Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発 11gリリース1 (11.1.1.8.3) E49666-03 |
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この章では、統合WebLogic Server (IntegratedWebLogicServer)を使用してPortal Frameworkアプリケーションを実行、デプロイおよびテストする方法と、アプリケーションをJDeveloperからWebLogic管理対象サーバーにデプロイする方法について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
注意: Oracle WebCenter Portalのパーソナライズのファイルのデプロイについては、第66.3項「パーソナライズ・ファイルのデプロイ」を参照してください。Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control、Oracle WebLogic管理コンソール、WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドなど、他のメカニズムを使用したPortal Frameworkアプリケーションのデプロイについては、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「Portal Frameworkアプリケーションのデプロイ」の章を参照してください。 |
この項では、統合WebLogic ServerおよびOracle WebLogic管理対象サーバーの概要について説明します。Oracle JDeveloperを使用すると、アプリケーションを統合WebLogic Serverでテストおよびデプロイして、ステージングや詳細なテストのためにOracle JDeveloperの外部に存在するOracle WebLogic管理対象サーバーにデプロイしたり、必要な権限を持っている場合には実際の本番環境にデプロイしたりできます。
統合WebLogic Server
統合WebLogic Serverは、Oracle JDeveloperとともにパッケージ化されています。統合WebLogic Server接続は、「IDE接続」→「アプリケーション・サーバー」の下の「リソース・パレット」でIntegratedWebLogicServerと表示されます。統合WebLogic Serverを使用すると、設計時にアプリケーションを短時間で簡単にテストでき、アプリケーションをパッケージ化してWebLogic管理対象サーバーを作成および構成する必要はありません。
アプリケーションを実行すると、そのアプリケーションの統合WebLogic Serverインスタンスが自動的に起動されます。JDeveloperの「実行」→「サーバー・インスタンスの起動(IntegratedWebLogicServer)」メニュー・オプションを選択して、インスタンスを手動で起動することもできます。その場合、すべてのアプリケーションに対応するサーバー・インスタンスが1つ作成され、実行する任意のアプリケーションがこのサーバー・インスタンスを使用します。
統合WebLogic ServerでPortal Frameworkアプリケーションをテストすることは、次のように設計時の作業向上に役立ちます。
デプロイの最適化: デザインタイムのテストのためにファイルをアーカイブして別のサーバーにコピーする必要がなくなります。
変更をアプリケーションにすぐに反映: ほとんどのファイルをプロジェクト・ディレクトリから直接実行できるので、アプリケーションの実行中に選択した変更を実行して反映させることができます。たとえば、JSPXページ上のタスク・フローを変更した場合、ブラウザでそのページをリフレッシュすると変更後の内容が表示されるので、アプリケーションを再デプロイする必要はありません。
テストとデバッグを実行した後でアプリケーションをアンデプロイする必要がありません。ただし、統合WebLogic Serverを停止すると、そこで実行されていたアプリケーションは自動的にアンデプロイされます。
統合WebLogic ServerでのPortal Frameworkアプリケーションのテストの詳細は、第7.2項「統合WebLogic ServerへのPortal Frameworkアプリケーションのデプロイ」を参照してください。
WebLogic管理対象サーバー
Oracle WebLogic管理対象サーバーは、ドメインの一部としてOracle JDeveloperの外部に存在し、そのドメイン内の管理サーバーの管理下にあります。WebLogic管理対象サーバーでは、アプリケーションが、アプリケーションに必要なライブラリや他のリソースとともに、ホストされます。ドメインは、Oracle WebLogic Serverリソースの論理的に関連付けられたグループであり、任意の個数の管理対象サーバーが属することができます。管理対象サーバーは、テスト環境または本番環境、あるいはその両方の環境でアプリケーションを実行するように構成できます。
Oracle WebLogic管理対象サーバーへのPortal Frameworkアプリケーションのデプロイの詳細は、第7.3項「WebLogic管理対象サーバーへのPortal Frameworkアプリケーションのデプロイ」を参照してください。
