Oracle® Fusion Middleware WebCenter Sites: Analytics管理者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.6.0) E49679-01 |
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アセット登録
アセットのレポート生成を有効にすること。WebCenter SitesのアセットはインストールされているWebCenter Sitesに固有のものであるため、アセット・タイプをAnalyticsに登録する必要があります。登録するには、Analytics管理インタフェースでアセット・タイプをレポートに割り当てます。これにより、Analyticsでは次のことが可能になります。
WebCenter Sitesのアセット・タイプの認識
一般情報およびコンテンツ情報レポート・グループのレポートのメニュー・オプションの構成
登録したアセット・タイプのアセットに関するレポートの生成
データ取得
各ビジターのクリックと、クリックに関連する情報(各クリックの日時、クリックされたアセット、クリック実行元のIPアドレス、アクセスされているサイトなど)を記録する処理。この情報は、sensor
サーブレットによってリアルタイムで取得され、ローカル・ファイル・システム(Analyticsデータ取得アプリケーションにとってローカルな場所)のdata.txt.tmp
ファイルに記録されます。data.txt.tmp
ファイルは、センサーにより書き込まれ、しきい値の間隔が経過するか(sensor.thresholdtimeのsensor.threshold
を参照)、アプリケーション・サーバーが再起動されると、順にdata.txt
となります。
AnalyticsでWebCenter Sitesアセットの使用状況に関するデータとビジターに関するデータを取得できるのは、公開されたページにデータ取得用のタグが付けられている場合のみです。Engageアセットの場合は、アセット自体にデータ取得用のタグが付けられている必要があります。
Hadoopジョブ
Hadoop分散ファイル・システムに格納された生データに関する統計を効率的に計算するために、ジョブはパラレルに分散実行されます。
Hadoopは、大きな計算を小さな作業部分に分割し、各部分をクラスタの任意のノードで実行できるようにする、Map/Reduce
と呼ばれる計算パラダイムを実装します。Map/Reduce
では、jar
ファイルとクラスの組合せがすべて1つのjar
ファイル(一般に「ジョブ」ファイルと呼ばれるもの)に集められている必要があります。ジョブを実行するには、JobTracker
にそのジョブを送信します。その後、Hadoopジョブは次のアクションで応答します。
ジョブをスケジューリングしてJobTracker
に送信する。
データ取得アプリケーションで取得された生データを処理して統計データにし、統計をAnalyticsデータベースに挿入する。
(Hadoopは、HDFSを参照し、各ジョブのステータスを確認するためのWebインタフェースを備えています。)
Hadoopジョブでは、レポート生成時間を短縮するために、よく要求されるサイト使用状況統計(特定コンテンツに対する単位時間当たりの平均要求数など)が事前に計算されます。一般に、統計の計算は、リソース消費型で時間のかかる処理です。そのため、この計算は、レポートが生成されるたびにその場で実行されるのではなく、必要となった時点で使用可能になっているように、前もって実行されます。つまり、あらかじめ計算済の統計を即座に入手してレポートに取り込めるようになっています。統計には、次の例のようなものがあります。
現在の情報(今日の各サイトの合計ヒット数、アクセス元の国、特定の国からの合計アクセス数、ブラウザのタイプ、平均セッション継続時間など)
次のような、履歴上の結果
日次、週次および月次統計(たとえば、レポート対象期間中のある月における特定サイトの特定アセットに対する合計要求数など)。年次統計(昨年の各週に特定のアセットがアクセスされた頻度を示すパフォーマンス・インディケータのヒストグラム)。
Hadoopジョブの実行にかかる時間は、直近のデータ取得期間におけるサイトのアクティビティ、取得済データの蓄積量、Analyticsアプリケーションの構成など、多くの要因によって異なります。データの分析が完了すると、結果の統計はいつでもレポート生成に使用できる状態になります。
統合
AnalyticsをWebCenter Sitesシステムに統合すると、オンライン・サイトのアセット・タイプやユーザーに関するレポートを生成できるようになります。統合に関係する作業として、コンテンツ管理サイト、WebCenter Sitesユーザー、およびアセット・タイプのAnalyticsへの登録、Pageviewオブジェクトの構成(ページ・ビュー・レポートを通じて行う)、およびユーザーに対するレポートへのアクセス権限の付与(適切なユーザー・グループのメンバーシップを通じて行う)があります。これらのタスクの実施に必要な手順は、第1章「Oracle WebCenter Sites: AnalyticsとOracle Web Center Sitesの統合」を参照してください。
オブジェクト
Analyticsの情報の構成単位。レポートで扱われる対象です。
情報を格納および処理する際、Analyticsではオブジェクトが使用されますが、WebCenter Sitesではアセットとアセット・タイプが使用されます。AnalyticsでWebCenter Sitesのアセット・タイプを認識し、そのタイプのアセットを追跡できるようにするために、管理者はWebCenter Sitesのアセット・タイプの単位でAnalyticsオブジェクトを定義します。方法としては、オブジェクトに対応するAnalyticsレポートを構成し、そのオブジェクトに目的のアセット・タイプを割り当てます。レポートを構成する過程で、基礎となるアセットが定義されます。
注意: オブジェクトの特殊なインスタンスにPageviewオブジェクトがあります。一般情報グループのレポートを機能させるには、管理者は(ページ・ビュー・レポートを構成して)このオブジェクトを構成する必要があります。
ページ・ビュー・レポートは、複数のアセット・タイプをサポートします。
ページ・ビュー
Analyticsの情報の構成単位。Analyticsデータ取得アプリケーションによるトラッキングが有効なアセット・タイプの1つ以上のアセットからなるグループ。
アセット・タイプに対するトラッキングが有効になるのは、アセット・タイプがPageviewオブジェクトに定義され、そのアセット・タイプを表示する公開ページがAddAnalyticsImgTag
(データ取得タグ)でタグ付けされている場合です。トラッキングの詳細は、「データ取得」を参照してください。
Pageviewオブジェクト
Analyticsで追跡する1つ以上のアセット・タイプを指定する、Analyticsのデフォルト・オブジェクト。ページ・ビュー・レポートを通じて構成されます。Pageview
オブジェクトを構成すると、Pageview
オブジェクトに基づいたデフォルトのレポートが有効になります。
Pageview
オブジェクトは、ページ・ビュー、サイト情報、クリックストリームの各レポートの基礎となるオブジェクトであるため、このオブジェクトには、(マーケティングの観点で)最も有意義なアセットがレポートに組み込まれるようなアセット・タイプを割り当てる必要があります。
Pageview
オブジェクトには、複数のアセット・タイプを割り当てることができます。ページ・ビュー・レポートには、このようなアセット・タイプの使用状況に関する統計が含まれます。
処理済データ
Hadoopジョブで処理されて統計データとなった、ビジターのアクティビティ・データ。処理が完了すると、データはAnalyticsデータベースに挿入され、ユーザーがAnalyticsレポート作成インタフェースから要求する各種レポートですぐに使用できるようになります。
生データ
データ取得処理の中で記録され、その後の処理に向けてローカル・ファイル・システムに格納された、ビジターのサイトでのアクティビティを表す未処理データ。Hadoopジョブでレポートに表示する統計の計算対象となるのは、このデータです。(このデータをそのままレポート生成に使用することはできません。)
サイト登録
サイトから公開されたアセットに対するビジターのアクティビティをAnalyticsで追跡できるようにするために、WebCenter Sitesコンテンツ管理サイトをAnalyticsに識別させること。