ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity and Access Management高可用性ガイド
11gリリース2 (11.1.2.2)
B69538-05
  目次へ移動
目次

前
 
次
 

11 Mobile and Socialの高可用性の構成

この章では、Oracle Access Management Mobile and Socialの高可用性フレームワークについて説明します。内容は次のとおりです。

11.1 Oracle Access Management Mobile and Socialコンポーネント・アーキテクチャ

Oracle Access Management Mobile and Social (Mobile and Social)は、既存のIdentity Managementインフラストラクチャをモバイルおよびソーシャル・ネットワークに接続する軽量のセキュリティおよびアイデンティティ・ソリューションです。Mobile and Socialを使用することで、制御されたビューを外側の世界に安全に公開できます。Mobile and Socialでは、ソーシャル・メディアのユーザー・アイデンティティを管理されたエンタープライズ内のエンタープライズ・アプリケーションおよびポータルで使用するためのメカニズムが提供されています。Mobile and Socialは、OAMおよびIGFを含む既存のIDM製品と統合されます。Mobile and Socialの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Access Management管理者ガイド』のOracle Access Management Mobile and Socialに関する説明を参照してください。

図11-1は、Mobile and Socialコンポーネントのアーキテクチャを示しています。

図11-1 Mobile and Socialコンポーネント・アーキテクチャ

OIC非高可用性アーキテクチャ
「図11-1 Mobile and Socialコンポーネント・アーキテクチャ」の説明

Oracle Access Management Mobile and Socialサービスは、保護されているリソースへのアクセスを必要とするユーザーと、リソースを保護するバックエンドのアクセス管理サービスおよびアイデンティティ管理サービスの間の橋渡しの役割を果たします。Mobile and Socialには簡易なクライアント・ライブラリが用意されており、開発者はこれを使用して、機能豊富な認証、認可およびアイデンティティ機能を登録済アプリケーションに簡単に追加できます。バックエンドのMobile and Socialサーバーのプラガブルなアーキテクチャにより、システム管理者は、ユーザーがインストールしたソフトウェアをアップデートしなくても、アイデンティティ管理サービスおよびアクセス管理サービスを追加、変更および削除することができます。

11.1.1 セッションの状態情報

モバイル・サービス・コンポーネントでは、セッション情報は記録されません。インターネット・アイデンティティ・サービスでは、短期間のトークンがメモリーに保持され、期限が切れると破棄されます。

11.1.2 コンポーネントのライフサイクル

Mobile and Socialは、Access Suite J2EEアプリケーション内のコンポーネントです。Mobile and SocialはAccess Suiteの一部としてデプロイおよび構成されるため、インストール、構成、サーバー・インスタンスはAccess Suiteと関連付けられます。

モバイル・サービスおよびインターネット・アイデンティティ・サービスの一部として、Mobile and Socialでは、クライアントで起動するHTTPインタフェースを提供しています。Mobile and Socialは、リクエストを処理してレスポンスを返しますが、クライアントはこれを使用して追加のリクエストを行う場合があります。Mobile and Socialはステートレスであり、クライアントから個別に送信されたすべてのリクエストを処理できます。Mobile and Socialでは、OAMなどの製品や、ソーシャル・ネットワーク認証およびディレクトリ・サーバーを使用したユーザー・プロファイル・サービスを使用した、モバイル・デバイスの登録サービスおよびユーザー認証サービスが提供されます。

Mobile and Socialは、Access Suiteサーバーの起動の一部として起動されます。MBeanサーバーは、Mobile and Socialの構成をロードします。

11.1.3 コンポーネントの構成アーティファクト

管理コンソールまたはWLSTコマンドを使用して、構成ファイルを編集します。表11-1に、Mobile and Socialの構成ファイルとその場所を示します。

表11-1 Mobile and Socialコンポーネントの構成ファイル

ファイル 場所

Idaas.xml

<DOMAIN_HOME>/config/fmwconfig

oic_rp.xml

<DOMAIN_HOME>/config/fmwconfig


11.1.4 Mobile and Socialデプロイメント・アーティファクト

A Mobile and Socialインストールでは、次のコンポーネントがoam-server.earの一部としてデプロイされます。

  • oic_rest.war

  • oic_rp.war

表11-2に、Mobile and Socialサービスのデプロイメントの場所を示します。

表11-2 Mobile and Social製品のデプロイメントの場所

Mobile and Social製品 デプロイメントの場所

管理サーバー

管理サーバーのユーザー・インタフェースは、OAM Adminの.ear (oam-admin.ear)の一部としてデプロイされます。

管理対象サーバー、RESTおよびインターネット・アイデンティティ・サービスのランタイム

OAMサーバーの.earファイル(oam-server.ear)の一部としてデプロイされます。


11.2 Mobile and Socialコンポーネントの特性

Mobile and Socialサービスは、モバイル・サービスとインターネット・アイデンティティ・サービスの2つのサブコンポーネントで構成されます。モバイル・サービスでは、認証、ユーザー・プロファイルおよび認可サービス用にRepresentational State Transfer (REST)インタフェースが提供されます。インターネット・アイデンティティ・サービスでは、ソーシャル・ネットワーク認証との統合が提供されます。

