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Oracle® GoldenGate DB2 LUWのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成
12c (12.1.2)
E52106-04
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4 DB2 LUWのためのOracle GoldenGateの構成

この章では、DB2 LUWソースおよびターゲット・データベースのためにOracle GoldenGateを構成するのに必要な基本手順について概説します。

この章の内容は次のとおりです。

4.1 これらの手順でできること

ここでは、次のプロセスの基本パラメータ(構成)ファイルを構成する方法を示します。

  • プライマリExtract(データ・ソースからトランザクション・データを取得)

  • データ・ポンプExtract(ローカル記憶域からターゲット・システムにデータを伝播)

  • Replicat(レプリケートされたデータをターゲット・データベースに適用)

ビジネス要件によってはより複雑なトポロジが必要ですが、この手順がその他の構成手順の基礎となります。

手順を実行することで、次のことが可能です。

  • 基本的な構成ファイルが作成されます。

  • 環境に適用する機能や要件を決定する際にパラメータを追加して、後から作成します。

  • コピーを使用して、一から作成するよりも短時間で追加パラメータ・ファイルを作成します。

4.2 詳細情報の入手先

次に関する詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

  • 構成しているプロセスおよびファイル

  • 詳細な構成情報

  • セキュリティ・オプション

  • データ統合オプション(フィルタリング、マッピング、変換)

  • 複雑なトポロジの構成手順

  • レプリケーション環境の初期インスタンス化を実行する手順

  • 管理トピック

4.3 プライマリExtractの構成

次の手順では、トランザクション・データをソースDB2 LUWデータベースから取得し、一時的な格納のためにデータをローカル証跡に書き込むプライマリExtractを構成します。

  1. ソース・システムのGGSCIで、Extractパラメータ・ファイルを作成します。

    EDIT PARAMS name
    

    nameは、プライマリExtractの名前です。

  2. 次に示す順序でExtractパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。詳細およびパラメータの説明は、表4-1を参照してください。

    プライマリExtractの基本パラメータ

    EXTRACT finance
    SOURCEDB mysource, USERIDALIAS myalias 
    LOGALLSUPCOLS
    ENCRYPTTRAIL AES192
    EXTTRAIL /ggs/dirdat/lt
    TABLE hr.*;
    

    表4-1 プライマリExtractの基本パラメータ

    パラメータ 説明
    EXTRACT group
    

    groupは、Extractグループの名前です。詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    SOURCEDB database, USERIDALIAS alias
    

    ソースDB2 LUWデータベースの実際の名前(別名ではなく)と、Extractに割り当てられているユーザーのデータベース・ログイン資格証明を指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在する必要があります。詳細は、1.3.2項「Oracle GoldenGateプロセス用データベース・ユーザー」を参照してください。

    ENCRYPTTRAIL algorithm
    

    ローカル証跡を暗号化します。Oracle GoldenGateの証跡暗号化オプションの詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

    EXTTRAIL pathname
    

    一時的な格納のために、取得したデータをプライマリExtractが書き込むローカル証跡のパス名を指定します。

    TABLE schema.object;
    

    データを取得するデータベース・オブジェクトを指定します。

    • TABLEは必須キーワードです。

    • schemaはスキーマ名またはワイルドカードを使用したスキーマのセットです。

    • objectは表名またはワイルドカードを使用した表のセットです。

    ワイルドカードを使用して、または使用せずにオブジェクト名を指定する方法の詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。DB2 LUWではアスタリスク(*)ワイルドカードのみがサポートされます。このデータベースでは疑問符(?)ワイルドカードはサポートされません。

    パラメータ文はセミコロンで終了します。

    ワイルドカード指定から表を除外するには、TABLEEXCLUDEパラメータを使用します。使用および構文の詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    詳細およびデータのフィルタリング、マッピングおよび操作を制御するその他のTABLEオプションについては、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。


  3. 構成に推奨されるオプションのExtractパラメータを入力します。このファイルは、GGSCIのEDIT PARAMSコマンドを使用して、処理を開始する前にいつでも編集できます。パラメータのリストおよび詳細なリファレンスへのリンクについては、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

  4. ファイルを保存して閉じます。

4.4 データ・ポンプExtractの構成

次の手順では、ローカル証跡を読み取り、データをネットワーク経由でターゲット上のリモート証跡に送信するデータ・ポンプを構成します。データ・ポンプはオプションですが、使用することをお薦めします。

