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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築
11gリリース1 (11.1.1.8.3)
E50013-03
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17 OmniPortletの使用

この章では、OmniPortletの概要およびOmniPortletに関連付けられたユーザー・インタフェース要素について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。


権限:

この章のタスクを実行するには、ポータル・レベルの権限であるBasic Services: Edit Page Access, Structure, and Content (標準権限)またはPages: Edit Pages (アドバンスト権限)を持つポータル・モデレータまたはポータル・メンバーである必要があります。

権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。


17.1 OmniPortletについて

OmniPortletとは、開発者がコードを記述せずに、様々なレイアウトを使用して様々なデータ・ソースのデータを公開できるようにするWebCenter Portalのコンポーネントです。OmniPortletでは、Webサービス、SQLデータベース、スプレッドシート(つまり、文字で区切られた値を含むファイル)、XML、既存のWebページのアプリケーション・データなどのほとんどすべての種類のデータ・ソースをベースにできます。


注意:

データ・ソースがスプレッドシートの場合、スプレッドシートのセキュリティを解除するか、HTTP認証のみを要求する必要があります。SSO認証はサポートされません。


また、OmniPortletを使用すると、次のことができるようになります。

パーソナライズされたデータを表示するには、データ・ソースから戻される結果を絞り込み、セキュアなデータにアクセスするための資格証明情報をパラメータ化します。デフォルトのOmniPortletでは、ポートレットの最も一般的なレイアウト(表形式、チャート、ニュース、箇条書きリスト、フォーム、HTMLおよびパラメータ・フォーム)が提供されます。


注意:

様々なタイプのポートレットの開発、プロデューサおよび他のポートレット技術の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』を参照してください。


17.2 ページへのOmniPortletインスタンスの追加

WebCenter Portalでは、十分な権限がある場合、その他のリソース・カタログ・コンポーネントを追加するのと同じ方法で、OmniPortletインスタンスをページに追加できます。詳細は、第14章「ページでのリソース・カタログ・コンポーネントの追加と編集」を参照してください。


注意:

WebCenter Portalでは、OmniPortletインスタンスを移動可能ボックス・コンポーネントに追加しないでください(詳細は、第15.9項「移動可能ボックス・コンポーネントの使用」を参照してください)。移動可能ボックス・コンポーネントは、ポートレットにデフォルトで用意されているshowDetailFrameと重複します。ポートレットを移動可能ボックスに追加すると、エラーを誘発する可能性のある不要な冗長性が生じます。


OmniPortletのインスタンスをページに追加する際は、ポートレットの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログにアクセスし、Render Portlet In I Frameプロパティがtrueに設定されていることを確認します。これにより、OmniPortletはビュー・モードで独自のインライン・フレーム(iframe)に表示されます。「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの詳細は、第17.5項「OmniPortletプロパティの設定」を参照してください。


注意:

OmniPortletがリソース・カタログで使用できない場合、WebCenter Portalにまだ登録されていない可能性があります。Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のWebCenter PortalでのOracle PDK-Javaポートレット・プロデューサの登録に関する項の説明に従って、システム管理者がOmniPortletのポートレット・プロデューサを登録する必要があります。


17.3 OmniPortletウィザードの使用

この項には次のトピックが含まれます:

17.3.1 OmniPortletウィザードへのアクセス

OmniPortletのインスタンスをページに追加した後に、「カスタマイズ」リンクをクリックしてOmniPortletウィザードを起動します。

OmniPortletウィザードは、最初、5つの手順で構成されています。

  1. データ・ソース・タイプを選択します。

    ここでは、データ・ソース・オプションが提示されます。これは、ポートレットの初期定義のみに表示され、ポートレットのデフォルトをカスタマイズする場合には使用できません。

    詳細は、第17.3.2項「データ・ソース・タイプの選択」を参照してください。

  2. データ・ソースを識別します。

    ここでは、使用するWebサービスのURLなど、データ・ソース接続を構成するためのオプションを提供します。ポートレットのデフォルトを編集する場合、後でこれらのオプションを変更できます。

    詳細は、第17.3.3項「データ・ソースの識別」を参照してください。


    注意:

    データ・ソースがスプレッドシートの場合、スプレッドシートのセキュリティを解除するか、HTTP認証のみを要求する必要があります。SSO認証はサポートされません。


  3. フィルタリング・オプションを設定します。

    ここでは、結果を絞り込むことができるように、アプリケーション・レベルでソート・オプションを提供します。ポートレットのデフォルトを編集する場合、後でこれらのオプションを変更できます。

    詳細は、第17.3.4項「フィルタリング・オプションの設定」を参照してください。

  4. 表示オプションを設定します。

    ここでは、ポートレット・ヘッダー、フッター・テキスト、レイアウト・スタイルおよびキャッシングを表示するためのオプションを提供します。ポートレットのデフォルトを編集する場合、後でこれらのオプションを変更できます。

    詳細は、第17.3.5項「表示オプションの設定」を参照してください。

  5. レイアウト・オプションを設定します。

    ここでは、データ・ソースから取得されたコンテンツのレイアウトをカスタマイズするための詳細オプションを提供します。ポートレットのデフォルトを編集する場合、後でこれらのオプションを変更できます。

