| Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド リリース1.4 for Windows, Linux, Solaris, and AIX E52976-01 |
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この章では、Oracle R Enterpriseのインストール後に、作業環境を確立および検証する方法を説明します。この章の内容は次のとおりです。
Oracle R Enterpriseクライアントおよびサーバーのインストール後に、Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザーを作成および構成する必要があります。これは、Oracle R Enterprise Serverで提供されるスクリプトを実行することによって実行できます。
Oracle R Enterpriseユーザーの作成の手順について、次の各項で説明します。
demo_userスクリプトは、Oracle R Enterprise Server環境を検証し、新規ユーザーを作成するか既存のユーザーをOracle R Enterprise用に有効にします。
Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザーを作成または変更するには、次の手順を実行します。
ご使用のオペレーティング・システムのユーザーIDが、OSDBAグループ(LinuxおよびUNIXの場合はdba、Windowの場合はora_dba)のメンバーであることを確認します。OSDBAの詳細は第4.2.3.1項を参照してください。
Oracle R Enterpriseのserverディレクトリに移動します。
cd download_directory/server
demo_userスクリプトを実行します。
-- Linux or UNIX ./demo_user.sh -- Windows demo_user.bat
次に示すように、このスクリプトによって環境が検証されます。
Checking ORACLE_HOME ......... Pass Checking ORACLE_SID .......... Pass Checking sqlplus ............. Pass Checking ORACLE instance ..... Pass Checking ORE ................. Pass
環境が有効な場合は、スクリプトによってORACLE_HOMEおよびORACLE_SIDの値が表示されます。
スクリプトによって次のように表示されます。
Do you wish to create an ORE user? [yes]
Oracle R Enterpriseの新規ユーザーを作成するには、yesと入力するか[Enter]を押します。
既存ユーザーを変更する場合はnoと入力します。
新しいユーザーを作成するには、ユーザー名およびパスワードを指定します。デフォルトのユーザー名はrquserです。
このユーザーの永続表領域を指定します。デフォルトはUSERSです。
このユーザーの一時表領域を指定します。デフォルトはTEMPです。
既存ユーザーを変更するには、ユーザー名を入力します。
Oracle R Enterpriseのユーザーには、基本的な一連のデータベース権限が必要です。一部のユーザーには、実行するタスクおよびアクセスするデータに応じて、追加の権限が必要な場合があります。
RQUSERに基本的な権限を付与するには、sysdbaでSQL*Plusを起動して次のGRANT文を実行します。
sqlplus / AS SYSDBA GRANT CREATE TABLE TO RQUSER; GRANT CREATE PROCEDURE TO RQUSER; GRANT CREATE VIEW TO RQUSER; GRANT CREATE MINING MODEL TO RQUSER;
Oracle R Enterprise Serverをインストールすると、RQADMINというデータベース・ロールが作成されます。RQADMINロールを持つユーザーは、埋込みRの実行で使用するためのデータベースのRスクリプト・リポジトリでRスクリプトを作成および削除できます。
RQUSERにRQADMINを付与するには、sysdbaでSQL*Plusを起動して次のGRANTを実行します。
sqlplus / AS SYSDBA GRANT RQADMIN to RQUSER;
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注意: RQADMINロールを付与する場合は注意が必要です。Oracle R Enterpriseの管理権限を必要とするユーザーのみ、このロールを持つべきです。 |
Oracle R Enterprise Clientをデータベースに接続するには、OREスクリプトを使用してRを起動します。
% ORE R> library(ORE)
次の例では、ユーザーRQUSERパスワードRQUSERpswで接続しています。
リモート・データベースの場合は、Oracle Databaseサービス識別子(SID)、ホスト名および接続のポートを指定します。
ore.connect(user="RQUSER", sid="orcl", host="SVR3", password="RQUSERpsw",
port=1521, all=TRUE)
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注意: パスワードやその他接続の詳細を埋込みRスクリプトに指定することを避けるには、Oracleウォレットを使用します。「Oracle R Enterprise接続のOracleウォレットの作成」を参照してください。 |
ローカル・データベースの場合は、次のように接続を指定します。
ore.connect("RQUSER", password="RQUSERpsw", conn_string="", all=TRUE)
第7.2項の説明に従って接続した後、次のコマンドを使用して、Oracle R Enterpriseの基本的な機能の一部をテストできます。
## Is the ORE client connected to the ORE server?
## The output of this command should be TRUE.
ore.is.connected()
## List the available database tables
ore.ls()
## Push an R dataframe to a database table
cars <- ore.push(cars)
head(cars)
## Run embedded R
ore.doEval(function() { 123 })
Oracle R Enterpriseのデモ・スクリプトを実行することにより、インストールが正常に完了したことをさらに確認できます。エラーが発生せずスクリプトが完了した場合、スクリプト例は正常に実行されています。
スクリプト例は、$ORACLE_HOME/R/library/ORE/demoにあります。
次のコマンドで、使用可能なスクリプト例のリストが表示されます。
demo(package="ORE")
次のコマンドで、例のうちの2つを実行します。aggregateスクリプトでは、データベース・メモリーに存在するデータへのR関数の使用がテストされ、row_applyスクリプトでは、埋込みRの実行がテストされます。
demo("aggregate", package="ORE")
demo("row_apply", package="ORE")
次のコマンドはRを終了します。
q()