統合WebLogic Serverは、デプロイメント・プロファイルを作成しなくても、Oracle JDeveloper内でアプリケーションを実行できるように事前構成済です。ただし、統合WebLogic Serverインスタンスが停止すると、アプリケーションはアンデプロイされ、使用できなくなります。もっと安定したテスト・シナリオを実現するために、アプリケーションを統合WebLogic Serverにデプロイすることもできます。これらの2つのオプションについては、次のサブセクションで説明します:
Portal Frameworkアプリケーションを実行するには、アプリケーション・ナビゲータの「プロジェクト」セクションでポータル・プロジェクトを右クリックして「実行」を選択するか、「実行」メニューから「実行」を選択するか、ツールバーから「実行」アイコンをクリックして、現在のプロジェクトを実行できます。
JDeveloperでアプリケーションを実行する場合、アプリケーションに基づいて名前が付けられたサーバー・インスタンスが自動的に作成されます。アプリケーションの実行中に、JDeveloperとブラウザを切り替えながら、アプリケーションをデザインタイムに変更し、変更を保存し、ブラウザでJSPXページをリフレッシュして変更を反映させることができます。JDeveloperでは、アプリケーションの処理状況を監視したり、サーバー・インスタンスを停止(それによってアプリケーションを停止)したりすることもできます。
アプリケーション・ページまたはプロジェクトを実行するとき、アプリケーションにちなんで名付けられた統合WebLogic Serverインスタンスで、Portal Frameworkアプリケーションのパッケージ化およびデプロイメントがトリガーされます。統合WebLogic Serverのインスタンスは、「Run Manager」パネル(図7-1)を使用して停止できます。「Run Manager」パネルにアクセスするには、「表示」メニューから「Run Manager」を選択します。統合WebLogic Serverインスタンスは、「IntegratedWebLogicServer」を選択し、「Run Manager」タブの赤い「終了」アイコンをクリックすれば停止できます。インスタンスは、ツールバーの赤い「終了」アイコンまたは「ログ」ウィンドウの「終了」アイコンを使用するか、「実行」メニューから「終了」オプションを選択しても停止できます。
IntegratedWebLogicServerの「ログ」ウィンドウ(図7-2を参照)には、アクティビティの処理状況が表示されます。
注意: 統合WebLogic ServerでPortal Frameworkアプリケーションを実行する場合、セキュアな属性と資格証明はデフォルトで移行されます。 |
第7.2.1項「統合WebLogic ServerでのPortal Frameworkアプリケーションの実行」のとおり、Portal Frameworkアプリケーションを実行した場合、統合WebLogic Serverインスタンスが停止すると、アプリケーションはアンデプロイされ、使用できなくなります。IntegratedWebLogicServerを再起動しても、アプリケーションは使用可能になりません。もっと安定したテスト・シナリオを実現するために、「デプロイ」オプションを使用して、アプリケーションを統合WebLogic Serverにデプロイできます。このデプロイ済アプリケーションは、統合WebLogic Serverが実行されている間、常に使用可能です。
アプリケーションのデプロイの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「Fusion Webアプリケーションのデプロイ」の章を参照してください。
注意: Portal Frameworkアプリケーションをデプロイする前に、Oracle WebCenter Portal用および分析タスク・フローで使用されるアクティビティ用にローカル・データ・ソースを作成する必要がある場合は、第4.2.2項「データベース接続の設定」を参照してください。 |
アプリケーションを統合WebLogic Serverにデプロイするには:
JDeveloperでアプリケーションを開きます。
「実行」メニューから「サーバー・インスタンスの起動(IntegratedWebLogicServer)」を選択して、サーバー・インスタンスを起動します。
「アプリケーション」メニューで「デプロイ」を選択し、application name
_application1
の形式で表示されている(図7-3)デフォルトのデプロイメント・プロファイルを選択します。
「デプロイ」ダイアログで、「アプリケーション・サーバーへのデプロイ」が選択されていることを確認し、「次へ」をクリックします。
「IntegratedWebLogicServer」を選択し、「次へ」をクリックします。
「WebLogicオプション」画面でデフォルトの選択を受け入れ、「次へ」をクリックします。
「サマリー」画面でデプロイメントの詳細を確認し、「終了」をクリックします。
「デプロイメント構成」ダイアログ」ダイアログで「デプロイ」をクリックします。
