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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発
11gリリース1 (11.1.1.8.3)
E49666-03
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2 開発環境の設定

この章では、WebCenter Portal開発アクティビティにJDeveloperを使用できるようにするためのガイダンスとヒントを提供します。

この章の内容は、次のとおりです。

2.1 概要

この章では、一般的なタスクとアプリケーション固有のタスクを区別します。一般的なタスクは、どのようなアプリケーションを開発しているかに関係なく適用されます。たとえば、JDeveloperおよびWebCenter Portal拡張機能のインストールは一般的な設定タスクです。この章で説明しているその他のタスクは、WebCenter Portalサーバー拡張機能やWebCenter Portal Frameworkアプリケーションなど、特定の種類のアプリケーションを開発している場合にのみ適用されます。

2.2 一般的な設定タスク

この項では、開発しているアプリケーションの種類によらない設定タスクについて説明します。

2.2.1 Oracle JDeveloperのインストール

Oracle JDeveloperは、ポータルおよびカスタム・ポータル・コンポーネントの開発のための統合開発環境(IDE)を提供します。Oracle JDeveloperの取得およびインストールの詳細は、次に示すOTNのOracle JDeveloperに関するページを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/overview/index.html

JDeveloperをインストールしたら、次のようにして最大PermGenサイズを大きくすることをお薦めします。

  1. テキスト・エディタで次のファイルを開きます。

    JDEV_HOME/jdev/bin/jdev.conf
    

    JDEV_HOMEは、マシンにJDeveloperをインストールした場所です。

  2. AddVMOption -XX:MaxPermSize=512を設定します。

  3. JDeveloperを再起動します。

2.2.2 JDeveloper用のWebCenter Portal拡張機能のインストール

WebCenter Portalの拡張機能は、JDeveloperに完全なWebCenter Portal機能セットを提供するアドインです。WebCenter Portalの拡張機能をインストールするには:

  1. Oracle JDeveloperを起動します。

  2. 「デフォルトのロールの選択」ダイアログが表示される場合は、「デフォルトのロール」を選択してすべてのテクノロジを有効にし、「OK」をクリックします。

  3. 以前のバージョンから設定を移行するかどうかを尋ねるダイアログが開く場合は、「いいえ」をクリックします。

  4. 「ヘルプ」メニューから「更新の確認」を選択します。

  5. 更新のチェック・ウィザードの「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。


    注意:

    ファイアウォールの内部にいる場合、拡張機能にアクセスするにはプロキシ・サーバーを構成する必要がある場合があります。更新ウィザードで、HTTPプロキシ・サーバー設定を入力できるダイアログが表示されます。どのダイアログでも、「ヘルプ」ボタンをクリックすると、詳細な情報が表示されます。詳細は、Oracle JDeveloperオンライン・ヘルプのプロキシ設定とJDeveloperに関するトピックを参照してください。


  6. 「ソース」ページの「更新センターの検索」で、WebCenter Portalの拡張機能(バージョン11.1.1.8.0)を検索して選択し、「終了」をクリックします。

  7. 要求されたら、JDeveloperを再起動します。

WebCenter Portalの取得およびインストールの詳細は、次に示すOTNのOracle WebCenter Portalに関するページを参照してください。

http://webcenter.oracle.com

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』も参照してください。

2.2.3 ユーザー・ホーム・ディレクトリ環境変数の設定

JDeveloperで参照するユーザー・ホーム・ディレクトリの環境変数を設定することを強くお薦めします。この変数を設定することで、状況次第で発生することが確認されている、長いパス名のエラーを受け取らずに済みます。

この変数の、Windows、Linux、UNIXおよびMac OS Xオペレーティング・システムでの設定の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperインストレーション・ガイド』のユーザー・ホーム・ディレクトリの設定に関する項を参照してください。

