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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのマネージング
11g リリース1 (11.1.1)
B72426-04
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15 Oracle WebCenter Content Records Adapterの管理

この章では、Oracle WebCenter Content Server Adapterの構成方法と使用方法について説明します。このアダプタは、Oracle WebCenter Content: Recordsシステム(レコード管理ポリシーを格納するシステム)と、アダプタ・サーバーのコンテンツ・ボールト(追加のコンテンツを保管するボールト)の間でブリッジの役割を果たします。これにより企業は、複数システムにわたるレコード、保存ポリシーおよび訴訟の保留を一箇所から管理できます。

アダプタはRecordsサーバーに情報を返信するため、企業の重要なコンテンツのカタログを最新に維持できます。これにより、企業はより多くのコンテンツに、より一貫性のある方法でレコードおよび保存ポリシーを適用でき、管理の手間およびユーザーへの悪影響はより少なくなります。これら利点は、起訴の検索および保留についても同様に適用されます。Record Adapter for Content Server(今後は省略してContent Server Adapter)は、サーバーからそれらのポリシーを取得して、ボールトに格納されているコンテンツ・アイテムに適用します。

複数のアダプタをRecordsシステムで使用して、企業のコンテンツ要件を管理できます。この章では、ある特定のアダプタであるContent Server Adapterの構成および使用の方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

15.1 Content Server Adapterの理解

一般的なContent Server Adapterのインストールに含まれる主要コンポーネントには次のものがあります。

Recordsシステムは、中央リポジトリにおけるレコード、保存ポリシー、配置処理、起訴の保留または凍結を管理します。アダプタを使用することで、これらのポリシー、配置および保留を、複数のリポジトリに格納されたコンテンツに適用できます。リポジトリは、保存を制御するコンテンツを保持している任意のサーバーまたはアプリケーションになります。

Content Server Adapterサーバーのコンテンツ・ボールトは、保存期間維持して、企業の保存スケジュールに指定し、企業の配置処理に従っての破棄する必要のあるコンテンツを保持します。保存期間中はContent Server Adapterによってレコードの不変性が保証されるため、レコードは所定の場所で保管されます。要求があれば、Content Server Adapterのボールトは保存期間の終了時にコンテンツをパージできます。

また、Content Server Adapterのボールトには、保存する必要のないコンテンツが保持されている場合もあります。このコンテンツの保存が必要なくなった場合は、Recordsシステム内に格納されている配置処理に従って処分できます。

起訴または監査の保留(凍結)対象となる要素は、ユーザーの手動による処理または配置処理の一環であっても、絶対に削除されないという強制的な順守事項があります。Content Server Adapterにより、Recordsシステムでの削除は発生しないことが保証されます。


注意:

レコードではなく、起訴または監査対象でもないコンテンツ・アイテムはRecordsシステムには転送されません。かわりに、それらのドキュメントはContent Server Adapterのボールトに保持され、そのメタデータのみがRecordsシステムに格納されます。


Content Server Adapterは、RecordsシステムとContent Server Adapterのリポジトリとの間の通信を処理します。Recordsシステムが、格納されているコンテンツに対して企業の保存ポリシー、配置処理および訴訟の保留を同時に実行しても、コンテンツはContent Server Adapterのボールトに格納され、そこで維持されます。

図15-1 Content Server Adapterの保存機能の概要

アダプタの機能については周囲のテキストで説明しています。
「図15-1 Content Server Adapterの保存機能の概要」の説明

Content Server Adapterを構成して、次の基本的な保存機能を提供できます。

15.2 アダプタの構成

Content Server Adapterを設定する最初のステップは、アダプタがあるリモート・サーバーの「管理」メニューにアクセスすることです。「管理」レコード設定の構成「アダプタ」の順に選択します。「アダプタ」オプションを選択します。

リモート・リポジトリの保存設定の構成ページの「アダプタ」オプションを選択すると、必要なコンポーネント・ソフトウェアが有効になります。インストールを完了するために、システムを再起動する必要があります。

次に、アダプタのサーバーの送信プロバイダを定義し、リポジトリ・ソースを登録します。そのリポジトリのドキュメントは、Recordsシステムの保存ポリシーを使用して管理されます。