Mobile and Socialの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Access Management管理者ガイド』のモバイル・サービスの概要に関する説明を参照してください。

11.3 Mobile and Socialの高可用性の概要

この項では、Mobile and Socialの高可用性アーキテクチャおよびその要素について説明します。内容は次のとおりです。

11.3.1 Mobile and Socialの高可用性アーキテクチャ

図11-1は、アクティブ/アクティブ構成で高可用性アーキテクチャにデプロイされたMobile and Socialを示しています。

図11-2 Mobile and Socialの高可用性アーキテクチャ

図11-2の説明が続きます
「図11-2 Mobile and Socialの高可用性アーキテクチャ」の説明

図11-2は、複数インスタンスのデプロイメントをサポートする標準的なクライアント・サーバー・アーキテクチャを示しています。ほとんどの場合、リクエストはステートレスで、永続性は必要ありません。Mobile and Socialサービスは、OAM/OIDなどの他の製品に依存しており、それらに独自の高可用性機能がある場合があります。状態が保持される場合(インターネット・アイデンティティ認証リクエスト)、高可用性はスティッキーなロード・バランシングを介して実現されます。

セッションのデータベース永続性やランタイム・データがないため、リクエストはどのサーバーにも送信されることができます。ロード・バランサは、Round Robinなどのポリシー・セットに基づいて、リクエストをMobile and Socialサービス1または2に返します。

アプリケーションでインターネット・アイデンティティ・サービスが起動されると、リクエストを処理するために、Google、Facebookまたはインターネット・アイデンティティ・プロバイダに制御が移ります。アイデンティティ・プロバイダからレスポンスが返されるときは、そのリクエストを開始した同じサーバーにレスポンスが返される必要があります。複数のMobile and Socialノード・デプロイメントがあり、アクセスがロード・バランサを介して行われる場合は、Mobile and Socialへのリクエストは、ロード・バランサのスティッキー・セッション機能を使用して同じサーバーに固定される必要があります。IDPへのリクエストを開始したMobile and SocialがIDPレスポンスを受信した後に、Mobile and Socialは、そのリクエストに対してさらに処理を行うことができます。

Mobile and Socialアプリケーションは、クラスタ内のすべてのメンバーにデプロイされます。クラスタでのデプロイ成功時に、Mobile and Socialアプリケーションは他のクラスタ・メンバーに通知はしません。

11.3.2 Mobile and Socialの高可用性とノードのフェイルオーバー

この項では、ノード障害からの保護を提供するMobile and Socialアーキテクチャの要素について説明します。

ノード・フェイルオーバーが発生した場合、Mobile and Socialは、WebLogic Serverの標準のフェイルオーバー手順に従うことに注意してください。クライアントから受信したリクエストをMobile and Socialで完了する前にノード障害が発生した場合、クライアントは、HTTP接続タイムアウトを介してエラーを受信します。

この項には次のトピックが含まれます:

11.3.2.1 ロード・バランシングの要件および特性

Mobile and Socialコンポーネントは、WebLogic Server 10.3にデプロイされる標準のJ2EEアプリケーションで、ロード・バランシング向けの標準に準拠しています。次の点に注意してください。

  • Mobile and Social/RPのリクエストではスティッキーなセッション・ルーティングを使用する必要がありますが、外部ロード・バンランサはサポートされています。

  • コンポーネント間のロード・バランシングはありません。

  • 永続接続がないため、タイムアウト要件はありません。

11.3.2.2 セッション状態レプリケーションとフェイルオーバー

Mobile and Socialの高可用性アーキテクチャは、フェイルオーバー要件についてはWebLogic Serverの標準のクラスタ・サポートに依存します。このアーキテクチャでは、セッション状態はレプリケートされません。

11.3.2.3 クライアント・アプリケーションの起動

Mobile and Socialインスタンスの起動時に、動作中のシステムの状態には影響しません。Mobile and Socialインスタンスは、WebLogic Serverのクラスタ化のシナリオに参加する場合を除いて、他の動作中のコンポーネントやクラスタ・メンバーには影響しません。

11.3.2.3.1 障害検出と再起動

障害検出およびコンポーネントの再起動に、Java EEコンポーネントのノード・マネージャおよびシステム・コンポーネントのOPMNを使用します。

11.4 Mobile and Socialの高可用性の構成

Mobile and Socialは、Oracle Access Managerと同一の管理対象サーバーの一部です。

Mobile and Socialは個別に、あるいはOAM、STSおよびIdentity Federationなどの別のコンポーネントとともにデプロイできます。

次のMobile and Social構成の前提条件に注意してください。