  1. ソース・システムのGGSCIで、データ・ポンプ・パラメータ・ファイルを作成します。

    EDIT PARAMS name
    

    nameは、データ・ポンプExtractの名前です。

  2. 次に示す順序でデータ・ポンプ・パラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。入力変数は異なるものになります。説明については、表4-2を参照してください。

    データ・ポンプExtractグループの基本パラメータ:

    EXTRACT extpump
    SOURCEDB mypump, USERIDALIAS myalias
    RMTHOST fin1, MGRPORT 7809 ENCRYPT AES192, KEYNAME securekey2
    RMTTRAIL /ggs/dirdat/rt
    TABLE hr.*;
    

    表4-2 データ・ポンプExtractの基本パラメータ

    パラメータ 説明
    EXTRACT group
    

    groupは、データ・ポンプExtractの名前です。詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    SOURCEDB database, USERIDALIAS alias
    

    ソースDB2 LUWデータベースの実際の名前(別名ではなく)と、Extractに割り当てられているユーザーのデータベース・ログイン資格証明を指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在する必要があります。詳細は、1.3.2項「Oracle GoldenGateプロセス用データベース・ユーザー」を参照してください。

    RMTHOST hostname, MGRPORT portnumber,
    [, ENCRYPT algorithm KEYNAME keyname]
    
    • RMTHOSTは、ターゲット・システムの名前またはIPアドレスを指定します。

    • MGRPORTは、ターゲットでManagerが実行されるポート番号を指定します。

    • ENCRYPTは、TCP/IPでのオプションのデータの暗号化を指定します。

    その他のオプションおよび暗号化の詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    RMTTRAIL pathname
    

    リモート証跡のパス名を指定します。詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    TABLE schema.object;
    

    表または順序、またはワイルドカードで指定された複数のオブジェクトを指定します。ほとんどの場合、このリストはプライマリExtractパラメータ・ファイルのリストと同じです。

    • TABLEは必須キーワードです。

    • schemaはスキーマ名またはワイルドカードを使用したスキーマのセットです。

    • objectは表名またはワイルドカードを使用した表のセットです。

    ワイルドカードを使用して、または使用せずにオブジェクト名を指定する方法の詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。DB2 LUWではアスタリスク(*)ワイルドカードのみがサポートされます。このデータベースでは疑問符(?)ワイルドカードはサポートされません。

    パラメータ文はセミコロンで終了します。

    ワイルドカード指定から表を除外するには、TABLEEXCLUDEパラメータを使用します。使用および構文の詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    詳細およびデータのフィルタリング、マッピングおよび操作を制御するその他のTABLEオプションについては、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。


  3. 構成に推奨されるオプションのExtractパラメータを入力します。このファイルは、GGSCIのEDIT PARAMSコマンドを使用して、処理を開始する前にいつでも編集できます。パラメータのリストおよび詳細なリファレンスへのリンクについては、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

  4. ファイルを保存して閉じます。

4.5 Replicatの構成

次の手順では、DB2 LUWターゲット・システムでReplicatプロセスを構成します。他のタイプのデータベースにReplicatを構成する場合は、そのデータベースのインストールおよび構成マニュアルを参照してください。

4.5.1 チェックポイント表の作成

チェックポイント表はReplicatの必須コンポーネントです。

Replicatは、リカバリ・チェックポイントをチェックポイント表に保持して、ターゲット・データベースに格納します。チェックポイントは、Replicatトランザクション内でチェックポイント表に書き込まれます。チェックポイントはトランザクションに対して成功または失敗のいずれかであるため、プロセスまたはデータベースで障害が発生した場合でも、トランザクションは一度のみ適用されることがReplicatにより保証されます。

チェックポイント表を構成する場合は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

4.5.2 Replicatパラメータ・ファイルの構成

次の手順では、Replicatプロセスを構成します。このプロセスでは、レプリケートされたデータがDB2 LUWターゲット・データベースに適用されます。

  1. ターゲット・システムのGGSCIで、Replicatパラメータ・ファイルを作成します。

    EDIT PARAMS name
    

    nameは、Replicatグループの名前です。

  2. 次に示す順序でReplicatパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。説明については、表4-3を参照してください。

    Replicatグループの基本パラメータ:

    REPLICAT financer
    TARGETDB mytarget, USERIDALIAS myalias
    ASSUMETARGETDEFS
    MAP hr.*, TARGET hr2.*;
    

