原価組織、在庫組織および原価台帳の相互関係

原価組織体系は、原価組織と在庫組織、原価台帳で構成されます。会計およびビジネス・ニーズによって原価組織体系の設定方法が決定され、これによって原価プロセッサが在庫トランザクションの原価会計配分および会計仕訳を作成する方法が決まります。

この図は、利益センター・ビジネス・ユニット、原価組織、在庫組織および原価台帳間の関係を示しています。

法的および管理構造

組織には次のものがあります:

企業全体で契約上の権利を確立する法的エンティティで構成される法的体系です。
戦略管理チームと業務ビジネス・ユニットで構成される管理体系:
- 戦略的管理は、戦略的目標と事業計画の設定を担当します。通常は、企業体系の高レベルにあり、持株会社に直接レポートします。
- 業務ビジネス・ユニットは、戦略的管理にレポートし、通常は製品ラインまたはリージョンに従って編成された業務およびリソースの管理を担当します。営業ビジネス・ユニットは、1つ以上の法的エンティティに属することができます。

利益センター・ビジネス・ユニット

利益センターは、次のことを行う業務ビジネス・ユニットです:

単一の法的エンティティにレポートします。
製品、価格、投資および財務計画の戦略的ディレクティブをサポートします。
1つまたは複数の在庫組織と原価組織を含めることができます。
企業利益への貢献度を組織が測定し、ターゲットに対する利益貢献度を追跡します。
顧客直接出荷、社内転送、グローバル調達など、様々なサプライ・チェーン取引フローについて、他の利益センターとの会社間および会社内取引契約を入力します。
財務レポートの勘定体系内のセグメントです。
購買オーダー、販売オーダー、買掛/未払金請求書、売掛/未収金請求書などの取引実行文書にあります。
業務分析および管理会計の原価計算トランザクションです。

原価組織および在庫組織

原価組織は、単一の在庫組織または利益センター・ビジネス・ユニットに積み上げられる在庫組織のグループを表すことができます。複数の在庫組織が1つの利益センター・ビジネス・ユニットにすべてマップされているかぎり、財務レポートのために原価組織の下に複数の在庫組織をグループ化できます。原価組織に割り当てられた在庫組織は、すべて同じビジネス・ユニットに属している必要があるため、ビジネス・ユニットの法的エンティティにも属していることになります。

原価組織に割り当てられた在庫組織は、すべて同じ法的エンティティに属する必要があります。

原価組織ごとに、プロセッサがデフォルトの単位を導出する品目検証組織を定義します。原価組織に割り当てられた在庫組織の1つを品目検証組織にするか、品目マスター組織を品目検証組織に指定できます。

原価台帳

原価台帳は、品目の会計ポリシーを定義できるフレームワークを設定します。財務会計、管理レポートおよび分析のニーズごとに異なる原価台帳を定義できます。複数の原価台帳を原価組織に割り当てることで、同じトランザクション・セットに基づいて異なるルールを使用して原価を同時に計算できます。

原価台帳を原価組織に関連付ける場合は、必要に応じて元帳に関連付けることができます。原価台帳は、その元帳の通貨と換算レート、原価会計期間、期間終了検証を継承します。元帳なしで原価台帳を関連付ける場合は、これらのエレメントを手動で定義します。

すべての原価組織には、原価組織が属する法的エンティティのプライマリ元帳に関連付けられている1つのプライマリ原価台帳が必要です。 1つ以上のセカンダリ元帳ベースの原価台帳を他の会計ニーズに関連付けることもできます。

シミュレーションおよび分析の目的で、元帳のない原価台帳(関連元帳のない原価台帳)を原価組織に関連付けることができます。たとえば、財務レポート用の主原価台帳、ビジネス分析用の第2原価台帳および第3原価台帳を定義して、様々な原価計算を使用した結果をシミュレートできます。原価プロセッサは、元帳を使用しない原価台帳の配分を作成しますが、会計および一般会計への転記からは除外します。

原価台帳に定期平均原価メソッドを使用する場合は、原価台帳の作成時に「期間平均原価」オプションを選択できます。期間平均原価使用可能原価台帳のすべての品目は、原価メソッドが定期平均原価に設定されている品目原価プロファイルのみを使用できます。