Oracle® Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス 11gリリース2 (11.1.2.2.0) B71704-04 |
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診断フレームワークによって、クリティカル・エラーについて関連する診断を適時に捕捉できます。診断は、詳細に分析するためにOracleサポートに送信できます。診断フレームワークのコマンドを使用して、インシデントを生成し、既存のインシデントを問い合せ、個別の診断ダンプを実行して特定の診断データを収集します。
診断フレームワークの使用方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware管理者ガイドの問題の診断に関する項を参照してください。
注意: これらの診断フレームワーク・カスタムWLSTコマンドを使用するには、Oracle共通ホームからWLSTスクリプトを起動する必要があります。Oracle Fusion Middleware管理者ガイドのカスタムWLSTコマンドの使用に関する項を参照してください。 |
表15-1は、診断フレームワークのコマンドの様々なカテゴリを示しています。
表15-2のコマンドを使用して、問題およびインシデントを表示し、インシデントを作成します。
表15-2 インシデント・コマンド
このコマンドを使用します... | 次を行うには... | WLSTの使用... |
---|---|---|
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診断インシデントを作成します。 |
オンライン |
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指定したインシデント・ファイルの内容を取得します。 |
オンライン |
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一連のADRホームのパスを一覧表示します。 |
オンライン |
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一連の診断インシデントを一覧表示します。 |
オンライン |
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一連の診断問題を一覧表示します。 |
オンライン |
|
指定したインシデントの詳細を表示します。 |
オンライン |
WLSTでの使用: オンライン
createIncident([adrHome] [,incidentTime] [,messageId] [,ecid] [,appName] [,description] [,server])
引数 | 定義 |
---|---|
adrHome
|
インシデントを作成するADRホームのパス。ADRホームが存在している必要があります。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームが使用されます。 デフォルトADRホームは次の場所です。 ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name |
incidentTime
|
インシデントが発生した時点のタイムスタンプ。これが指定されていない場合、現在の時刻が使用されます。次のものを指定できます。
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messageId
|
エラー・メッセージのID。たとえば、MDS-50400です。 |
ecid
|
エラー・メッセージの実行コンテキストID。 |
appNname
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診断を収集する対象となるデプロイされたアプリケーションの名前。 たとえば、複数のADFアプリケーションをデプロイした場合、それぞれがadf.dumpというダンプを登録することがあります。このコマンドを特定のアプリケーションに対して実行するには、そのアプリケーション名を指定する必要があります。 |
description
|
インシデントと関連付ける説明テキスト。これは、後でインシデントを確認する場合に便利です。 |
server
|
情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。 |
WLSTでの使用: オンライン
getIncidentFile(id, name [,outputFile] [,adrHome] [,server])
引数 | 定義 |
---|---|
id
|
取得するインシデントのID。 |
name
|
取得するファイルの名前。ファイルの名前を見つけるには、showIncident コマンドを使用します。 |
outputFile
|
出力の書き込み先となるファイルの名前。 |
adrHome
|
情報の取得元となるADRホームのパス。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームに問い合されます。 デフォルトADRホームは次の場所です。 ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name |
server
|
情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。 |
WLSTでの使用: オンライン
listIncidents([id] [, adrHome] [,server])
引数 | 定義 |
---|---|
id
|
一連の診断インシデントを一覧表示する問題のID。 |
adrHome
|
インシデントを問い合せるADRホームのパス。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームに問い合されます。 デフォルトADRホームは次の場所です。 ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name |
server
|
情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。 |
WLSTでの使用: オンライン
listProblems([adrHome][,server])
引数 | 定義 |
---|---|
adrHome
|
問題を問い合せるADRホームのパス。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームに問い合されます。 デフォルトADRホームは次の場所です。 ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name |
server
|
情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。 |
WLSTでの使用: オンライン