「デプロイメント構成」ダイアログでは、ターゲット・メタデータ・リポジトリまたは共有メタデータ・リポジトリを選択できます。JDeveloperにより事前に作成されたファイル・システムのMDSリポジトリが「リポジトリ名」フィールド(図7-4)に表示されます。
このアプリケーションの再デプロイを試みた場合、「アプリケーション」→「デプロイ」メニューを選択すると、アプリケーションの以前のデプロイメント・ターゲットを選択するオプションが表示されます(図7-5)。これは、「デプロイ」ダイアログ画面をスキップして直接「デプロイメント構成」ダイアログに進み、以前のターゲットに再デプロイする場合に便利です。
外部のテスト・サイトまたはステージング・サイトを使用してPortal Frameworkアプリケーションをテストする準備ができたら、JDeveloperから直接Oracle WebLogic管理対象サーバーにアプリケーションをデプロイできます。
Fusion Middleware Control、Oracle WebLogic管理コンソールおよびWLSTコマンドを使用したPortal Frameworkアプリケーションのデプロイの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「Portal Frameworkアプリケーションのデプロイ」の章を参照してください。
この項には次のサブセクションが含まれます:
この項では、フロー・チャートと表を使用して、Portal FrameworkアプリケーションをOracle WebLogic管理対象サーバーにデプロイするために必要な前提条件とタスクの概要について説明します。図7-6に、Portal Frameworkアプリケーションをデプロイする手順と、それらを実行するロールを示します。
表7-1に、JDeveloperからPortal Frameworkアプリケーションをデプロイするためのタスクとサブタスクおよびそれらを実行する必要があるアクターを示します。
表7-1 管理対象サーバーへのFrameworkアプリケーションのデプロイ
アクター | タスク | サブタスク | ノート |
---|---|---|---|
開発者 |
1. アプリケーションのパッケージ化 |
1.a データ・ソース・タイプの選択(データベース接続のパッケージ化) |
グローバル・データ・ソースまたはアプリケーションレベル・データ・ソースのどちらかを使用できます。 グローバル・データ・ソースを使用する場合、デプロイの前にWLS管理コンソールでデータ・ソースを作成する必要があります。 アプリケーションレベル・データ・ソースを使用する場合、デプロイの後にWLS管理コンソールで資格証明マッピングを追加する必要がある場合があります(次の注意を参照)。 注意: JDeveloperからデプロイする方法は2つあります。 1つは管理対象サーバーに直接デプロイする方法、もう1つはEARファイルにデプロイした後でFusion Middleware Control、WLSTまたはWLS管理コンソールのいずれかを使用してEARファイルをデプロイする方法です。 JDeveloperから直接デプロイする場合、JDeveloperが自動的に資格証明マッピングを処理するので、資格証明マッピングの手順は必要ありません。ただし、JDeveloperの外部でEARファイルをデプロイする場合はその手順が必要です。 |
1.b アプリケーション・セキュリティ・データのパッケージ化 |
このサブタスクでは、資格証明、アイデンティティ・データおよびアプリケーション・ポリシーのパッケージ化が行われます。 |
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1.c デプロイメント・プロファイルの作成 |
このサブタスクでは、WARファイルとEARファイルの作成が行われます。 初期状態で、デフォルトのデプロイメント・プロファイルが使用可能です。ただし、要件ごとにコンテキスト・ルートやアプリケーション名を指定する独自のデプロイメント・プロファイルを作成することもできます。 |
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管理者 |
2. ターゲット環境の準備 |
2.a 管理対象サーバーの作成およびプロビジョニング |
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2.b MDSリポジトリの作成および登録 |
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2.c ターゲット環境の構成 |
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2.d サーバー接続の作成 |
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開発者 |
3. JDeveloperから管理対象サーバーへのアプリケーションのデプロイ |
最後の手順で、JDeveloperから管理対象サーバーにアプリケーションをデプロイします。 |
Portal Frameworkアプリケーションをデプロイする場合、データベースに接続するためにデータベース接続と関連セキュリティも移行する必要がある場合があります。また、アプリケーションをOracle WebLogic管理対象サーバーにデプロイできるようにPortal Frameworkアプリケーションとその関連ファイルをパッケージ化する方法を示すデプロイメント・プロファイルをプロジェクトレベルとアプリケーションレベルで作成する必要もあります。