    詳細は、第17.3.6項「レイアウト・オプションの設定」を参照してください。

これらの手順が終了したら、完了です。最初の値を変更する場合は、ポートレットの「操作」メニューから「カスタマイズ」オプションを選択することで、ウィザードに再度入力できます。OmniPortletを設定する場合に行った手順を示すタブが表示されます。データ・タイプは変更できませんが、「ソース」「フィルタ」「ビュー」および「レイアウト」タブの値は変更できます。


注意:

IBM Linux on Powerプラットフォームでは、OmniPortletを定義するときにアクション・ボタン(「次へ」、「前へ」、「終了」、「取消」)が点に最小化された場合、スタック・サイズ・シェル制限を無制限に増やし、oc4j_portletインスタンスを再起動します。スタック・サイズのシェル制限を無制限に設定するには、コマンドprompt> ulimit -s unlimitedを実行します。


次の各項では、OmniPortletウィザードの別の手順/タブの詳細を説明します。

17.3.2 データ・ソース・タイプの選択

OmniPortletを初めて起動する場合、「タイプ」ステップが表示されます(図17-1)。

図17-1 OmniPortletウィザードの「タイプ」タブ

図17-1の説明が続きます
「図17-1 OmniPortletウィザードの「タイプ」タブ」の説明

「タイプ」ステップを使用して、OmniPortletインスタンスに表示されるデータのタイプを指定します。OmniPortletでは、デフォルトで次のデータ・タイプをサポートしています。

  • SpreadSheet: 文字で区切られた値(CSV)を含むテキスト・ファイルのデータを表示します。


    注意:

    データ・ソースがスプレッドシートの場合、スプレッドシートのセキュリティを解除するか、HTTP認証のみを要求する必要があります。SSO認証はサポートされません。


  • SQL: SQLを使用したデータベースのデータを表示します。

  • XML: XMLファイルのデータを表示します。

  • Webサービス: 標準プロトコルを使用してインターネット上でアクセスできる個別のビジネス・サービスのデータを表示します。

  • Webページ: 既存のWebコンテンツに基づいてデータを表示します。

OmniPortletウィザードを完了した後は、データ・ソース・タイプを変更できません。

17.3.3 データ・ソースの識別

データ型を選択したら、データ・ソースを識別する準備が整います。「ソース」タブは、「タイプ」ステップで選択したデータ型に基づいて表示されます。つまり、「ソース」タブに表示されるオプションは、選択されたデータ型によって異なります。

また、OmniPortletプロデューサが認証の必要なプロキシ・サーバーを使用するように構成されている場合、「ソース」タブには、データ・ソースに接続するために必要な情報を指定できる「プロキシ認証」セクションおよび「接続」セクションが含まれます。

この項では、選択したデータ型に固有の設定など、すべての「ソース」タブに共通の設定について説明します。次のサブセクションが含まれます:

17.3.3.1 プロキシ認証

OmniPortletプロデューサがログイン証明を必要とするプロキシ認証を使用するように設計時に設定された場合、この情報を入力できる「プロキシ認証」セクションが「ソース」タブに表示されます。

OmniPortletのプロキシ認証のサポートには、グローバル・プロキシ認証および各ユーザーの認証のサポートが含まれます。これはつまり、OmniPortletインスタンスのログイン・シナリオを指定できるということです。

  • すべてのユーザーは、指定したユーザー名とパスワードを使用して自動的にログインします。

  • 各ユーザーは、個別のユーザー名とパスワードを使用してログインします。

  • すべてのユーザーは、指定した同じユーザー名とパスワードを使用してログインします。

「プロキシ認証」セクションは、次のデータ・タイプの場合と、固有のデータ・ソースでアクセスするためにプロキシ・サーバーが必要な場合のみ表示されます。

  • CSV(文字で区切られた値)

  • XML

  • Webページ


注意:

OmniPortletプロデューサの構成は、Portal Frameworkアプリケーションに適用可能なデザインタイム・アクティビティです。プロキシ認証を使用するようにOmniPortletプロデューサを構成する方法の詳細は、「Edit Producers: OmniPortlet Producer」ページの「ヘルプ」をクリックしたときに表示されるWebCenter Portal Frameworkのオンライン・ヘルプ・トピックを参照してください。

すべてのユーザーにログインを要求するようにOmniPortletプロデューサを構成する場合は、次のように各ユーザーが実行時に独自のプロキシ・ログイン情報を設定する必要があります。

  • ページ・デザイナの場合、「カスタマイズ: ソース」タブにこれを設定します。

  • ページ・ビューアの場合、「パーソナライズ」ページにこれを設定します。

「カスタマイズ: ソース」タブにアクセスするには、ポートレットの「操作」メニューの「カスタマイズ」リンクをクリックします。「パーソナライズ」ページにアクセスするには、ポートレットの「操作」メニューの「パーソナライズ」リンクをクリックします。

Webページ・データ・ソースを使用する場合は、「ソース」タブの「Webページの選択」ボタンをクリックすると、Web Clipping Studioに「プロキシ認証」セクションが表示されます。

Web Clipping Studioの詳細は、第18章「Webクリッピング・ポートレットの使用」を参照してください。


17.3.3.2 接続およびポートレット・パラメータ

Webページ・データ・ソース以外の各データ・ソースで、「ソース」ステップに、セキュアなデータにアクセスするための接続情報を定義できる「接続」セクションが含まれています。すべてのデータ・ソースの「ソース」ステップに、ポートレット・パラメータを定義できる「ポートレット・パラメータ」セクションが含まれています(図17-2)。

