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Oracle® Fusion Middleware Oracle Unified Directory管理者ガイド
11g リリース2 (11.1.2)
B72794-04
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31 テスト環境から本番環境への移行

この章では、環境間、特にテスト環境と本番環境間でOracle Unified Directoryインストールを移動またはクローニングする方法について説明します。環境間での移動により、テスト環境で開発とテストを行い、その後テスト・アプリケーションと、必要に応じてテスト・データを本番環境にロール・アウトできます。この章の残りの部分では、テスト環境をソース環境と呼び、本番環境をターゲット環境と呼びます。

この章には次のトピックが含まれます:

Oracle Unified Directoryの「テストから本番へ」プラグインは、Oracle Fusion Middlewareの「テストから本番へ」フレームワークが提供する機能のサブセットを提供します。この章のドキュメントはOracle Unified Directory固有のものです。環境間での他のFusion Middlewareコンポーネントの移動の包括的な説明は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のテスト環境から本番環境への移行に関する項を参照してください。

31.1 環境間の移動の概要

Oracle Unified Directoryインストールを移動することによって、元の環境で行ったすべてのカスタマイズおよび構成変更を別の環境に再適用するために必要な作業量が最小化されます。テスト環境で、Oracle Unified Directoryのインストール、構成、カスタマイズおよび検証を実行できます。システムが安定し、必要なパフォーマンスを達成できるようになったら、本番環境を作成しますが、この場合、テスト環境に組み込んだすべての変更を再適用しなくても、サーバーとその構成のコピーをテスト環境から移動することによって本番環境を作成できます。既存の本番環境が存在する場合は、テスト環境で行ったカスタマイズなどのあらゆる変更を本番環境に移動できます。

テスト環境から本番環境へのOracle Unified Directoryインストールの移動では、本番環境がテスト環境と同じオペレーティング・システム上で動作することを前提としています。また、オペレーティング・システムのアーキテクチャが両方の環境で同じである必要があります。たとえば、両方の環境で32ビットのオペレーティング・システムまたは64ビットのオペレーティング・システムを実行している必要があります。

31.2 テストから本番への移行における制限

環境間でのOracle Unified Directoryインストールの移動のサポートには次の制限があります:

31.3 テストから本番へのプロセスの概要

テスト環境から本番環境への移動は、大きく分けて次の3つの手順で構成されます:

  1. 本番システムへのOracle Unified Directoryバイナリの移動

  2. 本番システムへのOracle Unified Directory構成の移動

  3. 本番システムへのデータの移動

これらの手順では、Oracle Unified Directoryテスト・システムを新しい本番デプロイメントに移動する(既存の本番システムは存在しない)ことを前提としています。

31.3.1 バイナリの移動

新しい本番システム上にOracle Unified Directoryバイナリのコピーを取得するには、Oracle Unified Directoryインストレーション・ガイドのOracle Unified Directoryのインストールに関する項の説明に従ってバイナリをインストールします。

31.3.2 構成の移動

環境間での構成の移動は、次の3つの手順で構成されます:

  1. ソース環境からの構成のコピー

  2. 構成の編集(必要に応じて)

  3. ターゲット環境への構成の貼付け

31.3.2.1 構成のコピー

既存の構成のコピーを取得するには、ソース環境でoudCopyConfigコマンドを実行します。

UNIXシステムでは、次のようにコマンドを実行します:

$ OUD_ORACLE_HOME/bin/oudCopyConfig -javaHome java_home \
  -sourceInstanceHomeLoc instance_dir -archiveLoc archive_location \
  -logDirLoc log_directory

例:

$ OUD_ORACLE_HOME/bin/oudCopyConfig -javaHome /usr/jdk \
  -sourceInstanceHomeLoc /local/asinst_1 -archiveLoc /tmp/oud.jar \
  -logDirLoc /tmp/logs

Windowsシステムでは、次のようにコマンドを実行します:

$ OUD_ORACLE_HOME\bat\oudCopyConfig.bat -javaHome java_home \
  -sourceInstanceHomeLoc instance_dir -archiveLoc archive_location \
  -logDirLoc log_directory

oudCopyConfigコマンドの完全なシノプシスは、A.2.10項「oudCopyConfig」を参照してください。

oudCopyConfigコマンドは、次のアクションを実行します:

  • テスト・インスタンス(instance_dir)を本番環境に移動するために必要な構成データを格納するアーカイブ(archive_location)を作成します。この場合、-archiveLocにアーカイブのフルパスを指定します。

  • アーカイブで移動計画を作成します。

  • メッセージをlog_directoryに記録します。指定されない場合、記録されたメッセージのデフォルト場所はシステムの一時ディレクトリになります。

31.3.2.2 構成の編集

移動計画を編集することによって、特定の構成パラメータを変更できます。移動計画とは、環境にまたがっての移動中にカスタマイズ可能なパラメータを公開するXMLファイルです。

