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Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B61383-02
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18.4 WebDAVクライアント使用に関する一般的なルール

Oracle Portalは、WebDAVクライアントの多くの操作をサポートしています。すべてのWebDAVクライアントが同じように動作するわけではないため、特定のクライアントでは、これらの操作の中の一部しか実行できないものもあります。たとえば、WebDAVクライアントがWebDAV LOCKメソッドをサポートしている場合は、WebDAVからアイテムのチェックインやチェックアウトを行えます。(Webフォルダは、現在ロック操作をサポートしていません。Office 2000クライアントは暗黙のロック操作をサポートしています。CadaverとDreamweaverは、明示的なロック操作をサポートしています。)

WebDAVクライアントからPortalに対して行う操作の結果は、Portalそのもので行う場合と同じです。WebDAVクライアントからPortalを変更し、その変更に承認プロセスが必要ない場合は、Oracle Portalにすぐに反映されます。変更を表示するには、ブラウザからPortalページをリフレッシュする必要があります。

この項では、WebDAVクライアントを介してOracle Portalで実行できるアクションについて説明します。次のサブセクションが含まれます:

18.4.1 WebDAVクライアントでのPortalコンテンツのリスト

WebDAVからOracle Portalに接続すると、ローカル・マシンのファイル・システムに自分が表示権限を持つすべてのページ・グループがフォルダとして表示されます。トップレベルのフォルダは、Portalのページ・グループのルート・ページを表します。

ページ・グループを表示するには、ページ・グループのルート・ページを表示できるPortalの権限が必要です。さらに、「共有オブジェクト」ページ・グループ内に個人用ページを持っている場合は、「共有オブジェクト」ページ・グループを表示し、WebDAVクライアントを介して個人用ページにアクセスできます。

WebDAVでは標準ページのみが公開されます。他のページ・タイプはリストされず、「標準」ページ・タイプに基づくカスタム・ページもリストされません。

ページ・グループのフォルダを開くと、ページ・グループ内の次のサブページ・レベルのリストが表示されます。これらは、サブフォルダとして表示されます。同様に、サブページのフォルダを開くと、サブページのサブページとすべてのアイテム(およびサブアイテム)のリストが表示されます。タイプは次のとおりです。

  • 「ファイル」および「シンプル・ファイル」

  • 「イメージ」、「シンプル・イメージ」および「イメージ・マップ」

  • Zipファイル

  • 「ベース・ファイル」、「ベース・イメージ」または「ベース・イメージ・マップ」アイテム・タイプに基づくカスタム・タイプ


注意:

参照先のイメージ・アイテムはWebDAVのページおよびアイテムのリストには表示されません。参照先のイメージ・アイテムとは、1614.gifのようにイメージの内部名を参照して追加したイメージです。「保留中」または「下書き」ステータスのアイテムは、承認者に0KBのファイルとして表示されます。

様々な状態のアイテムへのアクセス条件については、17.9.3項「アイテムURLのセキュリティ」を参照してください。


WebDAVクライアントでアイテムを表示するには、そのアイテムが配置されているページに対して、少なくとも「表示」ページ権限が必要です。ここでは、アイテムの現行のバージョンがページ・グループのデフォルト言語(ページ・グループが作成された言語)でのみ表示されます。アイテムの翻訳はWebDAVクライアントでは表示されません。

各アイテムまたはサブアイテムに関連付けられているプライマリ・ファイルのみ表示されます。アイテム(アイテムを表すイメージまたはアイコン)に関連付けられている他のファイル(セカンダリ・ファイルやイメージなど)はWebDAVクライアントでは表示されません。これらのファイルを削除または変更する場合は、Oracle Portalで行う必要があります。

WebDAVクライアントでは、アイテムとサブアイテムは区別されません。

ほとんどの非公開アイテム(期限切れアイテム、非表示のアイテム、将来の公開日が指定されているアイテム)がWebDAVクライアントで参照可能なのは、そのアイテムが含まれるページに対してユーザーは少なくとも「コンテンツの管理」ページ権限を持ち、かつ、ページ・グループ設定「編集モードで非公開アイテムを表示」が有効化されている場合のみです。期限切れアイテムは、データベースから完全に削除(パージ)されるまで、WebDAVクライアントに表示されます。削除としてマークされたアイテムは、そのアイテムがPortalの編集モード・ビューに表示されている場合も、WebDAVクライアントには表示されません。

