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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7)
B61410-08
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12 ビジネス・プロセスでのデータの処理

この章では、Oracle BPMアプリケーション内で使用される様々なタイプのデータを処理する方法について説明します。データ・オブジェクトおよびビジネス・オブジェクトを使用して、BPMプロジェクト内で使用されるデータ構造を定義する方法を示します。式およびデータ・アソシエーションを使用してデータを操作する方法について説明します。また、この章では、プロセス分析で使用されるデータを定義する方法についても説明します。

この章の内容は次のとおりです。

12.1 ビジネス・プロセスで使用されるデータの処理について

ほとんどのビジネス・アプリケーションでは、ユーザーがデータを作成して操作する必要があります。営業見積サンプル・プロジェクトでは、顧客、見積、その他のタイプのデータに関する情報を含め、見積に関連するデータをアプリケーション・ユーザーが入力します。また、アプリケーションでは、アプリケーションの全体的な機能の一部として内部でのみ使用されるその他のデータを作成および操作することが必要な場合があります。

ビジネス・プロセスの作成時に、アプリケーションが使用するデータを定義する必要があります。Oracle BPMでは、データはデータ・オブジェクトを使用して格納されます。データ・オブジェクトは、ほとんどのプログラミング言語に見られる型に類似した単純型に基づいて定義できます。

また、データ・オブジェクトは、ビジネス・オブジェクトに基づいて定義することもできます。ビジネス・オブジェクトを使用すると、関連データをグループ化できます。たとえば、従業員に関する情報の格納に必要なアプリケーションを作成している場合、名前、住所、給与および従業員に関するその他の情報を格納したビジネス・オブジェクトを作成する必要があります。ビジネス・オブジェクトは、Javaなどのオブジェクト指向プログラミング言語で使用されるクラスの概念に似ています。

12.1.1 Oracle BPMアプリケーションで使用されるデータを定義する方法

データの格納および操作方法を定義することは、Oracle BPMアプリケーションの全体的な設計および開発の一部です。次のタスクの概要では、Oracle BPMアプリケーション内で使用されるデータを定義するための一般的なプロセスを示します。

Oracle BPMアプリケーションで使用されるデータを定義する手順

  1. プロジェクトに必要なビジネス・オブジェクトを定義します。

    Oracle BPMアプリケーション内で使用されるデータの定義における最初のステップは、必要なビジネス・オブジェクトを定義することです。ビジネス・オブジェクトを使用すると、アプリケーション内で使用されるデータ構造を定義できます。詳細は、12.4項「ビジネス・オブジェクトの概要」を参照してください。

  2. プロジェクト内で使用されるデータ・オブジェクトを作成します。

  3. プロセスでのデータの操作に使用される式を定義します。

  4. データ・アソシエーションを使用してBPMNフロー・オブジェクト間で情報を渡す方法を定義します。

  5. プロセスの入力および出力を定義します。

12.2 データ・オブジェクトの概要

データ・オブジェクトは、一般にビジネス・プロセスおよびOracle BPMアプリケーションで使用される情報の格納に使用される変数です。プロセスの設計および実装ステージ中に定義されます。BPMプロジェクトのデプロイ前に、実行中のアプリケーションで必要なデータ・オブジェクトをすべて定義する必要があります。

実行時に、新規データ・オブジェクトは作成されませんが、ユーザーがアプリケーションと相互作用するため、データ・オブジェクトに格納された情報の値は変更されます。実行中のプロセスでは、データを格納、アクセスおよび操作できます。また、データの値によってプロセスの分岐が決まります。

12.2.1 基本データ・オブジェクトと複合データ・オブジェクトの概要

Oracle BPMは、基本と複合の2つのタイプのデータ・オブジェクトをサポートします。使用するデータ・オブジェクトのタイプは、処理する必要があるデータのタイプによって決まります。

  • 基本データ・オブジェクト

    基本データ・オブジェクトは単純データ型に基づいています。これらは、ほとんどのプログラミング言語に共通のコアなデータ型です。表に、Oracle BPMでサポートされている基本データ型を示します。

    表12-1 単純データ・オブジェクト

    タイプ 説明

    ブール

    論理値trueまたはfalseを表します。

    整数

    整数を表します。例: 23、-10、0

    小数

    10進表記で表される数値を表します。例: 3.14、62、0.023。

    実数

    浮動小数点の数値を表します。例: 2e-1、2.3E8。

    文字列

    文字列を表します。例: "This is a string."

