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次の各項では、Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)と、Oracle Tuxedoソフトウェアの旧リリース、Oracle WebLogic Enterpriseおよびサード・パーティ製品との相互運用性について説明します。
相互運用性により、現在のOracle Tuxedoリリースがネットワーク接続を介してOracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)以前のソフトウェアと通信することが可能になります。Oracle Tuxedoでは、ドメイン内の相互運用性とドメイン間の相互運用性がサポートされています。次の点に注意してください:
複数マシン構成のOracle Tuxedoドメイン(アプリケーション)内でOracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)ソフトウェアを実行しているマシンと、同じドメイン内でOracle Tuxedo 10gR3を実行している別のマシンが関連します。複数マシンのドメイン構成におけるマシンは、Oracle Tuxedoブリッジ・プロセスを介して通信を行います。
Oracle Tuxedoリリース12cリリース2 (12.1.3)ソフトウェアを実行しているOracle Tuxedoドメインと、Oracle Tuxedoリリース10gR3ソフトウェアを実行している別のドメインが関連します。マルチドメイン(Domains)構成に関連するドメインは、Oracle Tuxedoドメイン・ゲートウェイ・プロセスを介して通信を行います。
図1-1に示すように、ドメイン内共存グループにはメッセージ交換とプロトコルの互換性が存在しています。

Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)は、Oracle Tuxedo 12cR1、11gR1、10gR3、10.0, 9.1および9.0と同じドメイン内に共存できます。この環境では、トランザクション・コンテキスト(トランザクション状態の情報)およびセキュリティ・コンテキスト(ユーザーID)のアプリケーション・クライアントとサーバーの間での伝播が完全にサポートされています。この環境では、管理が完全にサポートされています。
Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.1.0)から、サービス名の長さが15から127に増えています。ドメイン構成でのリソース名およびリモート・サービス名の長さも15から127に増えています(TDomainのみ)。また、TDOMAINでは、ローカル・サービス名またはリモート・サービスも127文字以下の名前で構成できます。次の点に注意してください。
*RESOURCEセクション内のAUTHSVCキーワードや*SERVICESセクション内のSVCNMキーワードの値に長いサービス名を使用できません。長いサービス名が使用されていると、旧リリースのOracle Tuxedoサイトが起動されなくなります。
図1-2に示すように、次のドメイン間シナリオではいずれもメッセージ交換とプロトコルの互換性が存在しています。