アイテムがWebDAVから表示されるかどうかは、「保留中」「下書き」などのアイテムの状態によっても決まります。様々な状態のアイテムへのアクセス条件については、17.9.3項「アイテムURLのセキュリティ」を参照してください。

Oracle Portalでは、フォルダおよびファイルベースのアイテムの名前の大文字と小文字は区別されます(たとえば、aaa.htmとAAA.htmは異なるアイテムとして扱われます)。しかし、WebDAVクライアントで大文字と小文字が区別されない場合(Webフォルダなど)は、aaa.htmまたはAAA.htmにアクセスできないか、クライアントが一方を他方と混同する可能性があります。したがって、そのようなクライアントを使用する場合は、大文字/小文字の区別に依存する命名規則は使用しないでください。

WebDAVクライアントでファイル名を変更すると、表示名がファイル名と同じだった場合(大文字と小文字も含めて)のみ、対応するアイテムの表示名に影響します。たとえば、Oracle Portalユーザー・インタフェースでは、アイテムの「名前」がsample.txtで、「表示名」もsample.txtであるとします。WebDAVクライアントを介してこのファイルの名前をrealfile.txtに変更すると、「名前」と「表示名」の両方がrealfile.txtに更新されます。逆に、アイテムの「名前」がsample.txtで、「表示名」がBenefits Informationの場合は、WebDAVクライアントを介してこのファイル名をbenefits.txtに変更すると、Portalでは「名前」のみが更新され、「表示名」はBenefits Informationのままです。これは、名前と表示名で大文字と小文字が異なる場合にも当てはまります。たとえば、名前がsample.txtで、表示名がSample.txtの場合は、WebDAVクライアントで名前をbenefits.txtに変更しても、表示名はSample.txtのままです。

テンプレート、リージョンおよびタブは、現在Webフォルダでは表示されません。つまり、WebフォルダからPortalページを表示すると、Portalページのアイテムとサブページは表示されますが、リージョン、タブまたはテンプレートを表すオブジェクトは表示されません。さらに、テンプレートに含まれているアイテムとポートレットやタブ・リージョンに配置されているアイテムとポートレットも表示されません。このため、WebDAVクライアントで使用する予定のページではタブを使用しないでください。

ただし、テンプレートをページから切り離すと、テンプレートからのアイテムがページそのものにコピーされるため、WebDAVクライアントに表示されるようになります。

18.4.2 WebDAVクライアントからのコンテンツの表示

ほとんどのWebDAVクライアントでは、ファイル名をクリックするとアイテムのコンテンツを表示できます。Windows 2000またはNTでの動作は、ローカル・マシン上でファイルをクリックした場合とほぼ同じであり、ファイルはオペレーティング・システムによりファイル・タイプに関連付けられているアプリケーションで開かれます。

Portalコンテンツの参照にMicrosoft Officeアプリケーションを使用している場合は、ファイルを開くと、ファイルがWebDAVクライアントでロックされ、Portalでチェックアウトされます。このため、他のユーザーは、ファイルが閉じられるまでそのファイルを編集できません。ファイルを閉じると、そのファイルのロックが解除され、チェックインされます。バージョニングが有効になっている場合は、新規バージョンが作成されます。

デスクトップ・アプリケーションの中には、ファイル名に特殊文字を使用しているファイルを開くことができないものがあります。このような問題が発生しないように、名前には英数字(AからZ、aからz、0から9)、スペース、アンダースコア(_)のみを使用してください。


注意:

Oracle Portalオブジェクトの命名規則については、付録D「Oracle Portalのオブジェクト命名規則」を参照してください。


18.4.3 WebDAVからのコンテンツの移動、コピーおよび編集

ファイルを移動、コピーまたは編集するには、少なくとも 「コンテンツの管理」(または承認が有効な場合は「承認付きアイテムの管理」)ページ権限が必要です。

Microsoft Office 2000など、WebDAV対応のデスクトップ・アプリケーションでは、ファイルを開いて直接編集し、同じ場所に同じ名前を使用して保存できます。他のアプリケーションでは、ファイルをローカル・ファイル・システムに保存し、新しいファイルをOracle Portalにドラッグ・アンド・ドロップできます。次回、Oracle Portalからファイルを開くと、編集されたバージョンのファイルが表示されます。

ファイルを移動またはコピーすると、関連付けられたファイル(アイテムのアイコンなど)やサブアイテムを含む、そのファイルに関連付けられているアイテム全体が移動またはコピーされます。ただし、サブアイテムをコピーすると、そのコピーはトップレベルのアイテムとして作成されます。

移動するファイルを複数選択し、これらにアイテムとサブアイテムが含まれている場合、エラー・メッセージが表示され、一部のファイルが移動されないことがあります。これは、複数のファイルを移動する場合、WebDAVクライアントは一度に1つのアイテムを移動しようとするためです。親ファイルを先に移動すると、すべてのサブアイテムも一緒に移動します。次にクライアントは、サブアイテムを一度に1つずつ移動しようとします。これらはソース・フォルダにはもう存在しないため、エラー・メッセージが表示されます。サブアイテムを先に移動すると、クライアントは親アイテムを移動しようとしますが、親に関連付けられたサブアイテムが見つからないため、エラー・メッセージが表示されます。

Webフォルダ内で1つのフォルダから別のフォルダにファイルをドラッグし、そのファイルがすでにドラッグ先のフォルダにある場合、既存のファイルは移動したファイルに置き換えられます。Portal内の場合、ターゲット・ページの既存のアイテムがドラッグしたアイテムに置き換えられます。この処理は、そのページのバージョニング設定に関係なく発生します。つまり、Portalでアイテムのバージョニングが有効になっている場合も、すべてのバージョンが置き換えられます。WebDAVでバージョニングを保持するには、ローカル・システムにファイルをドラッグせずにコピーし、そこからターゲット・フォルダにコピーします。


注意:

「保留中」ステータスのアイテムと同じ名前のアイテムを追加する場合は、WebDAVクライアントを使用できません。保留中のアイテムを編集しようとしているとみなされるためです。保留中のアイテムと同じ名前のアイテムを追加するときは、Portalのユーザー・インタフェースを使用できます。Portalのユーザー・インタフェースでは、この操作は異なるアイテムの追加とみなされるためです。新しいアイテムは、一意の名前で作成されます。

様々な状態のアイテムへのアクセス条件については、17.9.3項「アイテムURLのセキュリティ」を参照してください。


18.4.4 WebDAVによるアイテム・タイプおよび属性の処理

ページ設計者は、WebDAVからOracle Portalに公開される新しいファイルで使用するアイテム・タイプを指定できます。たとえば、ページ設計者はOracle Portalに公開するZipファイルを「Zipファイル」アイテム・タイプとしてアップロードできるため、そのコンテンツをページ・グループに抽出できます。

WebDAVからアップロードするファイルに指定されているデフォルトのアイテム・タイプに「カテゴリ」属性が含まれている場合、WebDAVクライアントから追加する新しいアイテムは「一般」カテゴリに割り当てられます。詳細は、18.2項「Oracle PortalをWebDAV用に設定」を参照してください。

WebDAVを使用して既存のアイテムを編集または移動すると、そのアイテムの元のアイテム・タイプおよび属性値の設定が保持されます。同様に、WebDAVを使用してアイテムをコピーすると、そのコピーでは、元のアイテムのアイテム・タイプおよび属性設定が使用されます。

ほとんどのWebDAVクライアントでは、Oracle PortalのWebDAVサーバーのアイテムの属性を編集できません。属性値を編集するには、Oracle Portalでアイテムを編集する必要があります。Oracle Driveは例外です。Oracle Driveには「プロパティの設定」という右クリック・メニュー・オプションがあります。このオプションを使用して「アイテムの編集」画面にアクセスし、アイテムの属性値を編集できます。Oracle Driveの詳細は、18.5項「Oracle DriveをWebDAVクライアントとして使用」を参照してください。