    時間

    年-月-日 時:分:秒として表される特定の時間を表します。例: 1995-02-03 13:30:28-08:00

    間隔

    年数、月数、日数、時間数、分数、秒数として表される期間を表します。例: 1d3h30m。

    バイナリ

    イメージや動画を含む、バイナリ・データの格納に使用されます。


  • 複合データ・オブジェクト

    複合データ・オブジェクトを使用すると、様々なタイプのデータをグループ化するデータ構造を作成できます。複合データ・オブジェクトは、ビジネス・オブジェクトに基づいています。ビジネス・オブジェクトでは、基本データ・オブジェクトに基づいてデータ構造を作成できます。

    たとえば、ID、名前、年齢といった従業員の様々なタイプのデータを含む、従業員という複合データ・オブジェクトを作成できます。ビジネス・オブジェクトと複合データ・オブジェクトの間の関係は、Javaプログラミング言語におけるクラスとインスタンスの間の関係に似ています。

図12-1は、基本データ・オブジェクトと複合データ・オブジェクトの関係を示しています。

図12-1 基本データ・オブジェクトと複合データ・オブジェクトの関係

図12-1の説明が続きます
「図12-1 基本データ・オブジェクトと複合データ・オブジェクトの関係」の説明

複合データ・オブジェクトを作成する前に、まず、データ構造を定義するビジネス・オブジェクトを定義する必要があります。詳細は、12.4項「ビジネス・オブジェクトの概要」を参照してください。

12.2.2 プロセスおよびプロジェクト・データ・オブジェクトの概要

タイプおよび複雑さに基づいてデータ・オブジェクトを定義することに加えて、スコープに基づいてデータ・オブジェクトを定義することもできます。Oracle BPMにおいて、データ・オブジェクトのスコープとは、データ・オブジェクトにアクセスできるプロセスまたはプロジェクト内の場所を指します。

Oracle BPMでは、プロセスとプロジェクトの2つのタイプのデータ・オブジェクト・スコープがあります。プロセス・データ・オブジェクトは、特定のプロセス用に定義されたデータ・オブジェクトです。同様に、プロジェクト・データ・オブジェクトはBPMプロジェクト全体用に定義されます。プロジェクト・データ・オブジェクトとプロセス・データ・オブジェクトはいずれも、基本タイプと複合タイプの両方から作成できます。

12.2.2.1 プロセス・データ・オブジェクト

プロセス・データ・オブジェクトを使用すると、単一のプロセス内でのみ使用されるデータ・オブジェクトを定義できます。プロセス・データ・オブジェクトは、定義されているプロセス内でのみ使用できます。

プロセスベースのアプリケーションを設計している場合、データ・オブジェクトが単一のプロセス内でのみ必要であることが判明しているときは、システム・リソースを節約するためプロセス・データ・オブジェクトとして定義することをお薦めします。

12.2.2.2 プロジェクト・データ・オブジェクト

プロジェクト・データ・オブジェクトでは、プロセス間でデータを共有できます。たとえば、Oracle BPMアプリケーション内では、発注書プロセスと承認リクエスト・プロセスはいずれも、リクエストを作成した従業員のデータを追跡します。1つのプロセスで作成または変更されたデータに他のユーザーがアクセスできます。

プロジェクト・データ・オブジェクトを使用すると、アプリケーション内のすべてのプロセスが同じデータにアクセスできるようになります。ただし、各プロセスでは、そのデータの値を割り当てて、更新する必要があります。


注意:

プロジェクト・データ・オブジェクトではプロジェクト内のすべてのプロセスで使用されるデータ・オブジェクトを定義できますが、このデータ・オブジェクトはグローバルなデータ・オブジェクトではありません。プロジェクト内の各プロセスは、独自のバージョンのデータ・オブジェクトを使用します。プロセス間でデータを共有するためにプロジェクト・データ・オブジェクトが使用されることはありません。


プロジェクト・データ・オブジェクトを定義することのもう1つの利点は、プロジェクトの公開後に変数の値が表示されるようにOracle Business Process Management Workspaceビューを構成できることです。これは、プロジェクト・データ・オブジェクトを使用する場合にのみ可能です。

12.3 データ・オブジェクトの使用

この項では、新規データ・オブジェクトを作成する方法や既存のデータ・オブジェクトを編集または削除する方法など、データ・オブジェクトを使用する手順について説明します。

12.3.1 データ・オブジェクトの作成方法

この項の手順では、新規のプロセス・データ・オブジェクトまたはプロジェクト・データ・オブジェクトを作成する方法について説明します。ビジネス・オブジェクトに基づいてデータ・オブジェクトを作成する必要がある場合は、先にビジネス・オブジェクトを作成する必要があります。詳細は、12.5項「ビジネス・オブジェクトの使用」を参照してください。

プロジェクトのようこそページからデータ・オブジェクトを作成するには:

  1. プロジェクトの編集中であることを確認します。

  2. プロジェクトのようこそページに移動します。

  3. プロセス・データ・オブジェクトを作成する場合は、プロジェクトにプロセスを作成したことを確認します。

  4. 図12-2に示すように、「データ・オブジェクト」パネルで、プロジェクトまたはプロセスの名前を右クリックして「追加」を選択します。

    図12-2 新規データ・オブジェクトの追加

    図12-2の説明が続きます
    「図12-2 新規データ・オブジェクトの追加」の説明

  5. データ・オブジェクトの一意の名前を入力します。

    • 基本データ・オブジェクトを作成する場合は、ドロップダウン・リストから基本タイプのいずれかを選択します。

    • 複合データ・オブジェクトを作成する場合は、ドロップダウン・リストから<component>を選択します(複合データ・オブジェクトのベースとなるビジネス・オブジェクトの選択)。

