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Oracle® Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド
11gリリース1 (11.1.1.8.0)
E49681-03
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71 WEMフレームワーク: Articlesサンプル・アプリケーション

Articlesは、詳細に文書化されたソース・コードと自己インストール・プロセスを備えた、単純なコンテンツ管理アプリケーションです。これにより、アプリケーション開発に最も重要な情報を素早く習得できます。名前からわかるように、Articlesでは記事アセットを管理できます。

この章には次の項が含まれます。

71.1 サンプル・アプリケーションの概要

Articlesホーム・ページには、前述の図で示したカスタム・インタフェースから、WEMで直接編集可能な2つの記事が表示されます。このアプリケーションでは、WebCenter Sites REST APIを使用して、Javaコードから検索問合せを実行し、JavaScriptコードからアセット変更問合せを実行する方法を示します。ArticlesアプリケーションとRESTサービスは、別々のアプリケーション・サーバーで実行させることができます。JavaScriptのクロスドメイン制限により、ArticlesアプリケーションからRESTサービスに対してAJAXを直接コールできません。単純なProxyControllerが導入されたのはこのためです。これにより、コールがJavaScriptからWEM REST Webサービスにリダイレクトされます。このコントローラ実装はカスタム実装で再利用できます。   

アプリケーションのホーム・ページは次のようになります。

articles_1.pngの説明が続きます
図articles_1.pngの説明

Articlesアプリケーションは、Spring MVCフレームワークに基づいています。Articlesには、fwadminという名前でxceladminというパスワードを持つ事前定義済管理ユーザーが含まれます。このユーザーはRestAdminというRESTグループに割り当てられています。 アプリケーションの自己インストーラには、Articlesアプリケーションを登録し、そのアセット・モデルとサンプル記事をインストールするための仕様が含まれます。このアプリケーションには、内部的に構成されたサイトやロールで保護された機能は存在せず、単一のiframeビューがあります。その他の仕様については、第71章「WEMフレームワーク: Articlesサンプル・アプリケーション」を参照してください。

71.2 Articlesサンプル・アプリケーションの起動

この項では、まずArticleアプリケーションのビルドとデプロイを行い、続いてインストーラを実行します。

この項の内容は、次のとおりです。

71.2.1 Articlesアプリケーションのビルドおよびデプロイ

  1. サンプルのArticlesアプリケーションの割当て先となるサイトを選択または作成します。デフォルトのサイトはFirstSiteII (WebCenter SitesのサンプルのCMサイト)です。FirstSiteIIはシステムにインストールされていない場合があります。

    サイトを選択または作成するには、次のURLにアクセスしてWEM Adminにログインします。

    http://<server>:<port>/<cs_application_context>/login

    このとき、一般管理者の資格証明(デフォルト値はfwadmin/xceladmin)を使用します。


    注意:

    手順5では、ここで選択したサイトを指定します。これにより、インストーラを実行した際に、指定したサイトでアプリケーションのアセット・モデルとアセットが有効になります。


  2. 次のURLからSUN JDK (1.5以降)をダウンロードして、インストールします。

    http://java.sun.com/

  3. 最新のApache Antをhttp://ant.apache.org/からダウンロードして、AntのbinディレクトリをシステムのPATHに置きます。

  4. servlet-api.jarをArticlesアプリケーションのlibフォルダにコピーします。このjarファイルはアプリケーション・サーバーのホーム・ディレクトリから取得できます(たとえば、Tomcatのservlet-api.jarhome libディレクトリにあります)。

  5. applicationContext.xmlファイル(src\articles\src\main\webapp\WEB-INF\)で次のパラメータを設定します。

    • casUrl: CASアプリケーションのURLを指定します。http://<server>:<port>/<context_path>

    • csSiteName: 手順1で選択したサイトの名前を指定します。

    • csUrl: WebCenter Sitesプラットフォームが実行されているURLを指定します。http://<server>:<port>/<context>

    • csUserName: デフォルト値はfwadminです。これはアプリケーションの事前定義済ユーザーで、RestAdminグループにメンバーシップを持つ一般管理者です。このグループのRESTサービスへの権限は制限されていません。別のユーザーを指定する場合は、fwadminと同等のユーザーを指定する必要があります。一般管理者の作成手順は、『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites管理者ガイド』を参照してください。

    • csPassword: 事前定義済ユーザーのパスワードを指定します。

    • articlesUrl: サンプル・アプリケーションにアクセスする際のURLを指定します。

  6. デフォルトのターゲットを指定してAntビルドを実行します(コマンド・ラインでantと入力します)。

  7. 生成されたtarget/articles-1.0.warをアプリケーション・サーバーにデプロイします。

    デプロイメント時に、次のコンテンツがソースからターゲットにコピーされます。libフォルダの内容は/WEB-INF/lib/にコピーされます。resourcesフォルダの内容は/WEB-INF/classes/にコピーされます。ソース・アプリケーションの構造の詳細は、第72章「WEMフレームワーク: アプリケーションの開発」を参照してください。

