Oracle WebCenter Sites環境では、コンテンツ管理サイトとは、WebCenter Sitesのインタフェースで、オンライン・サイトを設計し、アセットへのアクセスを管理するための補助として使用するオブジェクトです。Burlington Financialサンプル・サイトはコンテンツ管理サイトです。GE Lightingサンプル・サイトも同様です。
最初に、開発システム上にコンテンツ管理サイトを作成します。サイトがテストされ、使用の承認がなされたら、管理システムと配信システムにサイトを(まったく同じ名前で)複製する必要があります。
この章には次の項が含まれます。
コンテンツ管理(CM)サイトとは、WebCenter Sites配信システムから配信するオンライン・サイト向けの設計補助または組織構成メンバーとして使用するオブジェクトです。コンテンツ管理サイトは、オンライン・サイトを表しています。
注意: このガイドでは、コンテンツ管理サイトをCMサイトまたは単にサイトと呼ぶこともあります。 |
WebCenter Sitesのモジュールおよび製品のいずれかを実行しているWebCenter Sitesにログインするときには、コンテンツ管理サイトにログインしています。複数のサイトにアクセスする権限がある場合、ログイン後に最初に行うべき意思決定は、どのサイトで作業するかです。その時点以後、完了するタスクのすべては、そのサイトのコンテキストで完了されます(サイトを切り替えるまで)。
コンテンツ管理サイトは、次に示すように、3種類のユーザーがそれぞれのやり方で使用します。
開発者は、コンテンツ管理サイトを使用して、次のようにオンライン・サイトを設計します。
データ・モデルを作成します(データ・モデルとは、オンライン・サイトにコンテンツを提供するためにビジネス・ユーザーが使用するコンテンツ・エントリ・フォームまたは編集フォームのソース)
選択したコンテンツ管理サイトでデータ・モデルを有効にします
データベースからコンテンツを抽出し、コンテンツを書式設定して、コンテンツをオンライン・サイトに配信するコード・テンプレート。「サイト・プラン」タブを使用して、オンライン・サイトの設計フレームワークを作成します。それぞれのコンテンツ管理サイトには別々のサイト・プランがあり、そのサイト・プランはSitePlanTree
表に格納されています。
コンテンツ管理サイトでテンプレートを有効にします
ページのキャッシングを実装します
セッション・データを利用します
サイト訪問者に関する情報を収集するコードを記述します
セキュリティを確立します
注意: データ(たとえば、アセット・タイプやテンプレート)を作成すると、ログイン先として選択したコンテンツ管理サイトに関係なく、そのデータはシステム全体のプールに入力されます。 ログインしているサイト(およびそれ以外のあらゆるサイト)でデータを有効にすると、そのデータはそのサイトにリンクされ、そのサイトのユーザーがアクセスできるようになります。 |
WebCenter Sites管理者は、コンテンツ管理サイトを使用して、コンテンツに対するユーザーのアクセスを次のように制御します。
WebCenter Sites管理者は、WebCenter Sitesシステム上で、特定のアセットおよびアセット・タイプへのユーザーのアクセスを制限できます。
アセット・タイプは、コンテンツ管理サイトで有効にする必要があります。そのため、管理者が、あるコンテンツ管理サイトでアセット・タイプを有効にしないことにした場合、そのコンテンツ管理サイトにログインするユーザーには、そのタイプのアセットに対するアクセス権限が付与されません。WebCenter Sites管理者は、コンテンツ管理サイトへのユーザーのアクセスを制限することもできます。
WebCenter Sites管理者は、コンテンツ管理サイト間で個々のアセットを共有できます(共有サイトで特定のアセット・タイプが有効になっていて、同じユーザーが共通している場合に限る)。
WebCenter Sites管理者は、特定のアセットを共有しないことによって、そのアセットへのアクセスを制限することもできます。特定のアセット・タイプが複数のサイトにわたって有効になっていても、あるサイトで作成されたアセットは、別のサイトでは使用できません。ただし、アセットがそのサイトで共有されている場合は除きます。
コンテンツ管理サイトが開発されたら、認可されたコンテンツ・プロバイダはそのサイトを使用することによって、電子機器アセットを作成し、そのアセットを管理して、アセットを利用者にデプロイします。コンテンツ・プロバイダは、コンテンツ・エントリ・フォームやその他オーサリング・ツールにリンクされ、特定の編集権限も与えられ、オンライン・サイトの一部としてコンテンツをブラウザに表示するためのパブリッシュ・システムおよび配信システムへのアクセス権限が与えられます。
