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Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド
11gリリース1(11.1.1.7.0)
B56245-05
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9 Oracle Identity Managementコールド・フェイルオーバー・クラスタ環境のアップグレード

この章では、Oracle Identity Managementコールド・フェイルオーバー・クラスタ環境をOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする方法について説明します。

このアップグレード手順では、次のタスクが必要です。

9.1 タスク1: Oracle Fusion Middlewareコールド・フェイルオーバー・クラスタ環境のアップグレードの準備

この章の手順では、Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)および10g(10.1.4.0.1)でサポートされている高可用性環境のアップグレードの手順について説明します。

開始する前に、次の項でアップグレード・プロセスの重要な前提条件について確認します。

Oracle Identity Management 10gコンポーネントがIDMHOST1にインストールされ実行されていること

Oracle Identity Management 10gコンポーネントがIDMHOST1上にインストールされて稼動していると想定します。これは重要です。それは、アップグレードするOracle Identity Management 11gコンポーネントは、Oracle Identity Management 10gコンポーネントと同じホストにインストールする必要があるためです。

Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformコンポーネントのみが11gにアップグレードされていること

この手順の一環として、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration PlatformのみがOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードされます。Oracle Application Server 10gとOracle Fusion Middleware 11gで使用可能なコンポーネントの相違の詳細は、第4.1項「Oracle Identity Management 10gおよび11gコンポーネントの概要」を参照してください。

11gのOracle Fusion Middlewareコールド・フェイルオーバー・クラスタについての理解

Oracle Fusion Middlewareでは、Oracle Fusion Middlewareコールド・フェイルオーバー・クラスタを使用して、そのすべてのコンポーネント用のアクティブ/パッシブ・モデルが提供されます。Oracle Fusion Middlewareコールド・フェイルオーバー・クラスタ構成では、2台以上のアプリケーション・サーバー・インスタンスが同じアプリケーション・ワークロードを処理するように構成されますが、指定時間にアクティブになるのは1台のみです。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』のOracle Fusion Middlewareコールド・フェイルオーバー・クラスタ・トポロジの概要に関する項を参照してください。

データベースの高可用性要件およびバージョン要件

アップグレードのためのデータベース要件と、Oracle Fusion Middleware 11gのその他のアップグレード情報については、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』を参照してください。

追加リソース

Oracle Fusion Middleware 11gでサポートされている高可用性トポロジの詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。

これらの手順を開始する前に、第5章「Oracle Internet Directory環境のアップグレード」で使用可能な手順と前提条件を確認してください。

9. タスク2: Oracle WebLogic Serverのインストールおよびミドルウェア・ホームの作成

Oracle WebLogic Serverのインストールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』の「インストールの準備」および「グラフィカル・モードでのインストール・プログラムの実行」を参照してください。

Oracle WebLogic Serverをインストールする場合、ミドルウェア・ホームの完全パスを書き留めておいてください。この情報は、アップグレード手順で後ほど必要になります。

9.3 タスク3: Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platform 11gリリース1(11.1.1.7.0)のインストールおよび構成

Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platform 11gをインストールして構成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の「Oracle Identity Management (11.1.1.7.0)のインストールおよび構成」の章を参照してください。

Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformの構成に関する完全な説明は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の「Oracle Internet Directory (OID)の構成」および「Oracle Directory Integration Platform (ODIP)の構成」の章を参照してください。詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるドメインの作成』のグラフィカル・モードでのWebLogicドメインの作成に関する項を参照してください。

9.4 タスク4: Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのインストールの確認

アップグレード・アシスタントを実行する前に、次の手順を使用してOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platform 10gと11gがホストで稼働していることを確認します。

手順1 Oracle Internet Directory 10gインスタンスのステータスの確認

たとえば、次のようにopmnctlコマンドを使用できます。

ORACLE_HOME/opmm/bin/opmnctl status
Processes in Instance: cfc.mycompany.com
-------------------+--------------------+---------+---------
ias-component      | process-type       |     pid | status  
-------------------+--------------------+---------+---------
DSA                | DSA                |     N/A | Down   
LogLoader          | logloaderd         |     N/A | Down   
dcm-daemon         | dcm-daemon         |     N/A | Down   
HTTP_Server        | HTTP_Server        |   26117 | Alive  
OID                | OID                |   26121 | Alive  
手順2 Oracle Directory Integration Platform 10gインスタンスのステータスの確認