WebDAVクライアントでファイル名を変更すると、表示名がファイル名と同じだった場合のみ、対応するアイテムの表示名に影響します。たとえば、アイテムの「名前」がsample.txtで、「表示名」もsample.txtであるとします。WebDAVクライアントを介してこのファイルの名前をrealfile.txtに変更すると、「名前」と「表示名」の両方がrealfile.txtに更新されます。

逆に、アイテムの「名前」がsample.txtで、「表示名」がBenefits Informationの場合は、WebDAVクライアントを介してこのファイル名をbenefits.txtに変更すると、「名前」のみが変更されます。「表示名」はBenefits Informationのままです。

これは、名前と表示名で大文字と小文字が異なる場合にも当てはまります。たとえば、名前がsample.txtで、表示名がSample.txtの場合は、WebDAVクライアントで名前をbenefits.txtに変更しても、表示名はSample.txtのままです。

18.4.5 WebDAVでのバージョニングのサポート

Oracle PortalのWebDAVサーバーの「シンプル」および「監査」のバージョニング・モデルは、メインのPortalアプリケーションとは少し異なります。たとえば、「監査」のバージョニングを有効にしている場合、すべてのバージョンは指定どおり保持されますが、Webフォルダから異なるバージョンを選択して表示することはできません。

ページが「監査」のバージョニングを使用するように設定されている場合、WebDAVクライアントを使用してページ上のアイテムを編集すると、アイテムの新規バージョンが作成されます。新規バージョンは、常に現行のバージョンに設定されます。WebDAVフォルダには常に現行のアイテム・バージョンが表示されます。新規バージョンを現行のバージョンにしない場合は、Oracle Portalにログインし、アイテムのバージョン設定を編集する必要があります。

ページで「シンプル」のバージョニングが有効に設定されている場合、WebDAVクライアントからそのページのアイテムを編集すると、アイテムの新規バージョンが作成され、現行のバージョンに設定されます。WebDAVクライアントからアイテムを編集する場合、バージョニングの上書きオプションを選択できません。使用中のバージョニング・モデルでファイルの保存時に旧バージョンを削除するには、アイテムを編集してから、WebDAVクライアントではなくOracle Portalからそのアイテムをアップロードする必要があります。

Windows 2000など、クライアントによっては、アイテムの新規バージョンを追加すると、新規バージョンが追加されず、ファイルが上書きされることを伝えるメッセージが表示される場合があります。これはクライアントのメッセージの制限です。ページで「シンプル」または「監査」のバージョニングが有効に設定されている場合、WebDAVクライアントからPortalにファイルを保存すると、常に新規バージョンが作成されます。

Webフォルダ内で1つのフォルダから別のフォルダにファイルをドラッグし、そのファイルがすでにドラッグ先のフォルダにある場合、既存のファイルは移動したファイルに置き換えられます。Portal内の場合、ターゲット・ページの既存のアイテムがドラッグしたアイテムに置き換えられます。この処理は、そのページのバージョニング設定に関係なく発生します。つまり、Portalでアイテムのバージョニングが有効になっている場合も、すべてのバージョンが置き換えられます。この場合、WebDAVでバージョニングを保持するには、最初のWebDAVフォルダからローカル・システムにファイルをドラッグではなくコピーし、ローカル・システムからターゲットのWebDAVフォルダにコピーします。

18.4.6 WebDAVでの承認および下書きのサポート

Oracle PortalのWebDAVサーバーは、承認と下書きもサポートしています。承認が有効になっている場合、WebDAVクライアントを使用してページにアイテムを追加すると、ページまたはページ・グループに対する承認プロセスがトリガーされます。アイテムのコンテンツは、承認されるまで他のユーザーに表示されません。WebDAVクライアントでは、承認者を含む他のユーザーにはアイテムは0バイトのファイルとしてリストされますが、承認されるまで保留中のアイテムの実際のコンテンツは表示されません。アイテムは、承認または却下されるまでWebDAVクライアントで更新することはできません。