この項の内容は、次のとおりです。
Portal Frameworkアプリケーションをデプロイする場合、データベースに接続するためにデータベース接続と関連セキュリティもパッケージ化する必要があります。この項では、JDBCデータ・ソースとJDBC URLの2つのデータベース接続タイプのどちらかを使用するPortal Frameworkアプリケーションをパッケージ化する方法について説明します。また、パスワードを指定するデータベース接続を使用するアプリケーションまたは共有資格証明またはパブリック資格証明を指定する外部アプリケーションのセキュリティの移行について説明します。
管理者によって定義されているポリシー(たとえば管理者がアプリケーションレベルのデータ・ソースを一切許可していない場合)に基づいて、ターゲット・サーバーへのデータベース接続および個々の資格証明を移行する必要がある場合があります。後述するパッケージ化オプションを使用して、データベース接続の処理方法を選択できます。
この項には次のサブセクションが含まれます:
Portal FrameworkアプリケーションでJDBCデータベース接続を使用する場合、JDeveloperからそれらのデータベース接続をOracle WebLogic管理対象サーバーに移行する方法を選択する必要があります。次の選択肢があります。
グローバル・データ・ソース:
Fusion Middleware Control、Oracle WebLogic管理コンソールまたはWLST (wldeployer
)コマンドを使用して本番モードで動作中の管理対象サーバーにアプリケーションEARファイルをデプロイする場合は、このタイプのデータ・ソースを選択することをお薦めします。
グローバル・データ・ソースを選択するには、パスワードのインダイレクションを使用するアプリケーションレベルのデータ・ソースがJDeveloperによって作成されないように、EARファイルを作成する際に「デプロイ中にweblogic-jdbc.xmlディスクリプタを自動生成および同期化」チェック・ボックスの選択を解除します。かわりに、デフォルトのWebCenter PortalスキーマとACTIVITIESスキーマを使用して本番モードの管理対象サーバーにアプリケーションをデプロイする前またはデプロイした後に、Oracle WebLogic管理コンソールを使用してグローバル・データ・ソースを作成します。グローバル・データ・ソースの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』のJDBCデータ・ソースの作成に関する項を参照してください。
パスワードのインダイレクションを使用するアプリケーションレベルのデータ・ソース:
統合WebLogic Serverでアプリケーションを実行する場合、JDeveloperではパスワードのインダイレクションを使用するアプリケーションレベルのデータ・ソースがデフォルトで生成されます。これは、図7-7に示すように、「アプリケーションのプロパティ」ダイアログで「デプロイ中にweblogic-jdbc.xmlディスクリプタを自動生成および同期化」チェック・ボックスが選択されている場合です。
図7-7 「デプロイ中にweblogic-jdbc.xmlディスクリプタを自動生成および同期化」チェック・ボックス
アプリケーション・レベルのインダイレクションを使用するデータ・ソースを生成するために、JDeveloperでは次の処理が実行されます。
アプリケーション・リソースの接続ごとに<connection>-jdbc.xml
ファイル(WC-jdbc.xml
など)が生成されます。
<connection>-jdbc.xml
ファイルに間接パスワード属性が設定されます。
<jdbc-driver-params> <use-password-indirection>true</use-password-indirection> </jdbc-driver-params>
weblogic-application.xml
を更新して、各<connection>-jdbc.xml
ファイルをモジュールとして追加します。例:
<module> <name>WC</name> <type>JDBC</type> <path>META-INF/WC-jdbc.xml</path> </module>
web.xml
ファイルが存在する場合、このファイルの各JDBC JNDI名にリソース参照を追加します。例:
<resource-ref> <description>WC-Connection</description> <res-ref-name>jdbc/WCDS</res-ref-name> <res-type>javax.sql.DataSource</res-type> <res-auth>Container</res-auth> </resource-ref>
パスワードのインダイレクションを使用するアプリケーション・データ・ソースを生成する場合、アプリケーションを有効化できるようにするために、Oracle WebLogic管理コンソールで資格証明マッピングを追加する必要があります。資格証明マッピングの追加の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』のJDBCデータ・ソースの作成に関する項を参照してください。
