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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suiteヘルスケア統合ユーザーズ・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7)
E59383-01
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4 エンドポイントの操作

この章では、Oracle SOA Suite for healthcare integrationにおけるエンドポイントの概念について説明し、ヘルスケア統合アプリケーション用にエンドポイントを作成および構成する手順を示します。

この章の内容は以下のとおりです。

4.1 エンドポイントの概要

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、エンドポイントは事前定義済のドキュメントが送信または受信される通信チャネルです。エンドポイントは、ドキュメントが外部システムと交換される方法を定義し、場所、トランスポート・プロトコル、交換するドキュメントおよびその他の構成パラメータを指定します。URL、フォルダ、パスなどをエンドポイントにすることができます。メッセージの方向に基づいて、エンドポイントはインバウンド、アウトバウンドまたはその両方の場合があります。たとえば、Oracle SOA Suite for healthcare integrationがディレクトリから読み取る場合、ディレクトリはインバウンド・エンドポイントです。反対に、Oracle SOA Suite for healthcare integrationがディレクトリにメッセージを書き込むか送信する場合、ディレクトリはアウトバウンド・エンドポイントです。また、MLLPエンドポイントは、メッセージの受信と送信の両方に使用できます。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、エンドポイントをドキュメント定義に関連付け、エンドポイントがメッセージの送信と受信を開始できるようにする必要があります。

図4-1は、ドキュメント定義にまだ関連付けられていないサンプルのエンドポイントを示しています。

図4-1 Oracle SOA Suite for healthcare integrationのサンプル・エンドポイント

図4-1の説明が続きます
「図4-1 Oracle SOA Suite for healthcare integrationのサンプル・エンドポイント」の説明

4.2 エンドポイントの作成

Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースには、エンドポイントを作成および構成できるエンドポイント・ページがあります。この手順では、インタフェースを使用してエンドポイントを作成する方法について説明します。

双方向(MLLP)および単一方向(FILE、JMS)トランスポート・プロトコル用のエンドポイントを作成できます。双方向プロトコルの場合、レスポンス・メッセージまたは機能確認(FA)の送受信を1つのエンドポイントで実行できます。一方、単一方向プロトコルの場合、ドキュメントの送受信を行うように構成しないと、1つのエンドポイントでメッセージまたはFAの送受信を実行できません。

双方向トランスポート・プロトコル(MLLP)を使用してエンドポイントを作成するには:

  1. Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースにログオンします。

  2. 「設計」タブの「構成」タブで、「エンドポイント」フォルダをクリックし、図4-2に示す「作成」アイコンをクリックします。

    図4-2 「エンドポイントの作成」アイコン

    図4-2の説明が続きます
    「図4-2 「エンドポイントの作成」アイコン」の説明

  3. 図4-3に示すように、「作成」ウィンドウに次を入力して、「OK」をクリックします。

    • 名前: エンドポイントの名前。

    • トランスポート・プロトコル: メッセージを送信または受信するトランスポート・プロトコル。この場合、MLLP10を選択します。

    • 接続モード: 「サーバー」または「クライアント」。エンドポイントがサーバーとして構成されている場合、Oracle SOA Suite for healthcare integrationエンジンはポートでリスニングを開始し、クライアントが接続するのを待機します。一般に、サーバー接続モードはインバウンド用です。クライアントとして構成されている場合、エンジンはリモート・コンピュータまたはデバイスのホスト名およびポートに接続します。一般に、これはアウトバウンド用です。


      注意:

      Oracle Healthcareでは、単一サーバー・チャネルに対する複数のクライアント接続をサポートしています。このため、複数のクライアントが同一サーバーに接続し、データを交換したりFAを受信することができます。

      バックエンド・アプリケーションに渡されたメッセージは、次の方法で送信されます。

      • Oracle Healthcareが動的IPアドレスを使用してエンドポイント詳細をバックエンド・アプリケーションに渡し、アプリケーションが同じ値をアウトバウンドの動的IPヘッダーに戻します。Oracle Healthcareはこの動的IPヘッダーを使用して、正しい接続を選択します。

      • クライアントは確認またはレスポンス・メッセージのプロパティでreplytoMsgIdプロパティを設定して、接続詳細をリクエスト・メッセージからフェッチできます。


    • ホスト名: MLLPサーバー・エンドポイントの場合はOracle SOA Suiteをホストしているコンピュータの名前またはIPアドレス、MLLPクライアント・エンドポイントの場合はリモート・ホストの名前またはデバイス名にする必要があります。通常、これはlocalhostである必要があります。ただし、ホスト名はリモート・ホストまたはデバイスの名前にすることもできます。

    • ポート: ポート番号は500より大きい値にする必要があります。接続モードが「サーバー」に設定されている場合、ポート番号は有効なTCPポート番号である必要があります。接続モードが「クライアント」に設定されている場合、ポート番号はMLLPサーバーで使用するポートと同じである必要があります。