2.2.4 統合WebLogic Serverの管理

この項では、JDeveloperで使用される統合WebLogic Serverについて説明します。

2.2.4.1 統合WebLogic Serverとは

統合WebLogic Serverは、Oracle WebLogic Serverのインスタンスを参照し、JDeveloperにバンドルされているランタイム・サービスです。統合WebLogic Serverにより、開発者はJDeveloperからWebCenter Portal Frameworkアプリケーションを実行、テストおよびデバッグできます。

2.2.4.2 統合WebLogic Serverの起動と停止

統合WebLogic Serverの管理の詳細は、JDeveloperオンライン・ヘルプの統合WebLogic Serverのデプロイに関するトピックを参照してください。デバッグ・モードでの実行やWebLogic Server管理コンソールへのログインなど、その他のオプションについても、この項で説明しています。

2.2.4.3 統合WebLogic Server用のJVMの構成

必須ではありませんが、setDomainEnv.shで統合WLSを設定するデフォルトのJava Virtual Machine (JVM)を変更するオプションがあります。このファイルは、JDEV_SYSTEM_DIRECTORY/DefaultDomain/binにあります。

デフォルトのメモリー値は、次のとおりです。

-Xmx512m -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=512m

JDEV_SYSTEM_DIRECTORYを作成または参照する場合、Windowsプラットフォームでは、WebCenterのドメイン名に空白を含めたり、パスに空白が含まれるフォルダ内にドメインを作成することはできないことに注意してください。また、Oracle JDeveloperのシステム・ディレクトリへのパスに空白があると、Portal Frameworkアプリケーションのページはレンダリングされません。したがって、DOMAIN_HOMEパスおよびJDEV_SYSTEM_DIRECTORYパスには、空白を含めないでください。

2.2.4.4 WebCenter事前構成サーバーのReadmeファイル

WebCenter事前構成サーバーのReadmeファイルには、統合WLSの使用方法に関する有用な情報が含まれています。さらに、ファイルには、事前構成済ポートレット・プロデューサ・テスト・ページへのリンクが含まれています。


注意:

事前構成済ポートレット・プロデューサへのリンクは、ポートレット・プロデューサがサーバーにデプロイされている場合にのみ機能します。ポートレット・プロデューサはデフォルトではデプロイされません。リンクが解決される前に、これらをデプロイする必要があります。事前構成済プロデューサのデプロイについては、第2.4.1.1項「事前構成済ポートレット・プロデューサのデプロイ」を参照してください。


Oracle JDeveloperの「ヘルプ」メニューでWebCenter Portal事前構成サーバーのReadmeを選択すると、事前構成サーバーのReadmeファイルにアクセスできます。

2.2.5 WebCenterバックエンド・サービスの構成

特定のOracle WebCenter Portalコンポーネントを使用するには、スキーマがサポート対象データベースにインストールされている必要があります。この項では、Oracle、SQL Server、およびDB2データベースに対するスキーマのインストールについて説明します。

WebCenterがサポートしているデータベースの詳細は、OTNのドキュメント、Oracle Fusion Middlewareのサポート対象システムの構成を参照してください。

表2-1は、WebCenter Portalで使用するスキーマと、スキーマのインストール方法のリストです。すべてのスキーマに対して、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用する方法をお薦めします。ただし、WebCenter Portalのスキーマには、後述するSQLスクリプトを使用したインストール・オプションがあります。

表2-1 データベース・スキーマのサマリー

スキーマ 説明 インストール方法

WebCenter

タグ、リンク、リスト、投票およびピープル・コネクションを使用するには、データベースにWebCenter Portalのスキーマがインストールされている必要があります。

  • RCU (推奨)

  • SQLスクリプト(Oracleデータベースのみ。詳細は下記を参照。)

ポートレット

ポートレット・プロデューサでのカスタマイズ内容の格納用。

RCUのみ

アクティビティ

アクティビティ・グラフおよび分析製品用。

RCUのみ

ディスカッション/WebCenter Portalディスカッション・クローラ

ディスカッションおよびお知らせのバックエンドとして使用します。

RCUのみ


2.2.5.1 RCUを使用したスキーマのインストール

WebCenterのデータベース・スキーマは、すべてRCUを使用してインストールすることをお薦めします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』のスキーマの作成に関する項を参照してください。

