成長率の仮定: カスタム分布

Vision Research社の調査の結果、米国内で約4000万人が近視で悩んでおり、ClearViewのテスト年度中に近視を患う患者が0%から5%増加することが判明しました。

ただし、マーケティング部門は、競合他社の製品が市場に近日中に出回る可能性が25%あることを突き止めています。この製品により、ClearViewの潜在的な市場は5%から15%は減少すると想定されます。

この状況における不確実性に対応するには独自方式が必要であるため、Vision Research社は、成長率を定義するためにCrystal Ballのカスタム分布を選択しました。

カスタム分布でパラメータを指定する方法は他の分布タイプとは大きく異なるため、注意して指示に従ってください。間違った場合は、「分布一覧」をクリックして分布一覧に戻り、ステップ4から再開してください。

カスタム分布を使用して、ClearViewの市場占有率の潜在的な増加および減少をグラフに表します。

近視患者数の成長率の仮定セルを定義するには:

  1. セルC15を選択します。

  2. 「仮定の定義」アイコンの上半分をクリックします。

    「分布一覧」ダイアログが開きます。

  3. 分布一覧のナビゲーション・ペイン内の「すべて」をクリックし、Crystal Ballで提供されているすべての分布を表示します。

  4. 分布一覧の最下部までスクロールし、「カスタム」分布をクリックします。

  5. 「OK」をクリックします。

    「カスタム分布」ダイアログが開きます。

    図D.11「「カスタム分布」ダイアログ」では、「パラメータ」タイプを指定して分布の値を入力するまでグラフ領域が空白のままになっています。

    図D.11 「カスタム分布」ダイアログ

    「カスタム分布」ダイアログは、値を入力するまで空白のままです。

    ここでは、近視患者数の成長を表す分布範囲と競合他社の影響を表す分布範囲という2つの分布範囲を扱います。これらの範囲は両方とも連続範囲です。

  6. 「パラメータ」メニューを開いて「連続範囲」を選択します。

  7. 「パラメータ」メニューで「連続範囲」を選択します。

    これで、「カスタム分布」ダイアログには、「最小」「最大」および「確率」の3つのパラメータが表示されます。

  8. 最初の値範囲を入力し、競合他社が影響する確率が低い場合の近視患者数の成長率を表します:

    1. 「最小」テキスト・ボックスに0%を入力します。

      これは、潜在的な市場における0%の増加を表します。

    2. 「最大」テキスト・ボックスに5%を入力します。

      これは、潜在的な市場における5%の増加を表します。

    3. 「確率」テキスト・ボックスに75%または.75を入力します。

      これは、Vision Research社の競合他社が市場に参入せずにVision Research社の占有率を減らす確率が75%であることを表します。

    4. 「入力」をクリックします。

      値の最初の範囲、0%から5%の一様分布が表示されます(図D.12「一様分布範囲」)。

      図D.12 一様分布範囲

      この図は、カスタム分布の最初の値範囲の一様分布範囲を示しています。

      範囲の合計領域は確率と等しくなっています: つまり、5%の幅に15単位の高さを乗算した値が75%になります。

  9. ここで、2番目の値範囲を入力し、競合他社の影響を表します:

    1. 「最小」テキスト・ボックスに-15%を入力します。

      これは、潜在的な市場における15%の減少を表します。

    2. 「最大」テキスト・ボックスに-5%を入力します。

      これは、潜在的な市場における5%の減少を表します。

    3. 「確率」テキスト・ボックスに25%を入力します。

      これは、Vision Research社の競合他社が市場に参入してVision Research社の占有率を5%から15%減らす確率が25%であることを表します。

    4. 「入力」をクリックします。

      -15%から-5%の範囲の一様分布が表示されます。これで、両方の範囲が「カスタム分布」ダイアログに表示されます(図D.13「カスタマイズされた一様分布」)。

      図D.13 カスタマイズされた一様分布

      この図は、カスタマイズされた一様分布の両方の範囲を示しています。

      2番目の範囲の領域も確率と等しくなっています: つまり、2.5 x 10% = 25%です。

  10. 「OK」をクリックしてワークシートに戻ります。

    シミュレーションを実行すると、Crystal Ballにより、指定した確率に応じて2つの範囲内の乱数が生成されます。

市場浸透率の仮定: 正規分布

マーケティング部門は、Vision Research社の製品が市場全体における最終的な占有率が平均値約8%、標準偏差2%で正規に分布すると推定しています。「正規に分布する」というのは、市場浸透率のすべての可能値の約68%が平均値の1標準偏差下と平均値の1標準偏差上の間(または6%と10%の間)にある見慣れたベル形の曲線が描かれることをVision Research社が想定していることを意味します。

また、マーケティング部門は、予備テスト時のように製品に対する興味が示された場合、市場の最小占有率は5%になると推定しています。

Vision Research社は、変数「市場浸透率」を表すために正規分布を選択します。

市場浸透率の仮定セルを定義するには:

  1. セルC19をクリックします。

  2. 「仮定の定義」を選択します。

  3. 「分布一覧」で、正規分布をクリックします。

    (「すべて」カテゴリの最上部までスクロールするか、「基本」をクリックして正規分布を即時表示します。)

  4. 「OK」をクリックします。

    正規分布ダイアログが開きます(図D.14「セルC19の正規分布」)。

    図D.14 セルC19の正規分布

    セルC19の分布が表示された正規分布ダイアログ

  5. 正規分布のパラメータとして平均値および標準偏差を指定します。

    1. 「平均値」テキスト・ボックスに8.00%が表示されていない場合は、「平均値」テキスト・ボックスに8%を入力します。

      これは、市場浸透率8%の推定平均を示します。

    2. 「標準偏差」テキスト・ボックスに2%を入力します。

      これは、平均値からの標準偏差が推定2%であることが示します。

  6. 「入力」をクリックします。

    分布の形状が変化しないように、正規分布の尺度はグラフ領域に応じて変更されます。ただし、グラフ軸上のパーセントの尺度は変更されません。

  7. 「詳細」ボタンをクリックし、別のテキスト・ボックスを表示します(図D.15「仮定の切捨て用テキスト・ボックス」)。

    図D.15 仮定の切捨て用テキスト・ボックス

    仮定の切捨て用テキスト・ボックスには、仮定範囲の最小値および最大値が表示されます。

    グレーの矢印でマークされたこれらのテキスト・ボックスには、仮定範囲の最小値および最大値が表示されます。これらに値を入力すると、範囲が切り捨てられます。このため、これらのテキスト・ボックスは最小切捨ておよび最大切捨てと呼ばれます。

  8. 最小切捨てテキスト・ボックス(先頭または左のテキスト・ボックス)に5%を入力します。

    これは、製品の最小市場占有率である5%を表します。

  9. 「入力」をクリックします。

    入力した値を反映して分布が変更されます(図D.16「値の切捨てに応じて変更された分布」)。

    図D.16 値の切捨てに応じて変更された分布

    この図は、値の切捨てに応じて変更された分布を示しています。

    シミュレーションを実行すると、Crystal Ballにより、乱数が生成されます。これらは平均値8%を中心とした正規分布に従っており、5%の最小制限の下には生成値がありません。

  10. 「OK」をクリックしてワークシートに戻ります。