    Oracle BPMによってサポートされているデータ・オブジェクト・タイプについては、12.2.1項「基本データ・オブジェクトと複合データ・オブジェクトの概要」を参照してください。

  6. 「OK」をクリックします。

プロセス・エディタからデータ・オブジェクトを作成するには:

  1. プロジェクトの編集中であることを確認します。

  2. データ・オブジェクトを作成するビジネス・プロセスを開きます。

  3. プロセス・エディタ・ツールバーのデータ・オブジェクト・アイコンをクリックします(図12-3参照)。

    図12-3 プロセス・エディタ・ツールバーの「データ・オブジェクト」アイコンの表示

    図12-3の説明が続きます
    「図12-3 プロセス・エディタ・ツールバーの「データ・オブジェクト」アイコンの表示」の説明

  4. 図12-4に示すように、「追加」をクリックして、「プロジェクト・データ・オブジェクト」または「プロセス・データ・オブジェクト」を選択します。

    図12-4 データ・オブジェクト・エディタ

    図12-4の説明が続きます
    「図12-4 データ・オブジェクト・エディタ」の説明

  5. データ・オブジェクトの一意の名前を入力します。

    • 基本データ・オブジェクトを作成する場合は、ドロップダウン・リストから基本タイプのいずれかを選択します。

    • 複合データ・オブジェクトを作成する場合は、ドロップダウン・リストから<component>を選択します(複合データ・オブジェクトのベースとなるビジネス・オブジェクトの選択)。

    Oracle BPMによってサポートされているデータ・オブジェクト・タイプについては、12.2.1項「基本データ・オブジェクトと複合データ・オブジェクトの概要」を参照してください。

  6. 「OK」をクリックします。

12.3.2 データ・オブジェクトを編集または削除する方法

プロセス・データ・オブジェクトまたはプロジェクト・データ・オブジェクトを編集または削除できます。

「プロジェクト・ホーム」ページからデータ・オブジェクトを編集するには:

  1. プロジェクトを開きます。

  2. プロジェクトのようこそページ「データ・オブジェクト」ペインで、編集するデータ・オブジェクトを含むプロジェクトまたはプロセスの名前を選択します。

  3. データ・オブジェクトの名前を右クリックして「編集」をクリックします。

  4. 必要に応じて、データ・オブジェクトの名前またはタイプを変更します。

  5. 「OK」をクリックします。

プロセス・エディタからデータ・オブジェクトを編集または削除するには:

  1. プロジェクトの編集中であることを確認します。

  2. データ・オブジェクトを削除するプロセスを開きます。プロジェクト・データ・オブジェクトを削除する場合は、プロジェクト内の任意のプロセスを開くことができます。

  3. プロセス・エディタ・ツールバーのデータ・オブジェクト・アイコンをクリックします(図12-3参照)。

  4. データ・オブジェクトのリストで、削除または編集するプロジェクト・データ・オブジェクトまたはプロセス・データ・オブジェクトを選択し、次のようにします。

    • データ・オブジェクトを編集するには、「編集」をクリックし、必要に応じて新しい名前を指定したり、データ型を変更します。

    • データ・オブジェクトを削除するには、「削除」をクリックします。

  5. 「OK」をクリックします。

12.3.3 データ・オブジェクト削除または編集時の処理

データ・オブジェクトの編集または削除後にプロジェクトを検証し、変更または削除されたデータ・オブジェクトへの参照がないことを確認します。

データ・オブジェクトの編集後、そのオブジェクトへのすべての参照が引き続き有効であることを確認する必要があります。たとえば、int型からstring型にデータ・オブジェクトを変更した場合は、そのデータ・オブジェクトを使用するすべての式が引き続き正しく機能することを確認する必要があります。

データ・オブジェクトの削除後、そのオブジェクトへのすべての参照を必ず削除してください。参照には、そのデータ・オブジェクトを使用しているすべてのデータ・アソシエーションおよび式が含まれます。削除されたデータ・オブジェクトへの参照を削除しない場合は、プロジェクトが検証されません。

12.4 ビジネス・オブジェクトの概要

ビジネス・オブジェクトを使用して、Oracle BPMアプリケーションで必要なデータ構造を作成できます。ビジネス・オブジェクトを使用すると、関連するタイプのデータをグループ化できます。これにより、他のユーザーに対してプロセスが管理および読取りやすくなります。

Business Process Composerを使用して、手動で、またはXMLスキーマに基づいてビジネス・オブジェクトを作成します。

ビジネス・オブジェクトの構造は、3つのコンポーネントで構成されます:

ビジネス・オブジェクトおよび属性には、ドキュメントを追加することもできます。ドキュメントを追加すると、BPMプロジェクトでコラボレーションしている他のユーザーに対してデータ構造がわかりやすくなります。

営業見積サンプル・プロセスでは、必要なデータを処理するために、2つの異なるビジネス・オブジェクトを定義しています。図12-5は、これらがビジネス・オブジェクト・エディタに表示されている状態を示しています。