たとえば、UNIXシステムでは、psコマンドとgrepコマンドを使用して、結果の出力でodisrvプロセスを検索できます。

$ ps -ef | grep odisrv
oracle     15711 15552  0 21:17 pts/0    00:00:00 grep odisrv
oracle    21597     1  0 Feb18 ?        00:00:00 /bin/sh
/u01/app/oracle/product/10g/idm/odisrv instance=1 configset=0 port=636 sslauth=1 host=idmhost1.mycompany.com
手順3 Oracle Internet Directory 11gインスタンスのステータスの確認

次のOPMNコマンドを使用して、Oracle Internet Directoryが稼働していることを確認します。

ORACLE_INSTANCE/opmnctl status

コマンドの出力は次の例のようになります。

Processes in Instance: oid_instance1
---------------------------------+--------------------+---------+---------
ias-component                    | process-type       |     pid | status
---------------------------------+--------------------+---------+---------
ohs1                             | OHS                |    2492 | Alive
ovd1                             | OVD                |    2536 | Alive
oid1                             | oidldapd           |    8152 | Alive
oid1                             | oidldapd           |    7988 | Alive
oid1                             | oidmon             |    7964 | Alive
EMAGENT                          | EMAGENT            |    2484 | Alive

ldapbindコマンドライン・ツールを使用して、各Oracle Internet DirectoryインスタンスとLDAP仮想サーバーに接続できることを確認します。ldapbindツールを使用すると、サーバーに対してクライアントを認証するかどうかを判断できます。

非SSLの場合:

ldapbind -h idmhost1.mycompany.com -p 389 -D "cn=orcladmin" -q

SSLの場合:

ldapbind -h idmhost1.mycompany.com -p 636 -D "cn=orcladmin" -q -U 1

詳細は次のとおりです。

  • U = SSL認証モード

  • 1 = 認証不要

  • 2 = 一方向認証が必要。このオプションでは、ウォレットの場所(-W "file:/home/my_dir/my_wallet")とウォレットのパスワード(-P wallet_password)も指定する必要があります。

  • 3 = 双方向認証が必要。このオプションでは、ウォレットの場所(-W "file:/home/my_dir/my_wallet")とウォレットのパスワード(-P wallet_password)も指定する必要があります。

手順4 Oracle Directory Integration Platform 11gインスタンスのステータスの確認

WLSTのdipStatusコマンドを使用して、Oracle Directory Integration Platformのインストールを確認します。このコマンドを実行するには、次の手順に従います。

  1. ORACLE_HOME環境変数を、Identity Managementバイナリをインストールしたディレクトリに設定します。たとえば、次のようになります。

    export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11g/fmw_home/ods
    
  2. WLS_HOME環境変数を、WebLogic Serverをインストールしたディレクトリに設定します。

    たとえば、次のようになります。

    export WLS_HOME=/u01/app/oracle/product/11g/fmw_home/wlserver_10.3
    
  3. 次のコマンドを実行します。

    $ORACLE_HOME/bin/dipStatus -h <hostName> -p <port> -D <wlsuser>
    

    IDMHOST1の場合のコマンドと正常な出力の例を次に示します。

    $ORACLE_HOME/bin/dipStatus
        -h idmhost1.mycompany.com 
        -p 7005 
        -D weblogic
        [Weblogic user password]
         Connection parameters initialized.
         Connecting at idmhost1.mycompany.com:7005, with userid "weblogic"..
         Connected successfully.
         ODIP Application is active at this host and port.
    
手順5Oracle Directory Services Manager(ODSM)の確認

WebブラウザにODSM管理コンソールを表示して、Oracle Directory Services Managerのインストールを確認します。

ODSM管理コンソールにアクセスするURLは次のとおりです。

http://hostname.mycompany.com:<port>/odsm/faces/odsm.jspx

たとえば、IDMHOST1の場合は次のURLを入力します。

http://idmhost1.mycompany.com:7005/odsm/faces/odsm.jspx

9.5 タスク5: Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのアップグレード

Oracle Fusion Middlewareのアップグレード・アシスタントを使用して、IDMHOST1のOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platform 10gインスタンスを11gにアップグレードします。