    表4-3Replicatの基本パラメータ

    パラメータ 説明
    REPLICAT group
    

    groupは、Replicatグループの名前です。

    TARGETDB database, USERIDALIAS alias
    

    ターゲットDB2 LUWデータベースの実際の名前(別名ではなく)と、Replicatに割り当てられているユーザーのデータベース・ログイン資格証明を指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在する必要があります。詳細は、1.3.2項「Oracle GoldenGateプロセス用データベース・ユーザー」を参照してください。

    ASSUMETARGETDEFS
    

    データ定義の解釈方法を指定します。ASSUMETARGETDEFSでは、ソース表とターゲット表で定義が同一であると見なされます。(この手順では、定義は同一であるとします。)

    ソース表とターゲット表の定義が異なる場合は、かわりにSOURCEDEFSを使用し、DEFGENユーティリティでソース・データ定義ファイルを作成します。データ定義の詳細は、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

    MAP schema.object, TARGET schema.object;
    

    ソース表または複数オブジェクト、および対応するターゲット・オブジェクトの間の関係を指定します。

    • MAPは、MAP文のソース部分を指定します。これは必須キーワードです。この句でソース・オブジェクトを指定します。

    • TARGETは、MAP文のターゲット部分を指定します。これは必須キーワードです。ソース・オブジェクトのマッピング先のターゲット・オブジェクトを指定します。

    • schemaはスキーマ名またはワイルドカードを使用したスキーマのセットです。

    • objectは表名またはワイルドカードを使用したオブジェクトのセットです。

    このパラメータ文はセミコロンで終了します。

    DB2 LUWではアスタリスク(*)ワイルドカードのみがサポートされます。このデータベースでは疑問符(?)ワイルドカードはサポートされません。ワイルドカード指定から表を除外するには、MAPEXCLUDEパラメータを使用します。

    詳細およびデータのフィルタリング、マッピングおよび操作を制御するその他のMAPについては、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。


  3. 構成に推奨されるオプションのReplicatパラメータを入力します。このファイルは、GGSCIのEDIT PARAMSコマンドを使用して、処理を開始する前にいつでも編集できます。パラメータのリストおよび詳細なリファレンスへのリンクについては、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

  4. ファイルを保存して閉じます。

4.6 デプロイの次の手順

Oracle GoldenGateは柔軟性に富んでおり、プロセスを起動する前に検討する必要のある機能やオプションが数多く用意されています。ビジネス・ニーズにあわせてOracle GoldenGateを詳細に構成するには、次を参照してください。

  • 特定のレプリケーション・トポロジを実現するためのその他の構成のガイドラインについては、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。このガイドには、次の情報も記載されています。

    • Oracle GoldenGateのアーキテクチャ

    • Oracle GoldenGateのコマンド

    • Oracle GoldenGateの初期ロード方法

    • セキュリティの構成

    • カスタマイズ機能の使用

    • 異なるデータを含む列のマッピング

    • データのフィルタリングおよび操作

  • このガイドに示されているOracle GoldenGate GGSCIコマンドおよびOracle GoldenGateパラメータの構文オプションと説明については、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

4.7 トランザクション変更のレプリケートを開始するタイミング

レプリケーションは、ソース・データとターゲット・データが同期している状態、つまり、ソース表とターゲット表の対応する行に同一のデータ値が含まれる場合に開始する必要があります。現在のユーザー・アクティビティがない完全に新規のソース・データベースとターゲット・データベースから始める場合以外、変更の取得を有効にし、初期ロードをターゲットに適用する間に進行中のトランザクション変更を処理するプロセスを適用する必要があります。このプロセスは初期同期、またはインスタンス化とも呼ばれます。初期ロードでは、ソース・データのポイントインタイム・スナップショットが取得されてターゲットに適用されると同時に、その時点以降に行われた変更がOracle GoldenGateによって保持されます。

インスタンス化オプションについては、Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

4.8 構成のテスト

本番マシンにデプロイする前に、テスト環境で構成をテストすることが重要です。これは、信頼できるソースのデータがレプリケーション・プロセスからアクセスされる可能性のあるアクティブ/アクティブまたは高可用性の構成で特に重要です。テストによって、ターゲットでの再ロードや他のトラブルシューティング・アクティビティのためにユーザー・アクティビティを中断することなく、構成の誤りやデータの問題を検出して解決できます。