図12-5 営業見積サンプル・プロジェクトに定義されたビジネス・オブジェクト

図12-5の説明が続きます
「図12-5 営業見積サンプル・プロジェクトに定義されたビジネス・オブジェクト」の説明

12.5 ビジネス・オブジェクトの使用

Business Process Composerを使用すると、ビジネス・オブジェクトとそのモジュールおよび属性を作成、編集および削除できます。

12.5.1 ビジネス・オブジェクトを手動で作成する方法

ビジネス・オブジェクト・エディタからビジネス・オブジェクトを手動で作成できます。ビジネス・オブジェクトを手動で作成する際には、モジュールとオブジェクトとの階層関係、およびビジネス・オブジェクトで使用される属性を定義できます。ビジネス・オブジェクトには次が含まれます。

  • 単純なデータ型

  • データ型の配列

  • 他のビジネス・オブジェクトをコンポーネントとして使用する複合データ型


注意:

モジュール、ビジネス・オブジェクトまたは属性を作成した後に、その名前を変更することはできません。


新しいビジネス・オブジェクトを手動で作成するには:

  1. プロジェクトのようこそページから「ビジネス・オブジェクト」タブをクリックします(図12-6を参照)。

    図12-6 「ビジネス・オブジェクト」タブ

    図12-6の説明が続きます
    「図12-6 「ビジネス・オブジェクト」タブ」の説明

  2. 「新規BO」をクリックし、名前を入力します。

  3. ドロップダウン・リストから親モジュールを選択します。

    新規ビジネス・オブジェクトの作成時に、親モジュールを選択する必要があります。現在モジュールが存在しない場合、新しく作成する必要があります。新規のモジュールを作成するには、次のようにします。

    1. 「+」アイコンをクリックします。

    2. 新しいモジュールの名前を入力して、OKをクリックします。

  4. 「作成」をクリックします。

    新規ビジネス・オブジェクトが「ビジネス・オブジェクト」タブに表示されます。

  5. 「ビジネス・オブジェクト」タブで、作成したばかりのビジネス・オブジェクトをクリックします。

    ビジネス・オブジェクト・エディタが開きます。

  6. 必要に応じて、ビジネス・オブジェクト内に新しいモジュールを作成します。

    1. ビジネス・オブジェクトを右クリックし、「新規モジュール」を選択します。

    2. 新規モジュールの名前を入力して、「OK」をクリックします。

      新規モジュールを作成した後に、必要に応じてサブモジュールを追加作成できます。

  7. 必要に応じて、新規ビジネス・オブジェクトを作成します。

    1. モジュールを右クリックし、「新規ビジネス・オブジェクトの追加」を選択します。

    2. 名前を入力して「OK」をクリックします。

      新規ビジネス・オブジェクトが、ビジネス・オブジェクトのリスト内に表示されます。必要に応じてビジネス・オブジェクト内にビジネス・オブジェクトまたはサブモジュールを追加作成できます。

  8. 新しい属性を追加します。

    1. ビジネス・オブジェクトを選択し、メニューから「新規属性の追加」を選択します。

    2. 属性の名前を入力し、ドロップダウン・メニューからタイプを選択します。

  9. 「OK」をクリックします。

12.5.2 XMLスキーマ定義(XSD)に基づいてビジネス・オブジェクトを作成する方法

XMLスキーマ定義に基づいてビジネス・オブジェクトを作成できます。ビジネス・オブジェクトのように、XSDは、データ構造の階層定義を提供します。

XSDに基づいてビジネス・オブジェクトを作成するには:

  1. プロジェクトのようこそページで、「ビジネス・オブジェクト」タブをクリックして、「新規BO.」をクリックします。

  2. 新規ビジネス・オブジェクトの名前を入力します。

  3. 「拡張」を開いて、「XSDから」をクリックします。

  4. 図12-7に示されているように、ドロップダウン・リストからXSDを選択します。

    図12-7 XSDからの新規ビジネス・オブジェクトの作成

    図12-7の説明が続きます
    「図12-7 XSDからの新規ビジネス・オブジェクトの作成」の説明

  5. 「作成」をクリックします。

新規ビジネス・オブジェクトが「ビジネス・オブジェクト」タブに表示されます。必要に応じて、新規ビジネス・オブジェクトを編集できます。詳細は、12.5.4項「ビジネス・オブジェクトを編集または削除する方法」を参照してください。

12.5.3 ビジネス・オブジェクト作成時の処理

ビジネス・オブジェクトを定義すると、ビジネス・オブジェクト・エディタのビジネス・オブジェクトのリストに表示されます。ビジネス・オブジェクトを使用して、それに基づいた新規複合データ・オブジェクトを作成できます。また、ビジネス・オブジェクトを使用して、他のビジネス・オブジェクトを定義することもできます。

12.5.4 ビジネス・オブジェクトを編集または削除する方法

ビジネス・オブジェクトを作成した後に、属性のタイプを変更したり、ドキュメントを追加できます。ビジネス・オブジェクトやそのモジュールまたは属性を削除することもできます。

ビジネス・オブジェクトの属性タイプを変更する、またはドキュメントを追加するには:

  1. プロジェクトのようこそページから「ビジネス・オブジェクト・エディタ」をクリックします(図12-6を参照)。

  2. 編集する属性を選択するか、またはビジネス・オブジェクト・ツリーでドキュメントを追加します。

    属性を選択すると、図12-8に示すように、属性エディタ・ペインが右側のペインに表示されます。

    図12-8 ビジネス・オブジェクト・エディタの属性エディタ・ペイン

    図12-8の説明が続きます
    「図12-8 ビジネス・オブジェクト・エディタの属性エディタ・ペイン」の説明

  3. 属性のデータ型を変更するには:

    1. 「タイプの変更」をクリックして、ドロップダウン・リストから新しいデータ型を選択します。

    2. 「OK」をクリックします。

  4. ドキュメントを追加するには:

    1. 「編集」をクリックします。アプリケーションの下部に、ドキュメント・エディタが開きます。

    2. ドキュメント・エディタで、必要なドキュメントを追加します。

      詳細は、5.7.1項「ドキュメント・エディタ」を参照してください。

    3. 「変更の適用」をクリックします。

ビジネス・オブジェクト、モジュールまたは属性を削除するには:

  1. プロジェクトのようこそページから「ビジネス・オブジェクト」タブをクリックします(図12-6を参照)。

  2. 削除するビジネス・オブジェクトの右にマウスを置きます。

  3. 「削除」アイコンをクリックし、「OK」をクリックします。


    注意:

    削除したビジネス・オブジェクト、モジュールまたは属性は復元できません。他のコンポーネントを含むモジュールまたはビジネス・オブジェクトを削除すると、コンポーネントも削除されます。ただし、削除したビジネス・オブジェクトまたはモジュールに、ビジネス・オブジェクトに基づく属性が含まれている場合、そのビジネス・オブジェクトは削除されません。


12.6 データ・アソシエーションの概要

データ・アソシエーションは、次のコンテキストで、データ・オブジェクトに格納された情報を処理する方法を決定します。

表12-2は、データ・アソシエーションを定義できるフロー・オブジェクトをリストしています。また、実装されるオブジェクトもリストしています。

表12-2 データ・アソシエーションを受け入れるフロー・オブジェクト

フロー・オブジェクト 実装

メッセージ開始および終了イベント

サービスおよびその他のBPMNプロセス

メッセージ・スロー・イベントおよびキャッチ・イベント

サービスおよびその他のBPMNプロセス

送信タスクおよび受信タスク

サービスおよびその他のBPMNプロセス

スクリプト・タスク

実装は含みません。データ・アソシエーションを介してデータ・オブジェクトを受渡しするために使用します。

ユーザー・タスク

Oracle Human Tasks

ビジネス・ルール・タスク

Oracle Business Rules

サービス・タスク

サービスおよびBPMNプロセス


データ・アソシエーションは、フロー・オブジェクトから外部のサービスまたはプロセスへの入力引数および出力引数を定義するために使用します。図12-9に、フロー・オブジェクトと、それに対応する実装、および外部のプロセスまたはサービスの間にある関係を示します。

青い矢印は、外部のプロセスまたはサービスとの間で入力と出力を行う引数を表します。これらの引数はデータ・アソシエーションを使用して定義されます。

図12-9 フロー・オブジェクトと実装と外部のサービスまたはプロセスの関係

図12-9の説明が続きます
「図12-9 フロー・オブジェクトと実装と外部のサービスまたはプロセスの関係」の説明

入力および出力はフロー・オブジェクトのデータ・アソシエーションで定義されますが、コールされているシステムまたはサービスに渡される値を定義していることに注意してください。これらのシステムおよびサービスは、図12-11に示すように、ビジネス・プロセスの外に存在します。

図12-10 プロセス間のデータ・アソシエーション

図12-10の説明が続きます
「図12-10 プロセス間のデータ・アソシエーション」の説明

式を使用して、入力値および出力値を評価および変更できます

12.6.1 データ・アソシエーション・エディタの概要

データ・アソシエーション・エディタを使用すると、フロー・オブジェクトとその実装の間で受渡しされる入力値と出力値を構成できます。

図12-11 データ・アソシエーション・エディタ

図12-11の説明が続きます
「図12-11 データ・アソシエーション・エディタ」の説明

表12-3では、データ・アソシエーション・エディタの各領域について説明します。

表12-3 データ・アソシエーション・エディタのユーザー・インタフェース

UI領域 説明

入力

フロー・オブジェクト内に実装されるサービスまたはプロセスへの入力として割り当てられたデータ・オブジェクトを表示するテキスト・ボックスが表示されます。各テキスト・ボックスの横には、式エディタを起動するアイコンがあります

フロー・オブジェクト・インタフェース

実装されるサービスまたはプロセスに必要な入力引数がリストされます。また、入力および出力として提供されたデータ・オブジェクトの展開可能なリストも表示されます。フロー・オブジェクトの領域では、複合データ・オブジェクト内の特定の基本データ・オブジェクトにマップする複合データ・オブジェクトを展開できます。