図17-2 「ソース」タブ: 「接続」および「ポートレット・パラメータ」セクション

図17-2の説明が続きます
「図17-2 「ソース」タブ: 「接続」および「ポートレット・パラメータ」セクション」の説明


注意:

「ユーザー名」「パスワード」または「接続文字列」##ParamN##形式(##Param1##など)を使用できます。ただし、パラメータ値が置換されるときに接続情報が正しい場合でも、「テスト」ボタンによってエラーが戻されます。


ポートレット・パラメータを定義した後に、それらをページ・パラメータにマップできます。詳細は、第17.4項「OmniPortletパラメータの使用」および第19章「ページ、タスク・フロー、ポートレットおよびADFコンポーネントの結付け」を参照してください。

接続情報を編集するには、「接続の編集」ボタンをクリックして「接続情報」ページを開きます(図17-3)。

図17-3 SQLデータ・ソースのOmniPortletの「接続情報」ページ

図17-3の説明が続きます
「図17-3 SQLデータ・ソースのOmniPortletの「接続情報」ページ」の説明

「接続情報」ページに、接続情報の名前、ユーザー名およびパスワードを入力できます。SQLデータ・ソースの場合、データ・ソースに接続するためのドライバを指定する情報も入力できます。詳細は、第17.3.3.4項「SQL」を参照してください。


注意:

「接続情報」ページの詳細は、OmniPortletウィザードの「ソース」タブの「ヘルプ」をクリックします。


17.3.3.3 スプレッドシート

スプレッドシートは、小規模なデータ・セットを格納するための一般的な方法です。OmniPortletを使用すると、文字で区切られた値(CSV)をデータ・ソースとしてサポートし、スプレッドシートを共有できます。「ソース」タブを使用して、CSVファイルの場所を指定します(図17-4)。

図17-4 「ソース」タブ: 「Spreadsheet (CSV)」

図17-4の説明が続きます
「図17-4 「ソース」タブ: 「Spreadsheet (CSV)」」の説明

セキュア・サーバーにファイルが格納されている場合、図17-3に示されている「接続情報」セクションで接続情報を指定できます。WebCenter Suiteがファイルを読み取るときに使用するキャラクタ・セット、デリミタおよびテキスト修飾子も選択できます。


注意:

  • OmniPortletプロデューサは、Portal Frameworkアプリケーションと異なる層に存在し実行され、セッション情報にアクセスできないため、CSVファイルはOmniPortletがアクセスできるようにPUBLICとして公開する必要があります。

  • CSVファイルはセキュリティを解除するか、HTTP認証のみを要求する必要があります。SSO認証はサポートされません。


17.3.3.4 SQL

リレーショナル・データベースは、データを格納するための最も一般的な場所です。OmniPortletを使用すると、標準のJDBCドライバを使用して、Oracleおよび他のすべてのJDBCデータベースにデフォルトでアクセスできます。接続情報を構成するときにドライバ・タイプを指定できます。

図17-5に、SQLデータ・ソースの「ソース」タブを示します。

図17-5 「ソース」タブ: 「SQL」

図17-5の説明が続きます
「図17-5 「ソース」タブ: 「SQL」」の説明

DataDirect JDBCドライバを使用して、他のリレーショナル・データベースにアクセスできます。そのためには、ドライバを認識するようにOmniPortletを構成する必要があります。これは、通常アプリケーション開発者によって実行される設計時のアクティビティです。


関連項目:

  • DataDirectドライバを使用するためのOmniPortletの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の他のリレーショナル・データベースにアクセスするためのOmniPortletプロデューサの構成に関する項を参照してください。

  • DataDirectドライバの詳細は、Oracle Technology Network (OTN) (http://www.oracle.com/technetwork)のOracle Application ServerおよびDataDirect JDBCの動作保証マトリックスを参照してください。


ドライバがインストールされると、「接続情報」ページの「ドライバ名」ドロップダウン・リストにドライバが表示されます(図17-6)。

図17-6「接続情報」ページの「ドライバ名」ドロップダウン・リスト

図17-6の説明が続きます
「図17-6「接続情報」ページの「ドライバ名」ドロップダウン・リスト」の説明

Oracle Thinドライバの場合は、「接続文字列」に、host_name:port:SIDの形式で値を入力します。DataDirectドライバの接続文字列を入力する場合、host_name:portという構文を使用して「接続文字列」フィールドに値を入力する必要があることに留意してください。host_nameは、データベースが実行されているサーバーの名前です。portは、データベースのリスニング・ポートです。

17.3.3.5 XML

イントラネットまたはインターネットにまたがるXMLデータ・ソースにアクセスできます。「ソース」タブで、データを含むXMLファイルのURLを指定できます(図17-7)。

図17-7 「ソース」タブ:「XML」

図17-7の説明が続きます
「図17-7 「ソース」タブ: 「XML」」の説明

「XML URL」および「XSL Filter URL」フィールドの横にある「テスト」ボタンを使用して、XMLデータ・ソースおよびXSLフィルタを検証します。

指定したXMLファイルを表形式(ROWSET/ROW)構造にするか、またはデータをROWSET/ROW構造に変換するXMLスタイル・シート(XSL)を指定できます。例17-1に、XMLデータ・ソースのROWSET/ROW構造を示します。

