概要

法的エンティティは、法律によって指定された権利および責任を持つ認識済パーティです。

法的エンティティには、次の権利および責任があります。

  • 資産の所有

  • 取引

  • 債務の返済

  • 規制当局、税務当局および所有者に対して、関連法に定めのある規則に従って自らについて説明する

これらの権利および責任は、司法システムによって強制される場合があります。資産、負債、費用および収益を記録し、トランザクション税金を支払ったり、会社間取引を実行する対象となる登録済の会社、または法的に認められたその他のエンティティそれぞれに対して、法的エンティティを定義します。

法的エンティティは、次に示す理由から、企業の要素について責任を負います。

  • 現地でのコンプライアンス準拠の推進

  • 企業の税債務の最小化

  • 買収または企業の部分的な処分に対する備え

  • ビジネスのある領域を別の領域のリスクから切り分け。たとえば、企業が資産を創出し、その資産をリースするとします。この場合、財産を創出するビジネスを別個の法的エンティティとして運営し、リース・ビジネスへのリスクを制限できます。

法的エンティティのロール

Oracle Fusion Cloud Applicationsで企業体系を構成する際、いかなるトランザクションの契約当事者も必ず法的エンティティとなります。個々の法的エンティティは次のことを実行します:

  • 企業の資産の所有

  • 売上の記録、その売上に対する税金の支払

  • 仕入の実行、および費用の負担

  • その他のトランザクションの実行

法的エンティティは、登録先の管轄区域の規制に準拠する必要があります。欧州では現在、会社が1つの加盟国に登録すると、すべての加盟国でビジネスを行うことが許可されており、米国では、会社が1つの州に登録すると、すべての州でビジネスを行うことが許可されています。地域のレポート要件をサポートするために、法的レポート・ユニットが作成および登録されます。

法的エンティティの運営の開示については、様々な管轄区域の要件に基づいて、明示的かつ定期的に発行する必要があります。年次またはそれより間隔の短い特定の会計レポートは、法定レポートまたは外部レポートとして参照されます。これらのレポートは、指定された国内当局および規制当局に届け出る必要があります。たとえば米国(US)では、公営のエンティティ(企業)は、公共団体に対して法定レポート要件を強制する証券取引委員会(SEC)に対して、四半期および年次のレポート、およびその他の定期的なレポートを届け出る必要があります。

個々のエンティティのうち株式非公開のもの、または公営企業が所有するものは、単独で届け出る必要はありません。諸外国では、個々のエンティティは、それ自体の名前で、また、公営のグループ・レベルにおいて届け出る必要があります。開示要件は多岐にわたります。たとえば、地域のエンティティがその地域の規制に準拠するために現地通貨建てで届け出る必要がある一方で、その企業のレポート要件では異なる通貨建てとなっている場合もあります。

法的エンティティは、企業の管理フレームワークの全部または一部を表すことができます。たとえば、英国やドイツなどの大きな国で運営している場合、その国の各ディビジョンを別個の法的エンティティとして組み入れることができます。それより小さい国(オーストリアなど)では、1つの法的エンティティを使用して、ディビジョン間のビジネス操作のすべてをホストできます。