  1. ディレクトリを、Oracle Fusion MiddlewareインストールのORACLE_HOME/binディレクトリに変更します。

  2. 次のコマンドを入力して、アップグレード・アシスタントを起動します。

    UNIXシステムの場合:

    ./ua
    

    Windowsシステムの場合:

    ua.bat
    

    アップグレード・アシスタントに「ようこそ」画面が表示されます。

  3. 「次へ」をクリックし、「操作の指定」画面を表示します。

  4. 「操作の指定」画面の「アイデンティティ管理インスタンスのアップグレード」を選択します。

  5. Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのアップグレード中に入力を必要とするアップグレード・アシスタントの画面の説明については、表9-1を参照してください。

  6. アップグレード・アシスタントでは、ターゲット・データベースの詳細画面の後に次のタスクが実行され、それぞれのタスクの進行状況が表示されます。

    • アップグレード対象のコンポーネントとスキーマを調査し、アップグレード可能かどうかを確認します。

    • アップグレード対象のコンポーネントのサマリーを示します。これにより、アップグレード・アシスタントによってコンポーネントとスキーマが予測どおりにアップグレードされることを確認できます。

    • 進行状況画面を表示します。これにより、アップグレードのステータスを進行に応じて確認できます。

    • アップグレード中に発生したエラーまたは問題について警告します。


      関連項目:

      アップグレード・アシスタントの実行中に発生する問題のトラブルシューティングの具体的な方法は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードのトラブルシューティングに関する項を参照してください。


    • アップグレードが完了したことを確認する「アップグレードの終了」画面を表示します。

  7. アップグレード・アシスタントを終了します。

表9-1 Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのアップグレード中に入力が必要なアップグレード・アシスタント画面

アップグレード・アシスタント画面 説明

ソース・ホームの指定

10gリリース2(10.1.2)または10g(10.1.4)のソースOracleホームを選択します。

アップグレードするOracleホームがドロップダウン・リストに表示されない場合は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のOracleASアップグレードに一覧表示されないソースOracleホームに関する項を参照してください。

アップグレード先インスタンスの指定

11g Oracleインスタンスの完全パスを入力するか、「参照」をクリックしてインスタンス・ディレクトリを見つけます。

WebLogic Serverの指定

「タスク2: Oracle WebLogic Serverのインストールおよびミドルウェア・ホームの作成」で構成したOracle WebLogic Serverのホストと管理サーバーのポートを入力します。

この情報はOracle Directory Integration Platformをアップグレードする場合に必要です。また、Oracle Internet Directory 11gのインストールとOracle WebLogic Serverを関連付けた場合も必要です。

「警告」ダイアログ・ボックス

ソースOracleホームに、ターゲットOracleインスタンスにインストールおよび構成されていないOracle Application Serverコンポーネントがある場合は、この警告ダイアログ・ボックスが表示されます。

この警告は、ソースOracleホームに11g Oracleホームで使用できないOracle HTTP Serverのインスタンスが含まれる場合などに表示されます。

ダイアログ・ボックス内の情報が正しく、どのコンポーネントがアップグレードされるかがわかっている場合は、「はい」をクリックして続行します。それ以外は、「いいえ」をクリックして、コンポーネントが各11g Oracleインスタンスでインストールおよび構成されていることを確認します。

アップグレード・オプションの指定

Oracle Identity Managementのアップグレードに適用するアップグレード・オプションを選択します。

  • アップグレード先でソースOracleホーム・ポートを使用: Oracle Application Server 10gのOracleホームで使用しているポートの割当てをOracle Fusion Middlewareの新しいOracleインスタンスに移行する場合に指定します。このオプションを選択した場合、10gと11gの中間層を同時に実行することはできなくなります。同時に実行すると、ポートの競合が発生します。

  • アップグレード完了後にアップグレード先コンポーネントを起動: アップグレードの完了後にUpgrade Assistantによってアップグレード先Oracleホームのコンポーネントを自動的に起動する場合に指定します。このオプションを選択しない場合、アップグレード後にアップグレード先インスタンスを手動で起動する必要があります。

この画面のアップグレード・オプションの詳細を表示するには、「ヘルプ」をクリックします。

OIDの詳細の指定

この画面では、Oracle Internet Directoryスーパー・ユーザー・アカウント(cn=orcladmin)などの、Oracle Internet Directory 10gインスタンスへの接続に必要な詳細を入力します。