例17-1 XMLデータ・ソースのROWSET/ROW構造

<TEAM>
  <EMPLOYEE>
    <DEPTNO>10</DEPTNO>
    <ENAME>KING</ENAME>
    <JOB>PRESIDENT</JOB>
    <SAL>5000</SAL>
  </EMPLOYEE>
    <DEPTNO>20</DEPTNO>
    <ENAME>SCOTT</ENAME>
    <JOB>ANALYST</JOB>
    <SAL>3000</SAL>
  <EMPLOYEE>
</TEAM>

例17-1で、<TEAM>タグは行セット(rowset)を示し、<EMPLOYEE>タグは行(row)を示します。

XMLファイルの形式にかかわらず、OmniPortletはXMLを調べて、レイアウトを定義するために使用される列名を自動的に決定します。この情報を自分で指定するには、データを記述するXMLスキーマへのURLを指定します。

XMLファイルがHTTP Basic認証で保護されたセキュアなサーバーに格納されている場合は、「接続情報」ページに接続情報を指定できます。


注意:

OmniPortletプロデューサは、Portal Frameworkアプリケーションと異なる層に存在し実行され、セッション情報にアクセスできないため、OmniPortletがXMLファイルにアクセスできるようにPUBLICとして公開する必要があります。


17.3.3.6 Webサービス

Webサービスは、SOAPやHTTPなどの標準プロトコルを使用してインターネット上でプログラムを使用してアクセスできる個別のビジネス・サービスです。Webサービスはプラットフォームや言語にとらわれないサービスで、通常、Webサービス・ブローカに登録されています。使用するWebサービスを検索する場合は、Webサービス記述言語(WSDL)ファイルへのURLを取得する必要があります。WSDLファイルにはWebサービスが記述され、予期されるパラメータなど、コールできるメソッドが指定されます。また、戻されたデータも記述されます。

OmniPortletでは、DocumentとRemote Procedure Call (RPC)という両方のタイプのWebサービスがサポートされています。WSDLドキュメント/ファイルが提供されると、解析され、コールできるメソッドのうち使用可能なメソッドが「ソース」タブに表示されます。

XMLデータ・ソースと同様に、XSLファイルを使用してデータを変換することもできますが、OmniPortletではROWSET/ROW形式のWebサービス・データが要求されます。戻されるデータ・セットを示すXMLスキーマを指定することもできますが、OmniPortletはWSDLドキュメント/ファイルを調べて列名を決定します。

図17-8に、サンプルのWebサービスの「ソース」タブを示します。

図17-8 「ソース」タブ: Webサービス

図17-8の説明が続きます
「図17-8 「ソース」タブ: Webサービス」の説明

17.3.3.7 Webページ


注意:

Webクリッピング・ポートレットは、リリース11g (11.1.1.7.0)では非推奨です。Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサのページレット・プロデューサを使用してクリッパ・ページレットを使用することを検討してください。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「ページレット・プロデューサの管理」の章を参照してください。


OmniPortletを使用すると、既存のWebコンテンツをデータ・ソースとして使用できます。Web ClippingポートレットのWeb Clipping Studioを統合すると、OmniPortletインスタンスのコンテキスト内でWebコンテンツのクリッピングとレンダリングができるようになります。

OmniPortletのWebページ・データ・ソースにより、Web Clippingポートレットによって提供される範囲がスクラップ機能を含むように拡張されます。その他の機能は次のとおりです。

  • 様々なログイン・メカニズムを介した移動(フォームベースおよびJavaScriptベースの送信、Cookieベースのセッション管理を含むHTTP Basic認証およびDigest認証など)。

  • クリッピングのファジー・マッチング。ソース・ページ内部でWebクリッピングの順序が変更されたり、文字のフォント、サイズまたはスタイルが変更されても、引き続きWebページ・データ・ソースによって正しく識別され、ポートレット・コンテンツとして提供されます。

  • 様々なWebコンテンツの再利用(HTML 4.0.1およびJavaScriptによって記述されたページ、HTTP GETおよびPOST(フォーム送信)を介して取得されたページの基本的なサポートなど)。

デフォルトでは、Webクリッピングのすべての定義は永続的にOracle Metadata Services (MDS)に格納されています。ただし、Oracle Databaseを使用することもできます。MDSを使用するには、構成ファイルの変更は必要ありません。Oracle DatabaseをWeb Clippingリポジトリとして使用する場合は、設計時にprovider.xmlファイルを更新する必要があります。パスワードなどの保護情報は、Oracle Databaseの暗号化技術を使用してData Encryption Standard (DES)に従って暗号化された形式で格納されます。

データ型としてWeb Pageを選択すると、OmniPortletウィザードの「ソース」タブ(図17-9)に、Web Clipping Studioを起動する「Webページの選択」ボタンが含まれるようになります。

図17-9 「ソース」タブ: 「Webページ」

図17-9の説明が続きます
「図17-9 「ソース」タブ: 「Webページ」」の説明

Web Clipping Studioで、Oracle Application Server Web Clippingオンライン・ヘルプを使用するには、ページ上部の「ヘルプ」アイコンをクリックします。ヘルプを使用すると、Webコンテンツを区分けして保存するプロセスを確認できます。


注意:

Web Clipping Studioの使用またはWebクリッピング・ポートレットのコンテンツのクリッピングの詳細は、第18章「Webクリッピング・ポートレットの使用」を参照してください。