出力

フロー・オブジェクト内に実装されるサービスまたはプロセスからの出力として割り当てられたデータ・オブジェクトを表示するテキスト・ボックスが表示されます。

データ・オブジェクト

すべてのデータ・オブジェクトのリストが表示されます。このリストは、プロセス・データ・オブジェクトとプロジェクト・データ・オブジェクトの間が分割されます。


12.6.2 フロー・オブジェクトのデータ・アソシエーションの構成方法

フロー・オブジェクトのデータ・アソシエーションを構成できます。

フロー・オブジェクトのデータ・アソシエーションを構成するには:

  1. データ・アソシエーションを構成するプロセスを開きます。

  2. データ・アソシエーションを有効化するフロー・オブジェクトを右クリックし、「データ・アソシエーション」を選択します。

    データ・アソシエーションを有効化するシーケンス・フローのリストについては、表12-2を参照してください。

  3. 右側のデータ・オブジェクト列から、入力引数としてマップするデータ・オブジェクトを選択します。

  4. データ・オブジェクトをクリックし、入力テキスト・フィールドにドラッグします。

12.7 式の概要

式を使用すると、データ・オブジェクトで計算を実行できます。Business Process Composerを使用して、次のコンテキストにおいて式を定義および編集できます:

式では直接データ・オブジェクトに値を再割当てすることはできません。ただし、式を使用して、シーケンス・フローの実装との間で受渡しされる値を変更することはできます。詳細は、12.6項「データ・アソシエーションの概要」を参照してください。

12.7.1 式エディタの概要

式エディタを使用すると、リストからデータ・オブジェクトおよび演算子を選択して式に挿入し、簡単に式を作成できます。必要に応じて、手動で式を入力することもできます。

図12-12は、式エディタのユーザー・インタフェースを示しています。

図12-12 Oracle Business Process Composerの式エディタ

図12-12の説明が続きます
「図12-12 Oracle Business Process Composerの式エディタ」の説明

表12-4 式エディタのユーザー・インタフェース

領域 説明

「式」フィールド

式のテキストを指定します。このフィールドでは、直接入力するか、「式に挿入」ツールを使用できます。

式に挿入

選択したデータ・オブジェクトまたは演算子を式に挿入します。

「データ・オブジェクト」および「演算子」の選択

式に挿入するデータ・オブジェクトまたは演算子を選択できるタブ付きペインが表示されます。

「説明」タブ

選択した演算子の説明を入力します。

エラー

現在の式に含まれるエラーを表示します。


12.7.2 式のタイプ

Oracle Business Process Composerでは、次のタイプの式がサポートされています:

  • シンプル

  • プレーン・テキスト

  • XMLリテラル

12.7.3 単純式

単純式は、Oracle BPMでサポートされている標準式言語を使用して定義されます。

12.7.3.1 演算子タイプ

単純式では、次の演算子タイプがサポートされています:

  • 算術演算子

  • 単項演算子

  • 等号演算子と関係演算子

  • 条件演算子

これらの演算子を使用して式および条件を作成し、プロセス・フローを定義できます。一般に、これらの式は、プロセス内のデータ・オブジェクトに基づいて計算を実行します。式と条件はデータ・オブジェクトの値を使用して作成できますが、値は変更できません。

次の式の例では、演算子が使用されています。

  • totalAmount - discount

  • activationCount > 3

  • unitsSold <= 1200

表12-5表12-6表12-7および表12-8では、シンプルな式ビルダーでサポートされている演算子を説明します。

表12-5 算術演算子

演算子 名前 説明

+


加算

数値データ型を加算します。

文字列同士を連結します。

-

減算

数値データ型を減算します。

*


乗算

数値データ型を乗算します。

/


除算

数値データ型を除算します。

rem

剰余

除数が被除数で除算しきれない場合の剰余を計算します。

( )

優先順位

演算式の評価の順序を指定します。


表12-6 単項演算子

演算子 名前 説明

+


プラス

数値オペランドの値には影響しません。ある値が正であることを明示的に示す場合に使用します。

-

マイナス

算術式の符号をマイナスにします

*


NOT

論理補数演算子。ブール式の値を否定します。


表12-7 等号演算子と関係演算子

演算子 名前 説明

=または==

等しい

最初のオペランドが2番目のオペランドと等しい場合にTrueを戻します。

!=

等しくない

最初のオペランドが2番目のオペランドと等しくない場合にTrueを戻します。

>

より大きい

最初のオペランドが2番目のオペランドより大きい場合にTrueを戻します。

>=

次以上

最初のオペランドが2番目のオペランド以上の場合にTrueを戻します。

<


より小さい

最初のオペランドが2番目のオペランドより小さい場合にtrueを戻します。

<=


次以下

最初のオペランドが2番目のオペランド以下の場合にTrueを戻します。


表12-8 条件演算子

演算子 名前 説明

and

条件付きAND

両方のオペランドがtrueと評価された場合にtrueを戻します。

or

条件付きOR

いずれかのオペランドがTrueと評価された場合にTrueを戻します。


12.7.3.2 演算子の優先順位

演算子の優先順位とは、コンパイラが演算子を評価する順序のことです。式内の演算子の優先順位は、カッコを使用して変更できます。

Oracle BPMにおける演算子の優先順位は、次のとおりです。

  • 加算、減算

  • 乗算、除算、剰余

  • プラスおよびマイナス

  • 次より小さい、次より大きい、次以下、次以上

  • 等しい、等しくない

  • NOT

  • 条件付きAND

  • 条件付きOR

12.8 式の使用

次の各項では、Business Process Composerを使用して式を定義する方法について説明します。

12.8.1 条件シーケンス・フローの単純式の定義方法

Business Process Composerを使用して、条件シーケンス・フローの式を作成および編集できます。条件シーケンスでは、式を使用してプロセスのフローを決定します。

