ヘッダーをスキップ
Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド
リリース1.4 for Windows, Linux, Solaris, and AIX
E52976-01
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

7 Oracle R Enterpriseのインストール後のタスク

この章では、Oracle R Enterpriseのインストール後に、作業環境を確立および検証する方法を説明します。この章の内容は次のとおりです。

7.1 Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザーの作成

Oracle R Enterpriseクライアントおよびサーバーのインストール後に、Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザーを作成および構成する必要があります。これは、Oracle R Enterprise Serverで提供されるスクリプトを実行することによって実行できます。

Oracle R Enterpriseユーザーの作成の手順について、次の各項で説明します。

7.1.1 demo_userスクリプトの実行

demo_userスクリプトは、Oracle R Enterprise Server環境を検証し、新規ユーザーを作成するか既存のユーザーをOracle R Enterprise用に有効にします。

Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザーを作成または変更するには、次の手順を実行します。

  1. ご使用のオペレーティング・システムのユーザーIDが、OSDBAグループ(LinuxおよびUNIXの場合はdba、Windowの場合はora_dba)のメンバーであることを確認します。OSDBAの詳細第4.2.3.1項を参照してください。

  2. Oracle R Enterpriseのserverディレクトリに移動します。

    cd download_directory/server
    
  3. demo_userスクリプトを実行します。

    -- Linux or UNIX
    ./demo_user.sh
    
    -- Windows
    demo_user.bat
    
  4. 次に示すように、このスクリプトによって環境が検証されます。

    Checking ORACLE_HOME ......... Pass
    Checking ORACLE_SID .......... Pass
    Checking sqlplus ............. Pass
    Checking ORACLE instance ..... Pass
    Checking ORE ................. Pass
    
  5. 環境が有効な場合は、スクリプトによってORACLE_HOMEおよびORACLE_SIDの値が表示されます。

  6. スクリプトによって次のように表示されます。

    Do you wish to create an ORE user? [yes]
    

    Oracle R Enterpriseの新規ユーザーを作成するには、yesと入力するか[Enter]を押します。

    既存ユーザーを変更する場合はnoと入力します。

  7. 新しいユーザーを作成するには、ユーザー名およびパスワードを指定します。デフォルトのユーザー名はrquserです。

    • このユーザーの永続表領域を指定します。デフォルトはUSERSです。

    • このユーザーの一時表領域を指定します。デフォルトはTEMPです。

    既存ユーザーを変更するには、ユーザー名を入力します。

7.1.2 Oracle R Enterpriseユーザーに対する権限の付与

Oracle R Enterpriseのユーザーには、基本的な一連のデータベース権限が必要です。一部のユーザーには、実行するタスクおよびアクセスするデータに応じて、追加の権限が必要な場合があります。

RQUSERに基本的な権限を付与するには、sysdbaでSQL*Plusを起動して次のGRANT文を実行します。

sqlplus /  AS SYSDBA
GRANT CREATE TABLE TO RQUSER;
GRANT CREATE PROCEDURE TO RQUSER;
GRANT CREATE VIEW TO RQUSER;
GRANT CREATE MINING MODEL TO RQUSER;

7.1.3 RQADMINロールの付与

Oracle R Enterprise Serverをインストールすると、RQADMINというデータベース・ロールが作成されます。RQADMINロールを持つユーザーは、埋込みRの実行で使用するためのデータベースのRスクリプト・リポジトリでRスクリプトを作成および削除できます。

RQUSERRQADMINを付与するには、sysdbaでSQL*Plusを起動して次のGRANTを実行します。

sqlplus / AS SYSDBA
GRANT RQADMIN to RQUSER;

注意:

RQADMINロールを付与する場合は注意が必要です。Oracle R Enterpriseの管理権限を必要とするユーザーのみ、このロールを持つべきです。

7.2 Oracle R Enterprise ClientのOracle R Enterprise Serverへの接続

Oracle R Enterprise Clientをデータベースに接続するには、OREスクリプトを使用してRを起動します。

% ORE
R> library(ORE)

次の例では、ユーザーRQUSERパスワードRQUSERpswで接続しています。

  • リモート・データベースの場合は、Oracle Databaseサービス識別子(SID)、ホスト名および接続のポートを指定します。

    ore.connect(user="RQUSER", sid="orcl", host="SVR3", password="RQUSERpsw",
                   port=1521, all=TRUE)
    

    注意:

    パスワードやその他接続の詳細を埋込みRスクリプトに指定することを避けるには、Oracleウォレットを使用します。「Oracle R Enterprise接続のOracleウォレットの作成」を参照してください。

  • ローカル・データベースの場合は、次のように接続を指定します。

    ore.connect("RQUSER", password="RQUSERpsw", conn_string="", all=TRUE)
    

7.3 Oracle R Enterpriseの基本的な機能の検証

第7.2項の説明に従って接続した後、次のコマンドを使用して、Oracle R Enterpriseの基本的な機能の一部をテストできます。

## Is the ORE client connected to the ORE server?
## The output of this command should be TRUE.
ore.is.connected()

## List the available database tables 
ore.ls()

## Push an R dataframe to a database table
cars <- ore.push(cars)
head(cars)

## Run embedded R
ore.doEval(function() { 123 })

7.4 Oracle R Enterpriseのスクリプト例の実行

Oracle R Enterpriseのデモ・スクリプトを実行することにより、インストールが正常に完了したことをさらに確認できます。エラーが発生せずスクリプトが完了した場合、スクリプト例は正常に実行されています。

スクリプト例は、$ORACLE_HOME/R/library/ORE/demoにあります。

次のコマンドで、使用可能なスクリプト例のリストが表示されます。

demo(package="ORE")

次のコマンドで、例のうちの2つを実行します。aggregateスクリプトでは、データベース・メモリーに存在するデータへのR関数の使用がテストされ、row_applyスクリプトでは、埋込みRの実行がテストされます。

demo("aggregate", package="ORE")
demo("row_apply", package="ORE")

次のコマンドはRを終了します。

q()