バッチ・フィット結果の分析

バッチ・フィット・ツールの分析例では、Crystal Ballのサンプル・モデルMagazine Sales.xlsxを使用します。このモデル(図9.1「Magazine Salesワークブック」)は、会社が発行する雑誌のうち最も人気のある4誌の新聞雑誌売り場での販売から得られる総利益の推定を示しています。

図9.1 Magazine Salesワークブック

この図は、雑誌の精算販売から得られる総利益の推定および総利益の合計を示しています。

このモデルでは、セルC5からF5は、販売データ・ワークシート上のデータの最初の行を参照する式です。ただし、これらの式を実測データの範囲全体に基づく仮定に置き換えると、このモデルはより正確になります。バッチ・フィット・ツールを使用すると、販売データ・ワークシートの各データ列の仮定を生成できます。次に、Crystal Ballコマンドを使用して、これらの仮定をコピーして出力データからMagazine Salesモデルの最初のデータ行に貼り付けます。

図9.2「Magazine Sales.xlsxのバッチ・フィット結果」には、Magazine Sales.xlsxの販売データ・タブのデータを使用してバッチ・フィット・ツールで生成された仮定が示されます。バッチ・フィット・ツールを実行すると、選択した各分布にデータの各列が適合されます。分布からデータ・セットに対する適合ごとに、指定した適合度テストの統計量が計算されます。最良適合分布がスプレッドシートに配置され、モデル内の適切な場所にコピーできる仮定セルが作成されます。

図9.2 Magazine Sales.xlsxのバッチ・フィット結果

この図は、モデルの下の雑誌精算販売の結果を示しています。

バッチ・フィット・ツールは、カーブ・フィッティング用のすべての連続データを使用し、順位付け手法を自動的に選択し、すべての仮定間の相関を定義し、すべてのデータ系列間の相関マトリックスを表示し、新しい「バッチ・フィットの仮定」タブに出力を配置するように設定されていました。

この例では、Crystal Ballのコピーおよび貼付けコマンドを使用して、「バッチ・フィットの仮定」タブの行2にある生成された仮定を「モデル」タブの行5にコピーします。セルC11の予測は、これらの販売量仮定を間接的に参照しています。次に、同じ乱数シーケンスおよびシード値999を使用してモンテ・カルロ・シミュレーションを実行します。

シミュレーションを実行すると、Magazine Salesワークブックから総利益合計の予測グラフが生成されます。総利益合計予測グラフで、-無限大を$5,500に置き換えると、この利益額を上げる信頼度または確率が約75%であることが判明します(図9.3「新聞雑誌売り場での販売による雑誌販売利益」)。

図9.3 新聞雑誌売り場での販売による雑誌販売利益

この図は、度数グラフの新聞雑誌売り場での販売による雑誌販売利益を示しています。