説明
USERIDパラメータでは、データベースにログインするときに使用するOracle GoldenGateプロセスの認証タイプの指定、およびパスワード暗号化情報の指定を行います。このパラメータは、Oracle GoldenGate資格証明ストアが使用されていない場合にUSERIDALIASのかわりに使用できます。
プライマリExtractおよびReplicatには常にUSERIDまたはUSERIDALIASを使用します。PASSTHRUモードで構成されていないかぎり、データ・ポンプExtractにはUSERIDまたはUSERIDALIASを使用します。Replicatには常にUSERIDまたはUSERIDALIASを使用します。Managerには、Managerでソースまたはターゲット・データベースにログインする必要があるパラメータを使用している場合にのみUSERIDまたはUSERIDALIASを使用します。
USERIDALIASと比較したUSERID
USERIDでは、パラメータ・ファイルにクリアテキスト・パスワードを指定するか、ENCRYPT PASSWORDコマンドで暗号化し、オプションで暗号化鍵をENCKEYSファイルに格納する必要があります。USERIDでは、Oracle GoldenGateでサポートされる幅広いデータベースがサポートされます。
USERIDALIASでは、ユーザーIDおよびパスワードではなく、エイリアスをパラメータ・ファイルで指定できます。ユーザーIDと暗号化されたパスワードが資格証明ストアに格納されます。USERIDALIASは、Linux、UNIXおよびWindowsプラットフォームで稼働するデータベースをサポートします。
Oracle GoldenGateセキュリティ機能の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。
USERIDの一般的な要件
ExtractまたはReplicatパラメータ・ファイルで、TABLEまたはMAPエントリの前にUSERIDを指定します。Managerがデータベースにアクセスする必要がある場合、およびログインが必要な場合は、Managerパラメータ・ファイルにUSERIDを指定します。
USERIDは常に必要なわけではなく、PASSWORDはUSERIDが必要なときに常に必要なわけではありません。データベース認証の構成方法に応じては、USERIDの使用のみで十分な場合、SOURCEDBまたはTARGETDBパラメータのみでも十分な場合があります。
詳細は、「SOURCEDB」および「TARGETDB」を参照してください。
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注意: USERIDユーザーに必要な権限は、データベースによって異なります。Oracle GoldenGateデータベース・ユーザーに必要な権限を判別するには、データベースの適切なOracle GoldenGateインストール・ガイドを参照してください。 |
データベース・タイプ別のUSERIDの要件
USERIDの使用方法は、データベース・タイプに応じて異なります。
DB2 for i
USERIDをPASSWORDとともに使用して、Oracle GoldenGateプロセスに割り当てられたユーザー・プロファイルの名前およびパスワードを指定します。システム名(大文字)で識別されるデフォルトのDB2 for iデータベースを指定するには、SOURCEDBまたはTARGETDBをUSERIDとともに使用します。詳細は、DB2 for iのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成を参照してください。
DB2 for LUW
USERIDをPASSWORDとともに、SOURCEDBまたはTARGETDBを先頭にして使用する対象は、データベース認証を使用してDB2 LUWデータベースに接続するすべてのOracle GoldenGateプロセスです。データベースがオペレーティングシステム・レベルでの認証を許可するように構成されている場合は、USERIDおよびPASSWORDを省略できます(SOURCEDBまたはTARGETDBのみを使用できます)。
DB2 for z/OSデータベース
Oracle GoldenGateプロセスに割り当てられているユーザーが、プロセスを正常に機能させるために必要なDB2権限を持っていない場合に、USERIDをPASSWORDとともに使用します。
Oracle
USERIDは、Oracleデータベースに接続するOracle GoldenGateプロセスで使用します。
オペレーティング・システムのログインを使用するには、USERIDを/引数とともに使用します。
データベース・ユーザー名およびパスワードを使用するには、USERIDをPASSWORDとともに使用します。
オプションで、ログインするユーザーをsysdbaとして指定できます。
(11.2.0.2より前のOracle Enterprise Edition) ExtractがLOGRETENTIONを使用するように構成されている場合、USERIDユーザーには特別なデータベース権限が必要です。これらの権限は、Oracle GoldenGateのインストール時に付与されている可能性があります。LOGRETENTIONの詳細は、Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成を参照してください。
(Oracle StandardまたはEnterprise Edition 11.2.0.2以降) 統合キャプチャ用に構成されているExtractグループにUSERIDを使用するには、ユーザーにdbms_goldengate_auth.grant_admin_privilegeプロシージャで付与された権限が必要であり、ユーザーはこのUSERIDに関連付けられているExtractグループに対してDBLOGINおよびREGISTER EXTRACTまたはUNREGISTER EXTRACTを発行するユーザーと同じである必要があります。
Oracleコンテナ・データベースからのキャプチャをサポートするには、USERIDで指定されたユーザーがルート・コンテナにログインする必要があり、共通ユーザーである必要があります。このユーザーに接続文字列を提供する必要があり、接続文字列にはC##GGADMIN@FINANCEなど、共通ユーザーに必要なC##接頭辞が含まれている必要があります。詳細は、Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成を参照してください。
SQL/MX
ソースSQL/MXデータベースに接続するOracle GoldenGateプロセスの場合は、SOURCEDBまたはTARGETDBパラメータを使用してカタログ名を指定し、同じパラメータ文でPASSWORDなしでUSERIDを使用してデフォルト・スキーマを指定します。
ターゲットSQL/MXデータベースに接続するOracle GoldenGateプロセスの場合は、TARGETDBパラメータを使用してターゲットODBCデータ・ソースを指定し、同じパラメータ文でPASSWORDとともにUSERIDを使用します。Replicatは、ODBC/MXを使用してSQL/MXデータベースに接続します。
SQL Server
Oracle GoldenGateプロセスによって使用されるODBCデータ・ソース接続がデータベース認証を提供するように構成されている場合は、USERIDをPASSWORDとともに使用します。USERIDには、このプロセス、またはSystem AdministratorsかServer Administrators固有サーバー・ロールのアカウントの任意のメンバーに割り当てられている特定のログインを使用できます。
ソースSQL Serverシステムでは、SOURCEDBパラメータも使用してソースODBCデータ・ソースを指定します。
ターゲットSQL Serverシステムでは、TARGETDBパラメータも使用してターゲットODBCデータ・ソースを指定します。
構文
USERID {/ | user}[, PASSWORD password]
[algorithm ENCRYPTKEY {key_name | DEFAULT}] [SYSDBA]
[, THREADS (threadID[, threadID][, ...][, thread_range[, thread_range][, ...])]
