リファレンス・ガイド

     前  次    新規ウィンドウで目次を開く    PDFとして表示 - 新規ウィンドウ  Adobe Readerを入手 - 新規ウィンドウ
コンテンツはここから始まります

CICSランタイム・サーバー・ビルド・ツール

 


概要

説明

CICSランタイム・サーバー・ビルド・ツールは、1つ以上のOracle ART CICSサーバー・ロード・モジュールを構築します。サポートされているサーバーでこのビルド・ツールにより構築できるものはすべて、表13-1に示されています。サーバー名の一連の接頭辞により、Oracle Tuxedo Application Runtime for CICSでは、ユーザーがこれらの接頭辞で始まるサーバー名をカスタマイズできるようになりました。アスタリスク(*)文字は、ゼロまたは複数の文字と置換できるワイルドカード文字です。各接頭辞は、表13-1に示すように、特殊な機能を持つ1つのクラスのサーバーを表します。たとえば、ARTSTRN_UDBという名前のサーバーを構築できます。

表13-1 CICSサーバー・ビルド・ツールで構築する必要があるサーバー
サーバー名
説明
ARTSTR1*
ARTSTRN*
これらのサーバーのタスクは、アプリケーション・トランザクションを提供し、それぞれに対応するプログラムを処理することです。
ARTTSQ*
これらのサーバーの役割は、アプリケーションによりリクエストされるTSキュー操作の管理を集中化することです。
ARTDPL*
ARTDPLサーバーは、EXEC CICS LINKがサービスとして呼び出せるプログラムを公開し、これらのサービスの実行を管理します。
ARTATR1*
ARTATRN*
これらのサーバーは、ASYNC_{Transaction_Name}という名前のサービスとしてEXEC CICS START TRANSIDが呼び出せるトランザクションを公開し、これらのサービスの実行を管理します。
ARTCTR1*
ARTCTRN*
これらのサーバーは、{SysId}_{Transaction_Name}という名前のサービスとしてEXEC CICS CONVERSEが呼び出せるトランザクションを公開し、これらのサービスの実行を管理します。
ARTWTR1*
ARTWTRN*
同期(非対話型)非3270クライアント用のCICSランタイム・アプリケーション・サーバー。

管理

このツールを正しく機能させるには、表13-2に示すように、いくつかの環境変数を最初に設定する必要があります。

表13-2 必須環境変数
変数名
説明
TUXDIR
必須。
Tuxedoのインストール・ディレクトリ。設定されていない場合、エラー・メッセージが表示されてツールは停止します。
KIXDIR
必須。
ART CICS Runtimeのインストール・ディレクトリ。<ART_INSTALL_DIR>/Cics_RTです。設定されていない場合、エラー・メッセージが表示されてツールは停止します。
さらに、buildartcicを実行できるように、$KIXDIR/bin$PATHに含める必要があります。
COBDIR | COBOLITDIR
必須。
COBOLコンパイラのインストール・ディレクトリ(Micro Focus COBOLの場合はCOBDIR、COBOL-ITの場合はCOBOLITDIR)。環境で設定できるのは1つのみ。両方とも存在しないか、あるいは両方とも存在する場合、ツールはエラー・メッセージが表示されて停止します。
DB2DIR | ORACLE_HOME
一部の状況では必須。
他の場合はオプション。
データベースのインストール・ディレクトリ(UDBの場合はDB2DIRで、-r UDB_XA*が指定されていれば必須です。Oracleの場合はORACLE_HOMEで、-r Oracle_XA*が指定されていれば必須です)。
必要なときにどちらも存在しない場合、エラー・メッセージが表示されてツールは停止します。
MT_DB_LOGIN
UDBデータベースで構築されたARTTSQ*サーバーの場合は必須。
他の場合はオプション。
DB2データベース用の接続パラメタが次の書式で使用されます。
db2 connect to […]
一般的な構文: パスワードを使用するdb別名ユーザーのユーザー名
DB2INSTANCE
UDBデータベースで構築されたARTTSQ*サーバーの場合は必須。
他の場合はオプション。
現在のDBインスタンスを指定します。
MQM
オプション。
WebSphere MQのインストール・ディレクトリを表します。設定しない場合、AIXプラットフォームでは/usr/mqm、LinuxおよびSolarisプラットフォームでは/opt/mqmと同じです。

注:

 


buildartcics

複数のRMをサポートしないARTTSQを除き、すべてのサーバーは、このツールの次の概要により構築できます。ARTTSQの構築時に-Mが指定されている場合、警告メッセージが表示され、最初の-rのみが、リソース・マネージャとみなされます。

名前

buildartcics – 1つ以上のOracle ART CICSサーバーのロード・モジュールを構築します。

形式

buildartcics [-v] [-n] [-M] [-r rmname] [-f firstfiles] [-l lastfiles] – o svrname

説明

buildartcicsは、1つ以上のOracle ART CICSサーバーのロード・モジュールの構築に使用されます。このコマンドにより、指定したART CICSサーバーを構築するためのbuildserverを呼び出します。

-v

buildartcicsを冗長モードで動作させます。特に、コンパイル・コマンドをその標準出力に書き出します。

-n

Oracle ART CICSサーバーARTATRN/1およびARTDPLに対し非XAがサポートされます。ARTATRN/1またはARTDPLを再構築する際、非XAサポートが必要な場合はこのオプションを指定します。OracleおよびDB2の両データベースで非XAローカル・トランザクション最適化がサポートされます。詳細は、「ARTKIX_XA_DISABLE」を参照してください。

-M

このサーバーに関連付ける複数のリソース・マネージャを指定します。サービスを複数のXA準拠のリソース・マネージャと関連付ける場合、このオプションは必須です。このオプションを指定せずにサーバーを起動しようとすると、使用する構成ファイルで、複数リソース・マネージャ以外のサーバー・グループにこのサーバーが指定されているため、警告メッセージがユーザー・ログに出力されます。さらに、buildserverコマンドを実行するときに-rオプションを指定していると、サーバーは、1つのリソース・マネージャと関連付けられた一般サーバーに戻ります。

-r rmname

このサーバーのリソース・マネージャを指定します。-Mが使用されている場合、複数の-r rmnameを指定できます。rmnameの値は、$TUXDIR/udataobj/RMにあるリソース・マネージャの表のものであることが必要です。

-f firstfiles

-fオプションは、buildserverコマンドに渡されます。buildserverのコンパイルおよびリンクの編集フェーズの最初に、Oracle Tuxedo ATMIライブラリより前に取り込む1つまたは複数のユーザー・ファイルを指定します。複数のファイルを指定する場合、空白を使用してファイル名を区切り、リスト全体を引用符で囲みます(リスト4を参照してください)。このオプションは複数回指定できます。詳細は、Oracle Tuxedoのドキュメントbuildserver(1)に関する項を参照してください。

-l lastfiles

-lオプションは、buildserverコマンドに渡されます。buildserverのコンパイルおよびリンクの編集フェーズの最後で、Oracle Tuxedo ATMIライブラリの後に取り込む1つまたは複数のユーザー・ファイルを指定します。複数のファイルを指定する場合、空白を使用してファイル名を区切り、リスト全体を引用符で囲みます(リスト4を参照してください)。このオプションは複数回指定できます。詳細は、Oracle Tuxedoのドキュメントbuildserver(1)に関する項を参照してください。

-o svrname

ロードするサーバーの名前を指定します。このオプションは必須です。svrnameが「/」文字のない単独型のファイル名である場合、サーバーはデフォルトでは$KIXDIR/bin に生成されます。
注: 現在、サポートされているリソース・マネージャには、Oracle_XA*UDB_XA*BERKELEY-DB*およびMQSeries_XA_RMI*があります。したがって、rmnameでは、これら4つの文字列のうち1つを接頭辞として使用する必要があります。
注: 特に、ARTTSQ*サーバーの場合、OracleでRMのみが提供されているか、DB2 UDBがサポートされています。ARTTSQ*サーバーの構築時にその他のRMが指定されている場合、TSQデータは正しく格納されない可能性があります。ARTTSQ*サーバーをTMS_UDB RMで構築するには、表TS_Q_CONTENTがDB2データベースに存在することを確認してください。この表が存在しない場合は、$KIXDIR/tools/crtstable_UDBを実行すれば作成できます。

リスト3 例1
buildartcics - M - r Oracle_XA - r BERKELEY-DB - o ARTSTRN
リスト4 例2
buildartcics -r Oracle_XA -o ./ARTSTRN -f "-lkix" -f "-lkixc" -l "-lc -lnsl -ldl -lm"

  先頭に戻る       前  次