詳細は、「ヘルプ」をクリックします。

データベースの詳細の指定

この画面では、Oracle Identity Managementスキーマが存在するデータベースへの接続に必要な詳細(データベースのホスト、サービス名、ポートおよびSYSパスワードなど)を入力します。

この画面に関する次の重要な情報に注意してください。

  • ODSスキーマ・パスワードのパスワードを入力する必要があります。デフォルトのODSパスワードは、Oracle Application Server管理者パスワードと同じですが、このパスワードは、インストール後、OIDデータベース・パスワード・ユーティリティを使用して変更できます。

  • Real Application Clusters(RAC)データベースを特定する手順は、Oracle Internet Directory(ODS)スキーマを含むRACデータベースと、Oracle Directory Integration Platformに使用されるRACデータベースのどちらを特定するかによって異なります。

    詳細は、5.4.3.2項「「データベースの詳細の指定」画面でのReal Application Clusters(RAC)データベースの詳細の指定について」を参照してください。

「root操作が必要」画面

これは、UNIXシステムで特権ポートを使用する場合のみです。

アップグレードを処理する前に、構成スクリプトをrootで実行する必要があります。

このウィンドウを開いたままで別のウィンドウを開き、upgroot.shファイルをrootで実行します。

スクリプトが完了したら、アップグレード・アシスタントに戻り、「OK」をクリックします。


9.6 タスク6: Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのアップグレードの確認

第9.4項「タスク4: Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformインストールの確認」の手順3から5を使用して、アップグレードしたOracle Application Server Identity Managementコンポーネントが稼働していることを確認します。

9.7 タスク7: アップグレードしたコンポーネントのアクティブ/パッシブ・デプロイの構成

次の手順を使用して、アクティブ/パッシブ高可用性環境でアップグレードしたコンポーネントを構成します。

これらの手順は『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』の特定の項を参照していることに注意してください。このガイドには、Oracle Fusion Middleware 11gで高可用性を構成する包括的な手順が記載されています。

9.7.1 タスク7a: コールド・フェイルオーバー・クラスタのインフラストラクチャ・コンポーネントの変換

Oracle Internet Directory環境をサポートするインフラストラクチャ・コンポーネントを変換します。このプロセスの各手順については、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』の対応する手順を参照してください。

表9-2 コールド・フェイルオーバー・クラスタのインフラストラクチャ・コンポーネントの変換

手順# 説明 Oracle Fusion Middleware高可用性ガイドの項

1

Oracle WebLogic Server管理サーバーの変換

コールド・フェイルオーバー・クラスタ用の管理サーバーの変換

2

wls_ods管理対象サーバーの変換

Oracle WebLogic管理対象サーバーの変換

3

Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの変換

ノード・マネージャの変換

4

Fusion Middleware Controlの変換

OracleインスタンスのOracle Enterprise Managerの変換

5

Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)の変換

Oracle Process Management and Notification Serverの変換

6

Oracle HTTP Serverの変換

Oracle HTTP Serverの変換


9.7.2 タスク7b: コールド・フェイルオーバー・クラスタのOracle Internet Directoryとそのクライアントの変換

コールド・フェイルオーバー・クラスタのインフラストラクチャ・コンポーネントを変換すると、アップグレードしたOracle Internet Directory 11gインスタンスに対して同じ作業を行うことができます。

『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』のOracle Internet Directoryとそのクライアントの変換に関する項を参照してください。

9.8 タスク8: アップグレードしたコンポーネントを監視するためのFusion Middleware Controlの構成

コールド・フェイルオーバー・クラスタの変換後、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlには、アップグレードしたコンポーネントの一部のステータスが正しく表示されません。

この問題を修正するには、Fusion Middleware Controlの指定した構成ファイルが物理ホスト名ではなくコールド・フェイルオーバー変換に使用する仮想ホスト名を参照するようにファイルを変更する必要があります。