移動計画は、oudCopyConfigコマンドを実行するときに生成され、構成を複製するためにoudPasteConfigコマンドによって使用されます。

構成のコピー後、次の手順でその構成を編集します:

  1. oudExtractMovePlanコマンドを実行して、構成のコピーを取得します。UNIXシステムでは、次のようにコマンドを実行します:

    $ OUD_ORACLE_HOME/bin/oudExtractMovePlan -javaHome java_home \
      -archiveLoc archive_location -planDirLoc moveplan_dir \
      -logDirLoc log_directory
    

    例:

    $ OUD_ORACLE_HOME/bin/ExtractMovePlan -javaHome /usr/jdk \
      -archiveLoc /tmp/oud.jar -planDirLoc /tmp \
      -logDirLoc /tmp/logs
    

    Windowsシステムでは、次のようにコマンドを実行します:

    $ OUD_ORACLE_HOME\bat\oudExtractMovePlan.bat -javaHome java_home \
      -archiveLoc archive_location -planDirLoc moveplan_dir \
      -logDirLoc log_directory
    

    oudextractMovePlanコマンドの完全なシノプシスは、A.2.11項「oudExtractMovePlan」を参照してください。

    oudExtractMovePlanコマンドは、-planDirLoc引数で指定された場所のmoveplan.xmlという名前のファイルに、編集可能な構成バージョンを作成します。このディレクトリが存在していて、書込み可能である必要があります。

  2. テキスト・エディタで、必要に応じてmoveplan.xmlファイルを編集します。

    移動計画で構成可能なパラメータは次のとおりです:

    • OUD非SSLポート

    • OUD SSLポート

    • OUD管理コネクタ・ポート

    • SNMPリスニング・ポート

    • SNMPトラップ・ポート

    • JMXポート

    • OUDルート・ユーザー・パスワード・ファイル

    • SMTPサーバーおよびポート

    • 次のようなファイルまたはディレクトリの絶対パス

      • バックアップ・ディレクトリ

      • データベース・ディレクトリ

      • プロファイル・ディレクトリ

      • 辞書ファイル

      • 参照整合性プラグイン・ログ・ファイル

      • SMTPアカウント・ステータス通知ハンドラ・メッセージ・テンプレート・ファイル

  3. moveplan.xmlファイルを保存します。

31.3.2.3 構成の貼付け

移動計画の編集が完了したら、次の手順で構成をターゲット環境に貼り付けます:

  1. アーカイブと移動計画をターゲット・ホストに移動します。

    ほとんどのシナリオでは、テスト環境と本番環境は別々のマシンに存在します。そのため、アーカイブと移動計画をターゲット・マシンに移動またはコピーする必要があります。

    テスト環境と本番環境が同じマシンに存在する場合は、この手順は不要です。

  2. ターゲット環境でoudPasteConfigコマンドを実行することによって、ターゲット環境に構成を貼り付けます。

    UNIXシステムでは、次のようにコマンドを実行します:

    $ OUD_ORACLE_HOME/bin/oudPasteConfig -javaHome java_home \
      -targetInstanceHomeLoc instance_dir -archiveLoc archive_location \
      -targetOracleHomeLoc ORACLE_HOME -movePlanLoc move_plan_location \
      -logDirLoc log_directory -targetInstanceName instance_name
    

    例:

    $ OUD_ORACLE_HOME/bin/oudPasteConfig -javaHome /usr/jdk \
      -targetInstanceHomeLoc /local/asinst_2 -archiveLoc /tmp/oud.jar \
      -targetOracleHomeLoc /local/ORACLE_HOME -movePlanLoc /tmp/moveplan.xml \
      -logDirLoc /tmp/logs -targetInstanceName asinst_2 
    

    Windowsシステムでは、次のようにコマンドを実行します:

    $ OUD_ORACLE_HOME\bat\oudPasteConfig.bat -javaHome java_home \
      -targetInstanceHomeLoc instance_dir -archiveLoc archive_location \
      -targetOracleHomeLoc ORACLE_HOME -movePlanLoc move_plan_location \
      -logDirLoc log_directory -targetInstanceName instance_name
    

oudPasteConfigコマンドの完全なシノプシスは、A.2.12項「oudPasteConfig」を参照してください。

oudPasteConfigコマンドは、アーカイブおよび修正済移動計画(存在する場合)から取得した構成とともに新しいサーバー・インスタンスを作成します。

31.3.3 データの移動

テスト・システムから本番システムにデータを移動する最も簡単な方法は、テスト・システムからデータをエクスポートし、本番システムにインポートすることです。

この手順の詳細は、第20.1項「データのインポートとエクスポート」を参照してください。