2.2.5.2 SQLスクリプトを使用したWebCenter Portalのスキーマのインストール

タグ、リンクおよびピープル・コネクションを使用するには、データベースにWebCenter Portalのスキーマがインストールされている必要があります。

WebCenter Portalスキーマをインストールするには:

  1. 「ツール」メニューから、「データベース」「SQLワークシート」の順に選択します。

  2. 「接続の選択」ダイアログで、既存の接続を選択するか、新しい接続を作成できます。独自のデータベースへの管理者ユーザー用のデータベース接続がすでにある場合は、その接続を選択できます。接続がない場合は、次の手順に従って新しい接続を作成します。

    1. 「接続の選択」ダイアログ・ボックスで、プラス・アイコンをクリックして接続を作成します。

    2. 「データベース接続の作成」ダイアログを使用して、スキーマを作成するデータベースへの接続を作成します。この接続は、WebCenter Portal Frameworkアプリケーションには関連付けられません。

      表2-2 「データベース接続の作成」ダイアログの設定

      設定 推奨値

      接続の作成場所

      IDE接続

      接続名

      任意の名前を使用します(例: my_connection)。

      接続タイプ

      Oracle JDBC

      ユーザー名

      SYS

      パスワード

      SYSユーザーのパスワードを入力します。

      ロール

      SYSDBA

      ドライバ

      thin

      ホスト名

      データベースが稼働しているサーバーの名前を入力します。例: myserver.example.com

      SID

      データベースSIDを入力します(例: mydbl01)。

      JDBCポート

      データベース・ポートを入力します(例: 1521)。


    3. 「接続のテスト」をクリックして、接続が有効であることを確認します。

    4. 「OK」をクリックして「データベース接続の作成」ダイアログを閉じます。

2.2.5.3 SQLスクリプトを使用したWebCenter Portalのスキーマのインストール

タグ、リンクおよびピープル・コネクションを使用するには、データベースにWebCenter Portalのスキーマがインストールされている必要があります。

WebCenter Portalスキーマをインストールするには:

  1. 「ツール」メニューから、「データベース」「SQLワークシート」の順に選択します。

  2. 「接続の選択」ダイアログで鉛筆のアイコンをクリックして接続を編集します。


    注意:

    データベース接続の作成については、第2.2.6項「アプリケーション・リソース接続の作成」を参照してください。


  3. 管理者(たとえばSYS)のユーザー名とパスワードを使用するように接続を変更して(SYSDBAロールを使用)、「OK」をクリックします。

  4. 「OK」をクリックして「接続の選択」ダイアログを閉じます。

  5. 「ツール」メニューから「SQLワークシート」を選択します。

  6. 「SQLワークシート」パネルで次のSQL文を入力します。

    @@JDEV_HOME/jdeveloper/jdev/extensions/oracle.webcenter.install/sql/oracle/wc_schema.sql
    

    JDEV_HOMEは、マシンにJDeveloperをインストールした場所です。

  7. 「文を実行」アイコンをクリックするか、[F9]を押してスクリプトを実行します。

  8. プロンプトから、スキーマの名前としてwebcenterを入力し、パスワードにwelcome1などを入力します。スキーマの名前は、必ずwebcenterにします。

  9. 「デフォルト表領域」と「一時表領域」の入力を求められた場合は、デフォルト値のusersおよびtempを再入力してこれらを受け入れます。

2.2.6 アプリケーション・リソース接続の作成

接続により、アプリケーションは外部のデータおよびサービスにアクセスできます。たとえば、コンテンツ・プレゼンタ・タスク・フローを使用して、Oracle WebCenter Content Serverリポジトリのコンテンツを表示する場合は、そのリポジトリへの接続を構成する必要があります。ポートレット・プロデューサのポートレットを使用する場合は、そのプロデューサを構成する必要があります。


ヒント:

接続は作成後にテストしてから、ソース・コントロール・システムにチェックインすることをお薦めします。このようにすると、チーム内の別の開発者は、その接続をチェックアウトして使用できるようになります。この技法により、接続が変更された場合でも、チームの同期が保たれるようになります。


この項では、接続について、および新しい接続を作成するウィザードにアクセスするための様々な方法について説明します。第2.2.6.3項「接続の詳細の参照先」も参照してください。

2.2.6.1 接続の場所について

接続を作成するためにウィザードを起動した方法に応じて、接続は次のいずれかの場所に配置されます。

  • 「アプリケーション・ナビゲータ」の「アプリケーション・リソース」内

    ここに作成した接続は、現在のアプリケーションでのみ使用できます。これは、リポジトリ接続を作成する最も一般的な方法です。

    特定の機能については、「アプリケーション・リソース」から接続をドラッグして、別の種類のタスク・フロー・リージョンを作成するページにドロップできます。詳細は、WebCenter Portalのツールとサービスに関する個々の章を参照してください。参照

  • 「リソース・パレット」の「IDE接続」内

    ここに作成した接続は、どのアプリケーションでも再利用できます。これに該当する接続をアプリケーションで使用する場合は、「リソース・パレット」から接続をドラッグして、そのアプリケーションの「接続」ノードにドロップします。

2.2.6.2 接続ウィザードにアクセスする方法

「新規ギャラリ」から接続ウィザードにアクセスするには:

  1. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  2. 「新規ギャラリ」で、「接続」を開き、作成する接続のタイプを選択してから、「OK」をクリックします。

    選択内容に応じて、<Connection_Type>接続の作成ダイアログが開きます。

  3. デフォルトでは、「接続の作成場所」オプションは「アプリケーション・リソース」に設定されます。

    「IDE接続」を選択すると、「リソース・パレット」に接続を作成できます。

「アプリケーション・ナビゲータ」から接続ウィザードにアクセスするには:

  1. 「アプリケーション・リソース」で「接続」ノードを右クリックし、「新規接続」を選択して、ポップアップ・メニューから接続のタイプを選択します。

  2. 選択内容に応じて、<Connection_Type>接続の作成ダイアログまたはウィザードが開きます。

    デフォルトでは、「接続の作成場所」オプションは「アプリケーション・リソース」に設定されます。

「リソース・パレット」から接続ウィザードにアクセスするには:

  1. 「リソース・パレット」の「新規」アイコンをクリックし、「新規接続」を選択して、ポップアップ・メニューから接続のタイプを選択します。

  2. 選択内容に応じて、<Connection_Type>接続の作成ダイアログまたはウィザードが開きます。

    デフォルトでは、「接続の作成場所」オプションは「IDE接続」に設定されます。

2.2.7 チーム開発とソース・コントロールの準備

全体的なチーム開発環境について検討することは重要です。チーム開発環境が有益なものになるように、開発者がデータベース、コンテンツ・リポジトリ、ソース・コードなどの共通リソースを共有できるように、この開発環境を構成する必要があります。十分に計画されたチーム環境は、短期間で整合性のあるポータルの開発、構築および更新が可能になります。


ヒント:

一般には、開発チームの1人のメンバーがJDeveloperで新しいポータル・アプリケーションを作成し、それをソース・コントロール・リポジトリにチェックインします。チーム・メンバーは、必要なデータベース接続やコンテンツ・リポジトリ接続を作成して、それらも同様にチェックインできます。


ソース・コントロールやファイル共有など、チーム開発のヒントの詳細は、第3章「チームでの効率的な作業」を参照してください。

2.3 WebCenter Portal Frameworkアプリケーションに固有の設定タスク

この項では、WebCenter Portal Frameworkアプリケーションを作成している場合にのみ実行する必要のあるタスクについて説明します。

2.3.1 Portal Frameworkアプリケーションでの反復開発の準備

この項では、WebCenter Portal Frameworkアプリケーションでの反復開発機能について説明します。

反復開発を有効にすると、ポータル・アプリケーションを統合WebLogic Serverで実行する一方で、このアプリケーションに変更を行い、ブラウザをリフレッシュすることによりこの変更の効果をすぐに見ることができます。反復開発の詳細は、第8.7項「反復開発の理解」を参照してください。