コンテンツ管理サイトは、実際のオンライン・サイトを表しています。ただし、それらのオンライン・サイトは、状況に応じてどれだけの数の方法でも表せます。例:
1つのコンテンツ管理サイトは、1つの完全なオンライン(パブリック)サイトを表す場合もあります。
複数のコンテンツ管理サイトは、1つの大きなオンライン・サイトの別々のセクションを表す場合もあります。たとえば、カタログの場合、家庭用品のデータを入力する人が、園芸用品のデータを入力することはおそらくありません。したがって、それらの分野を表す別々のサイトがあります。また、パブリケーションを例にすると、スポーツ・ライターはスポーツ・ニュース・セクションを表示する別のサイトを持ち、ファイナンシャル・ライターは金融関係のニュース・セクションを表示する別のサイトを持ちます。
複数のコンテンツ管理サイトが同じオンライン・サイトを表すこともありますが、その場合は、アセット・タイプに対するユーザーのアクセスをロール別に制限するために存在します。たとえば、サイト1では、記事とイメージのアセット・タイプが有効になっていて、このサイトにアクセスできるのはコンテンツ・プロバイダのみとします。また、サイト2では、テンプレートを含めてすべてのアセット・タイプが有効になっていて、このサイトにアクセスできるのは少数の開発者のみとします。
オンライン・サイトは、組織が顧客、クライアントおよび一時的な訪問者といったターゲットとなる読者に表示するページのセットです。オンライン・サイトは、Webサイトの場合もポータルの場合もあります。これは、だれでもアクセスできるようにすることも、パスワードで保護されたサイトにすることもできます。プライベート・ドメイン内で厳密に運用し、企業イントラネットや部門内ネットワークなどのように完全に排他的なサイトにすることもできます。
その性質に関係なく、オンライン・サイトは、選択するモデルに応じて、単一のCMサイトまたは多数のCMサイトに由来します。すべての製品ガイドにおいて、オンライン・サイトという用語は汎用的に、Webサイトとポータル(どちらも今回のリリースでサポート)を指すために使用されています。
WebCenter Sitesのモジュールおよび製品を使用するときにはコンテンツ管理サイトにログインする必要があるため、アセット開発はすべて、コンテンツ管理サイトのコンテキストで行われます。アセット・タイプの開発、オンサイト・サイト・ページの設計およびテンプレート・アセットのコーディングを行うときには、次の点を検討してください。
テンプレート・アセットを作成すると、WebCenter Sitesでは、SiteCatalog
表とElementCatalog
表の両方で、そのアセットに対するエントリが作成されます。SiteCatalog
表でページ・エントリに割り当てられる名前には、テンプレート・アセット作成時にログインしていたサイトの名前が含まれます。
複数のコンテンツ管理サイトで1つのテンプレート・アセットを共有する場合、WebCenter Sitesでは、共有する各サイトのSiteCatalog
にページ・エントリが作成されます。共有テンプレートに追加されるページ・エントリの名前には、テンプレートが共有されたサイトの名前が含まれます。
したがって、オンライン・サイトが正しく機能するためには、管理システムおよび配信システムで使用するのと同じコンテンツ管理サイト名を開発システムで使用する必要があります。
コンテンツ管理サイトは、設計上の問題とアクセス上の問題の両方をカバーするので、コンテンツ管理サイトの使用方法や、システムにサイトがいくつ必要かを判断する際には、システム管理者と協力する必要があります。
設計とアクセス制御両方の理由で、管理システムにコンテンツ管理サイトがいくつ必要かを判断した後で、開発者またはシステム管理者は、適切なコンテンツ管理サイトを作成し、すべてのシステム上のこれらのサイトに対して、適切なアセット・タイプを有効にすることができます。次に、開発システムと管理システムで、開発者またはシステム管理者は、コンテンツ・プロバイダなどのユーザー(開発者など)のいずれが、どのサイトにアクセスできるかを構成します。
コンテンツ管理サイトを構成するには、「管理」タブで「サイト」オプションを使用します。
ページ・アセットは、他のアセットに対する参照を格納し、開発者が実装しているデザインに従ってアセットを整理するサイト・デザイン・アセットです。オンライン・サイトの設計フェーズで、ページ・アセットを作成し、そのアセットに他のアセットを関連付けて、WebCenter Sitesウィンドウの左側のツリーにある「サイト・プラン」タブ上のツリー内にページ・アセットを配置します。
「サイト・プラン」タブ上のツリー内にページ・アセットが配置されたら、そのツリー内の各ページ・アセットの位置に関する情報が、SitePlanTree