    これにより、エンドポイントが作成され、エンドポイントがOracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースの右のパネルに表示されます。

    図4-3 エンドポイント・パラメータの指定

    図4-3の説明が続きます
    「図4-3 エンドポイント・パラメータの指定」の説明

単一方向トランスポート・プロトコル(FILE)を使用してエンドポイントを作成するには:

  1. Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースにログオンします。

  2. 「設計」タブの「構成」タブで、「エンドポイント」フォルダをクリックし、「作成」アイコンをクリックします。

  3. 図4-4に示すように、「作成」ウィンドウに次を入力して、「OK」をクリックします。

    • 名前: エンドポイントの名前。

    • トランスポート・プロトコル: メッセージを送信または受信するトランスポート・プロトコル。この場合、FILEを選択します。

    • 方向: 「インバウンド」または「アウトバウンド」。エンドポイントをインバウンドとして構成した場合、他のエンドポイントからレスポンス・メッセージまたはFAを受信できます。反対に、エンドポイントをアウトバウンドとして構成した場合、メッセージまたはFAを送信できます。

    • フォルダ名: 絶対ディレクトリ・パスをお薦めします。このフォルダにはインバウンドまたはアウトバウンドのメッセージやFAは格納されません。インバウンド・メッセージはこのフォルダ内にあることが期待され、アウトバウンドのメッセージまたはFAはここに配信される必要があります。

    これにより、エンドポイントが作成され、エンドポイントがOracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースの右のパネルに表示されます。

    図4-4 エンドポイント・パラメータの指定

    図4-4の説明が続きます
    「図4-4 エンドポイント・パラメータの指定」の説明


    注意:

    単一方向エンドポイント(インバウンド/アウトバウンド)の作成後、後からこれを「構成」リンクをクリックして編集し、インバウンドまたはアウトバウンドの構成を追加できます。



注意:

様々なトランスポート・プロトコルでのエンドポイントの作成の詳細は、付録B「各種トランスポート・プロトコルを使用したエンドポイントの作成」を参照してください。


4.2.1 単一方向プロトコルのエンドポイントでのチャネルの構成

双方向トランスポート・プロトコル(MLLPなど)を使用してエンドポイントを作成した場合、エンドポイントはリクエストとリプライの双方(インバウンドおよびアウトバウンド)とACKを処理することができます。しかし、単一方向トランスポート・プロトコル(FileやFTPなど)の場合、通常、構成できるのはインバウンド・チャネルまたはアウトバウンド・チャネルの一方であり、両方一緒に構成することはできません。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、単一方向プロトコルの場合、管理およびモニタリング用に2つの通信チャネル(送信および受信メッセージ用に1つずつ)を1つのエンティティ(エンドポイント)として構成することができます。この概念により、サポートされるドキュメントの有効化または無効化および表示が可能になり、関連するチャネルの関連モニタリング・データ(メッセージ数や実際のメッセージ)を同時に表示できます。

この機能を使用して単一方向トランスポート・プロトコルを使用するときに、構成する必要があるチャネルは1つのみです。もう一方のチャネル(逆方向)の構成はオプションです。この場合、Oracle SOA Suite for healthcare integrationコンソールには、メッセージの送信または受信用に構成されたチャネルが1つ表示されますが、図4-5に示すとおり、もう一方のチャネルは未構成として表示されます。

図4-5 未定義のセカンダリ・チャネル

図4-5の説明が続きます
「図4-5 未定義のセカンダリ・チャネル」の説明

図4-6に示すとおり、もう一方のチャネルは、未定義チャネルのセクションで「構成」リンクをクリックし、構成ダイアログ・ボックスで必要なチャネル詳細を指定することで構成できます。

図4-6 セカンダリ・チャネルの定義

図4-6の説明が続きます
「図4-6 セカンダリ・チャネルの定義」の説明

トランスポート・プロトコルおよびその他の設定はチャネルごとに定義します。2つのチャネルに異なる単一方向トランスポート・プロトコルを使用できます。たとえば、1つのチャネルではFTPを使用して、もう一方のチャネルではFileを使用することもできます。唯一の要件は、両方とも単一方向プロトコルを使用するという点です。

両方の通信チャネルを定義しドキュメントをチャネルに関連付けると(4.3項「エンドポイントとドキュメントの関連付け」を参照)、エンドポイントが図4-7のように表示されます。

図4-7 両方のチャネルが構成された単一方向エンドポイント

図4-7の説明が続きます
「図4-7 両方のチャネルが構成された単一方向エンドポイント」の説明

必要に応じて、各チャネルの構成を編集できます。また、対応するチャネルのセクションで「削除」リンクを使用して、各チャネルの構成を削除することもできます。

4.3 エンドポイントとドキュメントの関連付け

エンドポイントを作成した後で、それをドキュメントに関連付けて、エンドポイントがメッセージを送信または受信できるようにする必要があります。メッセージを送信、受信または送受信するようにエンドポイントを構成できます。

