカイブを作成する準備ができます。ソース・サーバーの「サイト・レプリケーションの管理」ページでエクスポート・アーカイブを作成(または編集)します。
エクスポート・アーカイブを設定するには、次の作業を行います。
「エクスポート・アーカイブの追加」をクリックします。
または、既存のエクスポート・アーカイブを更新する場合は、アーカイブのリストでそのアーカイブをハイライト表示して、「設定の変更」をクリックします。
「アーカイブ名」のそばにアーカイブの名前を入力します(この名前は、「サイト・レプリケーションの管理」ページで使用可能なアーカイブのリストに表示されます)。
アーカイブ名には、空白や特殊文字を使用しないでください。
レプリケートするWebサイトを「Webサイト」メニューで選択します。
サイト階層全体をレプリケートするには、「プロジェクト・ファイルをエクスポート・アーカイブに含める」を選択します。
サイト階層全体ではなく各セクションをレプリケートするには、このオプションの選択を解除して、次の手順に進み、第B.7項「サイトの各セクションのレプリケーション」の手順を実行します。
「転送先アーカイブ」では、このエクスポート・アーカイブのコピー先のターゲット・サーバーでアーカイブを選択します(第B.4.1項「ターゲット・サーバーでのインポート・アーカイブの設定」を参照)。
ソース・サーバーのコンテンツが変更されるとレプリケーション・プロセスが自動的に行われるようにするには、「新規および既存のコンテンツの自動エクスポート」を選択します。(このオプションを選択しない場合は、レプリケーションを手動でトリガーする必要があります。)
または、既存のエクスポート・アーカイブを更新する場合は、「更新」をクリックします。
エクスポート・アーカイブのWebサイトを選択する場合(手順7)、Site Studioではサイトに関連するコンテンツをすべてアーカイブしてレプリケートします(第B.1.2項「レプリケーションの対象」を参照)。アーカイブされたコンテンツをカスタマイズするか、またはアーカイブにアイテムを追加するには、アーカイバ・アプレットを使用してアーカイブの問合せを直接微調整できます。
次の手順では、レプリケーションを開始します(第B.5項「サイト・レプリケーションの開始」を参照)。
Site Studio Replicatorを使用してサイトの各セクションをレプリケートする場合、次の手順でSite Studio Replicatorを開きます(第B.8項「Site Studio Replicatorの使用」を参照)。
エクスポート・アーカイブを設定すると(第B.4.2項「ソース・サーバーでのエクスポート・アーカイブの設定」を参照)、「サイト・レプリケーションの管理」ページを使用してソース・サーバーでレプリケーション・プロセスを開始する準備ができます。
Webサイトをレプリケートするには、次の手順を実行します。
ソース・コンテンツ・サーバーに管理者としてログインします。メイン・メニューで、「管理」→「Site Studioの管理」→「サイト・レプリケーションの管理」を選択します。
目的のエクスポート・アーカイブを選択します。
「エクスポート」をクリックします。
新規コンテンツおよび変更されたコンテンツを自動的にエクスポートするように選択した場合(第B.4.2項「ソース・サーバーでのエクスポート・アーカイブの設定」の手順10)、アーカイブをエクスポートするとレプリケーション・プロセスが自動的に行われます。
注意: Webサイトを初めてエクスポートするときは、手動で行う必要があります。サイトが自動エクスポートに設定されている場合、新規および既存のコンテンツの自動エクスポートチェック・ボックスの選択を解除し、エクスポートをクリックして、最初のエクスポートを手動で行います。この最初の手動エクスポートが完了すると、レプリケーションを自動で行えるようにできます。 |
サイトのサイズと複雑さに応じて、レプリケーションの完了後にターゲット・コンテンツ・サーバーでサイトを再索引付けするには十分な時間が必要になる場合があります。
ある場所から別の場所にサイトをレプリケートする場合、1つのサーバーの特定の設定を保存して、次のサーバーにその設定をレプリケートしないようにできます。このような設定を環境プロパティと言います。
たとえば、あるサーバー(コントリビューション・サイト)で一意のキャッシュ値を指定し、次のサーバー(カスタマ・サイト)では指定しない場合、最大有効期間プロパティが環境プロパティになるように指定します。その結果、このキャッシュ値は次のサーバーにレプリケートされません。
環境プロパティはデザイナで指定し、その値はレプリケータで上書きできます。
環境プロパティを指定するには、次の作業を行います。
デザイナでサイトを開いた状態で、「ファイル」→「サイト」→「詳細」→「環境プロパティの定義」をクリックします。
「環境プロパティの定義」ダイアログが開きます(第A.7項「「環境プロパティの定義」ダイアログ」を参照)。
環境プロパティになるプロパティ(レプリケートされないプロパティ)のそばにあるボックスを選択します。
正常に処理されて次の場所にレプリケートされるプロパティ(アプリケーション・プロパティと呼ばれる)のそばにあるボックスの選択を解除します。