表に書き込まれます。このタブに配置されているページ・アセットが、パブリッシュされたページに対して作成するようにテンプレートとエレメントでコーディングされているものと同じ階層を表している場合は、WebCenter SitesのSITEPLAN
タグ・ファミリを使用してナビゲーショナル機能を構築できます。詳細は、第29.6項「例6: サイト・プラン情報の表示」を参照してください。
「サイト・プラン」タブには、現在ログインしているコンテンツ管理サイトであるオンライン・サイトのレイアウトが、ツリーとしてグラフィカルに表されます。まず、SitePlanTree
表に問い合せて、どのページ・アセットが配置されているかを判別します。次に、ページ・アセットがツリー上の適切なレベルに表示され、それらのページ・アセットに関連付けられているアセットが後続の階層レベルに表示されます。
「サイト・プラン」タブ上のツリーには、レンダリングされたサイト・ページでなくアセットが表示されます。つまり、実際のオンライン・サイトで配信される可能性のあるオンライン・ページを、すべて表しているわけではありません。たとえば、次に示すのは、「サイト・プラン」ツリーのうち、Burlington Financialサンプル・サイトの「Home」ページ・アセットを示すセクションです。
オンライン・サイトと「サイト・プラン」タブの関係をさらに理解するために、次のようにして、レンダリングされたBurlington Financialの「News」ページ・アセットをブラウザに表示します。
Burlington Financialサンプル・サイトにログインします。
「サイト・プラン」タブを選択します。
ツリーから「News」ページ・アセットを選択し、マウスの右ボタンをクリックして「プレビュー」を選択します。
ブラウザでレンダリングされている「News」Webページと「サイト・プラン」タブのこのセクションを比較します。このとき、次の点に注意してください。
「News」ページ・アセットは、訪問者がオンラインのBurlington Financialのホーム・ページから「News」リンクを選択した場合に、レンダリングされる実際のページを表しています。これは、「News」ページに割り当てられているテンプレートが、ページ・アセットをWebページとして表示するようにコーディングされているからです。
ツリーの「News」ページ・アセットに表示されているコレクション・アセットは、実際にレンダリングされたページを表していません。「News」ページのテンプレートは、オンラインの「News」ページでのリンクとして「News」ページに関連付けられている、コレクションに格納されている記事の見出しを表示するようにコーディングされています。
NewsTopコレクションに格納されている記事アセットは、実際のオンライン・ページを表しています。これは、記事へのリンクをクリックしたときに記事を表示するテンプレートが、別のWebページに記事を表示するようにコーディングされているからです。
オンライン・サイトにアセットがどのように表示されるかを決定するのはテンプレート内のコードであるため、「サイト・プラン」ツリーでページ・アセットとして表されないオンライン・ページが数多くある可能性があります。
ページ・アセットに対して正しいアセットを選択するには、アセットに対して選択するようにコーディングされているテンプレート・エレメントが何であるかを認識しておく必要があります。そのために、ページ・アセットの作成と配置が開発者の担当になっており、それはテンプレート・エレメントをコーディングする際に完了するタスクです。
ページ・アセットは、ゲートウェイ・ページまたは索引ページの役割を果たしており、このページは、実際のオンライン・ページを表すのみでなく、コンテンツを表す他のアセットにアクセスできます。
サイトを作成すると、WebCenter Sitesでは、それに関する情報が次のデータベース表に書き込まれます。
Publication
表: システムに作成されたすべてのサイト(パブリケーション)の名前、説明およびpubid (ID)を保持します。
PublicationTree
表: どのサイトでどのアセット・タイプが有効になっているかに関する情報を格納します。
SitePlanTree
表: サイトおよびそのページ・アセットの階層構造に関する情報を格納します。システムに作成されたサイトごとに、トップレベルのノードがあります。この表には、サイトとページ・アセットが一覧表示されています。
開発者は、(たとえば、オンライン・サイトの主なセクションへのリンクを作成するために)SitePlanTree
表から情報を抽出および表示するようにエレメントをコーディングできます。
注意: 以前のバージョンのWebCenter Sitesでは、サイトという用語よりパブリケーションという用語を使用していました。また、WebCenter Sitesデータベースにおけるデータベース表のいくつかでは、今でもサイトをパブリケーションと呼称しています。 |