注意: WLSTではサーバーにパスワードのインダイレクションの資格証明マッピングを設定できないので、パスワードのインダイレクションを使用するアプリケーションレベルのデータ・ソースを使用するアプリケーションをデプロイするために、WLSTコマンドを使用しないでください。 |
この項で説明する内容は、ADFセキュリティの構成ウィザードを使用してアプリケーションのセキュリティを構成した場合、またはデータベース接続のパスワードなどのセキュアな属性を使用する接続または共有資格証明またはパブリック資格証明を使用する外部アプリケーションがアプリケーションに含まれる場合にのみ適用可能です。
資格証明のパッケージ化
資格証明を移行する必要がない場合、「アプリケーションのプロパティ」ダイアログの「セキュリティ・デプロイメント・オプション」セクションの「資格証明」チェック・ボックスの選択を解除します(図7-8を参照)。
「セキュリティ・デプロイメント・オプション」セクションのデフォルト選択をそのままにする場合、WebLogicドメインが開発モードまたは本番モードのどちらであるかに応じて、資格証明の移行が次のように実行されます。
Portal Frameworkアプリケーションを、本番モードで実行されている管理対象サーバーにデプロイする場合、アプリケーション内にパッケージ化されている接続のセキュアな属性および外部アプリケーションで指定されている共有資格証明またはパブリック資格証明は、ドメインレベルの資格証明ストアには移行されません。これは、セキュアなプロパティがデプロイ環境と本番環境で異なる可能性があるからです。したがって、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のセキュリティに関連する項で説明されているように、WLSTコマンドまたはFusion Middleware Controlを使用して、接続のセキュアな属性および外部アプリケーションの共有資格証明またはパブリック資格証明を再構成する必要があります。
資格証明移行の動作の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイド』の資格証明ストアの移行に関する項を参照してください。
開発モードでPortal Frameworkアプリケーションをデプロイする場合、最初に資格証明の移行を有効化する必要があります。開発モードでデプロイするアプリケーションの資格証明の移行を有効化するには、domain
\bin
にあるsetDomainEnv.cmd
ファイルまたはsetDomainEnv.sh
ファイルに次のオプションを追加することによって、管理対象サーバーを-Djps.app.credential.overwrite.allowed=true
を指定して起動します。
set EXTRA_JAVA_PROPERTIES=-Djps.app.credential.overwrite.allowed=true %EXTRA_JAVA_PROPERTIES%
アイデンティティ・データのパッケージ化
図7-8では、「セキュリティ・デプロイメント・オプション」セクションの「ユーザーとグループ」チェック・ボックスはデフォルトで選択されています。これは、ドメインで構成されているオーセンティケータがユーザーとグループの作成を許可している場合、アプリケーションのjazn-data.xml
ファイルで定義されているユーザーとグループがWebLogic管理対象サーバーに構成されているアイデンティティ・ストアに移行されることを示しています。アイデンティティ・ストアを移行するとき、管理対象サーバー用に構成されたアイデンティティ・ストアに定義されているユーザーおよびグループは、アプリケーションのアクセスに使用される必要があるので、このオプションの選択を解除する必要があります。
アプリケーション・ポリシーのパッケージ化
「アプリケーション・ポリシー」チェック・ボックスが選択されているとき、weblogic-application.xml
ファイルのjps.policystore.migration
パラメータはOVERWRITE
に設定されます。これは、アプリケーションのデプロイメントおよび再デプロイメントの際に、アプリケーションとともにパッケージ化されているアプリケーション・ポリシーが、アプリケーションがデプロイされるドメインのドメインレベルのポリシー・ストアで上書きされることを意味します。
「アプリケーション・ポリシー」チェック・ボックスが選択されていないとき、jps.policystore.migration
パラメータはMERGE
に設定されます。これは、アプリケーション・ポリシーがアプリケーションの再デプロイメント中ではなく、デプロイメント中に移行し、既存のアプリケーション・ポリシーは上書きされないことを意味します。
JDeveloperの外部に存在する管理対象サーバーにFusion Middleware ControlまたはWLS管理コンソールを使用してアプリケーションをデプロイすることは、デプロイメント・プロファイルまたはエンタープライズ・アーカイブ(EAR)ファイルを使用する場合にかぎり実行できます。Portal FrameworkアプリケーションをOracle WebLogic管理対象サーバーにデプロイできるように、EARファイルにはアプリケーションとその関連ファイルがパッケージ化(またはアーカイブ)されます(これは通常はターゲットが本番サーバーである場合にシステム管理者によって実行されます)。
