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Oracle® Fusion Middleware Oracle Forms and Reportsパッチ適用ガイド
11gリリース2 (11.1.2)
B71692-06
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4 パッチ適用後の手順

この章では、既存のOracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)へのパッチ適用の完了後に実行する必要のある手動のタスクについて説明します。該当する製品が使用されていない可能性があるため、これらのタスクの一部が環境に適用されない場合があります。

この章は次の各項で構成されています。

4.1 システム・コンポーネントのパッチ適用後のタスク

システム・コンポーネントは、Javaアプリケーションとしてデプロイされない管理可能なプロセスです。システム・コンポーネントは、Oracle Process Manager and Notification (OPMN)で管理されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareの主要概念の理解に関する項を参照してください。

Oracle Fusion Middlewareシステム・コンポーネントには、次のようなものがあります。

  • Oracle HTTP ServerおよびOracle Web Cacheなど、Oracle Web Tierに含まれている製品。

  • Oracle Virtual DirectoryおよびOracle Internet Directoryなど、Oracle Identity Managementに含まれている製品。

  • Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererに含まれている製品。

  • BI Server、BI SchedulerおよびBI Presentation Servicesなど、Oracle Business Intelligenceに含まれている製品。

  • Oracle Data Integratorに含まれている製品。

これらのコンポーネントの1つ以上にパッチを適用した場合は、この項のタスクを実行する必要があります。システム・コンポーネントの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareの主要概念の理解に関する項を参照してください。

次のタスクを実行する必要があります。

4.1.1 システム・コンポーネントのアップグレード

このステップは、WebLogicドメインと関連付けられているすべてのシステム・コンポーネントに対して必須です。場合によっては(たとえば、Oracle Web TierおよびOracle Internet Directoryの場合)、ドメインと関連付けられていないスタンドアロン・システム・コンポーネントの作成を選択できます。その場合は、この手順を実行する必要はありません。

WebLogicドメインに関連付けられているシステム・コンポーネント・ソフトウェアにパッチを適用したら、ORACLE_HOME/opmn/bin/upgradenonj2eeapp.shスクリプト(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはORACLE_HOME\opmn\bin\upgradenonj2eeapp.batスクリプト(Windowsオペレーティング・システムの場合)を実行して、システム・コンポーネントをアップグレードする必要があります。

このスクリプトを実行する前に、次の点を確認してください。

  1. 管理サーバーが起動されて、実行中であること。

  2. ORACLE_HOME環境変数が製品のOracleホーム・ディレクトリに設定されていること。

  3. インスタンスのホームにあるbinディレクトリのOPMNインスタンスが起動されて実行中であること。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    cd INSTANCE_HOME/bin
    ./opmnctl start
    

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    cd INSTANCE_HOME\bin
    opmnctl start
    

このスクリプトをUNIXオペレーティング・システムで実行するには:

cd ORACLE_HOME/opmn/bin
./upgradenonj2eeapp.sh
   -oracleInstance Instance_Home_Location
   -adminHost WebLogic_Server_Host_Name
   -adminPort administration_server_port_number
   -adminUsername administration_server_user

Windowsオペレーティング・システムの場合:

cd ORACLE_HOME\opmn\bin
upgradenonj2eeapp.bat
   -oracleInstance Instance_Home_Location
   -adminHost WebLogic_Server_Host_Name
   -adminPort administration_server_port_number
   -adminUsername administration_server_user

トラブルシューティング

upgradenonj2eeappスクリプトの実行中にCommand failed: NonJ2EEManagement Application deployment failedエラーが発生した場合、次のステップを実行して問題を診断し、修正します。

  1. provisioning.logを確認し、障害の根本的な原因を特定します。このログ・ファイルは次のディレクトリにあります。

    MW_HOME/instances/myinstance/diagnostics/logs/OPMN/opmn

  2. 障害の根本的原因がロックの問題の場合は、残りのステップを続行します。

    エラーの原因がロック障害ではない場合、ステップ5に示すとおり、単にインスタンスを再デプロイして登録します。

  3. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    http://localhost:7001/console
    

    「チェンジ・センター」に移動し、「構成の解放」をクリックします。

    構成上のロックは削除されますが、インスタンスのデプロイと再登録も必要な場合があります。

  4. 前述のとおりupgradenonj2eeappスクリプトを再開し、provisioning.logを確認します。

    「インスタンスinstance1の登録解除に失敗しました。管理サーバー上に存在しません。」とのメッセージが表示された場合は、次のステップに進みます。

  5. 次の例に示すとおり、インスタンスを再デプロイおよび登録します。使用している環境のディレクトリ・パスとインスタンス名を使用してください。

    ./opmnctl redeploy -oracleInstance /Middleware/instances/instance1 -adminHost localhost -adminPort 7001 -adminUsername weblogic
    