showIncident(id, [adrHome][, server])
引数 | 定義 |
---|---|
id
|
表示するインシデントのID。 |
adrHome
|
インシデントを問い合せるADRホームのパス。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームに問い合されます。 デフォルトADRホームは次の場所です。 ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name |
server
|
情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。 |
次の例では、IDが10のインシデントに関する情報を表示します。
showIncident(id="10")
Incident Id: 10
Problem Id: 1
Problem Key: MDS-50300 [WLS_Spaces] [oracle.mds.repos]
Incident Time: 25th March 2010 10:12:15 GMT
Error Message Id: MDS-50300
Execution Context: 0000ICK4rbYC8xT6uBf9EH1AX1qF000000
Flood Controlled: false
Dump Files :
dms_ecidctx1_i1.dmp
jvm_threads2_i1.dmp
dms_metrics3_i1.dmp
odl_logs4_i1.dmp
diagnostic_image_AdminServer_2010_03_25_11_12_15.zip
readme.txt
表15-3のコマンドを使用して、ダンプに関する情報を表示し、ダンプを実行します。
表15-3 診断ダンプ・コマンド
このコマンドを使用します... | 次を行うには... | WLSTの使用... |
---|---|---|
|
指定した診断ダンプの説明を表示します。 |
オンライン |
|
指定した診断ダンプを実行します。 |
オンライン |
|
実行できる一連の診断ダンプを表示します。 |
オンライン |
WLSTでの使用: オンライン
describeDump(name [,appName] [.server])
引数 | 定義 |
---|---|
name
|
情報を表示するダンプの名前。 |
appName
|
情報を収集するデプロイされたアプリケーションの名前。 たとえば、複数のADFアプリケーションをデプロイした場合、それぞれがadf.dumpというダンプを登録することがあります。このコマンドを特定のアプリケーションに対して実行するには、そのアプリケーション名を指定する必要があります。 |
server
|
情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。 |
次の例では、odl.logsという名前のダンプに関する情報を表示します。listDumpsコマンドを使用して、使用可能なダンプのリストを取得します。
describeDump(name="odl.logs")
Name: odl.logs
Description: Dumps recent ODL logs, or logs correlated by ECID
Manadatory Arguments:
Optional Arguments:
Name Type Description
ECID String Execution Context Id to correlate log entries with
timestamp String Timestamp to query logs 5 minutes before/after
WLSTでの使用: オンライン
executeDump(name [,args] [,outputFile] [,id] [,adrHome] [,server])
引数 | 定義 |
---|---|
name
|
実行する診断ダンプの名前。 |
args
|
ダンプに渡す必須またはオプションの引数。 |
outputFile
|
ダンプの書き込み先となるファイルの名前。この引数を指定しない場合、出力はコンソールに書き込まれます。 |
id
|
ダンプを関連付けるインシデントのID。デフォルトでは、指定したダンプはインシデントと関連付けされません。 |
adrHome
|
インシデントが含まれているADRホーム。この引数を指定しない場合、デフォルトADRホームが使用されます。 デフォルトADRホームは次の場所です。 ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name |
server
|
情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。 |
argsキーワードを使用して、必須またはオプションの引数を指定できます。例:
executeDump(name="java.sysprops", args={"prop" : "os.name"})
次の例では、jvm.threadsという名前のダンプを実行し、それをdumpout.txtファイルに書き込みます。
executeDump(name="jvm.threads", outputFile="/tmp/dumpout.txt")
Diagnostic dump jvm.threads output written to /tmp/dumpoutput.txt
次の例では、jvm.threadsという名前で、インシデントIDが33のダンプを実行し、それをdumpout.txtファイルに書き込みます。
executeDump(name="jvm.threads", outputFile="/tmp/dumpout.txt", id="33")
Diagnostic dump jvm.threads output associated with incident 33 in ADR Home diag/ofm/base_domain/AdminServer
次の例では、引数prop
を値os.name
に設定してダンプを実行します。
executeDump(name="java.sysprops", args={"prop" : "os.name"})
WLSTでの使用: オンライン
listDumps([appName] [,server])
引数 | 定義 |
---|---|
appName
|
診断を収集する対象となるデプロイされたアプリケーションの名前。 たとえば、複数のADFアプリケーションをデプロイした場合、それぞれがadf.dumpというダンプを登録することがあります。このコマンドを特定のアプリケーションに対して実行するには、そのアプリケーション名を指定する必要があります。 この引数を指定した場合、指定されたアプリケーションのダンプが返されます。この引数を指定しない場合、システム・ダンプが返されます。 |
server
|
情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。 |