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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suiteヘルスケア統合ユーザーズ・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7)
E59383-01
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6 マップセットの操作

この章では、Oracle SOA Suite for healthcare integrationでマップセットを操作する方法について説明します。ソースおよびターゲット・システムのメッセージが異なるドキュメント定義で定義され、あるメッセージから別のメッセージにデータをマップする必要がある場合は、マップセットを使用してマッピング・ロジックを定義できます。

内容は次のとおりです。

6.1 マップセットの概要

マップセットは、ネイティブ形式からXML、XMLからXML、さらにXMLからネイティブ形式にマッピングする標準変換よりも、ネイティブ・データ形式をネイティブ・データ形式にマップする方がよい場合にデータ変換を提供します。異なるドキュメント定義によって定義されているメッセージ間でデータをマップする必要がある場合は、マップセットを使用できます。たとえば、HL7 2.3.1形式でメッセージを送信するシステムがあり、受信側システムではHL7 2.5形式のデータを必要とする場合があります。または、HIPAA 4010メッセージをHIPAA 5010に変換し、さらにHIPAA 4010に再変換することが必要な場合があります。

マップセットには、事前定義済またはユーザー定義のマップ・ファイルと2つのドキュメント定義が含まれます。マップ・ファイルは、データがある形式から別の形式に変換される方法を定義します。現在、Oracle SOA Suite ヘルスケア統合ユーザー・インタフェースでは、異なるバージョンのHL7メッセージ間のマッピングをサポートしています。Oracle B2Bコンソールでは、異なるHIPAA X12メッセージ間のマッピングと、異なるバージョンのHL7間のマッピングをサポートしています。


注意:

現在、マップセットを使用したHL7 2.xメッセージからHL7 v3.0への変換はサポートされていませんが、この操作はOracle JDeveloperのXSLTマッパーを使用して行うことができます。


6.1.1 マップセットについて

マップセットを作成する場合は、マップ・ファイル、ソース・ドキュメント定義およびターゲット・ドキュメント定義を1つのマップセット内で関連付けます。マップセットは、定義とマッピングを、複数のOracle B2Bまたはhealthcare integrationアプリケーションで再利用できる1つの単位にグループ化します。各マップセットは2つの異なるドキュメント定義を使用し、マップセットを作成するにはこれらの定義を設計時リポジトリに作成する必要があります。マップセットには、プロトコルごとに提供されるデフォルトのドキュメント定義、あるいは作成または変更したカスタマイズ済定義を使用するオプションがあります。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでマップセットを作成する場合は、適切なエンドポイントに関連付けて、マッピング・ロジックをhealthcare integrationプロジェクトに組み込みます。Oracle B2Bでマップセットを作成する場合は、取引パートナ・アグリーメントに関連付けます。マップセットをエンドポイントまたはアグリーメントに関連付ける場合は、ドキュメント定義とメッセージ・フローがエンドポイントまたはアグリーメントと一致するマップセットのみ選択できます。

6.1.2 定義済マップセットとカスタム・マップセット

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでは、Oracle Document EditorのMapBuilder機能を使用するかEdifecsが提供している事前定義済マップ・ファイルを購入することで、独自のカスタム・マップセットを作成できます。構築済マップには、HIPAA 4010メッセージをHIPAA 5010メッセージに変換するマップなど、Health Insurance Portability and Accountability Act (HIPAA)用のマップが含まれます。

6.2 マップ・ファイルの作成

Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースまたはOracle B2Bコンソールでマップセットを作成する前に、2つのタイプのドキュメント定義間のマッピングを定義するマップ・ファイルが必要です。Edifecsには使用できる事前定義済マップ・ファイルがいくつか用意されています。またはOracle Document EditorのMapBuilderコンポーネントを使用してファイルを作成できます。


注意:

Oracle Document Editorは、Oracle SOA Suite for healthcare integrationのインストール・パッケージからダウンロードできます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイドのファイルの作成のガイドラインを参照してください。


6.3 Oracle B2Bコンソールでのマップセットの使用

HL7以外のデータ標準をマップするためのマップセットを作成する場合、または、healthcare integration機能ではなくOracle B2Bの機能を使用してマップセットを作成する場合は、Oracle B2Bコンソールを使用します。この機能を使用すると、たとえば、HIPAA 4010メッセージ・タイプをHIPAA 5010にマップできます。Oracle B2Bを使用してHL7メッセージをマップすることもできますが、Oracle SOA Suite for healthcare integrationのほうを使用することをお薦めします。