    Command requires login to weblogic admin server (localhost):
      Username: weblogic
      Password: 
    
    ./opmnctl registerinstance
    Command requires login to weblogic admin server (localhost):
      Username: weblogic
      Password: 
    
  6. 前述のとおり、upgradenonj2eeappスクリプトを再開します。「NonJ2EEManagement.earおよび登録は正常にアップグレードされました」と表示されます。

4.1.2 Oracle Configuration Managerのアップグレード

Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererにパッチを適用する場合、正しいバージョンが表示されるようにするには、最新のパッチ・セットを適用してからemCCRコマンドをいくつか実行する必要があります。emCCRは、Oracle Configuration Managerによって、クライアント構成情報を収集してOracleリポジトリにアップロードするために使用されます。

  1. ORACLE_HOME\ccr\binディレクトリに移動します。

  2. ORACLE_CONFIG_HOME環境変数を、Oracle Configuration Managerの含まれるインスタンス・ホームに設定します。

    たとえば、Windowsオペレーティング・システムでは次のように実行します。

    set ORACLE_CONFIG_HOME=C:\Oracle\Middleware\Instances\asinst_ocmoc
    

    次に示すのは、UNIXオペレーティング・システムの例です。

    setenv ORACLE_CONFIG_HOME /home/Oracle/Middleware/asinst_ocmoc
    
  3. 次のemCCRコマンドを実行します。

    emccr collect
    emccr status
    

4.1.3 Oracle ReportsおよびOracle PortalでのJDBCエラーの解決

Oracle ReportsまたはOracle Portalをドメイン内に構成してあり、最新のパッチ・セットを適用した場合は、無効化パスワードを変更しようとすると、次のエラーが表示されます。

Error.  Check logs for details.  [OK]. 

ログ・ファイルportal_wls.logおよびwls_portal.outに、次のエラーが見られます。

<Date and time> <Warning> <RMI> <BEA-080003>
<RuntimeException thrown by rmi server:
javax.management.remote.rmi.RMIConnectionImpl.invoke
(Ljavax.management.ObjectName;Ljava.lang.String;Ljava.rmi.MarshalledObject;[Ljava.lang.String;Ljavax.security.auth.Subject;)
javax.management.RuntimeErrorException:
oracle.jdbc.driver.T2CConnection.getLibraryVersionNumber()I.javax.management.RuntimeErrorException:
oracle.jdbc.driver.T2CConnection.getLibraryVersionNumber()I
at
oracle.as.jmx.framework.standardmbeans.spi.OracleStandardEmitterMBean.doInvoke(OracleStandardEmitterMBean.java:991)
at
oracle.adf.mbean.share.AdfMBeanInterceptor.internalInvoke(AdfMBeanInterceptor.java:104)
at
oracle.as.jmx.framework.generic.spi.interceptors.AbstractMBeanInterceptor.doInvoke(AbstractMBeanInterceptor.java:252)
....
 
Caused By: java.lang.UnsatisfiedLinkError:
oracle.jdbc.driver.T2CConnection.getLibraryVersionNumber()I
at oracle.jdbc.driver.T2CConnection.getLibraryVersionNumber(Native
        Method)
at oracle.jdbc.driver.T2CConnection$1.run(T2CConnection.java:3537)
at java.security.AccessController.doPrivileged(Native Method)
at oracle.jdbc.driver.T2CConnection.loadNativeLibrary
        (T2CConnection.java:3532)
.... 

これらのJDBCエラー・メッセージが表示されないようにするには、次の手順を実行する必要があります。

  1. DOMAIN_HOME (デフォルトではuser_projects)内のbinディレクトリに移動します。

  2. setDomainEnv.shファイル(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはsetDomainEnv.cmdファイル(Windowsオペレーティング・システムの場合)を編集して、EXT_PRE_CLASSPATHを検索します。

  3. 定義を変更して、次のようになるようにします。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    EXT_PRE_CLASSPATH=$ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc6.jar
    export EXT_PRE_CLASSPATH
    