注意: Portal FrameworkアプリケーションなどのOracle ADFアプリケーションは、EARファイルとしてのみデプロイできます。 |
EARファイルには、adf-config.xml
、connections.xml
、weblogic-application.xml
、jazn-data.xml
、メタデータ・アーカイブ(MAR)ファイルおよびすべてのプロジェクト関連WARファイルなどのアプリケーション・アーティファクトが含まれます。MDSのメタデータまたはポートレットが含まれるPortal Frameworkアプリケーションの場合は、メタデータ・アーカイブ・ファイル(拡張子.MAR)が自動的に生成され、EARファイルに格納されます。このファイルには、MDSのメタデータとポートレットのすべてのカスタマイズ・データが含まれます。
Portal Frameworkアプリケーションの場合、アプリケーションを構築する際に、WAR(プロジェクトレベル)とEARレベルの両方のデプロイメント・プロファイルが自動的に作成されます。これらにはそれぞれ次のような名前が付けられます。
<application name>_webapp1 <application name>_application1
<application name>
は、作成時にアプリケーションの名前として指定された名前です。
ただし、アプリケーションがWebCenter Portal Frameworkアプリケーション・テンプレートを使用して作成されなかった場合は、アプリケーションのデプロイメント・プロファイル・ファイルを作成する必要があることがあります。また、EARファイルに固有の名前を付けたり、「アプリケーション・アセンブリ」セクションを使用してEARファイルに含まれる内容を変更したりする必要がある場合も、固有のEARファイルを作成できます。アプリケーションのEARデプロイメント・プロファイルの作成については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「Fusion Webアプリケーションのデプロイ」の章を参照してください。
EARファイルを作成するには、次のようにします。
JDeveloperでアプリケーションを開きます。
「アプリケーション」メニューから「デプロイ」を選択し、さらにデプロイメント・プロファイルの名前を選択します。application name_application1という名前のEARレベルのデプロイメント・プロファイルが、デフォルトで使用可能です。
「デプロイ」ダイアログの「デプロイメント・アクション」画面で、「EARにデプロイ」を選択し、「次へ」をクリックします。
「サマリー」画面でデプロイメントの詳細を確認し、「終了」をクリックします。
これは、図7-9に示されているように、EARファイルをJDEV_HOME
\mywork\
application_name
\deploy\
に位置するdeployフォルダに作成します。
この項では、Portal Frameworkアプリケーションをデプロイする前にWebLogic管理対象サーバーのインスタンスを作成およびプロビジョニングする方法について説明します。
この項には次のサブセクションが含まれます:
Portal Frameworkアプリケーションをデプロイする前に、必要なすべての共有ライブラリとMDSリポジトリが含まれるOracle WebCenter Custom Portalテンプレートに基づいて、WebLogic管理対象サーバーを作成する必要があります。新しい管理対象サーバーの作成方法の手順については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』の既存のドメインの拡張に関する項を参照してください。
注意: Portal Frameworkアプリケーションを、Oracle WebCenter Portalのインストール時に作成したいずれかの事前構成済管理対象サーバーまたはドメインの管理サーバーにデプロイすることはお薦めしません。 |
WebLogic管理対象サーバー・インスタンスを作成およびプロビジョニングした後、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のメタデータ・サービス・リポジトリの作成および登録に関する項で説明されているように、WebLogicドメインの管理サーバー・インスタンス上にアプリケーションのメタデータ・サービス・リポジトリ(MDS)スキーマを作成および登録する必要があります。
管理対象サーバーを作成、および、MDSリポジトリを作成および登録した後、データ・ソースの構成、および、アイデンティティ・ストアおよびポリシー・ストアと資格証明ストアへの接続を継続します。データ・ソースの構成については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』のJDBCデータ・ソースの作成に関する項を参照してください。データ・ソースを設定するとき、パスワードを入力する必要があります。そうでないと、アプリケーションのデプロイ時に接続が作成されない場合がありますので注意してください。
