Analytics は、ドリルダウン分析と呼ばれる効果的なパフォーマンス分析手法を中核として設計されています。この手法では、上位レベルの統計を最初にチェックし、得られた情報に基づいて詳細な統計に的を絞ります。これにより、もっとも可能性の高い領域にすばやく的を絞り込むことができます。
たとえば、パフォーマンスの問題が発生すると、次の上位レベル統計が最初にチェックされます。
ネットワークバイト/秒
NFSv3 操作/秒
ディスク操作/秒
CPU 使用率
ネットワークバイト/秒は通常レベルであることがわかり、ディスク操作と CPU 使用率も同様でした。NFSv3 ディスク操作/秒が比較的高かったため、NFS 動作のタイプが次にチェックされ、「読み取り」タイプだとわかりました。ここまでで、「読み取りタイプの NFS 操作/秒」というような名前の統計にドリルダウンし、この統計が通常よりも高いことがわかりました。
ほかのシステムでは利用可能な統計はこの時点で終わることもありますが、Analytics ではさらに深くドリルダウンできます。「読み取りタイプの NFSv3 操作/秒」をさらにクライアント別に表示できます。つまり、単一のグラフではなく、NFS クライアントごとに個別のグラフを表示できます。(これらの別々のグラフを合計すると、元の統計になります)。
ここで、「kiowa」というホストが NFS 読み取りの大部分を占めているとします。Analytics を使用してドリルダウンすることで、このクライアントが読み取っているファイルを表示できます。統計は、「ファイル名別のクライアント kiowa の読み取りタイプの NFSv3 操作/秒」となります。この項目により、kiowa は NFS サーバーのすべてのファイルを読み取っていることがわかります。この情報を使用すると、kiowa の所有者に説明を求めることができます。
上記の例は Analytics で実行でき、必要な場合はさらにドリルダウンできます。要約すると、ここでは次の統計を検討しました。
「NFSv3 操作/秒」
「タイプ別の NFSv3 操作/秒」
「クライアント別の読み取りタイプの NFSv3 操作/秒」
「ファイル名別のクライアント kiowa の読み取りタイプの NFSv3 操作/秒」
これらは Analytics で作成および表示される統計の名前になります。