次の手順に従い、Fusion Middleware Control構成ファイルを更新します。

  1. Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlエージェントを停止します。

    ORACLE_HOME/bin/emctl stop agent
    
  2. Oracleインスタンス・ディレクトリのemd.propertiesファイルを変更します。

    1. ディレクトリを、Oracleインスタンスの次のディレクトリに変更します。

      ORACLE_INSTANCE/emagent/em_agent_name/sysman/config
      
    2. emd.propertiesファイルのバックアップ・コピーを作成します。

      たとえば、UNIXシステムの場合は次のようになります。

      cp emd.properties emd.properties.bak
      
    3. emd.propertiesファイルが物理ホスト名ではなく仮想ホスト名を参照するようにファイルを編集します。

      たとえば、物理ホスト名がhost1.mycompany.comで、仮想ホスト名がcfcvip.mycompany.comの場合、emd.propertiesファイルの次の属性の参照を適宜変更する必要があります。

      REPOSITORY_URL

      EmdWalletSrcUrl

      emd_url

  3. Oracleインスタンスでtargets.xmlファイルを変更します。

    1. ディレクトリを、Oracleインスタンスのemdディレクトリに変更します。

      INSTANCE_HOME/emagent/em_agent_name/sysman/emd
      
    2. targets.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成します。

      たとえば、UNIXシステムの場合は次のようになります。

      cp targets.xml targets.xml.bak
      
    3. targets.xmlを次のように変更します。

      hostoracle_emdに関連するエントリが仮想ホスト名(cfcvip.mycompany.comなど)を参照するように、これらのエントリを変更します。

      たとえば、次のようになります。

      <Targets AGENT_TOKEN="ad4e5899e7341bfe8c36ac4459a4d569ddbf03bc">
          <Target TYPE="oracle_emd" NAME=cfcvip.mycompany.com:5157"/>
          <Target TYPE="host" NAME=cfcvip.mycompany.com
                              DISPLAY_NAME=cfcvip.mycompany.com/>
      </Targets>
      

      ファイルのその他の<Target>エントリをすべて削除します。

  4. ドメイン・ディレクトリでtargets.xmlファイルを変更します。

    1. ディレクトリを、ミドルウェア・ホーム内のOracle WebLogic Serverドメイン・ディレクトリの次のディレクトリに変更します。

      MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/sysman/state

    2. targets.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成します。

      たとえば、UNIXシステムの場合は次のようになります。

      cp targets.xml targets.xml.bak
      
    3. targets.xmlファイルを編集して、物理ホスト名の出現箇所をすべて仮想ホスト名に変更します。

      たとえば、host1.mycompany.comをすべてcfcvip.mycompany.comに変更します。

  5. ドメイン・ディレクトリでtopology.xmlファイルを変更します。

    1. ディレクトリを、ミドルウェア・ホーム内のドメイン・ディレクトリの次の場所に変更します。

      MW_HOME/user_projects/domains/domainName/opmn
      
    2. topology.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成します。

      たとえば、UNIXシステムの場合は次のようになります。

      cp topology.xml topology.xml.bak
      
    3. topology.xmlファイルを編集して、物理ホスト名の出現箇所をすべて仮想ホスト名に変更します。

      たとえば、host1.mycompany.comをすべてcfcvip.mycompany.comに変更します。

  6. Oracle WebLogic Serverドメインの管理サーバーを再起動します。

  7. Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlエージェントを再起動します。

    INSTANCE_HOME/emagent/em_agent_name/emctl start agent
    INSTANCE_HOME/emagent/em_agent_name/emctl status agent 
    

9.9 タスク9: アップグレードした高可用性環境の確認

この項では、インフラストラクチャとOracle Identity Managementコンポーネントのコールド・フェイルオーバー・クラスタへの変換を確認する手順について説明します。

  1. 物理ホスト名ではなく仮想ホスト名を使用して、Fusion Middleware ControlとOracle WebLogic Server管理コンソールをWebブラウザに表示します。URLを次に示します。

    • Fusion Middleware Control: http://VirtualHostname:port/em

    • Oracle WebLogic Serverコンソール: http://VirtualHostname:port/console

    たとえば、Webブラウザを使用して次のコンソールにアクセスします。

    • Fusion Middleware Control: http://idmhost-vip.mycompany.com/em

    • Oracle WebLogic Serverコンソール: http://idmhost-vip.mycompany.com

  2. Oracle Identity Management 11gコンポーネントが稼働していることを確認します。第9.4項「タスク4: Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのインストールの確認」の手順3から5を使用します。