JDeveloperの外部に存在するOracle WebLogic管理対象サーバーのインスタンスにJDeveloperを使用してアプリケーションをデプロイできるようにするには、アプリケーションのデプロイ先である管理対象サーバーのインスタンスへの接続を作成する必要があります。Oracle WebLogic管理対象サーバーのインスタンスへの接続を作成する前に、ターゲットの管理対象サーバーのインスタンスが稼働し、必要なライブラリが存在していることを確認します。
Oracle WebLogic管理対象サーバーへの接続を作成するには:
JDeveloperで、「ファイル」メニューから「新規」を選択します。
「新規ギャラリ」で、「一般」を開き、「接続」、「アプリケーション・サーバー接続」の順に選択します。
「OK」をクリックします。
アプリケーション・サーバー接続の作成ウィザードのステップ1で、新しい接続の名前(WC_CustomPortal
など)を入力し、「次へ」をクリックします。
ステップ2で、認証のためのユーザー名とパスワードを指定して、「次へ」をクリックします。
ステップ3で、WebLogic管理対象サーバーのホスト名(webcenter.myserver.example.com
など)およびポート番号(7888など)を入力します。
「WebLogicドメイン」フィールドで、WebLogic管理対象サーバーのインスタンスが作成されるドメインの名前(wc_domain
など)を指定し、「次へ」をクリックします。
ステップ4で、「接続のテスト」をクリックします。
テストが正常終了した場合、ターゲットのWebLogic管理対象サーバーへの接続は作成されています。
「終了」をクリックします。
Portal Frameworkアプリケーションは、ローカル・アプリケーション・データ・ソースまたはグローバル・データ・ソースのどちらかを使用して、管理対象サーバーにデプロイできます。ローカル・アプリケーション・データ・ソースには、デプロイされたアプリケーションからしかアクセスできません。ただし、JDeveloperから直接デプロイされた場合に他のデータ・ソースを構成しなくても正常に機能するという点では、簡単なデプロイ方法です。
グローバル・データ・ソースは、サーバー上の他のアプリケーションで共有できることによる利点があります。サーバーでは、グローバル・データ・ソースのすべてのユーザーによってデータベース接続構成の更新がより簡単に維持および利用されます。データ・ソースの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のデータ・ソースの選択に関する項を参照してください。
この項には次のサブセクションが含まれます:
管理対象サーバーにデプロイする際、アプリケーションのEARファイルが生成されます。EARファイルには、MDSリポジトリにデプロイされるメタデータ・コンテンツを含むメタデータ・アーカイブ(MARファイル)がパッケージ化されます。さらに、adf-config.xml
ファイルが再構成されて、mds-config
がターゲット・デプロイ環境に合わせて変更されます。アプリケーション全体の機能、セキュリティ、キャッシュおよび変更永続性は、変更されません。他のOracleコンポーネントが存在する場合、それらのプロパティもこのファイルで構成されます。同様に、JSFとJSTLの各共有ライブラリも、パッケージ化でweblogic.xml
ファイルに追加されます。
ローカル・データ・ソースを使用してPortal Frameworkアプリケーションを管理対象サーバーにデプロイするには:
JDeveloperで、アプリケーション・ナビゲータで、デプロイするアプリケーションを開きます。
アプリケーションにWebCenterスキーマを使用するタスク・フローが含まれる場合は、ローカル・データ・ソースを作成します。アプリケーションで分析タスク・フローが使用される場合は、アクティビティ・スキーマ用に個別のローカル・データ・ソースを作成します。詳細は、第4.2.2項「データベース接続の設定」を参照してください。
「アプリケーション」メニューから「アプリケーション・プロパティ」を選択します。
「アプリケーションのプロパティ」ダイアログが表示されます(図7-10)。
ナビゲーション・パネルから「デプロイメント」を選択して、「デプロイメント」オプションを表示します。
「デプロイ中にweblogic-jdbc.xmlディスクリプタを自動生成および同期化」チェック・ボックスが選択されていることを確認し、「OK」をクリックします。
「アプリケーション」メニューから、「デプロイ」、アプリケーション名の順に選択します。
「デプロイメント・アクション」ダイアログが表示されます(図7-11)。
「アプリケーション・サーバーへのデプロイ」を選択して、「次へ」をクリックします。
管理対象サーバーの接続名(WC_CustomPortal
など)を選択して、「次へ」をクリックします(図7-12)。
デプロイ先のサーバーがリストに表示されていない場合は、追加アイコン(+)をクリックし、接続の詳細を入力してサーバーをリストに追加します。
「ドメイン内の選択したインスタンスへのデプロイ」を選択し、リストから管理対象サーバー(
WC_CustomPortal
