この章では、Oracle Big Data Applianceの自動サービス・リクエストをインストールおよび構成する方法について説明します。この章の内容は次のとおりです。
自動サービス・リクエスト(ASR)は、特定のOracle Big Data Applianceハードウェア障害が発生したときに自動的にサービス・リクエストをオープンするように設計されています。ASRは、ディスク、ファン、電源などの最も一般的なサーバー・コンポーネントで障害を検出し、障害の発生時に自動的にサービス・リクエストをオープンします。ASRは、サーバー・コンポーネントのみを監視するため、発生する可能性のあるすべての障害を検出するわけではありません。
ASRは、カスタマ・データ・センター内のSMTPやSNMPアラートなどの他の監視メカニズムを代替する機能ではありません。これは、交換ハードウェアの配送を迅速かつ簡単に行うための補完メカニズムです。ASRは、優先度の高いシステムの停止イベントに対しては使用しないでください。優先度の高いイベントについては、Oracleサポート・サービスに直接連絡してください。
ASRがハードウェア問題を検出すると、ASRマネージャは、Oracleサポート・サービスにサービス・リクエストを送信します。多くの場合、Oracleサポート・サービスは、管理者が問題の存在に気付く前に、問題の解決作業を開始できます。
My Oracle Supportの電子メール・アカウントとOracle Big Data Applianceの技術サポートの両方に電子メール・メッセージが送信され、サービス・リクエストの作成が通知されます。
サービス・リクエストは、一部の状況では自動的に送信されないことがあります。これは、SNMPプロトコルの信頼性が低かったり、ASRマネージャとの接続が失われるために発生します。ユーザーは、システム障害を継続的に監視し、サービス・リクエストが自動的に送信されたという通知を受信できない場合は、Oracleサポート・サービスに連絡することをお薦めします。
関連項目: Oracle自動サービス・リクエストのWebページ
Oracle自動サービス・リクエストのユーザー・ドキュメント
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ASRをインストールする前に、次の前提条件を満たすようにします。
http://support.oracle.com
でMy Oracle Supportアカウントを作成します。
次の項目が正しく設定されていることを確認します。
Oracle Premier Support for Systems、Oracle Premier Support for Operating SystemsまたはOracle Limited Warranty
Oracle Big Data Applianceを担当するカスタマ・サイトの技術サポート担当者
Oracle Big Data Applianceの部品を配送するカスタマ・サイトの有効な出荷先住所
ASRマネージャをホストするシステムを識別して指定します。
ASRマネージャは、HTTPSまたはHTTPSプロキシを使用してOracle Big Data Applianceおよびアウトバウンド・インターネットに接続するサーバーにインストールする必要があります。サービス・リクエスト(SR)を送信するには、サーバーでインターネットにアクセスできる必要があります。
ASRマネージャは、通常の操作では次のポートを使用します。Oracle Big Data ApplianceとASRマネージャのサーバー・ポートが開いていることを確認します。
Oracle Big Data Applianceのすべてのサーバーは、HTTPベース・アセットのアクティブ化リクエストをASRマネージャから受信するために、ポート6481が開かれている必要があります。
ASRマネージャを実行しているサーバーは、Oracle Big Data Applianceのサーバーが送信するSNMPベースのテレメトリ・メッセージを受信するために、ポート162が開かれている必要があります。
Oracleのtransport.oracle.com
Webサーバーは、ASRマネージャが送信するHTTPSベースのテレメトリ・メッセージを受信するために、ポート443が開かれています。
ポートの位置については、図5-1を参照してください。
指定したシステムは、「Hardware and Network Configuration Recommendations for ASR」に準拠している必要があります。次のOracle ASRのWebサイトを参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/systems/asr/overview/hardware-recommendations-330108.html
Java Development Kit 6 (JDK 1.6.0_04以上)が、指定したASRマネージャ・システムで実行されていることを確認します。
java -version
必要に応じて、最新バージョンのJDKをJava SEのダウンロードWebサイトからダウンロードしてインストールします。
http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html
指定したASRマネージャ・ホストに対するroot
アクセスを取得します。
Oracle Big Data Applianceに対する接続を識別して確認します。
HTTPSを使用したインターネットに対する接続を確認します。
図5-1に、ASRとOracle Big Data Applianceとの間のネットワーク接続を示します。
ASRマネージャをインストールするには、My Oracle Support ID 1185493.1からバージョン3.6以上をダウンロードします。次の場所にあるOracle Auto Service Requestインストレーションおよびオペレーション・ガイドの手順に従います。
http://www.oracle.com/technetwork/systems/asr/documentation/index.html
ASRマネージャに次のチェックを実行して、適切にインストールされていることを確認します。
root
ユーザーとして、ASRインストーラによって3つのCRONジョブが作成されたことを確認します。
crontab -l
asr report
: 月に1回、日曜日に設定します。
asr heartbeat
: 1日2回か、少なくとも1日1回に設定します。
asr update_rules.sh
: デフォルトで1日1回に設定します。
ASRマネージャ3.5以上が実行されていることを確認します。
asr show_rules_version
登録ステータスを確認します。
asr show_reg_status