条件シーケンス・フローの式を定義するには:

  1. プロセスを開きます。

  2. プロジェクトが編集モードであることを確認します。

  3. 編集する条件シーケンスの「編集」アイコンをクリックします。

  4. 「実装」をクリックします。

  5. 「編集」をクリックします。

    式エディタ・ウィンドウが表示されます。

  6. 必要なデータ・オブジェクトおよび演算子を追加します。

    データ・オブジェクトを式に追加するには:

    1. 「データ・オブジェクト」タブを選択します。

    2. リストからデータ・オブジェクトを選択します。

      複合データ・オブジェクトの一部である基本データ・オブジェクトを追加する場合は、複合データ・オブジェクトを展開し、追加する基本データ・オブジェクトを選択します。

    3. 「式に挿入」をクリックします。

    演算子を式に追加するには:

    1. 「演算子」タブを選択します。

    2. 展開可能なリストから、追加する演算子を選択します。

    3. 「式に挿入」をクリックします。

  7. 「エラー」タブをクリックし、式にエラーがないことを確認します。

  8. 「OK」をクリックします。

  9. 「実装」タブで「変更の適用」をクリックします。

12.8.2 データ・アソシエーションの単純式の定義方法

Business Process Composerを使用して、データ・アソシエーションの式を作成および編集できます。データ・アソシエーションでは、式を使用して、データ・オブジェクトが入力および出力として受け渡す値を変更できます。

データ・アソシエーションの入力または出力に式を定義するには:

  1. プロセスを開きます。

  2. プロジェクトが編集モードであることを確認します。

  3. プロセス内のフロー・オブジェクトを右クリックし、「データ・アソシエーション」を選択します。

  4. 「式ビルダーの起動」をクリックします。

  5. 必要なデータ・オブジェクトおよび演算子を追加します。

    データ・オブジェクトを式に追加するには:

    1. 「データ・オブジェクト」タブを選択します。

    2. リストからデータ・オブジェクトを選択します。

      複合データ・オブジェクトの一部である基本データ・オブジェクトを追加する場合は、複合データ・オブジェクトを展開し、追加する基本データ・オブジェクトを選択します。

    3. 「式に挿入」をクリックします。

    演算子を式に追加するには:

    1. 「演算子」タブを選択します。

    2. 展開可能なリストから、追加する演算子を選択します。

    3. 「式に挿入」をクリックします。

  6. 「エラー」タブをクリックし、式にエラーがないことを確認します。

  7. 「OK」をクリックします。

12.9 ビジネス・インジケータおよびカウンタ・マークの使用

この項では、Business Process Composerを使用してビジネス・インジケータおよびカウンタ・マークを作成する方法について説明します。

12.9.1 ビジネス・インジケータおよびカウンタの概要

ビジネス・インジケータは、プロセスの主要パフォーマンス・インジケータの値を格納するのに使用するプロジェクト・データ・オブジェクトです。Oracle BPMでは異なるタイプのデータ・オブジェクトを使用してビジネス・インジケータを作成できますが、Business Process Composer内では、カウンタ・マークとして使用するビジネス・インジケータのみ作成できます。

カウンタは、インスタンスが特定のアクティビティを完了した回数を追跡します。カウンタはカウンタ・マークとともに使用する必要があります。カウンタ変数の値は常に1で、実際の値は格納されません。インスタンスがアクティビティを完了した回数を示す値は、プロセス分析データベースで直接更新されます。カウンタ・ビジネス・インジケータの値を監視するには、そのカウンタ・ビジネス・インジケータを追跡するように構成されたカウンタ・マークに基づいて、ダッシュボードを作成する必要があります。

12.9.2 カウンタ・マークの概要

カウンタ・マークを使用して、プロセスに対して定義したカウンタ・ビジネス・インジケータの値を更新できます。1つのカウンタ・マークで複数のカウンタ・マーク・ビジネス・インジケータを更新できます。カウンタ・マークが定義されているアクティビティにトークンが到達すると、BPMサービス・エンジンによって、プロセス分析データベース内の関連するカウンタの値が更新されます。BPMサービス・エンジンがカウンタ・ビジネス・インジケータを更新するたびに、1単位が現在の値に追加されます。


注意:

カウンタ変数の実際の値はプロセス分析データベースに格納されます。カウンタ変数のデフォルト値は変更されないため、プロセスでカウンタ変数を使用して計算を実行しないでください。カウンタ変数の値は常に1です。