注意:

反復開発オプションでは、多くのパフォーマンス最適化機能が無効になるため、アプリケーションの実行が遅くなる場合があります。


2.3.1.1 反復開発の有効化

この項では、反復開発が無効にされている場合に有効化する方法を説明します。この機能を有効にすると、すべてのキャッシュがオフになるため、アプリケーションの実行が遅くなる場合があります。


注意:

反復開発機能は、新しいPortal Frameworkアプリケーションの作成時には、デフォルトで有効になっています。


  1. 「アプリケーション」メニューから、「アプリケーション・プロパティ」を選択します。

  2. 「アプリケーション・プロパティ」ダイアログの左側で「実行」ノードを開きます。

  3. 「WebCenter Portal」を選択します。

  4. 図2-1に示すように、「反復開発の有効化」を選択します。

    図2-1 反復開発の有効化

    図2-1の説明が続きます
    「図2-1 反復開発の有効化」の説明

  5. ダイアログの左側のペインの「実行」ノードの下で、「MDS」を選択します。

  6. 右側のペインで「各実行の前にカスタマイズを削除」を選択します。これにより、アプリケーションが実行されるたびに、すべての実行時カスタマイズのMDSがクリアされます。

  7. 「OK」をクリックします。

2.3.1.2 反復開発の無効化

この項では、反復開発を無効にする方法を説明します。反復開発はデフォルトで有効です。アプリケーションを本稼働サーバーにデプロイする前に、テストのために反復開発をオフにすることをお薦めします。

反復開発をオフにすることを検討する理由は他にもいくつかあります。次に例を示します。

  • 反復開発をオンにするとすべてのキャッシュが無効になるため、非常に大きなポータルがあり、キャッシュがないとパフォーマンスに問題が生じる場合は、この機能をオフにします。

  • この機能をオフにすると、統合WebLogic Serverで実行されるポータル・インスタンスと管理対象サーバーにデプロイされるインスタンスの差異はなくなります。

反復開発をオフにするには:

  1. 「アプリケーション」メニューから、「アプリケーション・プロパティ」を選択します。

  2. 「アプリケーション・プロパティ」ダイアログの左側で「実行」ノードを開きます。

  3. 「WebCenter Portal」を選択します。

  4. 「反復開発の有効化」を選択解除します。

  5. 「OK」をクリックします。

2.3.2 追加構成

WebCenter Portal Frameworkアプリケーションで必要となる可能性のある追加構成は、第2.2.5項「WebCenterバックエンド・サービスの構成」および第2.2.6項「アプリケーション・リソース接続の作成」を参照してください。

2.4 WebCenterポートレット・プロデューサ・アプリケーションに固有の設定タスク

この項では、WebCenterポートレット・プロデューサ・アプリケーションを作成している場合にのみ実行する必要のあるタスクについて説明します。WebCenterポートレット・プロデューサ・アプリケーションの詳細は、第57章「ポートレットの概要」を参照してください。

2.4.1 事前構成ポートレット・プロデューサに関する必知事項

WebCenter Portalには、ポータル・ページに追加できる、すぐに使用可能な様々なポートレットが用意されています。この項では、事前構成プロデューサと、これらのプロデューサで提供されるポートレットについて簡単に説明します。次のサブセクションが含まれます:

2.4.1.1 事前構成済ポートレット・プロデューサのデプロイ

事前構成済ポートレット・プロデューサは、デフォルトではデプロイされません。この項の説明に従って手動でデプロイする必要があります。


注意:

プロデューサ・アプリケーションはデプロイメントの際、メモリーを消費し、CPU時間を必要とします。これはWebLogic Serverの起動時間やベース・メモリー・フットプリントの一因になっています。このような理由により、必要なアプリケーションのみをデプロイするのが合理的です。内部アプリケーションのデプロイメントの調整の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイの内部アプリケーションのオンデマンド・デプロイメントに関する項を参照してください。


