この項には、Oracle Unified Directoryのインストール前に確認が必要な情報が含まれます。この項の内容は、次のとおりです。
インストールを実行する前に、 システム要件および動作保証のドキュメントを読み、インストールする製品の最小インストール要件を環境が満たしていることを確認します。これらのドキュメントは、どちらもOracle Technology Network (OTN)で入手できます。
Oracle Identity and Access Management用Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様
このドキュメントには、ハードウェアとソフトウェアの要件、最小ディスク領域とメモリーの要件、および必要なシステム・ライブラリ、パッケージまたはパッチに関する情報が含まれます。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html
このドキュメントには、サポートされるインストール・タイプ、プラットフォーム、オペレーティング・システム、データベース、JDKおよびサード・パーティ製品に関する情報が含まれます。
Windowsシステムでは、管理者権限がない場合はOracle Unified Directoryソフトウェアをインストールできません。
インストーラを実行する前に、システムでDISPLAY
環境変数を設定します。
UNIXシステムでは、ルート・ユーザーとしてのインストールはサポートされていません。
Oracle Unified Directoryソフトウェアは、グローバル・ゾーン、フル・ローカル・ゾーンおよびスパース・ゾーンを、独立した物理システムとして扱います。したがって、Oracle Unified DirectoryをどのタイプのSolarisゾーンにインストールしても、独立したシステムへのインストールと同様になります。Oracle Unified Directoryは、サービスまたはファイルの場所を他のゾーンと共有しません。
Oracle Unified Directoryは、次の3つのモードのいずれかで機能します。
データの格納に使用するLDAPディレクトリ・サーバーとして。
データが格納されているディレクトリ・サーバーとクライアントの間のインタフェースとしての役割を果たすLDAPプロキシ・サーバーとして。
Oracle Unified DirectoryとOracle Directory Server Enterprise Editionの間のレプリケーション・ゲートウェイとして。
次の各項では、使用する必要があるOracle Unified Directoryインストール・モードを、要件に基づいて説明します。
原則として、サーバーという総称の使用は、ディレクトリ・サーバー、プロキシ・サーバーおよびレプリケーション・ゲートウェイに適用されます。
ディレクトリ・データを格納するLDAPディレクトリ・サーバーを作成する場合、Oracle Unified Directoryディレクトリ・サーバーをインストールします。詳細は、第3章「ディレクトリ・サーバーの設定」を参照してください。
Oracle Unified DirectoryをLDAPプロキシ・サーバーとしてインストールした場合、このサーバーは、データが格納されているリモートLDAPサーバーとクライアントの間のインタフェースとしての役割を果たします。プロキシ・サーバーは、ロード・バランシングまたはデータ分散(あるいはその両方)を通じて、クライアント・リクエストを管理します。プロキシにはデータは格納されません。プロキシは、クライアントによって送信されたデータまたはリモートLDAPサーバーから受信したデータを操作することもできます(DNリネーム、RDN変更、変換またはエンタープライズ・ユーザー・セキュリティなど)。
Oracle Unified Directoryをプロキシ・モードでインストールするには、第4章「プロキシ・サーバーの設定」の手順を参照してください。
Oracle Unified Directoryプロキシを使用する場合、データは1つ以上のリモートLDAPサーバーまたはデータ・センターに格納されますが、これには、Oracle Unified Directoryディレクトリ・サーバーまたはOracle Directory Server Enterprise Editionなど、任意のLDAPv3準拠ディレクトリ・サーバーを指定できます。
Oracle Unified Directoryをレプリケーション・ゲートウェイとしてインストールした場合、サーバーは、Oracle Directory Server Enterprise EditionとOracle Unified Directoryの間でレプリケートできるゲートウェイの役割を果たします。詳細は、第5章「レプリケーション・ゲートウェイの設定」を参照してください。
Oracle Unified Directoryに対して、JAVA_HOME
環境変数の設定で使用する必要があるJavaインストールの場所に関する情報を提供する必要があります。JAVA_HOME
環境変数が設定されていない、または有効な(Java 1.6以上の)インストールのルートを指し示していない場合、設定は機能しません。
注意: IBM WebSphere Application Serverを使用しており、IBM WebSphereに用意されているJVMを使用する必要がある場合、JVMがOracle Unified Directoryで認証されていることを確認する必要があります。詳細は、第1.1項「システム要件と動作保証情報」を参照してください。 |
次に例を示します。
UNIXシステムで、シェルに応じて次のようなコマンドを実行します。
$ export JAVA_HOME=/usr/lang/JAVA/jre1.6
Windowsシステムの場合:
デスクトップでコンピュータ・アイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