71.2.2 Articlesサンプル・アプリケーションの登録

Articlesアプリケーションには自己インストーラが用意されており、install.appページにログインすると実行されます。インストーラによってサンプル・アプリケーション(ビューを含む)が登録され、そのデータ・モデルとアセットがWebCenter Sitesデータベースに作成されます。


注意:

登録アセット・タイプFW_ViewおよびFW_Applicationの仕様は、Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites REST API Beanリファレンスおよび第78章「WEMフレームワーク: アプリケーションの手動登録」を参照してください。


Articlesインストーラを実行するには:

  1. 次のようにinstall.appページに移動します。

    http://<hostname>:<portnumber>/<context_path>/install.app
    

    例:

    http://localhost:9080/articles-1.0/install.app
    
  2. 任意の資格証明を使用してログインします(csUserNameおよびcsPasswordで指定した(第71.2.1項「Articlesアプリケーションのビルドおよびデプロイ」を参照)、アプリケーションの事前定義済ユーザーにはアプリケーションに対する権限が付与されています。サンプル・アプリケーションではロールを使用しないため、認可チェックは実行されません。)

  3. 自己インストール・プロセスによってInstallController.javaが起動されます。まずアプリケーション(アプリケーションBeanのビューを含む)が登録され、続いてサンプルのアセット・タイプとアセットがデータベースに書き込まれます。

    1. InstallController.javaは、次のようにArticlesアプリケーションをWEMフレームワークに登録します。

      • InstallController.javaは、Articlesというアプリケーション・アセット(アセット・タイプFW_Application)をWebCenter Sitesデータベースに作成します。

        iconurl属性は、アプリケーションを表すアイコンが配置されるURLを示します。

        layouturl属性は、layout.appページ(LayoutController.javaで実装される)のURLを指定します。layout.appページにはアプリケーションのレイアウトを定義します。

        layouttype属性は、デフォルト値layoutrendererのみをとります。layoutrenderer値を使用すると、アプリケーションに関連するビューがUIコンテナでレンダリングされる際に、layouturlで指定されているlayout.appページが使用されます。

      • InstallController.javaは、ArticlesViewというビュー・アセット(アセット・タイプはFW_View)をWebCenter Sitesデータベースに作成します。ビュー・アセットとアプリケーション・アセットとの関連付けは、FW_Applicationアセット・タイプのviews属性によって行われます。

    2. InstallController.javaは、次のようにアプリケーションのアセット・モデルとサンプル・アセットをインストールします。

      • アプリケーションのFW_Articleアセット・タイプをWebCenter Sitesデータベースに作成します。(FW_Articleは、InstallController.javaで定義されているベーシック・アセット・タイプです。)

      • applicationContext.xmlcsSiteNameパラメータで指定されているサイト(第71.2.1項「Articlesアプリケーションのビルドおよびデプロイ」の手順5)でFW_Articleアセット・タイプを有効にします。

      • 記事アセットの2つのサンプルをFW_Articleアセット・タイプ表に書き込みます。(記事のテキストとイメージは、/sample app/articles/src/main/resources/installに格納されます)

    3. InstallController.javaは、アセット・タイプFW_Articleの検索をサポートするアセット・タイプに基づいた索引を作成します。(コントローラは、索引構成データを指定します。)

  4. インストール・プロセスが正常に完了すると、InstallController.javaによって(http://<server>:<port>/articles/install.appに)次のページが表示されます。Homehome.appです。

    m_installsuccess.pngの説明が続きます
    図m_installsuccess.pngの説明

71.3 Articlesアプリケーションのテスト

  1. 次のようにhome.appページに移動します。

    http://<hostname>:<portnumber>/<context_path>/home.app
    

    例:

    http://localhost:8080/articles-1.0/home.app 
    
  2. 任意の資格証明を使用してログインします(csUserNameおよびcsPasswordで指定した(第71.2.1項「Articlesアプリケーションのビルドおよびデプロイ」を参照)、アプリケーションの事前定義済ユーザーにはアプリケーションに対する権限が付与されています。サンプル・アプリケーションではロールを使用しないため、認可チェックは実行されません。)

    次のように、アプリケーションのホーム・ページがWEMに表示されます。

    図71-1 Articlesホーム・ページ

    図71-1の説明が続きます
    「図71-1 Articlesホーム・ページ」の説明

  3. このアプリケーションを使用して実験を行う場合(たとえば、別のサイトに割り当てて、ユーザーを追加する場合)、WEM Adminを使用します。Webエクスペリエンス管理フレームワークの詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites管理者ガイド』を参照してください。