ソースの登録後、Content Server AdapterのコンテンツとRecordsシステムのリポジトリを比較する確認が自動的に行われます。一致しないアイテムのリストが表示されます。このとき、Content Server Adapterのリポジトリのアイテムを削除して、2つのシステムを同期化できます。

次に、メタデータ・フィールドをマップする必要があります。Content Server Adapterのリポジトリは、広範なドキュメントを含む場合があり、Recordsシステムのリポジトリのフィールドと直接関連性のないカスタム・フィールドがある場合があります。アダプタのドキュメントがグループに分類されている場合、コンテンツに関連付けられた広範な保存カテゴリがある可能性があります。2つのリポジトリ間のメタデータ・フィールドをマッピングし、コンテンツを正しくカテゴリ化する必要があります。

Content Server Adapterは、セキュリティ・グループをRecordsシステムと同期化しません。アダプタでイメージング機能を使用している場合、データがRecordsシステムと後で同期化される場合、セキュリティ・グループは一致しません。イメージング・システムは、アプリケーションでの必要性に応じて、新しいセキュリティ・グループを動的に作成します。したがって、Recordsシステムで使用されるイメージング・システムとContent Server Adapterで同じセキュリティ・グループを設定するように計画にします。

アクセス制御リスト(ACL)設定もContent Server AdapterとRecordsシステムの間で同期化されません。つまり、一方のACLセキュリティ設定が他方の設定より上位のACLセキュリティ設定になる場合や一方のシステムでACLが無効になる可能性があります。システムの管理者は、ACLがサイトのニーズに対して適切に設定されていることを確認する必要があります。

プロバイダの定義および使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの管理』を参照してください。


重要:

外部アイテムのリビジョンは、Oracle WebCenter Contentに格納されているアイテムのリビジョンと異なります。たとえば、アイテムがアダプタ・システムで作成され、Recordsシステムに同期化された場合、このアイテムは1つのアイテムとして表示されます。しかし、このアイテムがアダプタ・システムで改訂された後に、Recordsシステムに同期化されると、アイテムは、1つのアイテムの2つのリビジョンではなく、2つのアイテムとしてカテゴリに表示されます。どちらのアイテムも同じコンテンツIDを持ちますが、これは外部アイテムのデフォルトの動作です。


この項では、Content Server Adapterの構成および使用に必要な基本的なタスクについて説明します。

15.2.1 ソースとプロバイダの構成

次の手順を使用して、ソースとプロバイダを構成します。

15.2.1.1 新しい送信プロバイダの定義

この手順を使用して、送信プロバイダを定義します。

  1. 「レコード」レコード・アダプタの順に選択します。

  2. 「構成」「ソース登録」を選択します。

  3. 「ソースの登録」ページで、「追加」をクリックします。

  4. 新しいプロバイダの追加ページまたは新しいプロバイダの編集ページで、必要な情報を適切なフィールドに入力します。

    • プロバイダ名: 送信プロバイダの名前。特殊文字は使用できません。

    • プロバイダの説明: プロバイダの説明。

    • サーバー・ホスト名: Recordsシステム・サーバーのインスタンスのホスト名。

    • HTTPサーバー・アドレス: インスタンスのURL。

    • サーバー・ポート: プロバイダがインスタンスと通信するポート。

    • インスタンス名: Recordsシステム・サーバーのインスタンスの名前。

    • 相対Webルート: インスタンスの相対ルート。

  5. 完了したら「追加」をクリックします。

Records 11gで10gアダプタを使用するには、接続文字列を変更する必要があります。前の接続文字列は次の例のようなものでした。

http://myhost.mycompany.com:myport/URMinstance/idcplg

新しい接続文字列は次の例のようになります。

http://myhost.mycompany.com:myport/_dav/URMinstance/idcplg

変更内容は、_dav文字列が追加されたことのみです。_dav文字列を使用すると、Content Serverは、フォームベース認証ではなく基本認証の使用を強制されます。

15.2.1.2 送信プロバイダの編集

この手順を使用して、送信プロバイダを定義します。


注意:

アダプタが外部のRecordsソースとリンクされている場合、送信プロバイダを編集できません。送信プロバイダを編集する前に、まずこのリンクを解除する必要があります。