トランスポート・サーバーにテスト・メッセージを送信して接続をテストします。
asr test_connection
ASRは、Oracle Big Data Applianceのオプションのソフトウェア・コンポーネントです。Oracle Big Data Appliance構成生成ユーティリティでソフトウェアを構成する際には、ASRに関するページを完了する必要があります。ソフトウェアのインストール時、Oracle Big Data Appliance Mammothによって、コンポーネントのフォルト・インジケータをトラップするためにサーバーが構成されます。「Mammothインストールのステップ」を参照してください。
ASRに対するサポートを追加または削除するために、いつでもアプライアンスを再構成できます。「オプション・ソフトウェアの構成の変更」を参照してください。
ASRマネージャで、ASRがアクティブ化されていることを確認します。
asr list_asset -i asset_ip
前のコマンドで、asset_ipはサーバーまたはOracle ILOMのIPアドレスです。すべてのアセットをリストするには、次のコマンドを入力します。
asr list_asset
次に、出力の例を示します。各サーバーにホスト名とOracle ILOM名が表示されます。アクティブ化の合計数は12、24または36です。表示されている数がそれよりも少ない場合は、抜けている部分を特定してアクティブ化します。サーバー名がbda1node15で、Oracle ILOM名がbda1node15-cの場合の例を示します。
ADDRESS HOST_NAME SERIAL_NUMBER ASR PRODUCT_NAME ------------- -------------- ----------- -------- -------------------------- 203.0.114.44 bda1node15 1143FMM023 Enabled SUN FIRE X4270 M2 SERVER 203.0.115.139 bda1node15-c 1143FMM073 Enabled SUN FIRE X4270 M2 SERVER 203.0.114.45 bda1node16 1143FMM021 Enabled SUN FIRE X4270 M2 SERVER 203.0.115.140 bda1node16-c 1143FMM063 Enabled SUN FIRE X4270 M2 SERVER 203.0.114.46 bda1node17 1143FMM021 Enabled SUN FIRE X4270 M2 SERVER 203.0.115.141 bda1node17-c 1143FMM46B Enabled SUN FIRE X4270 M2 SERVER
アセットがリストされない場合、Oracle Big Data ApplianceでASRが構成されていることを確認します。第1サーバーにログインし、次のコマンドを入力します。
# cat /opt/oracle/BDAMammoth/mammoth-rack_name.params | grep ASR
次の出力は、ASRが構成されていないことを示しています。
ASR_ENABLED=false SETUP_ASR_SERVER=false ASR_HOST= ASR_PORT=162 ASR_SERVER_PWD=
ASRを構成するには、「オプション・ソフトウェアの構成の変更」を参照してください。
注意: IPアドレスまたはホスト名が変更された場合、アセットを非アクティブ化して再アクティブ化する必要があります。 |
ASRインストールを検証するには、テスト・イベントを生成します。
Oracle ILOMでテスト・イベントを設定するには、次の手順を実行します。
Oracle Big Data Applianceの任意のサーバーのOracle ILOMにログインします。
次のディレクトリに移動します。
-> cd /SP/alertmgmt/rules/3
次のコマンドを入力します。
-> show
次の情報が表示されます。
/SP/alertmgmt/rules/3 Targets: Properties: type = snmptrap level = disable destination = 0.0.0.0 destination_port = 0 community_or_username = public snmp_version = 1 testrule = (Cannot show property) Commands: cd set show
プロパティに有効な値が存在し、ステップ3で示されたような空白や0(ゼロ)に設定されていないことを確認します。サイトにとって適切なIPアドレスおよびポートを使用してください。
-> set testrule=true
イベントに関する電子メールを受信します。Oracle Big Data Applianceのカスタマ・サポートID (CSI)にリストされているアドレスに電子メールが送信されたことも確認します。
オペレーティング・システム環境でテストを設定するには、次の手順を実行します。
Oracle Big Data Applianceの任意のサーバーにログインします。
次のコマンドを入力してオペレーティング・システムを検証します。
# ./opt/oracle/bda/compmon/bda_mon_hw_asr.pl -validate_snmp_subscriber -type asr
サンプル出力は、ASRマネージャのアドレスとして10.10.10.123:162を示しています。
Sending test trap to destination - 10.10.10.123:162
イベントに関する電子メールが、自分宛に送信されたことと、Oracle Big Data Applianceのカスタマ・サポートID (CSI)にリストされているアドレスに送信されたことを確認します。
このテスト・イベントでは、ケースはオープンされませんが、ASRバックエンドで検証可能なエントリが作成されます。
前のテストの両方(Oracle ILOMとオペレーティング・システム環境)で電子メールを受信したら、検証は完了です。そうでない場合、「ASRのトラブルシューティング」に進みます。
電子メールに契約上の問題が存在すると記載されている場合、インストール・コーディネータに連絡して指示を受けてください。
ASRソフトウェアのトラブルシューティング手順は、次の場所にあるOracle ASRインストレーションおよびオペレーション・ガイドの第5章を参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/systems/asr/documentation/index.html
問題が継続する場合、ASRサポートに連絡してください。My Oracle Supportノート1352349.1を参照してください。