原価組織体系の設定に関する考慮事項

原価計算および会計のニーズに対応するために、原価組織構造を設定します。原価組織の作成、在庫組織との関連付け、および原価台帳への割当に関する考慮事項を次に示します。

原価組織の作成に関する考慮事項

設定する原価組織を決定する際は、次の点を考慮してください:

財務レポートおよび職責会計。利益センター・ビジネス・ユニットには、ユースケース要件に応じて1つ以上の原価組織を含めることができます。
データ・セキュリティのニーズ。作成した原価組織は、ユーザーの職務分掌とセキュリティ要件によって決定できます。

原価組織セットの使用に関する考慮事項

原価組織をセットに割り当てることで、セット・レベルで定義されたエンティティを、そのセットに属するすべての原価組織で共有できます。原価組織セットを使用すると、設定プロセスを合理化でき、セットに属する原価組織間で原価プロファイルと評価体系、原価要素、原価コンポーネント・グループのセット・レベルの定義を共有することで、重複した設定を回避できます。

また、様々なセットに原価組織を割り当てる柔軟性もあります。たとえば、様々な取扱商品に原価組織を割り当てることができます。このようにして、共有される定義を分離できます。

在庫組織と原価組織の関連付けに関する考慮事項

工程は、1つの在庫組織の単純な構成に1つの原価組織に貸し出される場合があります。また、同じビジネス・ユニットに複数の在庫組織がある場合、次のいずれかの理由で、複数の在庫組織を1つの原価組織にグループ化できます:

原価計算職責。利益センター・ビジネス・ユニットのマネージャに積み上げられる在庫組織や、ビジネス・ユニット内の原価会計部門をグループ化できます。
統一原価会計。たとえば、間接費ルールを1回のみ定義して複数の在庫組織のトランザクションに適用するには、それらの在庫組織を1つの原価組織にグループ化できます。
コスト共有。単一の平均原価が必要な複数の在庫組織に品目がある場合、それらの在庫組織は同じ原価組織に属している必要があります。

原価台帳の原価組織への割当に関する考慮事項

すべての原価組織には、原価組織が属する法的エンティティのプライマリ元帳に関連付けられている1つのプライマリ原価台帳が割り当てられている必要があります。次のような他の目的で、必要に応じて複数のセカンダリ原価台帳を割り当てることもできます: ビジネス分析および管理レポート、現地通貨会計または在庫品目の利益トラッキング。

元帳が関連付けられていない原価台帳を、シミュレーション目的で原価組織に割り当てることもできます。