  1. 統合WebLogic Serverが稼働していない場合は、これを起動します。この機能を有効にするには、サーバーが稼働していることが必要です。

  2. 「実行」メニューから、「WebCenter Portalデプロイメント」を選択します。

  3. 「WebCenter Portalデプロイメント」ダイアログ・ボックスで、デプロイするプロデューサを選択し、「OK」をクリックします。このダイアログを図2-2に示します。事前構成された各プロデューサについては、以降の項で詳細に説明します。

    図2-2 「WebCenter Portalデプロイメント」ダイアログ

    図2-2の説明が続きます
    「図2-2 「WebCenter Portalデプロイメント」ダイアログ」の説明

2.4.1.2 デプロイ済ポートレット・プロデューサの登録

ポートレット・プロデューサがデプロイされると、これを登録できます。登録されたプロデューサからのポートレットは、Oracle JDeveloperの「アプリケーション・リソース」パネルで選択可能となります。

ポートレット・プロデューサの登録については、第63章「ポートレットの消費」を参照してください。ポートレットのページへの追加については、第63.5項「ページへのポートレットの追加」を参照してください。

2.4.1.3 OmniPortletおよびWebクリッピングへのアクセス

統合WLSには、実行時に設計のOmniPortletとWeb Clippingポートレットへのアクセスを提供する、PortalToolsが含まれています。「実行時に設計」とは、ポートレットがアプリケーション・ページ上に配置されてページが実行された後で、ユーザーがポートレット・コンテンツを定義するという意味です。

OmniPortletおよびWebクリッピング・ポートレットのプロデューサにアクセスするには:

  1. 統合WebLogic Serverを起動します。

  2. 「ヘルプ」メニューからWebCenter事前構成サーバーのReadmeを選択します。

  3. Readmeファイルで、見出し「Accessing the PortalTools Portlet Producers Test Pages」に移動し、「PortalTools Welcome Page」リンクをクリックします。

    これによってPortalToolsの「ようこそ」ページが開きます。


    注意:

    「WebCenter Preconfigured Server Readme」ページから「PortalTools Welcome」ページにアクセスできるようにするには、Portalツール・ポートレット・プロデューサ・コンポーネントをデプロイする必要があります。詳細は、第2.4.1.1項「事前構成済ポートレット・プロデューサのデプロイ」を参照してください。


  4. PortalToolsの「ようこそ」ページで、「Webクリッピング・プロデューサ」リンク、OmniPortletプロデューサ・リンクまたは「サンプル・ポートレット・プロデューサ」リンクのURLをコピーして、Oracle PDK-Javaポートレット・プロデューサの登録ウィザードでプロデューサURLとして使用します。


    注意:

    ポートレット・プロデューサの登録の詳細は、第63章「ポートレットの消費」を参照してください。


プロデューサを登録すると、そのポートレットがOracle JDeveloperの「アプリケーション・リソース」パネルで使用可能になります。「アプリケーション・リソース」パネルの「接続」ノードで、プロデューサ名を選択してそのポートレットをリスト表示し、ポータル・ページにポートレットをドラッグします。(ページへのポートレットの追加の詳細は、第63.5項「ページへのポートレットの追加」を参照してください。)

PortalToolsの「ようこそ」ページには、3つのプロデューサのプロデューサURLが含まれています。

  • 「Webクリッピング・プロデューサ」ではWebクリッピング・ポートレットが提供されます。これは、別のWebソースからのコンテンツの動的な再利用を可能にする、ブラウザベースの宣言型ツールです。ソースが変更されると、Webクリッピング・ポートレットのコンテンツも変更されます。Webクリッピング・ポートレットでは、Webブラウザを使用して、目的のコンテンツを含むWebページにナビゲートします。ポートレットを介してアクセスするWebクリッピング・スタジオを使用して、ターゲット・ページのビジュアル・レンダリングをドリルダウンし、目的のコンテンツを選択します。Webクリッピング・ポートレットの詳細は、第65章「Webクリッピングを使用したコンテンツ・ベースのポートレットの作成」を参照してください。