17.3.4 フィルタリング・オプションの設定

データ・ソースを選択してデータ・ソース・オプションを指定した後、OmniPortletのフィルタリング・オプションを使用してさらにデータを絞り込むことができます。フィルタリングを効率的に使用するには、「ソース」タブのデータ・ソース・レベルでできるかぎり多くのデータを絞り込み、「フィルタ」タブのオプションを使用してデータを簡素化します。たとえば、SQLデータ・ソースを使用している場合は、WHERE句を使用して指定した列から特定のデータのみを戻すことができます。この場合、「フィルタ」タブをスキップし、ウィザードの「ビュー」タブを続行します。ただし、データ・ソース・レベルでフィルタリング・オプションがない場合は、「フィルタ」タブのオプションを使用してデータをソートできます(図17-10)。

図17-10 「フィルタ」タブ

図17-10の説明が続きます
「図17-10 「フィルタ」タブ」の説明

17.3.5 表示オプションの設定

データを指定してフィルタリングした後、OmniPortletの表示オプションおよびレイアウト・オプションを選択できます。「表示」タブ(図17-11)には、ヘッダー・テキストおよびフッター・テキストを追加したり、キャッシングを有効にしたり、後で「レイアウト」タブで絞り込むことができるレイアウト・スタイルを選択したりするためのオプションがあります。

図17-11 「表示」タブ

図17-11の説明が続きます
「図17-11 「表示」タブ」の説明

「表示」タブでは、次のレイアウトから選択できます。

  • チャート

  • ニュース

  • 箇条書き

  • フォーム

  • HTML

  • パラメータ・フォーム


注意:

OmniPortletで使用できる別のレイアウト・スタイルの詳細は、次の項を参照するか、またはOmniPortletウィザードの「ヘルプ」をクリックします。


17.3.6 レイアウト・オプションの設定

「レイアウト」タブを使用すると、OmniPortletの外観をさらにカスタマイズできます。「レイアウト」タブのオプションは、「ビュー」タブでの選択に応じて変わります。たとえば、「チャート・レイアウト」オプションを選択したら、チャート・ハイパーリンクを選択するためのオプションが提供されます。チャート・ハイパーリンクを使用して、チャートの特定の部分をクリックすると、イベント(別のURLへの移動など)がトリガーされます。

その他のレイアウト・スタイルの場合、各列を定義して、プレーン・テキスト、HTML、イメージ、ボタン、フィールドなどの特定の形式で表示できます。たとえば、イメージへのURLを含むデータ・ソースを選択したとします。このイメージを表示するには、この列の表示に「イメージ」を選択できます。チャート・ハイパーリンクの動作と同様に各列をアクションにマップすることもできます。

この項には、OmniPortletの「レイアウト」タブで使用できるレイアウト・オプションの詳細を説明する次のサブセクションが含まれています。


注意:

現在イベントはサポートされていないため、レイアウト設計時にアクションを選択すると、予期しない結果が発生する可能性があります。


17.3.6.1 表レイアウト

通常、表に表示するデータの列が1つ以上ある場合、表のレイアウトを使用します。背景色のない表にすべての行を表示するには「プレーン」を、表の1行おきに背景色を表示するには「代替」を選択できます(図17-12)。

図17-12 「レイアウト」タブ: 「表形式」

図17-12の説明が続きます
「図17-12 「レイアウト」タブ: 「表形式」」の説明


注意:

ポートレットのスタイル・プロパティを使用すると、ポートレットの背景色を制御できます。ポートレットのスタイル・プロパティは、Composerの「プロパティ」パネルを介して公開されます。詳細は、第17.5項「OmniPortletプロパティの設定」を参照してください。


「列のレイアウト」セクションには、ポートレットに表示するデータ列および表示形式を選択するためのオプションがあります。また、URLと、列データを表示する列をハイパーリンクとして関連付けることもできます。セカンダリWebページが新しいウィンドウに表示されるかどうかを指定することもできます。図17-13に、表形式を使用したOmniPortletの例を示します。

図17-13 表形式を使用したOmniPortletの例

図17-13の説明が続きます
「図17-13 表形式を使用したOmniPortletの例」の説明


注意:

OmniPortletウィザードの使用方法の詳細は、「レイアウト」タブの「ヘルプ」リンクをクリックします。


17.3.6.2 チャート・レイアウト

チャート・レイアウトを使用すると、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフのように、グラフィカルにデータを表示できます。「レイアウト」タブ(図17-14)には、使用するチャート形式(「チャート形式」)および表示するデータ・ソース列(「列のレイアウト」)を指定するためのオプションがあります。

図17-14 「レイアウト」タブ: 「チャート」

図17-14の説明が続きます
「図17-14 「レイアウト」タブ: 「チャート」」の説明

「列のレイアウト」セクションで、チャートで使用するデータ・ソース列(「グループ」)、チャート凡例を作成する場合に使用する値(「カテゴリ」)およびチャートの棒、線、扇形の相対的なサイズ(「値」)を選択できます。


注意:

チャートの情報をグループ化するには、(たとえば、SQL問合せ文の)データ・レベルで情報をグループ化する必要があります。また、データ・ソースの数値に書式設定された文字列、カンマまたは通貨($32,789.00など)が含まれている場合は、チャートの生成時にそれらはテキストと見なされ無視されます。これらの書式文字を数値として正しく読み取るようにする場合は、それらを削除する必要があります。