「下書き」が有効になっている場合、承認プロセスに送信せずにPortalファイルを操作できます。審査を受ける準備ができたら、Oracle Portalのユーザー・インタフェースまたはOracle Driveからファイルを承認プロセスに送信できます。下書きの詳細は、5.4項「承認の設定」を参照してください。Oracle Driveの詳細は、18.5項「Oracle DriveをWebDAVクライアントとして使用」を参照してください。


注意:

保留中のアイテムがWebDAVクライアントにどのように表示されるかは、アイテムが新規アイテムであるか編集されたアイテムであるかによって異なります。アイテムが保留状態の新規アイテムの場合、WebDAVではゼロバイトのファイルとして表示されます。既存アイテムの修正の場合、WebDAVクライアントには、修正されたバージョンが承認されるまでアイテムの古い編集前のバージョンが表示されます。

様々な状態のアイテムへのアクセス条件については、17.9.3項「アイテムURLのセキュリティ」を参照してください。


承認が有効になっている場合は、あるユーザーがWebDAVクライアントを使用してアイテムを更新すると、承認者を含む他のユーザーには、その更新が承認されるまで、更新前のアイテムが表示されます。一方、アイテムを更新したユーザーには、承認前でもWebDAVフォルダに更新後のアイテムが表示されます。

ファイルがOracle Portalのユーザー・インタフェースから更新された場合は少し異なります。この場合、WebDAVクライアントには、アイテムを更新したユーザーを含む全員に、更新したアイテムが承認されるまで、更新前のアイテムが表示されます。

承認プロセスがトリガーされるポイントは、使用されるWebDAVクライアントによって決まります。たとえば、Microsoft Wordでは、ファイルを開くと、ファイルは自動的にロックされます。承認プロセスは、ファイルがロック解除される(つまりファイルを閉じる)までトリガーされません。したがって、ファイルをただ保存するだけでは、承認プロセスはトリガーされません。承認プロセスをトリガーするには、クライアントがファイルをロック解除するような操作(ファイルを閉じるなど)を実行する必要があります。

18.4.7 WebDAVからのコンテンツの削除

WebDAVクライアント内でファイルを削除すると、そのファイルに関連付けられているアイテム全体がOracle Portalから削除されます。これは、そのアイテムに関連付けられている他のファイル(アイテムを表すイメージなど)、およびサブアイテム、バージョン、アイテムの翻訳もすべて削除されることを意味しています。WebDAVクライアントを使用してアイテムを削除すると、ページ・グループで削除されたアイテムを保持し、表示するように設定されていても、アイテムは完全に削除されます。

Oracle Portalでアイテムに削除のマークを付けた場合、データベースから削除されていなくても、WebDAVクライアントには表示できなくなります。

18.4.8 WebDAVからのコンテンツのチェックアウトとチェックイン

WebDAVクライアントがロックとロック解除をサポートしている場合(DreamweaverやMicrosoft Office 2000など)は、ファイルをロックできます。この操作により、ファイルに関連付けられているPortalアイテムはチェックアウトされます(WebDAVのLOCKメソッドに対応するOracle Portalの機能)。

一部のクライアント(Microsoft Officeなど)では、ファイルを開くと、そのファイルはロックされます。ファイルの操作中に他のユーザーがそのファイルに変更を加えられないように、ファイルの明示的(手動)ロックが必要なクライアント(Dreamweaverなど)もあります。

WebDAVクライアントからファイルがロックされると、他のユーザーは、そのファイルが同じWebDAVクライアントによってチェックインされるまで、ファイルを変更できなくなります。アイテムをロックしたユーザーでも、別のWebDAVクライアントまたはPortal自体を使用してファイルを変更することはできません。ロック解除のトークンは、ファイルをロックしたクライアントが所有しているため、ファイルは、ファイルのロックを行った、同じWebDAVクライアント(同じマシン上の)でロック解除する必要があります。


注意:

Cadaverのような一部のクライアントには、ロック・トークンを明示的または暗黙的にスティールして、他のユーザーまたはクライアントによりロックされたファイルのロックを解除する機能が用意されています。ロックをスティールしないことをお薦めします。スティールすると、特にユーザーが他のユーザーにより作成されたロックをスティールした場合には、ロック・ファイルの動作が混乱する可能性があります。