「システム」ウィンドウで、左ペインの「システムの詳細設定」を選択します。
「システムのプロパティ」ウィンドウで「詳細設定」タブを選択し、「環境変数」をクリックします。
「環境変数」ウィンドウで、「ユーザー環境変数」ペインの下にある「新規」をクリックします。
「新しいユーザー変数」ウィンドウで、次の情報を入力します。
変数名: JAVA_HOME
と入力します。
変数値: 有効なJavaインストール(Java 6以上)へのパスを入力します。たとえば、C:\Progra~1\Java\jre1.6.0_20とします。
「OK」をクリックします。
注意:
set JAVA_HOME=C:\Progra~1\Java\jre1.6.0_20 |
ソフトウェアのインストール時に、複数のインストール・ディレクトリを指定するよう求められます。これらのディレクトリについて、ならびにインストールの完了時に格納される内容について理解しておくと役立ちます。次のディレクトリが作成されます。
このディレクトリには、Oracle Unified Directory、Oracle WebLogic ServerおよびOracle Application Development Frameworkがインストールされます。Oracle Directory Services Manager (ODSM)を使用してOracle Unified Directoryを管理する予定である場合、Oracle WebLogic ServerおよびApplication Development Frameworkをインストールする必要があります。
IBM WebSphereをアプリケーション・サーバーとしてApplication Development FrameworkおよびOracle Directory Services Managerとともに使用する場合、ミドルウェア・ホームとして使用するディレクトリを指定します。このディレクトリは、WebSphereインストールの場所とは無関係です。存在しないディレクトリの場所を指定すると、インストーラによってディレクトリが作成されます。
Oracleホームには、特定の製品のホスティングに必要なファイルがインストールされています。バイナリやライブラリなどの、コンポーネントのホストに必要なファイルがOracleホーム・ディレクトリにインストールされます。個々のインスタンスを設定するためのOracle Unified Directoryセットアップ・ファイルが格納されます。また、そのOUD_ORACLE_HOME
に関連付けられたすべてのサーバー・インスタンスに対するデフォルトのスキーマ・ファイルが格納されます。
Oracleホームは、ミドルウェア・ホームのディレクトリ構造の内部にあります。各Oracleホームは、複数のOracleインスタンスやOracle WebLogic Serverドメインと関連付けることができます。
デフォルトのOUD_ORACLE_HOME
ディレクトリはOracle_OUD1
です。
このディレクトリは、「Oracle Middlewareホームの場所」フィールドに入力する場所の下に作成されます。Application Development Frameworkが格納されます。
デフォルト・ディレクトリはoracle_common
です。
WebLogicドメインには、ドメイン内のすべてのリソースを一元的に構成および管理する、管理サーバーという特別なWebLogic Serverインスタンスが含まれます。通常、ドメインは、管理対象サーバーという追加のWebLogic Serverインスタンスを含めるように構成します。Webアプリケーション、EJB、WebサービスなどのJavaコンポーネントおよびその他のリソースを管理対象サーバーにデプロイし、管理サーバーは構成および管理目的にのみ使用します。
ドメインのディレクトリ構造は、WebLogic Serverホームのディレクトリ構造とは別個です。任意の場所に配置でき、ミドルウェア・ホーム・ディレクトリ内に配置する必要はありません。ドメインはOracleインスタンスのピアです。
Oracle Fusion Middleware構成ウィザードは、デフォルトでミドルウェア・ホーム(MW_HOME
)の下のuser_projects
というディレクトリにサブディレクトリとしてドメインを作成します。
IBM WebSphereソフトウェアをインストールする際、このソフトウェアのインストール場所を入力するためのプロンプトが表示されます。このドキュメントでは、この場所をWASホーム、または例の中ではWAS_HOME
としています。
インストール時に指定されるデフォルト値を受け入れると、次のディレクトリ構造にWAS_HOME
がインストールされます。
DISK/IBM/WebSphere/Application Server
Oracle Fusion Middlewareソフトウェアをインストールする予定の場所と同じところに、IBM WebSphereソフトウェア用にWAS_HOME
を作成します。このパスをメモしておきます。Oracle Fusion Middlewareを構成する際、IBM WebSphereディレクトリの場所を特定するように求められます。
単一のホストにインストールされた、すべてのデフォルト値を使用するOracle Unified Directoryのディレクトリ構造は次のとおりです。
install-dir MW_HOME coherence_3.7 domain-registry.xml logs modules ocm.rsp Oracle_OUD1 oracle_common registry.dat registry.xml user_projects utils wlserver_10.3
注意:
これには、システム上の任意のディレクトリを指定できます。このディレクトリは、製品のインストール前は空です。 |