各分布(カスタム分布を除く)の境界または限界を変更するには、切捨てグラバーをドラッグするか、切捨てグラバーに別の数値端点を入力します。これにより、分布が切り捨て(切り取)られます。また、切捨てグラバーを交差させて除外対象部分を強調表示することにより、分布の中央領域を除外することもできます。
たとえば、抵当流れ後の競売のために家屋の販売価格を記述するとします。抵当権を持つ銀行は$80,000未満では販売しません。入札は通常約$100,000前後で標準偏差は$15,000だと想定しています。Crystal Ballでは、平均値を10万、標準偏差を1万5,000として指定し、最初の(左側の)グラバーを移動して限界を8万に設定します。図A.25「切り捨てられた分布の例」に示すように、グラバーにより、除外する部分が強調表示されます。
調整ごとに、確率分布の特性が変更されます。たとえば、図A.25「切り捨てられた分布の例」で切り捨てられた正規分布の場合、実際には平均値$100,000と標準偏差$15,000ではなくなります。また、切り捨てられた分布の統計値も概数になります。
代替パーセンタイル・パラメータを使用する場合、切り捨てられた分布について計算される実際のパーセンタイルは、指定したパラメータ値とは異なります。たとえば、10/90パーセンタイルを使用して指定され、分布のいずれかの側で切り捨てられた正規分布の場合、実際の10/90パーセンタイルは、指定したパーセンタイルより大きい値か小さい値になります。
分布を切り捨てる場合、分布の平均線を表示すると役立ちます。ただし、平均線の値は「平均値」パラメータ・テキスト・ボックスとは異なる場合があります。平均線は切り捨てられた分布の実際の平均を表すのに対し、「平均値」パラメータ・テキスト・ボックスは完全分布の平均を表します。