ロックには、アクティブ・ファイルの上書きを防ぐ他にも利点があります。たとえば、存在しないファイルをロックすることで、特定のファイル名を予約できます。この場合、指定されたファイル名のファイルが作成され、ロックされます。これにより、他のユーザーは同じ名前のファイルを作成できなくなります。ただし、他のユーザーにそのファイルを操作させる準備ができたら、ロックを解除する必要があります。

ファイルに対して必要な変更を行った後で、ファイルのロックを解除すると、そのファイルに関連付けられているPortalアイテムがチェックイン(WebDAVのUNLOCKメソッドに対応するOracle Portalの機能)されます。これで、他のユーザーは、ファイルに対してそれぞれの変更を行うことができます。

詳細は、18.13項「例: Dreamweaverを使用したPortalページ・コンテンツの編集」を参照してください。

次に、WebDAVからコンテンツのチェックインとチェックアウトを行う際の注意点を示します。

  • フォルダをチェックインまたはチェックアウトしたり、フォルダのコンテンツを繰り返しチェックアウトしたりすることはできません。

  • あるページ内、またはそのページのサブページ内のWebDAVでサポートされているアイテムが別のWebDAVクライアントまたは他のユーザーによってロックされている場合は、そのページを移動、コピー、削除することはできません。WebDAVでサポートされているアイテムには、ファイル、Zipファイル、イメージ、およびこれらのアイテム・タイプに基づくカスタム・アイテム・タイプが含まれます。

  • サブアイテムが関連付けられているファイルをロックした場合、他のユーザーはサブアイテムのロック解除のトークンを所有していなくても、WebDAVクライアントを使用して親アイテム(したがってサブアイテム)を削除できます。これは、WebDAVクライアントでOracle Portalのアイテム階層がサポートされていないためです。

  • Oracle Portalでアイテムをチェックアウトすると、WebDAVクライアント内でそのアイテムを更新できなくなります。これは、Oracle PortalではWebDAVとは異なるロック・モデルを使用しているためです。Oracle Portalではユーザー名に基づいてアイテムをロックしますが、WebDAVでは特定のロックキーに基づいてリソースをロックします。Oracle Portalでアイテムをチェックアウトすると、そのアイテムはWebDAVドメイン内では特定のキーでロックされます。このアイテムをロック解除するキーを持っているのは、Oracle Portal(個別のユーザーではなく)のみです。アイテムをチェックアウトしたユーザー自身も、WebDAVクライアントを使用してそのアイテムを操作するには、アイテムをもう一度チェックインする必要があります。

    たとえば、ScottがOracle PortalでFile1をチェックアウトすると、PortalではScottがFile1をチェックアウトしたことが記録され、Oracle PortalのWebDAVサーバーによりFile1がロックされ、関連ロック・トークンが保持されます。Scottは、任意のWebブラウザを使用してOracle PortalにログオンしてFile1をチェックインできますが、WebDAVクライアントを使用してアイテムのロックを解除することはできません。これは、ScottのWebDAVクライアントではなくOracle PortalのWebDAVサーバーがロック・トークンを保持しているためです。

  • Portalのユーザー・インタフェースでアイテムのチェックアウトが有効になっていない場合でも、WebDAVクライアントからロックできます。これは、Microsoft Wordなどの一部のWebDAVクライアントでは、クライアント内で編集のためにアイテムを開くと、そのアイテムが自動的にロックされるためです。クライアントを閉じると、アイテムは自動的にロック解除されます。「アイテムのチェックアウトを有効にする」オプションが選択されていないためにこのようなロックが機能しない場合、Oracle PortalはWebDAVファイルのロック標準を正しくサポートできません。このため、アイテムがWebDAVクライアントからロックされると、Portal独自のアイテムのチェックアウト・プロパティ設定は無視されます。