また、チャートのセクションがハイパーリンクを指す必要があるかどうか、および新しいウィンドウにリンク・ターゲットが表示される必要があるかどうかを選択することもできます。

各棒、扇形、線が別のWebページにリンクするようにチャート・ハイパーリンクを定義できます。たとえば、ページに円グラフとレポートのポートレットを配置してから、扇形にハイパーリンクを設定できます。扇形をクリックすると、扇形のデータに関する詳細情報を含むレポートに行が表示されます。

図17-15に、円グラフの例を示します。この例では、チャート凡例として「カテゴリ」DEPARTMENTが使用されています。

図17-15 円グラフ・レイアウトを使用したOmniPortletの例

図17-15の説明が続きます
「図17-15 円グラフ・レイアウトを使用したOmniPortletの例」の説明

17.3.6.3 ニュース・レイアウト

「ニュース」レイアウトを使用すると、記事および短い記事の説明へのリンクが表示されます。「ニュース」レイアウトを使用すると、Resource Description Framework (RDF)やRSS (Really Simple Syndication)などの標準XML形式で情報を公開できます。

「列のレイアウト」セクション(図17-16)を使用すると、ポートレットの上部に表示される見出し、ロゴ、垂直に移動した場合にポートレットの情報をすべて表示できるようにするスクロール・レイアウトを追加できます。

図17-16 「レイアウト」タブ: 「ニュース」

図17-16の説明が続きます
「図17-16 「レイアウト」タブ: 「ニュース」」の説明


注意:

OmniPortletの「ニュース・レイアウト」スクロール・タイプは、Microsoft Internet ExplorerおよびNetscape 7.0でサポートされています。


「レイアウト」タブには、URLと列データを関連付けるためのオプションもあります。ユーザーはポートレットの列データをクリックして、指定した目的の位置に移動します。

図17-17に、ニュース・レイアウトを使用したOmniPortletの例を示します。

図17-17 ニュース・レイアウトを使用したOmniPortletの例

図17-17の説明が続きます
「図17-17 ニュース・レイアウトを使用したOmniPortletの例」の説明


注意:

OmniPortletウィザードの使用方法の詳細は、「レイアウト」タブの「ヘルプ」リンクをクリックします。


17.3.6.4 箇条書きレイアウト

「箇条書き」レイアウトを使用すると、箇条書きリストまたは番号付きリストでデータが表示されます。「レイアウト」タブ(図17-18)には、様々な異なる箇条書きスタイルおよび番号付けスタイルがあります。

図17-18 「レイアウト」タブ: 箇条書き

図17-18の説明が続きます
「図17-18 「レイアウト」タブ: 箇条書き」の説明

「列のレイアウト」セクションで、ポートレットに列を表示する方法を選択して、URLと列データを関連付けることができます。

図17-19に、「箇条書き」レイアウトを使用したOmniPortletの例を示します。

図17-19 「箇条書き」レイアウトを使用したOmniPortletの例

図17-19の説明が続きます
「図17-19 「箇条書き」レイアウトを使用したOmniPortletの例」の説明


注意:

OmniPortletウィザードの使用方法の詳細は、「レイアウト」タブの「ヘルプ」リンクをクリックします。


17.3.6.5 フォーム・レイアウト

図17-20 「レイアウト」タブ: 「フォーム」

図17-20の説明が続きます
「図17-20 「レイアウト」タブ: 「フォーム」」の説明

Name: <name>のようにラベルが付いたフィールドを含むフォームでソース・データを表示する場合に「フォーム」レイアウトを使用します。その後、ポートレット・パラメータを使用して、表示するデータを決定できます。

「列ラベル」列を使用して行ラベルを入力し、「列」列を使用してデータ・ソースから使用する列を指定します。また、データ位置の指定、表示モード(テキスト、HTML、イメージ、ボタン、フィールドまたは非表示)の選択、URLまたはイベントと列データの関連付け、および新しいウィンドウでURLターゲットを開くかどうかの指定を行うこともできます。

図17-21に、「フォーム」レイアウトを使用したOmniPortletの例を示します。

図17-21 「フォーム」レイアウトを使用したOmniPortletの例

図17-21の説明が続きます
「図17-21 「フォーム」レイアウトを使用したOmniPortletの例」の説明


注意:

OmniPortletウィザードの使用方法の詳細は、「レイアウト」タブの右上隅にある「ヘルプ」リンクをクリックします。


17.3.6.6 HTMLレイアウト

「HTML」レイアウトを使用すると、OmniPortletコンテンツのカスタマイズされたルック・アンド・フィールを作成できます。「レイアウト」タブ(図17-22)を使用すると、組込みHTMLレイアウトの選択およびコードの変更、または新しいレイアウトの作成が行えます。

図17-22 「レイアウト」タブ: 「HTML」

図17-22の説明が続きます
「図17-22 「レイアウト」タブ: 「HTML」」の説明

OmniPortletが選択したデータ・ソースから取得したデータ列に基づいて独自のHTMLまたはJavaScriptをハンドコーディングできます。独自のHTMLおよびJavaScriptをコーディングすることで、ポートレットの外観を完全に制御できるため、機能が充実したポートレット・インタフェースを開発できます。

「レイアウト」タブのフィールドの使用方法の詳細は、ウィザードの「ヘルプ」ボタンをクリックします。HTMLレイアウトでのJavaScriptの使用方法の例としては、このタブの「クイック・スタート」ドロップダウン・リストから「ソート可能表」レイアウトを選択します。