  1. 「管理」「プロバイダ」を選択します。

  2. 「プロバイダ・リスト」ページで、編集するプロバイダに移動し、「情報」をクリックします。

  3. 「プロバイダ情報」ページで、「編集」をクリックします。

  4. 必要に応じて情報を編集し、完了したら「保存」をクリックします。

15.2.1.3 アダプタの送信プロバイダの無効化

アダプタ・サーバーの既存の送信プロバイダを無効にするには:

  1. 「管理」「プロバイダ」を選択します。

  2. 「プロバイダ・リスト」ページで、無効にするプロバイダに移動し、「情報」をクリックします。

  3. 「プロバイダ情報」ページで、「無効化」をクリックします。

  4. 選択を確認するプロンプトが表示されます。「OK」をクリックします。

    送信プロバイダが無効になります。

15.2.1.4 アダプタの送信プロバイダの削除

アダプタ・サーバーの既存の送信プロバイダを削除にするには:


注意:

アダプタが外部のRecordsソースとリンクされている場合、送信プロバイダを削除できません。送信プロバイダを削除する前に、まずこのリンクを解除する必要があります。


  1. 「管理」「プロバイダ」を選択します。

  2. 「プロバイダ・リスト」ページで、削除するプロバイダに移動し、「情報」をクリックします。

  3. 「プロバイダ情報」ページで、「削除」をクリックします。

    選択を確認するプロンプトが表示されます。

  4. 「OK」をクリックします。

    「プロバイダ」表から送信プロバイダが削除されます。

15.2.1.5 外部ソースの登録

アダプタ当たり1つのソースのみ登録できます。

外部ソースを登録するには:

  1. 「レコード」レコード・アダプタの順に選択します。

  2. 「構成」「ソース登録」を選択します。

  3. 「ソースの登録」ページで、必要な情報を適切なフィールドに入力します。

    • プロバイダ名: アダプタ・サーバーとRecordsシステム・サーバー間の通信用に構成された送信プロバイダの名前。

    • ソース名: Recordsシステム・サーバー上に作成するRecordsシステム・ソースの名前。

    • ソース表示名: ソースを識別するためにユーザー・インタフェースで使用する名前。

    • ソース表名: ソースに対して作成されるデータベース表の接頭辞。

  4. 完了したら「登録」をクリックします。登録により、Recordsシステムはアダプタを認識できるようになり、アダプタ・サーバーのリポジトリに格納されているコンテンツを管理する準備ができます。

15.2.1.6 外部ソースの登録解除と削除


重要:

ソースを登録解除すると、外部ソースのデータがクリアされます。ソースを登録解除する前に、データをエクスポートしてアーカイブする必要があります。


外部ソースを登録解除するには:

  1. 「レコード」レコード・アダプタ「ソースの登録解除」の順に選択します。

  2. アクションを確認するプロンプトが表示されます。「OK」をクリックして続行します。

この手順に従って外部ソースおよびこのソースに関連付けられたデータベース表を削除します。


重要:

外部ソースを削除する場合、これを再使用するためには外部ソースを再構成する必要があります。


  1. 「レコード」「構成」の順に選択します。

  2. 「保有」「外部ソースの削除」の順に選択します。

  3. 削除するソースの名前を強調表示し、「削除」をクリックするか、または「リセット」をクリックして強調表示をクリアします。複数のアイテムを削除するには、[Shift]キーを押したままにして複数のアイテムを強調表示します。

  4. ソースに関連付けられたデータベース表を削除するには、「外部ソース・データベース表の削除」を選択します。

    外部ソースに関連付けられたすべてのデータベース表が削除されます。

15.2.2 フィールドの管理

アダプタのリモート・ソースのフィールドは、Recordsシステムのローカル・ソースですでに使用中のフィールドにマップする必要があります。アダプタのフィールドと一致するフィールドが存在しない場合、アダプタのデータに合うカスタム・メタデータ・フィールドを作成します。

カスタム・メタデータ・フィールドをリモート・ソースにマップするには:

  1. 「レコード」レコード・アダプタの順に選択します。

  2. 「構成」「カスタム・フィールド」を選択します。

  3. 「カスタム・フィールドのマップ」ページで、「追加」をクリックします。

  4. リモート・ソースのカスタム・メタデータのリストはリスト内にあります。「カスタム・フィールドのマップ」ダイアログまたは「カスタム・フィールドの編集」ダイアログのリストから使用するメタデータ・フィールドを選択し、Recordsシステムのデータベース表に格納するフィールドの名前およびキャプションを入力します。別の名前も入力できます。新しい名前を入力した場合は、アダプタによって、その名前に対応するカスタム・メタデータ・フィールドが自動的に作成されます。

  5. 「OK」をクリックします。

    カスタム・メタデータ・フィールドは、「カスタム・フィールドのマップ」ページの「カスタム・メタデータ」フィールドのリストに追加されます。

  6. フィールドの順序を変更するには、「上」または「下」矢印キーを使用して、フィールドの位置を移動します。

以前マップしたフィールドを編集するには:

  1. 「レコード」レコード・アダプタの順に選択します。

  2. 「構成」「カスタム・フィールド」を選択します。

  3. 「カスタム・フィールドのマップ」ページで、リストからメタデータ・フィールドを選択し、「編集」をクリックします。

  4. 「カスタム・フィールドのマップ」ダイアログまたは「カスタム・フィールドの編集」ダイアログで、必要に応じて情報を変更し、「更新」をクリックします。

  5. 「カスタム・フィールドのマップ」ページのフィールド順序を変更するには、「上」または「下」矢印キーを使用してフィールドの位置を移動します。

15.3 データの同期化

Recordsシステムで使用するようにアダプタを構成した後、同期化スケジュールを決定して両方のシステム(アダプタとRecordsシステム)のコンテンツが一貫して同期状態が保たれるようにします。この項では、同期化の確立に関するタスクについて説明します。

システムは、Content Server Adapterメニューからオプションを選択することによって、必要に応じて同期化することも可能です。これらの操作は、操作に関連するすべてアイテムを同期化します。たとえば、凍結イベントに関するすべてのコンテンツが同期化されます。個々の凍結イベントは選択して同期化できません。


重要:

外部アイテムのリビジョンは、Oracle WebCenter Contentに格納されているアイテムのリビジョンと異なります。たとえば、アイテムがアダプタ・システムで作成され、Recordsシステムに同期化された場合、このアイテムは1つのアイテムとして表示されます。しかし、このアイテムがアダプタ・システムで改訂された後に、Recordsシステムに同期化されると、アイテムは、1つのアイテムの2つのリビジョンではなく、2つのアイテムとしてカテゴリに表示されます。どちらのアイテムも同じコンテンツIDを持ちますが、これは外部アイテムのデフォルトの動作です。


次のオプションを同期化できます。

次の項では同期化について説明します。

15.3.1 必要に応じた同期化の実行

この手順に従って、特定の同期化操作に基づいてコンテンツを同期化します。

  1. 「レコード」レコード・アダプタの順に選択します。

  2. 「同期化」を選択し、実行する同期化のタイプをクリックします。操作が実行されます。

  3. 操作が正常に完了すると、メッセージが表示されます。「OK」をクリックして続行します。

  4. エラーが発生すると、メッセージが表示されます。同期化ログを確認し、操作の詳細および同期化に失敗したアイテムを表示します。詳細は、15.3.3項を参照してください。

15.3.2 同期化のスケジュール化

この手順に従って、定期的な同期化を実行するスケジュールを設定します。

  1. このページにアクセスするには、「レコード」レコード・アダプタの順に選択します。

  2. その後、「構成」「予定イベント」を選択します。

  3. 「予定イベントの構成」ページで、リストから時間測定の単位を選択し、同期中に経過した時間を選択します。

  4. システム・パフォーマンスに影響しない同期化の時間を選択します。

  5. 終了したら、「保存」をクリックします。

15.3.3 同期ログの表示

この手順に従って、同期化アクティビティ中に自動的に生成されるログを表示します(同期化がオンデマンドかスケジュールかには関係なし)。

  1. 「レコード」レコード・アダプタの順に選択します。

  2. 「ログ」を選択し、表示するログ・ファイルのタイプを選択します。

  3. 「同期化ログ」ページで、ログしたイベントに関する追加の詳細を表示するには、操作の「アクション」メニューから「アイテムの表示」を選択します。

  4. 操作を再実行するには、、操作の「アクション」メニューから「タスクの再実行」を選択します。