カウンタ・マークは次の目的で使用できます。

  • 監査: インスタンスが完了したアクティビティの数とその他のパフォーマンス測定を組み合せた情報は、プロセスを監査するために重要です。

  • パフォーマンスの問題の識別: カウンタを使用して、プロセス内のパフォーマンスの問題を識別できます。インスタンスが予期したパスと異なるパスを経由しているか、アクティビティ内のループの実行時間が適正な時間を超えているため、プロセスの実行時間が予期した時間より長くなる場合があります。このような状況は、実際に完了したアクティビティの数と予期した数を比較して識別できます。

  • インスタンスが経由するプロセス・パスの識別: 異なるカウンタ・ビジネス・インジケータを使用して、対応するパスをマークできます。インスタンスがプロセスの最後に到達したとき、インスタンスが経由したパスは、完了したアクティビティの最大数を示します。

通常は、監視対象のプロセス・パスごとに1つのカウンタ・ビジネス・インジケータを定義します。次に、そのプロセス・パスに含まれるすべてのアクティビティにカウンタ・マークを追加します。最後に、アクティビティが含まれるパスに対応するカウンタ・ビジネス・インジケータを、カウンタ・マークに関連付けます。

12.9.3 新しいカウンタ・マークをプロセスに追加する方法

新しいカウンタ・マークをプロセス内のアクティビティやタスクに追加できます。

新しいカウンタ・マークをプロセスに追加する手順は、次のとおりです。

  1. カウンタ・マークを追加するタスクまたはアクティビティを右クリックします。

  2. 「実装」を選択します。

  3. 必要に応じて、新しいビジネス・インジケータを作成します。

    1. 「追加」ボタンをクリックします。

    2. ビジネス・インジケータの名前を指定します。

    3. 「OK」をクリックします。

  4. ビジネス・インジケータのリストで、このフロー・オブジェクトで使用するインジケータの隣にあるチェック・ボックスを選択します。

  5. 「変更の適用」をクリックします。

12.9.4 カウンタ・マークを削除する方法

プロセスに対して定義したカウンタ・マークは削除できます。

カウンタ・マークを削除するには:

  1. カウンタ・マークを編集するアクティビティまたはタスクを右クリックします。

  2. 「データ・アソシエーション」を選択します。

  3. データ・オブジェクトのリストで、プロジェクト名を展開します。すべてのプロジェクト・データ・オブジェクトのリストが表示されます。

  4. 削除するカウンタ・マークを選択します。

  5. 「データ・オブジェクトの削除」をクリックします。

  6. 「はい」をクリックします。

  7. 「適用」をクリックします。

12.10 測定マークを使用したプロセス・パフォーマンスの測定

測定マークを使用して、プロセス・パフォーマンスを測定できます。測定マークを使用すると、プロセス内の特定の位置、またはプロセスの特定のセクションにおいて、タイプが測定のビジネス・インジケータを測定できます。

測定マークおよびプロセス分析データベースの使用方法の詳細は、Oracle BPMモデリングおよび実装ガイドのプロセス分析の使用を参照してください。

測定マークによって、プロセス分析データベースに次のデータが保存されます。

1つの測定マークを使用して、複数の測定ビジネス・インジケータを測定できます。

BPMNサービス・エンジンでは、測定ビジネス・インジケータの値が保存されるときに、プロセスに定義されたディメンションの値も保存されます。後でプロセスを監視するためにダッシュボードを構築するときに、これらのディメンションを使用して値を様々なカテゴリにグループ化できます。たとえば、営業見積サンプルでは、承認済見積件数の合計を地域ごとに表示できます。

定義できる測定マークのタイプは次のとおりです。

12.10.1 プロセスへの測定マークの追加方法

測定マークは、コンポーネント・パレットからプロセス・エディタ・キャンバスにドラッグすることによって、ビジネス・プロセスに追加できます。

単一測定マークをプロセスに追加するには:

  1. BPMNプロセスを開きます。

  2. コンポーネント・パレットで、「測定」アイコンをダブルクリックし、次のいずれかをクリックしてドラッグします。

    • 測定マーク(スナップショット)

    • 「測定の開始」マーク

    • 「測定の終了」マーク

  3. ビジネス・インジケータを追加するシーケンス・フロー付近まで測定マークをドラッグします。シーケンス・フローが青色になったら、測定マークをドロップします。

  4. 測定マークを右クリックして「プロパティ」を選択し、「実装」をクリックします。

  5. 「名前」フィールドに、測定マークを識別するための名前を入力します。

  6. 「ビジネス・インジケータ」セクションで、使用可能なビジネス・インジケータのリストからビジネス・インジケータを選択し、2つのリストの間にある矢印を使用して「選択済」リストに移動します。


    注意:

    1つの測定マークで複数のビジネス・インジケータを測定できます。



    注意:

    ビジネス・インジケータを選択しない場合、測定マークにはデフォルト・ビジネス・インジケータの値のみが格納されます。「測定マーク・プロパティ」ダイアログ・ボックスを開いた状態でビジネス・インジケータを追加するには、「選択済」リストの下にある「新規」ボタンをクリックします。


  7. 「OK」をクリックします。