    注意:

    Webクリッピング・ポートレットは、リリース11g (11.1.1.7.0)では非推奨になりました。Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサを使用してクリップ・ページレットを使用することを検討してください。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「ページレット・プロデューサの管理」の章を参照してください。


  • OmniPortletプロデューサではOmniPortletが提供されます。これは宣言型のポートレット構築ツールで、このツールを使用すると、XMLファイル、複数値を特定文字で区切ったファイル(スプレッドシートなど)、Webサービス、データベースおよびWebページを含めた多様なデータ・ソースに対してポートレットを構築できます。OmniPortletユーザーは、データに対して事前に作成されたレイアウトを選択することもできます。事前に作成されたレイアウトには、表、ニュース、箇条書き、フォーム、チャートまたはHTMLが含まれます。OmniPortletの詳細は、第64章「OmniPortletを使用したポートレットの作成」を参照してください。

  • サンプル・ポートレット・プロデューサには、OmniPortletで構築された、デモ専用のポートレットが含まれます。ポートレット・サンプルには、RSSスクロール・ポートレットやシンプルRSSポートレットなどがあります。サンプル・プロデューサはデモ用のため、実際のポートレット・インスタンスの作成には使用しないでください。

2.4.1.4 WSRPのサンプル・ポートレット・プロデューサおよびポートレット

統合WLSには、アプリケーションで使用できるサンプルのWSRPポートレット・プロデューサとポートレットが含まれています。


注意:

次のEARファイルに、サンプル・ポートレット用のソース・コードがあります。

JDEV_HOME/jdeveloper/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/wsrp-samples.ear

JDEV_HOMEは、マシンにJDeveloperをインストールした場所です。


WSRPサンプル・ポートレット・プロデューサにアクセスするには:

  1. 統合WebLogic Serverを起動します。

  2. 「ヘルプ」メニューからWebCenter Portal事前構成サーバーのReadmeを選択します。

  3. Readmeファイルで、見出し「Accessing the WSRP Portlet Producers Test Pages」に移動し、「WSRP Tools Portlet Producers」または「Sample Portlet Producer」のリンクをクリックします。


    注意:

    ポートレット・プロデューサはデフォルトではデプロイされません。「WebCenter Preconfigured Server Readme」ページからプロデューサ・アプリケーションにアクセスできるようにするには、これをデプロイする必要があります。詳細は、第2.4.1.1項「事前構成済ポートレット・プロデューサのデプロイ」を参照してください。


    これらのリンクでは、異なるWSRPプロデューサ・テスト・ページが開きます。一方のページにはパラメータ・フォーム・ポートレットとパラメータ表示ポートレットがあり、もう一方はサンプル・ポートレットの各種WSRPプロデューサ用のページです。

  4. WSRP v1 WSDLまたはWSRP v2 WSDLの、いずれかのWSRPプロデューサのWeb Services Description Language (WSDL) URLをコピーします。

    WSRPプロデューサの登録ウィザードで、コピーしたリンクをプロデューサURLとして使用します。


    注意:

    ポートレット・プロデューサの登録の詳細は、第63章「ポートレットの消費」を参照してください。


ポートレット・プロデューサ接続の登録先に応じて、そのポートレットは「アプリケーション・リソース」または「リソース・パレット」に表示されます。ここから、各種サンプル・ポートレットをPortal Frameworkアプリケーション・ページにドラッグ・アンド・ドロップできます。

2.4.1.5 PDK-Javaのサンプル・ポートレット・プロデューサおよびポートレット

統合WLSには、アプリケーションで使用できるサンプルのPDK-Javaポートレット・プロデューサとポートレットが含まれています。PDK-Javaポートレットで使用できる機能のタイプは、PDK-Javaサンプル・ポートレットを使用して確認できます。