18.4.9 WebDAVからのOracle Portalページおよびサブページの作成

WebDAVクライアントを使用すると、適切な権限を持っている場合は、既存のページ・グループ内でページを作成および削除できます。たとえば、Webフォルダでサブページを作成するには、サブページを作成するフォルダ内で右クリックし、「新規作成」「フォルダ」の順に選択します。WebDAVクライアントを使用して作成するすべてのページは、標準ページとなり、1つのアイテム・リージョンが含まれます。

次に、WebDAVクライアントからページおよびサブページを作成する際の注意点を示します。

  • ページ名には、次の文字を除く任意の文字を使用できます。

    , & # % \ / : * ? < > | "

    したがって、ファイル・システムからOracle Portalにフォルダを貼り付ける場合は、そのフォルダおよびフォルダに含まれるすべてのサブフォルダで、これらの文字しか使用できません。


    注意:

    Oracle Portalオブジェクトの命名規則の詳細は、付録D「Oracle Portalのオブジェクト命名規則」を参照してください。


  • WebDAVからページを作成することはできますが、WebDAVからページ・グループを作成、編集または削除することはできません。これらの操作はPortalで行います。

  • WebDAVでタブを作成することはできません。

18.4.10 WebDAVエラーの表示

WebDAVクライアントを使用して操作を実行すると、操作に該当しないと思われるエラー・メッセージが表示される場合があります。たとえば、Webフォルダでは、アイテムの新バージョンの作成時に、新バージョンが作成されるのではなくアイテムが上書きされることを示すエラー・メッセージが表示される場合があります。また、アイテムを移動するときに、ファイルを削除するかどうかを確認するエラー・メッセージが表示される場合もあります。これは、クライアントの基本的な動作によるものです。実際に実行されている操作には影響ありません。

Oracle PortalとともにWebDAVを使用している際に発生したエラーは、すべてエラー・ログに記録されます。エラー・ログは、Oracle Portal関連のWebDAVエラーが初めて発生したときに作成されます。このログは個人用ページに「エラー・ログ」というタイトルのアイテムとして置かれます。これは、Webフォルダでしばしば表示される「この操作の完了を試行中にエラーが発生しました」というメッセージのように、WebDAVクライアントでレポートされるエラー・メッセージや、CadaverでレポートされるHTTPエラー番号などを解釈する上で役立ちます。


注意:

エラー・ログは、32KBで切り捨てられます。


すべてのエラーは、Oracle HTTP Serverのエラー・ログ・ファイルにも記録されるため、個人用ページを持っていない場合やパブリック・ユーザーの場合も、Portal管理者がエラーを調べることができます。

Oracle HTTP Serverのエラー・ログ・ファイル(ORACLE_HOME/diagnostics/logs/OHS/ohs1/error_log)に詳細なエラーを記録する必要がある場合は、管理者に次のパラメータをoradav.confファイルに追加するよう依頼してください。

DAVParam ORATraceLevel 1

さらに、次のパラメータを使用すると、Oracle HTTP Serverエラー・ログ・ファイルにユーザー、操作、クライアントなど、WebDAVの使用状況についての詳しい情報が記録されます。

DAVParam ORATraceEvents "agents"

WebDAVおよびOracle HTTP Serverの詳細は、Oracle Fusion Middleware管理者ガイド for Oracle HTTP Serverを参照してください。

すべての接続でOracle Driveを使用している場合、ログ・ファイルが次の場所に書き込まれます。

C:\Documents and Settings\<user>\Application Data\Oracle\ODrive\cache\logs

18.4.11 認証とWebDAV

一部のWebDAVクライアントでは、何度も認証を求められることがあります。これを回避するために、ポータル管理者は、oradav.confファイルに次の行を追加してCookieオプションを有効にできます。

DAVParam ORACookieMaxAge <seconds>

詳細は、Oracle Fusion Middleware管理者ガイド for Oracle Portalを参照してください。

Dreamweaverなど、一部のWebDAVクライアントでは、Cookieがサポートされていません。そのため、Cookieオプションを有効にしてもパスワードを複数回求められることがあります。Cookieをサポートしていないクライアントでは、ユーザー名とパスワードを保存して、要求のたびに情報を入力する作業を省くことができます。ただし、この場合、ボリュームの大きいトランザクションではパフォーマンスの問題が発生する可能性があります。