次の手順を実行して、マップセットをOracle B2B取引パートナ・アグリーメントに組み込みます。

6.3.1 Oracle B2Bコンソールでのマップセットの作成

この手順を開始する前に、Oracle B2Bコンソールにアクセスするコンピュータでマップ・ファイルが使用可能であることと、マッピングする両方の標準に必要なドキュメント定義がOracle B2Bですでに作成されていることを確認します。この3つのコンポーネントがないと、マップセットを作成できません。

Oracle B2Bでのドキュメント定義の使用の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイドのドキュメント・プロトコルの使用に関する項を参照してください。

マップセットを作成するには

  1. Oracle B2Bコンソールで「管理」をクリックし、それから「マップセット」タブをクリックします。

    図6-1 Oracle B2Bコンソールのマップセット・ページ

    図6-1の説明が続きます
    「図6-1 Oracle B2Bコンソールのマップセット・ページ」の説明

  2. マップセット・ページで、「マップセットの追加」(プラスのアイコン)をクリックします。

    マップセット・リストに新しい行が表示されます。

  3. 新しい行で、新しいマップセットの名前と簡単な説明を入力します。

  4. 「マップ・ファイルの場所」フィールドの横にある「参照」をクリックします。

  5. マップ・ファイルの場所を参照し、ファイルを選択して「開く」をクリックします。

    選択したマップ・ファイルがロードされ、「ソース・ドキュメント定義」および「ターゲット・ドキュメント定義」フィールドに、マッピングのための適切なドキュメント定義が移入されます。

    図6-2 Oracle B2Bコンソールで定義されたマップセット

    図6-2の説明が続きます
    「図6-2 Oracle B2Bコンソールで定義されたマップセット」の説明


    注意:

    Oracle B2Bにドキュメント定義が存在していない場合、この手順は失敗します。


  6. 表示される確認ダイアログで「保存」「OK」をクリックします。

6.3.2 マップセットと取引パートナ・アグリーメントの関連付け

マッピングをB2B処理ロジックに組み込むため、マップセットを取引パートナ・アグリーメントに関連付けます。取引パートナ・アグリーメントの使用の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイドの取引パートナ・アグリーメントの作成およびデプロイに関する項を参照してください。

開始する前に:

必要なすべてのB2BコンポーネントがOracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイドに説明されているとおりに作成および構成されていることを確認します。少なくとも、ドキュメント定義、取引パートナおよびマップセットについて確認します。

マップセットを取引パートナ・アグリーメントに関連付けるには:

  1. Oracle B2Bコンソールで、右上の「パートナ」を選択します。

    パートナ・ページが表示されます。

  2. 左側の「パートナ」パネルで、リモート取引パートナの名前を選択し、「アグリーメント」パネルで「新規アグリーメントの作成」アイコンをクリックします。

    アグリーメント・ページが表示されます。

  3. 「変換」を選択解除します。


    注意:

    「変換」が選択されている場合は、エンドポイントのマップセットとともに使用するときに無視されます。マップセットがデータ変換を実行するため、変換は不要です。


  4. 取引パートナおよびアグリーメントのドキュメント定義を選択します。ドキュメント定義では、取引パートナとの交換で使用するネイティブ形式を選択します。

  5. 「マップセット」フィールドをクリックし、このアグリーメント用に作成したマップセットを選択します。

    図6-3 Oracle B2Bのマップセット・ページ

    図6-3の説明が続きます
    「図6-3 Oracle B2Bのマップセット・ページ」の説明


    注意:

    マップセットを使用するときに、選択したドキュメント定義がマップセット内でソースとターゲットのどちらになるかは、アグリーメントでのメッセージ・フローの方向によって決まります。上記の画像はアウトバウンド・メッセージを示しているため、選択したドキュメント定義(HIPAA 5010 837)がマップセットのターゲット・ドキュメント定義となり、HIPAA 4010 837メッセージがHIPAA 5010 837メッセージにマップされます。


  6. 選択したマップセットの情報を表示するには、「マップセット詳細」をクリックします。

    マップセットのサマリー情報を示すダイアログが表示されます。

    図6-4 「マップセット詳細」ダイアログ

    図6-4の説明が続きます
    「図6-4 「マップセット詳細」ダイアログ」の説明

  7. Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイドの取引パートナ・アグリーメントの作成およびデプロイに説明されているとおりにアグリーメントを構成します。

  8. アグリーメントの構成が終了したら、「保存」をクリックし、表示された確認ダイアログで「OK」をクリックします。

  9. アグリーメントを検証するには、「検証」をクリックします。

  10. アグリーメントをアプリケーション・サーバーにデプロイする準備が整ったら、「デプロイ」をクリックします。

6.3.3 Oracle B2Bコンソールでのマップセットの削除

現在アグリーメントで使用されていないマップセットのみ削除できます。

Oracle B2Bコンソールでマップセットを削除するには:

  1. Oracle B2Bコンソールで「管理」をクリックし、それから「マップセット」タブをクリックします。

  2. マップセット・ページで、削除するマップセットを含む行を選択します。

  3. 「マップセット」表で「マップセットの削除」(Xアイコン)をクリックし、「削除の確認」ダイアログで「はい」をクリックします。

  4. 確認ダイアログで「OK」をクリックします。

6.4 Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationでのマップセットの使用方法

ヘルスケア統合プロジェクト内で異なるHL7標準間をマップする場合は、Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースを使用します。

次の手順を実行して、マップセットをOracle B2B取引パートナ・アグリーメントに組み込みます。

6.4.1 Healthcare Integrationユーザー・インタフェースでのマップセットの作成

最初に、ヘルスケア統合ユーザー・インタフェースにアクセスしているコンピュータでマップ・ファイルが使用可能であることと、マッピングする両方の標準に必要なドキュメント定義がOracle SOA Suite for healthcare integrationですでに作成されていることを確認します。この3つのコンポーネントがないと、マップセットを作成できません。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでのドキュメント定義の作成の詳細は、第3章「ドキュメント・タイプおよびドキュメント・プロトコルの操作」を参照してください。

マップセットを作成するには

  1. Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースで、「デザイナ」タブをクリックし、「構成」タブをクリックします。

  2. 左側のナビゲーション・パネルで、「マップセット」を選択し、「マップセットの作成」(プラス記号のアイコン)をクリックします。

    「マップセットの作成」ダイアログが表示されます。

  3. マップセットの一意の名前と短い説明を入力し、「OK」をクリックします。

    図6-5 「マップセットの作成」ダイアログ

    図6-5の説明が続きます
    「図6-5 「マップセットの作成」ダイアログ」の説明

    マップセット・ページが表示されます。

  4. 「マップセット・ファイルの場所」フィールドの横の「参照」をクリックし、使用するマップ・ファイルを参照して選択します。

    ファイルが検証され、対応するドキュメント定義が見つかった場合は、ドキュメント・プロトコル、バージョンおよびタイプに関する情報がページの下部に移入されます。デフォルトのソースおよびターゲット定義ファイルが自動的に移入されます。

    図6-6 Healthcare Integrationユーザー・インタフェースのマップセット・ページ

    図6-6の説明が続きます
    「図6-6 Healthcare Integrationユーザー・インタフェースのマップセット・ページ」の説明

  5. ドキュメント定義ファイルのデフォルト・バージョンを使用しない場合は、次の手順に従ってデフォルトのファイル選択をオーバーライドします。

    1. オーバーライドする「ドキュメント定義」フィールド(「ソース」または「ターゲット」)の横で、「参照」をクリックします。

    2. 「ドキュメント」ダイアログで、使用するドキュメント定義が表示されるまで「ドキュメント・プロトコル」ツリーを展開します。

    3. オーバーライドするドキュメント定義を選択し、「OK」をクリックします。

  6. マップセット・ページで、「適用」をクリックし、表示される確認ダイアログで「OK」をクリックします。

6.4.2 マップセットとエンドポイントの関連付け

マップセットの作成後、それをエンドポイントに関連付けて、プロセスにマッピング・ロジックを含める必要があります。

マップセットをエンドポイントに関連付けるには

  1. Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースで、「デザイナ」タブをクリックし、「構成」タブをクリックします。

  2. 左側のナビゲーション・パネルで、「エンドポイント」を展開し、マップセットに関連付けるエンドポイントをダブルクリックします。

  3. マップするドキュメント・タイプの行で、「変換」を選択解除します。


    注意:

    「変換」が選択されている場合は、エンドポイントのマップセットとともに使用するときに無視されます。マップセットがデータ変換を実行するため、変換は不要です。


  4. 同じ行で、表の一番右にある「マップセット」フィールドをクリックし、使用するマップセットを選択します。

    図6-7 エンドポイントに対して選択されたマップセット

    図6-7の説明が続きます
    「図6-7 エンドポイントに対して選択されたマップセット」の説明

  5. 「適用」をクリックし、表示される確認ダイアログで「OK」をクリックします。

6.4.3 Healthcare Integrationユーザー・インタフェースでのマップセットの削除

マップセットを削除するには、「構成」ツリーでマップセットを選択し、ツールバーの「削除」をクリックします。マップセットを右クリックし、「削除」を選択することもできます。