注意:

各セクション(「見出し」、「繰返し」および「フッター」)に入力できる文字の最大数は、30,000 (30k)です。


図17-23に、「HTML」レイアウトを使用したOmniPortletの例を示します。

図17-23 「HTML」レイアウトを使用したOmniPortletの例

図17-23の説明が続きます
「図17-23 「HTML」レイアウトを使用したOmniPortletの例」の説明

17.3.6.7 パラメータ・フォーム・レイアウト

「パラメータ・フォーム」レイアウトを使用すると、OmniPortletコンテンツのカスタマイズされたパラメータ・フォームを作成できます。「レイアウト」タブ(図17-24)を使用すると、組込みパラメータ・フォーム・レイアウトの選択およびコードの変更、または新しいレイアウトの作成が行えます。

図17-24 「レイアウト」タブ: 「パラメータ・フォーム」

図17-24の説明が続きます
「図17-24 「レイアウト」タブ: 「パラメータ・フォーム」」の説明

OmniPortletが選択したデータ・ソースから取得したデータ列に基づいて独自のパラメータ・フォームをハンドコーディングできます。独自のパラメータ・フォームをコーディングすることで、ポートレットの外観を完全に制御できるため、機能が充実したポートレット・インタフェースを開発できます。そのためには、「カスタム」スタイル・オプションを選択してから、「カスタムHTML」フィールドを使用してパラメータ・フォームを編集します(図17-25)。

図17-25 「レイアウト」タブ: 「パラメータ・フォーム」の「カスタムHTML」フィールド

図17-25の説明が続きます
「図17-25 「レイアウト」タブ: 「パラメータ・フォーム」の「カスタムHTML」フィールド」の説明

「レイアウト」タブのフィールドの使用方法の詳細は、ウィザードの「ヘルプ」ボタンをクリックします。

17.3.7 OmniPortletのカスタマイズ

OmniPortletを作成してポータルに戻った後、ポートレットの「アクション」メニューから「カスタマイズ」オプションを選択して元の選択を修正できます。定義したOmniPortletを修正する場合、タブはOmniPortletウィザードで最初に提供された異なるステップに対応します。この例外は「タイプ」ステップです。最初に選択したデータ・タイプを変更できないため、対応する「タイプ」タブはありません。

カスタマイズ・モードを使用してOmniPortletを修正する場合は、次の点に注意してください。

  • カスタマイズ・モードを使用してポートレットに行われた変更はすべて、現行のセッション言語およびユーザーのブラウザのロケールにかかわらず、すべてのユーザーに適用されます。

  • ポートレットの「パーソナライズ」リンクをクリックするか、またはポートレットの「アクション」メニューの「パーソナライズ」オプションを選択することで、実行時にポートレットをパーソナライズできます。ポートレットをパーソナライズすると、パーソナライズ・オブジェクトのコピーが作成されます。すべてのプロパティが複製されるため、複製後は「カスタマイズ」モードを使用してポートレットを変更しても、パーソナライズされたバージョンのポートレットには影響しません。ポートレットに対して最新のカスタマイズが行われたことを確認するには、「カスタマイズ」モードで変更した後に、再度「パーソナライズ」をクリックし、「デフォルトに戻す」オプションを選択する必要があります。

  • OmniPortletのパーソナライズは、ファイルプリファレンス・ストアに格納されます。OmniPortletの構成およびプリファレンス・ストアの変更の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』のPortalツールおよびWebプロデューサの構成(オプション)に関する項を参照してください。

17.4 OmniPortletパラメータの使用

1つのOmniPortletに対して最大5つのポートレット・パラメータを定義できます。パラメータは、次の画面で定義できます。

図17-26に、「ソース」タブの「ポートレット・パラメータ」セクションを示します。

図17-26 「ソース」タブ: 「ポートレット・パラメータ」セクション

図17-26の説明が続きます
「図17-26「ソース」タブ: 「ポートレット・パラメータ」セクション」の説明

これらのポートレット・パラメータのいずれかをパーソナライズ可能に選択する(「パーソナライズ可能」チェック・ボックスを選択する)と、「パーソナライズ」画面でその値を設定できます。


注意:

ポートレット・パラメータの詳細は、オンライン・ヘルプを参照してください。オンライン・ヘルプには、OmniPortletウィザードの「ソース」タブの「ヘルプ」リンクをクリックしてアクセスできます。オンライン・ヘルプには、ポートレット・パラメータの詳細、およびOmniPortletでのそれらの設定方法について記載されています。


OmniPortletにポートレット・パラメータを設定した後、状況に応じてポートレットを他のポートレットまたはページのコンポーネントにマップできます。この操作の詳細は、第19章「ページ、タスク・フロー、ポートレットおよびADFコンポーネントの結付け」を参照してください。

17.5 OmniPortletプロパティの設定

OmniPortletには、関連付けられているプロパティがあります。このプロパティには、十分な権限を持つユーザーがコンポーザの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログからアクセスできます(図17-27)。


ヒント:

「コンポーネント・プロパティ」ダイアログへのアクセスの詳細は、第14.3項「コンポーネントの変更」を参照してください。


図17-27 OmniPortletコンポーネント・プロパティ

図17-27の説明が続きます
「図17-27 OmniPortletコンポーネント・プロパティ」の説明

次の各項では、OmniPortletのプロパティについて説明します。

17.5.1 OmniPortletのプロパティについて

デフォルトのOmniPortletコンテンツは、「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「パラメータ」タブおよび「表示オプション」タブ上のプロパティによって制御されます。これらのタブのプロパティの詳細は、第17.5.2項「OmniPortletのプロパティ」を参照してください。

「表示オプション」タブ、「スタイル」タブおよび「コンテンツ・スタイル」タブの共通プロパティを変更すると、OmniPortletの外観と動作に影響します。すべてのタスク・フローに共通するプロパティの詳細は、第14.3項「コンポーネントの変更」を参照してください。

OmniPortletでは現在、イベントをサポートしていないため、「イベント」タブに表示されるイベントはありません。

「パラメータ」タブと「表示オプション」タブのすべてのプロパティから式言語(EL)エディタにアクセスできます。ELエディタを使用すると、定数値のかわりに変数値を選択または指定できます。エディタを開くには、プロパティ・フィールドの横にある「編集」アイコンをクリックします。エディタの使用方法の詳細や一般的なEL式の説明は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の式言語式に関する項を参照してください。


注意:

「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの汎用の「表示オプション」タブでELを入力すると、入力内容が自動的に検証されます。EL構文が無効な場合、エラーが表示され、値は適用も保存もされません。汎用の表示オプションとは、表14-1「表示オプション・プロパティ」に掲載されているオプションです。

汎用以外の表示オプションには、ELの検証は行われません。


17.5.2 OmniPortletのプロパティ

表17-1は、OmniPortlet固有のプロパティについて説明しています。

表17-1 OmniPortletコンポーネント・プロパティ

プロパティ 説明 場所

Param#

これを使用して、OmniPortletが定義されたときに指定されたパラメータにページ・パラメータをマッピングします。これらのパラメータを使用して、ポートレットとページをコンテキストに応じて結び付けることができます。詳細は、第19章「ページ、タスク・フロー、ポートレットおよびADFコンポーネントの結付け」を参照してください。

「パラメータ」タブ

All Modes Shared Screen

OmniPortletでは、このプロパティをfalseに設定すると、表示モードを除くすべてのポートレット・モードがそれぞれのページにレンダリングされます。このプロパティをtrueに設定すると、OmniPortletウィザードでOmniPortletの特定のセクションを編集できなくなる場合があります。

「表示オプション」タブ

Id

ポートレット・インスタンスの一意の識別子。

「表示オプション」タブ

Partial Triggers

これを使用して、部分的なページのリフレッシュを初期化します。これは、ページ全体を再描画しないでページの一部の領域をリフレッシュする方法です。

部分的な更新をトリガーするコンポーネントのIDを入力します。ポートレットは、指定されたトリガー・コンポーネントをリスニングします。トリガー・コンポーネントが更新のためのトリガー・イベントを受け取ると、ポートレットも自身の更新をリクエストします。

「表示オプション」タブ

Render Portlet In I Frame

これを使用すると、インライン・フレーム(iframe)にポートレットをレンダリングするか、インライン・フレームを使用しないか、ポートレットに判断させることができます。有効な値は、次のとおりです。

  • auto (デフォルト): ポートレット・タグは、ポートレットのレスポンスをチェックして、インライン・フレームが必要かどうかを判断します。

  • true: ポートレット・インスタンスをインライン・フレームにレンダリングします。

  • false: ポートレット・インスタンスをインラインにレンダリングします。

ページのインラインにポートレットを配置すると、インライン・フレームにポートレットを配置するより優れたユーザー・エクスペリエンスを提供できます。ただし、場合によってはインライン・フレームにポートレットを含めることが必要になります。例:

  • ポートレットがJSFポートレットの場合

  • ポートレットにファイル・アップロード要素が含まれている場合

  • パーサーがマークアップを解析できないために、例外を返す場合

「表示オプション」タブ

Title

ポートレット・ヘッダーに表示するOmniPortletのタイトルを入力します。

「表示オプション」タブ


17.6 OmniPortletのトラブルシューティング

この項では、OmniPortletの使用中に発生する可能性がある問題のトラブルシューティングに役立つ情報を提供します。

「カスタマイズ」リンクを使用してOmniPortletを定義できない

「カスタマイズ」リンクを使用すると、実行時にOmniPortletを定義できません。

問題

OmniPortletでは、RenderPortletInIFrameの値はtrueのみをサポートします。これは、OmniPortletをインライン・フレーム内でレンダリングする必要があるということです。したがって、OmniPortletプロパティのRenderPortletInIFrametrueに設定する必要があります。RenderPortletInIFrameプロパティは、設計時に「Display」オプションの下の「プロパティ・インスペクタ」で使用できます。実行時、RenderPortletInIFrameプロパティはコンポーザの「プロパティ」パネルで使用できます。

解決方法

現在、RenderPortletInIFrameプロパティはfalseの値を保持しているため、実行時に「定義」リンクをクリックしても、「タイプ」タブが表示されない場合があり、OmniPortletの定義を続行できません。

「アクション」メニューから「カスタマイズ」を選択するか、またはPortal Frameworkアプリケーションの場合、設計時にOracle JDeveloperの「構造」ウィンドウでOmniPortletを選択して、Property InspectorでRenderPortletInIFrametrueに設定します。