説明
RECOVERYOPTIONS
パラメータでは、Extractがトランザクション・データの書込みプロセスに失敗した後で、トレイルへのデータの再書込みを処理する方法を制御します。
追加モード
デフォルトでは、Extractは追加モードで処理します。このモードでは、Extractは失敗の後でリカバリ・マーカーをトレイルに書き込みます。その後、再キャプチャしたリカバリ・データをファイルに追加します(元のデータへの上書きではありません)。追加モードでは、前のすべてのデータの履歴が保持されます。
追加モードのリカバリ時には、Extractは、トレイルに書き込んだ最後の完了トランザクションのアイデンティティを判別します。その後、そのトランザクションのコミット・レコードがデータ・ソースで検出されるとリカバリを完了します。データ・ポンプまたはReplicatは、このリカバリ・ポイントから読取りを再開します。Extractは、リカバリ・ポイントの後で、次のコミット済トランザクションが開始する時点から新しいデータの取得を開始します。この新しいデータはトレイル・ファイルに追加されます。
上書きモード
上書きモードは、Oracle GoldenGateリリース10.0以前のリリースで使用されていたもう1つのExtractリカバリ方法です。これらのバージョンでは、Extractは取得したデータで元のトランザクション・データを上書きします(新しいデータを追加するのではありません)。Extractが取得する次のトランザクションは、データ・ソースの最後の読取りチェックポイント後の最初のトランザクションです。
上書きモードでは、上書きされるレコード・イメージが元のレコード・イメージと厳密に同じではなく、配置される順序も正確に同じにならない可能性があります。これは、Extractがラージ・オブジェクトをフェッチする必要があるとき、またはExtractの構成パラメータが変更されたときに発生することがあります。上書きアクティビティが開始してからExtractがトレイル・ファイルの最後に到達するまでに、そのような変更があると、ファイルの上書き部分の先頭にずれが生じます。その場合、再び書き込まれた最後のレコードの末尾が、以前のExtractインスタンスによって書き込まれたレコードの先頭でもある境界と合わなくなります。1つのトレイル・レコードから次のトレイル・レコードにかけての読取りを試行するReplicatまたはデータ・ポンプは、破損したレコードの途中から開始することになり、エラーで異常終了します。
推奨事項
Oracleサポートのアナリストに指示された場合を除き、RECOVERYOPTIONS
のデフォルトAPPENDMODE
を変更しないでください。Extractがトレイルの既存データの上書きを許可されている場合、Oracle GoldenGateにとって失敗後のリカバリは困難になり、データが失われる可能性があります。
一部のケースでは、ターゲットで使用されているOracle GoldenGateのリリースがOracle GoldenGateリリース10よりも古い場合、Extractは下位互換性をサポートするために自動的に上書きモードに戻ります。古いバージョンでは、追加モードはサポートされていません。