「OK」をクリックします。
レプリケーション中に環境プロパティを上書きすることもできます(第B.8.6項「環境プロパティの上書き」を参照)。
1回のアクションでWebサイト全体をレプリケートするのではなく、サイトの各セクションをレプリケートできます。これは、公開する準備ができていないセクションがあり、準備ができるまでそのセクションのレプリケートを保留にしておく場合などに便利です。
または、消費環境ではなく本番環境のみを対象とするセクションがある場合などです。この場合、サイト階層をレプリケートする際にそのセクションを省略できます。
サイトの各セクションをレプリケートするには、Site Studio Replicatorを使用します。詳細は、第B.8項「Site Studio Replicatorの使用」を参照してください。
先に進む前に、エクスポート・アーカイブでプロジェクト・ファイルの選択を解除したことを確認する必要があります(第B.4.2項「ソース・サーバーでのエクスポート・アーカイブの設定」の手順7)。解除していないと、Site Studio Replicatorのレプリケーション設定が、サイト階層全体のレプリケーションで上書きされます。
Site Studio Replicatorは、Site Studioで使用し、あるコンテンツ・サーバー(ソース・サーバー)から別のコンテンツ・サーバー(ターゲット・サーバー)にサイト階層の一部をレプリケートするツールです。Site Studio Replicatorを使用しない場合は、サイト階層全体をレプリケートする必要があります。Site Studio Replicatorを使用すると、サイト上の環境プロパティを上書きすることもできます。
Site Studio Replicatorでは、サイト階層のみをレプリケートします。つまり、サイト上のコンテンツ(ページ・テンプレート、データ・ファイル、フラグメントなど)はレプリケートしません。このコンテンツは、「サイト・レプリケーションの管理」ページを使用する場合にレプリケートされます。
Site Studio Replicatorの開始
Site Studio Replicatorは、Site Studioをインストールする際にデザイナとともにシステムにローカルでインストールされます。このプログラムを起動するには、「スタート」メニューから「プログラム」を選択して、「Oracle Universal Content Management」→「Site Studio 11gR1」→「Site Studio Replicator」を選択します。
プログラムを開くと、ウィザードを経由してサイト階層をレプリケートする準備ができます。レプリケーション・プロセスは次の手順で構成されます。
Site Studio Replicatorの最初の画面で、ソース・サーバーの選択が求められます。このサーバーは、サイト階層のレプリケート元のサーバーです。ソース・サーバーを選択するには、実際のサーバー、またはソース・サーバーで作成されたプロジェクト・ファイルを選択します。サーバーを選択したら、次にWebサイトを選択します。詳細は、第A.82.1項「手順1: ソース・サーバーの選択」を参照してください。
サーバーのソースとしての選択
サーバーをソースとして選択するには、次の手順を実行します。
「ソース・コンテンツ・サーバー」ドロップダウン・リストからサーバーを選択します。
サーバーの追加、既存のサーバーの編集または既存のサーバーの削除を行うには、ドロップダウン・リストのそばにある「追加情報」アイコン(図B-5)をクリックします(第B.8.5項「サーバー接続の変更」を参照)。
「次へ」をクリックします(プロンプトが表示された場合は、コンテンツ・サーバーにログインします)。
ソース・サーバーでWebサイトを選択します。
「次へ」をクリックして、次の手順に進みます(第B.8.2項「手順2: ターゲット・サーバーの選択」を参照)。
プロジェクト・ファイルのソースとしての選択
プロジェクト・ファイルをソースとして使用できますが、最初にソース・サーバーからプロジェクト・ファイルをダウンロードする必要があります(第7.3.4項「プロジェクト・ファイルのコンテンツ情報ページの表示」を参照)。ネットワークでソース・サーバーにアクセスできないために階層を手動で転送する必要がある場合、ソース・サーバーではなくプロジェクト・ファイルを使用すると便利です。
プロジェクト・ファイルをソースとして選択するには、次の手順を実行します。
「ソース・コンテンツ・サーバー」ドロップダウン・リストから「<ファイルからロード>」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「開く」ダイアログで、ソース・サーバーからダウンロードしたプロジェクト・ファイルを選択して、「OK」をクリックします。
「次へ」をクリックして、次の手順に進みます(第B.8.2項「手順2: ターゲット・サーバーの選択」を参照)。
ウィザードの後半では、レプリケートするWebサイトの各セクションを選択できます。
