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Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B62261-05
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16 Sybase AS Enterprise

この章では、Oracle Data IntegratorでのSybase AS Enterpriseの使用方法について説明します。

この章には次の項が含まれます:

16.1 概要

Oracle Data Integrator (ODI)では、Sybase AS Enterpriseデータベースのデータがシームレスに統合されます。Oracle Data Integratorの機能(ジャーナル化および統合インタフェースなど)は、Sybase AS Enterpriseを使用した場合に最良の動作が得られるように設計されています。

16.2 概念

Sybase AS Enterpriseの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます。1つのSybase AS EnterpriseデータベースはOracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このサーバー内で、データベースと所有者の1つのペアは、Oracle Data Integratorの1つの物理スキーマにマップされます。

Oracle Data Integratorでは、Java Database Connectivity (JDBC)を使用してSybase AS Enterpriseデータベースに接続します。

16.3 ナレッジ・モジュール

Oracle Data Integratorには、Sybase AS Enterpriseデータを処理するためのナレッジ・モジュール(KM)が用意されています。これらのリストを表16-1に示します。これらのKMでは、Sybase AS Enterprise固有の機能が使用されます。Sybase AS Enterpriseデータベースでは、汎用SQL KMを使用することもできます。詳細は、第4章「汎用SQL」を参照してください。

表16-1 Sybase ASEナレッジ・モジュール

ナレッジ・モジュール 説明

IKM Sybase ASE Incremental Update

増分更新モードでSybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表にデータを統合します。このIKMにより、データ・フローをステージングするための一時ステージング表が作成されます。その後、その内容をターゲット表と比較して、挿入するレコードおよびそれ以外の更新するレコードを推測します。また、CKMを起動してデータ整合性チェックを実行することもできます。

挿入および更新は、最大のパフォーマンスを得るためにバルク・セットベースの処理で実行されます。そのため、このIKMは大量のデータ用に最適化されています。

Sybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表をロードして、欠落しているレコードを挿入し、既存のレコードを更新する場合は、このIKMの使用を検討してください。

このIKMを使用するには、ステージング領域がターゲットと同じデータ・サーバー上にあることが必要です。

IKM Sybase ASE Slowly Changing Dimension

データ・ウェアハウスでタイプ2の緩やかに変化するディメンションとして使用されるSybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表に、データを統合します。このIKMは、ターゲット・データストアで設定される緩やかに変化するディメンション・メタデータに依存して、新しいバージョンとして挿入する必要があるレコード、または既存のバージョンとして更新する必要があるレコードを判別します。

挿入および更新はバルク・セットベースの処理で実行されるため、このIKMは大量のデータ用に最適化されています。

Sybase Adaptive Server Enterpriseのターゲット表をタイプ2の緩やかに変化するディメンションとしてロードする場合は、このIKMの使用を検討してください。

このIKMを使用するには、ステージング領域がターゲットと同じデータ・サーバー上にあり、適切な緩やかに変化するディメンション・メタデータがターゲット・データストア上で設定されていることが必要です。

JKM Sybase ASE Consistent

トリガーを使用してSybase Adaptive Server Enterprise表の一貫したジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。

Sybase Adaptive Server Enterpriseでの一貫性セット・チェンジ・データ・キャプチャを有効にします。

JKM Sybase ASE Simple

トリガーを使用してSybase Adaptive Server Enterprise表の単純なジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。

Sybase Adaptive Server Enterpriseでの単純なチェンジ・データ・キャプチャを有効にします。

LKM SQL to Sybase ASE

任意のSQL準拠データベースからSybase Adaptive Server Enterpriseにデータをロードします。このKMでは、ODIエージェントを使用して、選択されたデータをデータベースから読み取り、動的に作成されたターゲット一時表に結果を書き込みます。ジャーナル化されたソース表でこのKMを使用すると、ジャーナル化される表が、まず、消費されるレコードにフラグが付くように更新され、インタフェースの最後に、これらのレコードから消去されます。大量のデータを扱う場合には、このナレッジ・モジュールはお薦めしません。バルク・ユーティリティ(SQL*LOADER、BULK INSERTなど)または直接リンク(DBLINKS、リンク・サーバーなど)を使用する他のモジュールの方が、通常効率的です。

LKM SQL to Sybase ASE (BCP)

BCP(バルク・コピー・プログラム)ユーティリティを使用して、任意のSQL準拠データベースからSybase Adaptive Server Enterpriseのステージング領域データベースへデータをロードします。

このLKMでは、一時ファイルにソース・データがアンロードされ、Sybase BCPユーティリティがコールされて、ステージング表が移入されます。この方法では固有のBCPユーティリティが使用されるため、通常、大量のデータを処理する場合は、LKM SQL to SQLより効率的です。

汎用データベースに大量のソース・データがあり、ステージング領域がSybase Adaptive Server Enterpriseデータベースの場合は、このLKMの使用を検討してください。

LKM Sybase ASE to Sybase ASE (BCP)

固有のBCP out/BCP inコマンドを使用して、Sybase Adaptive Server Enterpriseのソース・データベースからSybase Adaptive Server Enterpriseのステージング領域データベースへ、データをロードします。

このモジュールでは、固有のBCP(バルク・コピー・プログラム)コマンドを使用して一時ファイルにデータを抽出します。データはその後、固有のBCPコマンドを再び使用して、ターゲットのSybase Adaptive Server Enterpriseステージング表にロードされます。この方法は通常、大量のデータを処理する場合に標準のLKM SQL to SQLより効率的です。

ソース表がSybase Adaptive Server Enterpriseインスタンスにあり、ステージング領域が異なるSybase Adaptive Server Enterpriseインスタンスにある場合は、このLKMの使用を検討してください。


16.4 固有の要件

Sybase Adaptive Server Enterprise用の一部のナレッジ・モジュールでは、BCP固有のロード・ユーティリティが使用されます。このようなナレッジ・モジュールの使用時には、次の制限が適用されます。

詳細は、Sybase Adaptive Server Enterpriseのドキュメントを参照してください。