Formulaの使用の概要

Oracle FastFormulaは、英単語および基本的な数学関数を使用して、簡単にFormuraを記述する方法です。データベース構造やプログラミング言語を学習しなくても、データベースの情報をFormulaで使用できます。

このトピックに要約されているFormulaの各使用方法は1つ以上のFormulaタイプに対応しており、特定のFormula入力および出力が必要です。

Oracle HCM Cloudで提供されるFormulaには英語の言語名が含まれていますが、他の言語でFormulaを記述することもできます。Formulaの名前と説明は、任意の言語で指定できます。Formulaテキストは翻訳されていませんが、英語以外のユーザー定義エレメント、入力値またはバランスを処理できます。たとえば、エレメント名を中国語で定義した場合、ベース・エレメント名は中国語で保存されます。Formulaを作成する場合は、中国語などの他の言語および文字セットで変数名または文字列値を設定できます。

給与の計算

支給項目および控除項目を表すエレメントに対して、給与計算およびスキップ・ルールを記述できます。

FastFormulaを使用して次のタスクを実行できます。

  • 給与フローの反復を制御します。

  • 給与計算でエレメントが処理されるタイミングを制御します。

  • 給与処理、データ入力またはレポート作成に使用する対象者のセットを定義します。

  • 1つ以上のエレメント入力値を検証します。エレメント入力値のデフォルト値を設定したり、他の入力値へのユーザー入力に基づいて入力値を計算します。

  • ユーザー定義表のエントリを検証します。

  • 按分Formulaにより、特定のイベント(期間途中のエレメント入力値の変更など)が発生したときに、給与計算でエレメント入力をどのように按分するかを制御します。

  • 各エレメントに複数の給与計算Formulaを関連付けて、ステータスの異なる従業員アサイメントに対して異なる処理を実行します。

  • 変換Formulaにより、HCMデータ・ローダーが理解できる形式にインバウンド・データを変換します。

  • 支払方法プリファレンスを構成します。たとえば、支払方法の数とタイプを制限できます。

福利厚生管理

Formulaを使用して、福利厚生プランを構成できます。Formulaは、提供されているビジネス・ルールの柔軟な代替手段として使用できます。Formulaを使用して、次のものを構成します。

  • 日付計算(登録開始日と終了日、レートや補償範囲の開始日と終了日、待機期間と登録期間、処理項目の期日など)

  • レート額と補償範囲額、最小値と最大値、または上限と下限の計算

  • 証明要件

  • 不完全月と按分の計算

  • 適格性および加入の評価

たとえば、提供された適格基準では特定の要件が満たされない場合に福利厚生適格を計算するFormulaを記述できます。

ノート: 詳細は、My Oracle Support (https://support.oracle.com)のBenefits Fast Formula Reference Guide (1456985.1)を参照してください。

報酬の構成の定義

Formulaを使用して変更でき、既存の報酬プラン構成に柔軟性を追加できるものを次に示します。

  • 個別報酬プランの報酬割付の開始日と終了日

  • ワークフォース報酬プランの個人選択、階層決定、列のデフォルト値および通貨選択

  • 総合報酬文書に表示される項目のソース

勤怠管理用のルール・テンプレートを作成するためのFormulaの定義

Formulaを時間リポジトリ・ルール・テンプレートで使用して、ルールを作成します。Formula内には、ルール・パラメータと出力結果の組合せが提供されています。テンプレート構成を変えることにより、1つのFormulaを複数のルール・テンプレートで使用できます。

ルール・テンプレートを作成する際には、Formula名を選択してから、パラメータ・タイプと、パラメータおよび変数の表示名を構成します。どの詳細を変更すると特定の結果を達成できるかを判断するために、Formula文全体を再実行する必要はありません。

Formulaを使用して勤怠管理に適用できる内容は次のとおりです。

  • 時間を処理または計算するためのロジック

  • ルールが計算で使用する式に値を渡すことを可能にするパラメータ

  • Formulaが計算結果をルールに返すために使用する出力変数

たとえば、期間最大時間数テンプレートでは、WFM_PERIOD_MAXIMUM_TIME_ENTRY_RULE Formulaを使用して、レポートされた時間カテゴリの時間数を、定義された最大時間数と比較します。

ノート: 詳細は、My Oracle Support (https://support.oracle.com)のTime and Labor Fast Formula Reference Guide (1990057.1)を参照してください。