など)を選択して、「次へ」をクリックします(図7-13)。
通常は、「ドメイン内の全インスタンスへのデプロイ」の選択を解除し、デプロイ先に特定のサーバーおよびクラスタを選択します。これらのオプションの使用の詳細は、オンライン・ヘルプを参照してください。
「デプロイメント・サマリー」ダイアログで、デプロイメントの詳細を確認します。「終了」をクリックして、デプロイを開始します。
「デプロイメント構成」ダイアログが表示されます(図7-14)。
リポジトリ名(mds-CustomPortalDS
など)を選択し、パーティション名(パーティションが存在しない場合は、デプロイ時に作成されます)を入力して、「デプロイ」をクリックします。
その後、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のデプロイ後の構成に関する項の説明に従い、必要に応じてセキュリティまたはデータ・ソース接続の構成を行います。
WebCenter Custom Portalテンプレートを使用して作成された管理対象サーバーでアプリケーションを実行する予定がない場合、またはWebCenterDS
とActivitiesDS
のどちらでもないカスタム・データ・ソースに対してアプリケーションを実行する予定がある場合は、グローバル・データ・ソースを使用して管理対象サーバーにデプロイすることをお薦めします。
デフォルトのデータ・ソース名を使用することをお薦めしますが、デフォルトではない事前シード済データ・ソースを使用する場合は、それらのデータ・ソースに適切な名前を付けて、その名前にマップされるデータ・ソースを作成するために、デプロイの前または後にグローバル・データ・ソースを作成する手順を実行する必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のデータ・ソースの選択に関する項を参照してください。
グローバル・データ・ソースを使用して管理対象サーバーにデプロイするには:
JDeveloperで、デプロイするアプリケーションを開きます。
アプリケーションでデータ・ソースとして使用するJNDI名を決定します。
JNDI名は、アプリケーションで使用するデータベース接続をJDeveloperで作成したのか、それともデフォルトを使用するのかによって異なります。次の表にデフォルトのJNDI名を示します。
データ・ソース | JDeveloperのJNDI名 | デフォルトのJNDI名 |
---|---|---|
WebCenterDS |
( |
|
ActivitiesDS |
( |
|
「アプリケーション」メニューから「アプリケーション・プロパティ」を選択します。
ナビゲーション・パネルから「デプロイメント」を選択して、「デプロイメント」オプションを表示します。
「デプロイ中にweblogic-jdbc.xmlディスクリプタを自動生成および同期化」チェック・ボックスが選択されている場合はその選択を解除し、「OK」をクリックします。
「アプリケーション」メニューから、「デプロイ」、アプリケーション名の順に選択します。
「アプリケーション・サーバーへのデプロイ」を選択し、「次へ」をクリックします(図7-15)。
管理対象サーバーの接続名(WC_CustomPortal
など)を選択して、「次へ」をクリックします(図7-16)。
デプロイ先のサーバーがリストに表示されていない場合は、追加アイコン(+)をクリックし、接続の詳細を入力してアプリケーション・サーバーをリストに追加します。
「ドメイン内の選択したインスタンスへのデプロイ」を選択し、リストから管理対象サーバー(
WC_CustomPortal
など)を選択して、「次へ」をクリックします(図7-17)。
通常は、「ドメイン内の全サーバー・インスタンスへのデプロイ」の選択を解除し、「サーバー・インスタンス」ダイアログを使用して、デプロイ先に特定のサーバーおよびクラスタを選択します。これらのオプションの使用の詳細は、オンライン・ヘルプを参照してください。
「デプロイメント・サマリー」ダイアログで、デプロイメントのオプションが正しいことを確認し、「終了」をクリックしてデプロイメントを開始します。
「デプロイメント構成」ダイアログが表示されます(図7-18)。
リポジトリ名(mds-CustomPortalDS
など)を選択し、パーティション名(パーティションが存在しない場合は、デプロイ時に作成されます)を入力して、「デプロイ」をクリックします。
その後、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のデプロイ後の構成に関する項の説明に従い、必要に応じてセキュリティまたはデータ・ソース接続の構成を行います。
デプロイされているアプリケーションを新しい環境に移行する場合、ページ、WebCenter Portalのツールとサービス、およびポートレット(PDK-JavaおよびWSRPバージョン2のプロデューサ)に対して行われたカスタマイズも移行する必要があります。このプロセスを支援するエクスポート・ユーティリティとインポート・ユーティリティが用意されています。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「Portal Frameworkアプリケーションのエクスポート、インポート、バックアップおよびリカバリの管理」の章を参照してください。