/(Oracle)データベース・ユーザー・ログインではなく、Oracle用のオペレーティングシステム・ログインを使用するようにOracle GoldenGateに指示します。この引数は、データベースによってオペレーティングシステム・レベルでの認証が許可されている場合にのみ使用します。データベースレベルの認証をバイパスすることにより、アプリケーションのパスワードが頻繁に変更される場合に、Oracle GoldenGateパラメータ・ファイルを更新する必要がなくなります。このオプションを使用するには、次のように、Oracle OS_AUTHENT_PREFIX初期化パラメータの値との関連で、正しいユーザー名がデータベースに存在している必要があります。
OS_AUTHENT_PREFIXで指定されている値は、ユーザーのオペレーティング・システム・アカウント名の先頭に追加され、データベース名と比較されます。この2つの名前は一致する必要があります。
OS_AUTHENT_PREFIXが' ' (NULL文字列)に設定されている場合は、ユーザー名をIDENTIFIED EXTERNALLYとして作成する必要があります。たとえば、OSユーザー名がoggの場合は、次のようにしてデータベース・ユーザーを作成します。
CREATE USER ogg IDENTIFIED EXTERNALLY;
OS_AUTHENT_PREFIXがOPS$または別の文字列に設定されている場合は、ユーザー名は次のフォーマットで作成する必要があります。
OS_AUTHENT_PREFIX_value OS_user_name
たとえば、OSユーザー名がoggの場合は、次のようにしてデータベース・ユーザーを作成します。
CREATE USER ops$ogg IDENTIFIED BY oggpassword;
userデータベース構成に応じて、データベース・ユーザーまたはスキーマの名前を指定します。Oracleの場合は、SQL*Net接続文字列を使用できます。その他のガイドラインは、3.1.8項「データベース・タイプ別のUSERIDの要件」を参照してください。
passwordデータベース・ユーザーのパスワードを指定するためにデータベース認証が必要な場合に使用します。パスワードがENCRYPT PASSWORDコマンドによって暗号化されている場合は、暗号化されたパスワードを指定します。それ以外の場合は、クリアテキストのパスワードを使用します。パスワードに大/小文字の区別がある場合は、そのように入力してください。
ユーザーIDまたはパスワードのいずれかが変更されると、必要に応じて、パスワードの再暗号化など、Oracle GoldenGateパラメータ・ファイルの変更を行う必要があります。
algorithmENCRYPT PASSWORDでパスワードの暗号化に使用した暗号化アルゴリズムを指定します。パスワード暗号化は、SQL/MXに対してはサポートされていません。
アルゴリズムは次のいずれかになります。
AES128
AES192
AES256
BLOWFISH
ENCRYPTKEY {key_name | DEFAULT}ENCRYPT PASSWORDで指定した暗号化鍵を指定します。
ENCRYPTKEY key_nameは、ENCKEYS参照ファイル内のユーザー作成の暗号化鍵の論理名を指定します。ENCRYPT PASSWORDがKEYNAME key_nameオプションとともに使用された場合に使用します。
ENCRYPTKEY DEFAULTを指定すると、Oracle GoldenGateでランダムな鍵が使用されます。ENCRYPT PASSWORDがKEYNAME DEFAULTオプションとともに使用された場合に使用します。
SYSDBA(Oracle)ユーザーがsysdbaとしてログインするように指定します。
THREADS (threadID[, threadID][, ...][, thread_range[, thread_range][, ...])Replicatに有効です。指定された資格証明を調整Replicatの1つ以上のスレッドにリンクします。異なるスレッドに異なるログインを指定できます。
threadID[, threadID][, ...]スレッドIDを指定するか、スレッドのカンマ区切りリストをthreadID, threadID, threadIDの形式で指定します。
[, thread_range[, thread_range][, ...]スレッドの範囲をthreadIDlow-threadIDhighの形式で指定するか、範囲のカンマ区切りリストをthreadIDlow-threadIDhigh, threadIDlow-threadIDhighの形式で指定します。
threadID, threadID, threadIDlow-threadIDhighのように、これらの形式を組み合せることができます。
例
USERID /
USERID ogg
USERID ogg@ora1.ora, & PASSWORD AACAAAAAAAAAAAJAUEUGODSCVGJEEIUGKJDJTFNDKEJFFFTC AES128, & ENCRYPTKEY securekey1
USERID ogg, PASSWORD AACAAAAAAAAAAAJAUEUGODSCVGJEEIUGKJDJTFNDKEJFFFTC & AES128, ENCRYPTKEY securekey1
USERID ogg, PASSWORD AACAAAAAAAAAAAJAUEUGODSCVGJEEIUGKJDJTFNDKEJFFFTC & BLOWFISH, ENCRYPTKEY DEFAULT
USERID ogg, & PASSWORD AACAAAAAAAAAAAJAUEUGODSCVGJEEIUGKJDJTFNDKEJFFFTC AES128, & ENCRYPTKEY securekey1 SYSDBA