Site Studio Replicatorの次の画面で、ターゲット・サーバーの選択が求められます。これは、サイト階層のレプリケート先のサーバーです。サーバーを選択するには、実際のサーバー、またはターゲット・サーバー上のプロジェクト・ファイルを選択します。詳細は、第A.82.2項「手順2: ターゲット・サーバーの選択」を参照してください。
サーバーのターゲットとしての選択
サーバーをターゲットとして選択するには、次の手順を実行します。
「ターゲット・コンテンツ・サーバー」ドロップダウン・リストからサーバーを選択します。(「ターゲット・コンテンツ・サーバー」フィールドを空白にしておくことはできません。)
サーバーの追加、既存のサーバーの編集または既存のサーバーの削除を行うには、サーバー・リストのそばにある「追加情報」アイコン(図B-8)をクリックします(第B.8.5項「サーバー接続の変更」を参照)。
「詳細」をクリックして、次のオプションを選択します。
「階層情報をターゲット・コンテンツ・サーバーへ直接レプリケート」を選択して、ターゲット・コンテンツ・サーバーに直接レプリケートします。
このオプションは、(プロジェクト・ファイルではなく)サーバーをターゲットとして選択した場合のみ使用可能です。
「手動レプリケーション用の階層情報ファイルを生成」を選択して、階層情報ファイルを生成します。
階層情報ファイルの「出力ファイル名」を指定するか、または「参照」をクリックしてファイルを検索します。
このオプションを選択すると、コンテンツ・サーバーに後でチェックインできるプロジェクト・ファイルが作成されます。
「OK」をクリックして、Site Studio Replicatorに戻ります。
「次へ」をクリックします(プロンプトが表示された場合は、コンテンツ・サーバーにログインします)。
Webサイト(プロジェクト・ファイル)を作成するプロンプトが表示された場合は、「はい」をクリックします。
次の手順に進みます(第B.8.3項「手順3: レプリケートするアイテムの選択」を参照)。
プロジェクト・ファイルのターゲットとしての選択
プロジェクト・ファイルをターゲットとして使用できますが、最初にターゲット・サーバーからプロジェクト・ファイルをダウンロードする必要があります(第7.3.4項「プロジェクト・ファイルのコンテンツ情報ページの表示」を参照)。ネットワークでターゲット・サーバーにアクセスできないために階層を手動で転送する必要がある場合、ターゲット・サーバーではなくプロジェクト・ファイルを使用すると便利です。
プロジェクト・ファイルをターゲットとして選択するには、次の手順を実行します。
「ターゲット・コンテンツ・サーバー」ドロップダウン・リストから「<ファイルからロード>」を選択します。
「次へ」をクリックします。
出力ファイル名が必要であることを示すプロンプトが表示されたら、「OK」をクリックします。
「出力ファイル名」フィールドで、階層情報ファイルの名前を指定します。
または、「参照」をクリックして、既存のファイルを検索します。
「OK」をクリックして、Site Studio Replicatorに戻ります。
「次へ」をクリックします。
「開く」ダイアログで、使用する階層情報ファイルを選択して、「開く」をクリックします。
次の手順に進みます(第B.8.3項「手順3: レプリケートするアイテムの選択」を参照)。
ソース・サーバーとターゲット・サーバー(またはプロジェクト・ファイル)を選択すると次の画面が開き、この画面でレプリケートする各セクション、カスタム・プロパティ、およびアセット・カテゴリを選択できます。サイト上の環境プロパティを上書きすることもできます。
ソースの階層は、左側の「サイト階層」ペインに表示され、マージされた階層は、右側の「プレビュー」ペインに表示されます。詳細は、第A.82.3項「手順3: レプリケートするアイテムの選択」を参照してください。
レプリケートするアイテムを選択するには、次の作業を行います。
「サイト階層」ペインで、レプリケートする目的のセクション、カスタム・プロパティおよびアセット・カテゴリのそばにあるボックスを選択します。
初めてサイトをレプリケートする際は、ソースで何も選択していない場合でも「プレビュー」ペインにサイト階層全体(ルートを含む)が表示されます。サイト階層をレプリケートするには、ソースでサイト階層とルート・セクションを選択する必要があります。
「詳細」をクリックして、階層をレプリケートするためのオプションを選択します。
サイトの各セクションをレプリケートするには、「選択したフォルダのレプリケート」を選択します。
サイト全体をレプリケートするには、「ソース階層全体のレプリケート」を選択します。
注意: サイトを初めてレプリケートする場合は、階層全体をレプリケートするのが一般的です。次にレプリケートする際は、選択したフォルダを選択します。 |
デザイナの「環境プロパティ」ダイアログで行った環境設定を上書きするには、「環境プロパティのオーバーライド」をクリックします(第B.8.6項「環境プロパティの上書き」を参照)。
コントリビュータがターゲット・サーバーで切り替えたコンテンツを保存して、そのコンテンツが上書きされないようにするには、「ターゲットの切替え後リージョン関連を保持」を選択します。
「OK」をクリックして、Site Studio Replicatorに戻ります。
