Oracle® Solaris 11.2 での暗号化と証明書の管理

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更新: 2014 年 9 月
 
 

FIPS 140 が有効になったブート環境の作成

Oracle Solaris では、デフォルトでは FIPS 140 モードが無効になっています。この手順では、FIPS 140 モードのための新しいブート環境 (BE) を作成したあと、FIPS 140 を有効にして新しい BE にブートします。この方法を使用すると、バックアップ BE が提供されるため、FIPS 140 準拠テストによって発生する可能性のあるシステムパニックからすばやく回復できます。

FIPS の概要については、Using a FIPS 140 Enabled System in Oracle Solaris 11.2 を参照してください。また、cryptoadm(1M) のマニュアルページおよび 暗号化フレームワークおよび FIPS 140も参照してください。

FIPS 140 が有効になったブート環境を作成する方法

始める前に

root 役割になる必要があります。詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。

  1. システムが FIPS 140 モードにあるかどうかを判定します。
    % cryptoadm list fips-140
    User-level providers:
    =====================
    /usr/lib/security/$ISA/pkcs11_softtoken: FIPS-140 mode is disabled.
    
    Kernel software providers:
    ==========================
    des: FIPS-140 mode is disabled.
    aes: FIPS-140 mode is disabled.
    ecc: FIPS-140 mode is disabled.
    sha1: FIPS-140 mode is disabled.
    sha2: FIPS-140 mode is disabled.
    rsa: FIPS-140 mode is disabled.
    swrand: FIPS-140 mode is disabled.
    
    Kernel hardware providers:
    =========================:
  2. FIPS 140 バージョンの暗号化フレームワークのための新しい BE を作成します。

    FIPS 140 モードを有効にする前に、まず beadm コマンドを使用して新しい BE を作成し、アクティブにしてから、ブートする必要があります。FIPS 140 が有効になったシステムでは、失敗した場合はパニックを引き起こす可能性のある準拠テストを実行します。そのため、FIPS 140 の境界に関する問題をデバッグしている間、ブートしてシステムを稼働状態にすることのできる使用可能な BE を確保しておくことが重要です。

    1. 現在の BE に基づいて BE を作成します。

      この例では、S11.1-FIPS という名前の BE を作成します。

      # beadm create S11.1-FIPS-140
    2. その BE をアクティブにします。
      # beadm activate S11.1-FIPS-140
    3. システムをリブートします。
    4. 新しい BE で FIPS 140 モードを有効にします。
      # cryptoadm enable fips-140

      注 -  このサブコマンドは、ユーザーレベルの pkcs11_softtoken ライブラリおよびカーネルソフトウェアプロバイダの FIPS 140 未承認アルゴリズムは無効にしません。このフレームワークのコンシューマは、FIPS 140 承認アルゴリズムのみを使用することに責任を負っています。

      FIPS 140 モードの影響の詳細は、Using a FIPS 140 Enabled System in Oracle Solaris 11.2 を参照してください。また、cryptoadm(1M) のマニュアルページも参照してください。


  3. FIPS 140 を有効にしないで実行する場合は、FIPS 140 モードを無効にします。

    元の BE にリブートするか、または現在の BE で FIPS 140 を無効にできます。

    • 元の BE にブートします。
      # beadm list
      BE               Active Mountpoint Space   Policy Created
      --               ------ ---------- -----   ------ -------
      S11.1            -      -          48.22G   static 2012-10-10 10:10
      S11.1-FIPS-140   NR     /          287.01M  static 2012-11-18 18:18
      # beadm activate S11.1
      # beadm list
      BE               Active Mountpoint Space   Policy Created
      --               ------ ---------- -----   ------ -------
      S11.1            R      -          48.22G   static 2012-10-10 10:10
      S11.1-FIPS-140   N      /          287.01M  static 2012-11-18 18:18
      # reboot
    • 現在の BE で FIPS 140 モードを無効にして、リブートします。
      # cryptoadm disable fips-140

      FIPS 140 モードは、システムがリブートされるまで動作を継続します。

      # reboot