シミュレーションの実行が終了し、予測結果を解釈する準備が整いました。Vision Research社はClearViewプロジェクトを破棄すべきでしょうか、あるいは、この革新的な新薬を開発して市場展開すべきでしょうか? 回答については、予測グラフをレビューしてください。
次の各項では、このシナリオの結果の分析方法について説明します:
Crystal Ballのウィンドウは、Microsoft Excelのウィンドウから独立しています。Crystal Ballのウィンドウまたはグラフが画面から消えた場合、これらは通常、Microsoft Excelのメイン・ウィンドウの背後にあります。これらを前面に出すには、Windowsのタスクバー内のCrystal Ballアイコンをクリックするか、[Alt]キーを押しながら[Tab]キーを押してCrystal Ball |
予測グラフは度数分布です。これらは、特定の分割またはグループ区間内で発生する値の数または度数を示し、度数の分布状況を示します。図D.18「純利益予測」では、大多数の値が含まれる分割の度数は約280です。
Crystal Ballでは、Vision Research社のプロジェクトの全体的な結果範囲を予測します。ただし、予測グラフに最極値は表示されません。ここでは、表示範囲には約-$15百万から$38百万までの値が含まれています。
予測グラフには、予測の信頼区間も表示されます。デフォルトでは、信頼区間には負の無限大から正の無限大までの値がすべて含まれます。
Crystal Ballでは、信頼区間内の値の数と範囲全体内の値の数を比較し、信頼度レベルを計算します。
前の例では、最初の信頼区間に可能値がすべて含まれるため、信頼度レベルは100%を示しています。ただし、シミュレーションで可能なのは現実世界の要素の近似値を求めることのみであるため、信頼度レベルは概算にすぎません。
Vision Research社の社長は、同社が利益を得る可能性の確度、および損失が出る可能性を把握したいと考えています。
純利益予測グラフ(図D.19「純利益予測 - 最小値$0」)を再度分析してみると、信頼度グラバー間の値が約79%を示していることがわかります。これは、Vision Research社が純利益を上げる信頼度が79%であることを意味します。このため、純損失を被る可能性は21% (100% - 79%)と計算されます。
ここで、Vision Research社の社長は、最小利益として$4,000,000を達成する信頼度を把握したいと考えました。Vision Research社が$4,000,000の純利益を上げる信頼度が少なくとも3分の2あることがCrystal Ballによって示されれば、社長にはClearViewプロジェクトを進める覚悟があります。
純利益予測グラフ(図D.20「純利益予測 - 最小値$4.0百万」)は、信頼度レベルとして約66%を示しています。実質的に最小純利益として$4,000,000を達成する信頼度が3分の2あるため、Vision Research社はClearViewプロジェクトを続行し、この革新的な新薬を開発して市場展開することを決定しました。
Crystal Ballのグラフは、結果を表すのみでなく結果を分析する上でも役立ちます。各種グラフ・プリファレンスが用意されており、様々なグラフ・ビュー、タイプ、色およびその他が示されます。
グラフ・プリファレンスを表示するには、予測グラフ・ウィンドウで「プリファレンス」、「グラフ」の順に選択します。
「グラフ・プリファレンス」ダイアログを使用しなくても、キーボードのショートカットを使用してグラフの外観をカスタマイズすることもできます。
たとえば、図D.21「カスタマイズされた総利益グラフ」は、平均値マーカー付きの3次元領域グラフとして表され、詳細情報を表示するためにx軸が拡張されたClearViewの総利益予測を表します。また、このグラフは50%の透明度に設定されています。「信頼度」テキスト・ボックスは、$32百万を超える総利益の信頼度が約78%になるよう設定されています。
グラフ・メニュー・バーで「編集」、「グラフのコピー」の順に選択すると、グラフをMicrosoft Excelまたは別のアプリケーションに貼り付けるためにクリップボードにコピーできます。図D.22「プレゼンテーション・スライドに貼り付けられた総利益グラフ」は、プレゼンテーション・スライドに貼り付けられたClearViewの総利益グラフを示しています。