PDK-Javaサンプル・ポートレット・プロデューサにアクセスするには:

  1. 統合WebLogic Serverを起動します。

  2. 「ヘルプ」メニューからWebCenter事前構成サーバーのReadmeを選択します。

  3. Readmeファイルで、見出し「Accessing the PDK-Java Portlet Producers Test Pages」に移動し、「PDK-Java Sample Producer」または「PDK-Java Struts Sample Producer」のリンクの場所をコピーします。


    注意:

    「WebCenter Preconfigured Server Readme」ページからこれらのプロデューサにアクセスできるようにするには、これらをデプロイする必要があります。詳細は、第2.4.1.1項「事前構成済ポートレット・プロデューサのデプロイ」を参照してください。


    Oracle PDK-Javaポートレット・プロデューサの登録ウィザードで、コピーしたリンクをプロデューサURLとして使用します。


    注意:

    ポートレット・プロデューサの登録の詳細は、第63章「ポートレットの消費」を参照してください。


ポートレット・プロデューサ接続の登録先に応じて、そのポートレットは「アプリケーション・リソース」または「リソース・パレット」に表示されます。ここから、各種サンプル・ポートレットをPortal Frameworkアプリケーション・ページにドラッグ・アンド・ドロップできます。

2.4.1.6 ポートレット・ブリッジ・テスター・コンシューマ

テスターは、JDeveloperでポートレット化されたページまたはタスク・フローをテストするために使用されます。テスターはデフォルトでデプロイされます。詳細は、第58.4項「JDeveloperでのポートレット化されたページまたはタスク・フローのテスト」を参照してください。

2.4.1.7 WCPSサービス

WebCenterパーソナライズ・サービスはデフォルトでデプロイされ、ポートレット・プロデューサには無関係です。WebCenterパーソナライズについては、第66章「Oracle WebCenter Portalアプリケーションのパーソナライズ」を参照してください。

2.5 パーソナライズのためのJDeveloperの設定

パーソナライズによって、Portal Frameworkアプリケーションで、動的に導出されたユーザー・エクスペリエンスが提供されます。パーソナライズでは、入力データの定義済ソースが評価され、その評価に基づく決定が生成された後、その情報が宣言的に定義されたパーソナライズ・シナリオに適用されます。たとえば、パーソナライズでは、特定のユーザーのアプリケーション体験をターゲットとし、そのユーザーに関する人事管理データベース内の情報に基づいて、コンテンツを戻したり、アプリケーション・フローを変更したりできます。詳細は、第66章「Oracle WebCenter Portalアプリケーションのパーソナライズ」を参照してください。

パーソナライズ・コンポーネントを開発および使用するには、まず、ポータル・プロジェクトに特定のコンポーネントを追加する必要があります。JDeveloperにより、このプロセスで次の点が容易になります。

  1. WebCenter Portal拡張機能がJDeveloper環境にインストールされていることの確認。WebCenter Portal拡張機能には、必要なデータ統合コンポーネントJARファイルが含まれています。第2.2.2項「JDeveloper用のWebCenter Portal拡張機能のインストール」を参照してください。

  2. WebCenter Portal Frameworkアプリケーションなどのアプリケーションの作成。

  3. WebCenterパーソナライズ・テクノロジ・スコープのプロジェクトへの追加。このテクノロジ・スコープにより、シナリオ・エディタなど、JDeveloper固有のツール機能がプロジェクトに追加されます。

    1. プロジェクトを右クリックして、「プロジェクト・プロパティ」を選択します。

    2. 「プロジェクト・プロパティ」ダイアログで「テクノロジ・スコープ」を選択します。

    3. 使用可能なスコープのリストでWebCenterパーソナライズを選択し、これを「選択済」列に移動します。

    4. 「OK」をクリックします。

これらの手順を完了すると、JDeveloperでパーソナライズ・コンポーネントを開発およびテストする準備が整います。詳細は、第66章「Oracle WebCenter Portalアプリケーションのパーソナライズ」を参照してください。