いずれのシナリオにおいても、あるドメイン内のマシンで実行されているOracle Tuxedoドメイン(TDomain)ゲートウェイ・プロセスが、他のドメイン内のマシンで実行されているTDomainゲートウェイ・プロセスとネットワーク接続を介して通信しています。表1-1に、サポートされているTDomainゲートウェイ・プロセスを示します。
TDomainプロセスのペアの通信で利用できるドメイン間機能は、Oracleの旧リリースで実行されているTDomainプロセスで利用できる機能に制限されます。
これらすべてのシナリオでは、管理、トランザクション・コンテキストの伝播およびドメイン間のセキュリティ・コンテキスト伝播が完全にサポートされています。
Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)では、Tuxedo 12cR1、11gR1、10gR3、10.0、9.1、9.0 CORBAドメインとのドメイン間の相互運用性をサポートしています。この機能には、ドメインの境界を越えてCORBA C++ファクトリを通知する機能が含まれます。
Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)では、ユーザーの移行をサポートするために、表1-2に示したような次のクライアント/サーバー相互運用性がサポートされています。
クライアント/サーバーの特定のペアのクライアントで利用できる機能は、アプリケーション・クライアントとサーバー・アプリケーションのリリースによって異なります。たとえば、Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)のATMIクライアントとOracle Tuxedo 9.1サーバー・アプリケーションを相互運用する場合、クライアントで利用できるのはOracle Tuxedo 9.1機能のみです。
Oracle Tuxedoのクライアント/サーバー・アフィニティの相互運用性は、次のようにサポートされています。
UBBCONFIGファイルでクライアント/サーバー・アフィニティが構成されており、Oracle Tuxedo 10gR3以前を使用するスレーブ・ノードが存在する場合、影響を受けるのは、マスター・ノードおよびOracle Tuxedo 12cR2以降がインストールされたスレーブ・ノードのみです。
マルチドメイン・セッションでクライアント/サーバー・アフィニティを使用するには、セッションに関与するすべてのドメインにOracle Tuxedo 12cR2以降をインストールする必要があります。
Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)機能固有の相互運用性は次のようにサポートされます。
XMLベースのDDRを使用するには、1つのドメインでのすべてのマシンがOracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)を使用する必要があります。これらのうちの1つが下位バージョンを使用している場合、tmbootはエラー・メッセージ「無効なリリース」を出力します。
詳細については、『Oracle Tuxedo Oracle Tuxedo/Oracle Exalogicユーザーズ・ガイド』を参照してください。
MPデプロイメント環境がミリ秒単位のSCANUNITで構成されている場合、このドメイン内のすべてのノードはOracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)を使用する必要があります。
エンドツーエンドのECIDの伝播が保証されるのは、Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)が実行されているマシン/ドメインのみです。
この機能がサポートされるのは、GWTおよびEvtBrokerの両方がOracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)で実行されている場合のみです。
CORBAアプリケーション・クライアントとOracle Tuxedo CORBAドメインの通信は、そのドメインをブートストラップ処理することで確立されます。ブートストラップ処理のメカニズムには、(1) Bootstrapオブジェクトを使用するOracle社のメカニズムと、(2) OMGが規定したCORBA Interoperable Naming Service (INS)のメカニズムがあります。
INSのサポートは、Oracle Tuxedoリリース8.0から追加されました。INSの追加により、INSを利用するサード・パーティORBをOracle Tuxedo CORBAサーバーORBと相互運用できます。
図1-3は、サード・パーティORBとの相互運用性を示しています。

| 注: | Oracle Tuxedo CORBAクライアントの環境オブジェクトは、Oracle Tuxedo 9.0、9.1、10.0、10gR3、11gR1および12cR1の場合と同じように現在のOracle Tuxedoリリースでも引き続きサポートされます。 |
CORBAアプリケーション・クライアントでは、Oracle Tuxedo BootstrapオブジェクトまたはINSブートストラップ処理メカニズムを使用してOracle Tuxedo CORBAドメインにあるオブジェクトのリファレンスを取得します。OracleクライアントORBはOracle社のメカニズムを使用し、サード・パーティ・クライアントORBはCORBA INSメカニズムを使用します。Oracle Tuxedoドメインのブートストラップの詳細は、『Oracle Tuxedo CORBAプログラミング・リファレンス』を参照してください。
図1-4は、Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)にアップグレードできる既存のOracle Tuxedo製品とOracle WebLogic Enterprise製品を示しています。

アップグレードのためにドメイン(アプリケーション)を停止する場合は、ドメインを停止してから簡易アップグレードを実行する必要があります。アップグレードのためにドメインを停止できない場合は、ホット・アップグレードを実行してください(ドメインを停止せずにOracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)システム・ソフトウェアを既存のOracle TuxedoまたはOracle WebLogic Enterpriseドメインに追加します)。
簡易アップグレードまたはホット・アップグレードの実行手順については、『Oracle Tuxedoシステムのインストール』のOracle Tuxedoシステムの12cリリース2 (12.1.3)へのアップグレードに関する項を参照してください。
Oracle Tuxedo 9.0、9.1、10.0、10gR3、11gR1および12cR1アプリケーションを使用して開発したアプリケーションは、Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)で実行できるように再コンパイルする必要があります。
| 注: | XML関連のアプリケーションの場合は、Xerces C++ 2.5のインタフェース要件に従う必要があります。 |
| 注: | Windowsプラットフォームでは、FML関連の機能を使用する場合、バイナリを再リンクする必要があります。 |
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