(ソース・サーバーまたはターゲット・サーバー上の)特定のセクションの現在のプロパティを表示するには、そのセクションを右クリックして「プロパティ」を選択します。
「プロパティ」ダイアログが開きます。
このウィンドウが開いている場合、サイト階層の様々なセクションをクリックして、引き続きそのセクションのプロパティを表示できます。
ターゲット・サーバーからセクションを削除するには、そのセクションを右クリックして「削除」を選択します。
ターゲット・サーバーからのセクションの削除は、セクションが不要になった場合や、セクションをサイトの別の部分に移動した場合に便利です。
「次へ」をクリックして、次の手順に進みます(第B.8.4項「手順4: Site Studio Replicatorの終了」を参照)。
このダイアログのサイズを変更すれば、サイト階層を詳細に表示できます。
最上位レベルのWebサイト、または最上位レベルのセクションを選択すると、その下のすべてのセクションがレプリケートされます。
ソース・サーバーでサブセクションを選択する場合、そのサブセクションの親はすでにターゲット・サーバーに存在しています。存在しない場合は、ターゲット階層に親が存在しないために選択した階層がマージされないことを示すメッセージが表示されます。これを解決するには、レプリケートするサブセクションの親セクションをソース階層で選択する必要があります。
ターゲット階層(「プレビュー」ペイン)に太字で表示されるセクションは、レプリケーション・プロセスで作成されるセクションを示します。
ソース・サーバーとターゲット・サーバー(またはプロジェクト・ファイル)を選択して、レプリケートするアイテムを選択すると次の画面が開き、この画面で選択内容を確認し、サイト階層をレプリケートできます。
この画面では、ソース・サーバーとターゲット・サーバーの場所およびURL、レプリケーションのタイプ、レプリケートするサイト階層が表示されます。詳細は、第A.82.4項「手順4: レプリケーションの実行」を参照してください。
サイト階層をレプリケートするには、次の作業を行います。
「プレビュー」をクリックして、ターゲット・サーバーで行われるサイト階層の変更を確認します。確認が終わったら、「閉じる」をクリックします。
「Finish」をクリックします。
ターゲット・サーバーにレプリケートするかを尋ねるメッセージに対して「はい」をクリックします。
ターゲット・サーバーでサイトを作成する場合は、「情報の割当てフォーム」に移動し、ここでプロジェクト・ファイルに割り当てるメタデータを指定します。
指定したら、「情報の割当て」をクリックします。
確認メッセージに対して「OK」をクリックします。
初めてサイトをレプリケートする場合は、「サイト・レプリケーションの管理」ページに戻り、レプリケーションが終了します(第B.5項「サイト・レプリケーションの開始」を参照)。
ソースまたはターゲットの場所としてサーバーを選択すると、既存のサーバーのプロパティの変更、サーバーの追加およびサーバーの削除を行うことができます。
リストへの新しいサーバーの追加
リストにサーバーを追加するには、次の手順を実行します。
Site Studio Replicatorでソース・サーバーまたはターゲット・サーバーを指定する場合、「追加情報」アイコン(図B-10)をクリックします。
「サーバーの追加」をクリックします。
「サーバーの構成」ダイアログで、「サーバー名」フィールドにサーバーの名前を入力します(次にサーバーを選択したときに開く名前です)。
「CGI URL」フィールドにサーバーのURLを入力します。
通常は、フィールドに表示される既存のURLを使用できます。serverは使用するサーバーの名前に置き換えられます。
「OK」をクリックします。
リストからのサーバーの削除
サーバー・リストからサーバーを削除するには、次の作業を行います。
Site Studio Replicatorでソース・サーバーまたはターゲット・サーバーを指定する場合、削除するサーバーを選択して、「追加情報」アイコン(図B-11)をクリックします。
「サーバーの削除」をクリックします。
リストからのサーバーの削除を尋ねる確認メッセージに対して「はい」をクリックします。
サーバーのプロパティの表示または編集
サーバーのプロパティを表示または編集するには、次の作業を行います。
Site Studio Replicatorでソース・サーバーまたはターゲット・サーバーを指定する場合、表示または編集するサーバーを選択して、「追加情報」アイコン(図B-12)をクリックします。
「プロパティ」をクリックします。
「サーバーの構成」ダイアログで、サーバーのプロパティを表示または編集できます。
「OK」をクリックします。
デザイナでサイトの環境プロパティを指定した後(第B.6項「環境プロパティの指定」を参照)、サイトをレプリケートする際にその設定を後から上書きできます。
これは、Site Studio Replicatorにある「環境プロパティのオーバーライド」ダイアログで行います(第B.8.3項「手順3: レプリケートするアイテムの選択」を参照)。
環境プロパティを上書きするには、次の作業を行います。