双方向エンドポイントをドキュメントに関連付けるには:

  1. 必要なエンドポイントを開きます。

  2. メッセージを送信または受信するようにエンドポイントを構成します。

    1. エンドポイントの「送信」または「受信」セクションで、「+」アイコンをクリックしてドキュメント選択ウィンドウを表示します。

    2. 使用可能なドキュメント階層から、必要なドキュメント定義を選択します(たとえばADT_A04_def)。ドキュメント定義がエンドポイントに関連付けられます。機能確認、検証またはエンドポイントの変換が必要かどうかを指定でき、必要な内部デリバリ・チャネル、トランスポートまたはアグリーメント・レベルのコールアウトおよびマップセットも指定できます。


      注意:

      ドキュメント定義を「送信」または「受信」セクションにドラッグ・アンド・ドロップすることもできます。


      図4-8は、ドキュメント定義に関連付けられたエンドポイントを示しています。

      図4-8 エンドポイントとドキュメント定義の関連付け

      図4-8の説明が続きます
      「図4-8 エンドポイントとドキュメント定義の関連付け」の説明


      注意:

      FAの場合、「機能確認」、「検証」、「変換」、「再試行間隔」および「再試行数」は無効になります。


    3. 次のドキュメント構成オプションを選択します。

      オプション 説明

      機能確認

      成功またはエラーの条件に対して機能確認を有効にする場合に選択します

      検証

      構成済のECSファイルに対してドキュメントの検証を有効にする場合に選択します。

      変換

      XMLからネイティブ・フォーマットへの変換、またはその逆の変換を有効にする場合に選択します。


    4. 「内部チャネル」「ドキュメント・コールアウト」「マップセット」または「コンポジット」のいずれかがエンドポイントに対して定義されている場合は、これらを適切なフィールドから選択します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイドの第6章の取引パートナ・アグリーメントの作成とデプロイを参照してください。


      注意:

      インバウンド・ドキュメントの場合、コンポジット名とJMS内部デリバリ・チャネル名の選択はオプションです。Oracle Healthcareは特定のドキュメント定義について、1つのコンポジットのみサポートできます。複数のコンポジットを使用できる場合、Oracle Healthcareは実行時に最初にOracle Healthcareに登録されたコンポジットにメッセージを送信するため、結果は予測できないものになります。


  3. 「有効」チェック・ボックスを選択し、「適用」をクリックして、エンドポイントでのメッセージの送受信を有効にします。「適用」操作の適用には30から60秒ほどかかることがあります。これは、XSD/ECSの作成とメタデータの検証が原因です。


    注意:

    エンドポイントに変更を加えた後で、左側のパネルでエンドポイント名を右クリックし、「リフレッシュ」をクリックしてエンドポイントを更新できます。



    注意:

    エンドポイントの有効化と無効化は、「有効」チェック・ボックスの選択または選択解除の後、「適用」ボタンをクリックすることで切り替えることができます。


単一方向エンドポイントとドキュメントの関連付け

Fileなど、単一方向エンドポイントを関連付ける場合の手順は、双方向エンドポイントの場合とほぼ同じです。ただし、異なる点がいくつかあります。


注意:

エンドポイントからドキュメントの関連付けを解除するには、「ドキュメント」セクションでドキュメント・エンティティを選択し、「削除」(X)ボタンをクリックします。


4.4 MLLPエンドポイントの順序付けの有効化

ドキュメントをエンドポイントに関連付けた後、エンドポイントの構成のために次のオプションを使用できます。

単一方向エンドポイントの場合:

4.5 エンドポイントの削除

エンドポイントを削除するには、Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースにログオンします。「設計」タブの「構成」タブで、エンドポイント名を選択し、「削除」アイコンをクリックします。エンドポイント名を右クリックし、ショートカット・メニューから「削除」をクリックすることもできます。


注意:

有効化されているエンドポイントは削除できません。削除する前に、エンド・ポイントを無効にする必要があります。


4.6 「エンドポイント」ウィンドウの操作

「エンドポイント」ウィンドウを使用して、既存のエンドポイントのリストを表示できます。また、「エンドポイント」ウィンドウを使用してエンドポイントを作成、変更または削除することもできます。このウィンドウでは、すべてまたは必要なエンドポイントを選択し、一括変更や削除などの必要な操作を実行することも可能です。

「エンドポイント」ウィンドウにアクセスするには:

  1. Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースにログオンします。

  2. 「設計」タブの「構成」タブで、「エンドポイント」フォルダをダブルクリックします。

図4-12はエンドポイント・ウィンドウを示しています。

図4-12 エンドポイント・ウィンドウ

図4-12の説明が続きます
「図4-12 エンドポイント・ウィンドウ」の説明