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Oracle Mobile Application Framework(Oracle MAF)は、オラクルが新たにリリースした、モバイル・アプリケーション向けのクロス・プラットフォーム開発フレームワークです。Oracle MAFと連携するMobile Persistence AcceleratorはOracle A-Teamが開発したものです。このアクセラレータを組み合わせることで、Oracle MAFの有用性が大幅に向上し、RESTfulサービスの使用が簡単になるほか、SQLiteデータベースを使用したオフライン・モードでのモバイル・アプリケーションの使用を可能にする完全な永続性レイヤーを使用できるようになります。インターネットに接続していないときもデータの読取り/書込みができ、保留中のデータ変更があれば、再度オンラインになったときに同期されます。
アクセラレータはデザインタイム・コンポーネントとランタイム・コンポーネントで構成されています。このチュートリアルでは、アクセラレータをインストールする手順、デザインタイム機能を使用してRESTサービスを利用する手順、デフォルトのMAF機能やタスク・フローおよびデータ・バウンド・ページを構築する手順を説明します。
バックエンド・アプリケーションとの通信にはREST/JSONサービスを使用することを強くお薦めします。そのほうが簡単で、パフォーマンスも優れているためです。RESTのアーキテクチャ・パターンは連携が非常に簡単です。パフォーマンス・オーバーヘッドはSOAP Webサービスを使用した場合のほうが大きくなります。また、ペイロードはXMLのほうがJSONよりも詳細です。つまり、ネットワーク上に送信されるデータ・パケットのサイズが大きいということです。モバイル・クライアントでのXMLの解析は、JavaScriptで直接使用できるJSONペイロードと比べ、相対的に高コストなタスクです。そのため、既存のSOAPベースのWebサービスをモバイル・アプリケーションで利用しようとする場合は、Oracle Service Bus(Oracle SB)12cを使用してそれらのWebサービスをRESTfulサービスに変換することをお薦めします。これから構築する必要がある新しいWebサービスには、JAX-RSを使用することを検討してください。JAX-RSは標準のJava APIで、これを使用するとバックエンド・データとビジネス・ロジックを迅速かつ簡単にRESTful APIを介して公開できます。
| 前提条件: |
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このチュートリアルを実行するには、JDeveloper 12.1.3とOracle MAF 2.1拡張をインストールしておく必要があります。 iOS環境を使用する場合は、次のチュートリアルを使用して開発環境を設定できます。iOS環境の設定と構成 Android環境を使用する場合は、次のチュートリアルを使用できます。Android環境の設定と構成 Oracle HRサンプル・スキーマをインストールしてロックを解除したOracleエンタープライズ・データベースまたはXEデータベースにアクセスできる必要があります。
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概要
このチュートリアルは、次の3つのパートに大きく分かれています。
1:A-Team Persistence Acceleratorのインストール
2:RESTサービスの開発とデプロイ
3:RESTサービスを使用するOracle MAFアプリケーションの開発
このチュートリアルでは、HRスキーマに基づくRESTサービスを開発し、TopLinkエンティティとセッション・ファサードを使用します。これらのテクノロジーは両方とも使いやすく、JDeveloperで使用できます。Persistence Acceleratorをインストールしたら、RESTサービスを開発してローカルのWeblogicサーバーにデプロイします。今回は、JDeveloperに統合されているサーバーを使用しますが、アクセスできるWebサーバーであればどれを使用しても構いません。
JDeveloperをインストールしてMAF拡張をロードしたら、JDeveloperにPersistence Acceleratorをインストールする必要があります。
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GitHubのAMPAのホームページに移動し、「Download ZIP」ボタンをクリックしてソース・コードをコンピュータにダウンロードします。
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任意のディレクトリにzipファイルを解凍し、JDeveloper 12.1.3を起動します。
JDeveloperで「File」→「Open」の順に選択し、\mobile-persistence-master\Projects\Frameworkディレクトリの下にあるファイル「MobilePersistenceAccelerator.jws」を選択します。
次に、アプリケーション・ナビゲータで「Runtime」プロジェクト・ノードをクリックします。JDeveloperのメニュー・バーで「Build」→「Run Ant on Runtime.jpr」の順に選択します。
このステップが完了するまで10~20秒かかります。

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アプリケーション・ナビゲータで「DesignTime」プロジェクト・ノードをクリックします。JDeveloperのメニュー・バーで「Build」→「Run Ant on DesignTime.jpr」の順に選択します。
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およそ10~20秒で、\mobile-persistence-master\Projects\Framework\stageディレクトリにインストール用zipファイル(ateam-mobile-persistence.12.1.3.1.20-install.zip)が作成されます。今後のバージョンのバンドル・インストール・ファイルの形式は12.1.3.1.xxとなり、使用できる現行バージョンはバージョン20ではなくなる可能性があります。
Logウィンドウは、次の図のようになります。 -
これで、アクセラレータをJDeveloperの拡張としてインストールできる準備が整いました。
JDeveloperメニュー・バーで「Help」→「Check for UpdatesCheck for Updates」の順に選択します。Check for Updatesダイアログが表示されたら、ラジオ・ボタン「Install from Local File」を選択します。
「Browse...」ボタンを使用して、先ほど作成したインストール用zipファイル「ateam-mobile-persistence.12.1.3.1.20-install.zip」を選択します。
「Next」をクリックして、「Finish」をクリックします。Confirm Exitダイアログが表示されたら、「Yes」をクリックしてJDeveloperを再起動します。


これで、Persistence Acceleratorのインストールが終了しました。次の項では、RESTサービスを構築してデプロイし、Persistence Acceleratorのウィザードを使用してこのサービスを使用します。
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パート2:MAF RESTインフラストラクチャの構築
