Oracle Tuxedoアプリケーション実行時の管理
Oracle Tuxedoの診断ツールについて
ここでは、以下の内容について説明します。
概要
診断ツールは、Tuxedoコマンドです。これは、特に本番環境でしか再現できない問題をシステム管理者が分析する場合に、Tuxedoの実行時情報を収集するための便利な方法です。
インストール要件
診断ツールを使用するには、プラットフォームに応じて次の表のコマンドをインストールし、環境変数PATH
に設定します。
表10-1 インストール要件
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cp、file、gdb、gstack、ldd、lsb_release、ps、rm、strace、which
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cp、dbx、dirname、file、ldd、ps、psig、pstack、rm、showrev、truss、uname、which
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cp、dbx、dirname、file、ldd、ps、psig、pstack、rm、showrev、truss、uname、which
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cp、dbx、dirname、file、instfix、ldd、oslevel、procstack、ps、rm、truss、uname、which、grep
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cp、dirname、file、gdb、ldd、lstrace、ps、pstack、rm、uname、which、ldd、gdb、pstack、uname、swlist
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DUMPBIN.exe、cbd.exe、systeminfo.exe、windbg.exe
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診断ツールの使用
診断ツールは、TUXDIR/bin
にあるdiagnosetool
という名前のTuxedoコマンドです。
環境変数の設定
診断ツールを使用する前に、diagnoseToolEnvFile
ファイルに次の環境変数を手動で入力し、これをTUXDIR/bin
ディレクトリに配置します。
TUXDIR=<Tuxedo環境変数TUXDIRの値>
APPDIR=<Tuxedo環境変数APPDIRの値>
ターゲットの管理対象ノード上のTuxedoアプリケーションの絶対パス名
TUXCONFIG=<Tuxedo環境変数TUXCONFIGの値>
ターゲットの管理対象ノード上の
TUXCONFIG
ファイルの絶対パス名
BDMCIBFUG=<Tuxedo環境変数BDMCONFIGの値>
ターゲットの管理対象ノード上の
BDMCOBFIG
ファイルの絶対パス名
DIAGNOSEROOTDIR=<環境変数DIAGNOSEROOTDIRの値>
注意: |
構成は少なくとも1回実行する必要があります。すべての環境変数が必須です。構成の変更は、diagnoseToolEnvFile で手動で更新します。 |
実行時情報の取得
- Unixプラットフォームの場合
- Windowsプラットフォームの場合
診断ツール・オプション
type <error|crash|hang>
ツールを使用する前に、適切なbugのタイプを指定します。
-
type error
: プログラム論理エラー
-
type crash
: サーバー/クライアントのクラッシュ
-
type hang
: プロセスのハング
tmtrace
TMTRACE
をオンにして、対応する
ULOG
ファイルを収集します。
aduitlog
問題がTuxedoドメインに関係する場合、監査ログをオンにして、対応する監査ログを収集します。
ubb
dmc
trace <executable_with_option>
executable_with_option
により、特定のプログラムからトレースを収集します。
core <core_path>
このオプションはオプション
type crash
で、コア・ファイルの絶対パス名を指定するために使用します。
pid <process_number>
このオプションはオプション
type hang
で、プロセスIDを指定するためにのみ使用できます。
デバッグ情報
デバッグ情報のカテゴリ
問題には3つの種類があります。
- サーバーまたはクライアントのクラッシュ
プロセスがクラッシュし、コア・ファイルまたはダンプ・ファイルが生成される場合、診断ツールを使用して、スタック・トレースをファイルに書き込むことができます。問題のタイプはサーバーまたはクライアントのクラッシュとして定義して、対応する情報を取得できます。
- サーバーまたはクライアントのハング
プロセスが無限ループに入ったか、関数の待ち状態が長時間にわたって続いている場合、診断ツールを使用して、プロセスの実行状態を把握できます。問題のタイプはサーバーまたはクライアントのハングとして定義して、対応する情報を取得できます。
- プログラム論理エラー
他のすべての問題は、問題のタイプをプログラム論理エラーと定義して、対応する情報を取得できます。
各カテゴリのデバッグ情報
問題のタイプに応じて、それぞれ異なる情報を取得できます。
- プログラム論理エラー
- サーバーまたはクライアントのクラッシュ
- 一般情報の取得
- サーバーまたはクライアントのクラッシュ時のコール・スタックの取得
- システム・コール・トレースの取得
- サーバーまたはクライアントのハング
- 一般情報の取得
- コール・スタックおよびtrussコマンド出力の取得
- システム・コール・トレースの取得
注意: |
実行中のプロセスでは、同じ所有者が診断ツールを実行してください。 |
一般情報とは、次の情報です。
- Tuxedoのリリースおよびパッチ・レベル
- OS情報およびOSパッチ情報
注意: |
この情報はLinuxシステムではサポートされません。 |
-
TMTRACE
を開いて、対応するULOG
ファイルを取得
注意: |
これには、該当のTuxedoサーバーのシャットダウンが必要です。これは、ユーザー自身が、または診断ツールによって実行できます。あるいは、サーバーをシャットダウンせずに機能を無効化することも可能です。 |
- ドメインの監査ログを開いて、対応する監査ログを取得
注意: |
これには、GWTDOMAIN サーバーのシャットダウンが必要です。これは、ユーザー自身が、または診断ツールによって実行できます。あるいは、サーバーをシャットダウンせずに機能を無効化することも可能です。 |
- BBダンプの取得
-
$TUXDIR/$APPDIR/ubbconfig
、$APPDIR/dmconfig
など、他の構成ファイルの構成が可能
注意: |
情報は機密であると考えられるため、情報を提供しないことを選択できます。 |
- すべてのTuxedoプロセスに関する次の情報
- マシンID
- グループID
- サーバーID
- プロセスID
- プログラム名
- プロセスのステータス
- プロセス実行の優先度
- 正常値
注意: |
この情報はWindowsプラットフォームではサポートされません。 |
- このプロセスにリンクしている動的ライブラリ
- 各プロセスのシグナル・アクションおよびハンドラ
注意: |
この情報はSolarisプラットフォームではサポートされません。 |
製品のルート・ディレクトリの下のlog/<year>.<month>.<day>-<hour>.<minute>.<second>
サブディレクトリには、すべてのデバッグ情報が保持され、次のファイルが格納される可能性があります。
baseInfo.txt
bbdump
patchInfo.txt
OSパッチ情報が格納されています。
注意: |
この情報はLinuxプラットフォームではサポートされません。 |
trace-<executeBinaryName>.txt
特定のコマンドが実行されている場合のシステム取得のコール・トレースが格納されています。
注意: |
この情報はWindowsプラットフォームではサポートされません。 |
UBBCONFIG
オプション
UBB
が使用された場合にのみ生成される、
UBBCONFIG
ファイルです。
DMCONFIG
オプション
DMC
が使用された場合にのみ生成される、
DMCONFIG
ファイルです。