    例:

    if [ "${EXT_PRE_CLASSPATH}" != "" ] ; then
       if [ "${PRE_CLASSPATH}" != "" ] ; then
          EXT_PRE_CLASSPATH=$ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc6.jar // add this line
          export EXT_PRE_CLASSPATH                           // add this line
          PRE_CLASSPATH="${EXT_PRE_CLASSPATH}${CLASSPATHSEP}${PRE_CLASSPATH}"
          export PRE_CLASSPATH
       else
          EXT_PRE_CLASSPATH=$ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc6.jar  // add this line
          export EXT_PRE_CLASSPATH                            // add this line
          PRE_CLASSPATH="${EXT_PRE_CLASSPATH}"
          export PRE_CLASSPATH
       fi
    fi
    

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    if NOT "%EXT_PRE_CLASSPATH%"=="" (
       if NOT "%PRE_CLASSPATH%"=="" (
          set EXT_PRE_CLASSPATH=%ORACLE_HOME%\jdbc\lib\ojdbc6.jar  // add this line
          set PRE_CLASSPATH=%EXT_PRE_CLASSPATH%;%PRE_CLASSPATH%
       ) else (
          set EXT_PRE_CLASSPATH=%ORACLE_HOME%\jdbc\lib\ojdbc6.jar  // add this line
          set PRE_CLASSPATH=%EXT_PRE_CLASSPATH%
       )
    )
    
  4. ポータル管理対象サーバーを再起動します。

4.1.4 Oracle Internet DirectoryのOLTS_CT_STOREおよびOLTS_ATTRSTORE表領域へのデータファイルの追加

Oracle Internet Directoryスキーマが11gリリース1 (11.1.1.6.0)より前のバージョンのインストール時に作成されたものである場合、Oracle Internet Directoryに100万件を超えるエントリを追加するには、OLTS_CT_STOREおよびOLTS_ATTRSTORE表領域にデータファイルを追加する必要があります。このステップは、bulkloadまたはldapadd操作の前に実行します。

詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』のデータ・ファイルの作成およびデータ・ファイルの表領域への追加に関する項を参照してください。

4.1.5 BASE64エンコードされたOPSSの暗号化キーの生成

upgradeOpss()コマンドは、ブートストラップ・ウォレットにすでにある暗号化キーに対する、BASE64エンコードされた新しいキーです。このキーは、OBI CベースのコードがDB資格証明ストアにアクセスする場合に必要です。このオプションのコマンドは、バージョン11.1.1.4.0、11.1.1.5.0または11.1.1.6.0から開始する場合に役立ちます。このステップを実行していない場合、11.1.1.9.0.ではOBIがDBベースの資格証明ストアにアクセスできなくなります。

JSEモードでのOPSS実行の詳細は、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイドのDBベースのOPSSセキュリティ・ストアの構成に関する項を参照してください。

4.1.6 JavaSEモードで実行するOPSSの動的監査メタデータ・モデルの有効化

動的監査メタデータ・モデルをJavaSEモードで実行するOPSSの監査サービスで使用可能にするには、upgradeOpss()コマンドを使用して、追加の監査サービス・プロパティでjps-config-jse.xmlを変更します。このオプションのコマンドは、バージョン11.1.1.4.0、11.1.1.5.0または11.1.1.6.0から開始する場合に役立ちます。このステップを実行しない場合、新しいメタデータ・モデルで監査サービスに登録されている11.1.1.9.0のコンポーネントでは、JSEモードの監査サービスが表示されません。

JSEモードでのOPSSの実行の詳細は、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイドのJava SEアプリケーションでのポリシーおよび資格証明ストアの構成に関する項を参照してくだささい。

4.1.7 診断フレームワーク・ダンプ・サンプリングの構成

リリース11.1.1.7.0では、新しいダンプ・サンプリング機能が診断フレームワークに追加されています。このオプションの機能を有効にするには、次のWLSTコマンドを管理サーバーへの接続中に実行する必要があります。

wlst.sh <ORACLE_HOME>/common/scripts/wlst/upgradeDFWConfig.py --adminuser <admin user name> --password <admin password> --adminurl <admin url>

4.1.8 IBM WebSphereのJRFテンプレートへのBatikライブラリJarファイルの追加

このオプションのパッチ適用後のステップでは、Batik SVGライブラリをADF View JRFクラスパス、およびApache JARをアプリケーション・クラスパスに追加することによって、treemapやsunburstなどの特定のDVTコンポーネントの印刷しやすいレンダリングが可能になります。

詳細は、Oracle ADFアプリケーションの管理のupgradeADFLibraryに関する項を参照してください。