会計自動化

会計自動化により、日次レート・インポート、会計作成、仕訳インポート、仕訳転記などの、エンドツーエンドの会計プロセスおよびトランザクション・プロセスを合理化および自動化できます。データは、ユーザーの介入なしに必要なすべての処理ステップを通過します。

ユーザーには例外が通知され、例外の解決に役立つ情報が提供されます。トランザクション会計プロセスで発生したエラーをオプションでユーザーに通知することもできます。

設定と考慮事項

「設定および保守」作業領域で次のナビゲーションを使用します。

  • オファリング: 財務

  • 機能領域: 一般会計

  • タスク: 会計自動化の管理

ノート: Oracle Fusion Accounting Hub Reporting Cloudなど、なんらかの共存ソリューションを使用する(または使用する予定の)場合は、会計自動化を使用可能にしないでください。

「会計自動化の管理」ページの一般設定を次に示します。

設定

内容

自動化使用可能

すべての元帳(プライマリ、セカンダリ、および通貨換算レベルが「仕訳」または「補助元帳」であるレポート通貨)に対して会計自動化を使用可能にするかどうかを示すインジケータ。

予定発行時間

会計自動化が発行される時刻および日次Eメール通知が送信される時刻。トランザクションが待ち状態の場合、このプロセスは追加で1日に3回(6時間ごと)実行できます。待ち状態のトランザクションがない場合、会計自動化はここで指定した時刻にのみ実行されます。

通知プリファレンス

ユーザーまたはロールにEメール通知を送信するかどうかを決定する設定。

「通知するデフォルト・ユーザー」または「通知するデフォルト・ロール」

各会計自動化実行でEメール通知を受信するユーザーまたはロール。通知には、処理済データの概要とすべてのエラーの詳細なリストが含まれます。

オプションで、「エラー通知」セクションを使用して、トランザクションの処理中に特定の属性値の組合せに関して生成されたエラーの通知を、特定のユーザーまたはロールに送信できます。指定できる値は、「通知プリファレンス」の設定によって異なります。

通知プリファレンス

設定できる内容

ユーザー

1人以上のユーザーが、元帳(または元帳セット)、エラー・カテゴリおよび仕訳ソースの特定の組合せに基づいて通知を受け取ることができます。日次レート・インポートなど、関連付けられている元帳がないトランザクションおよびすべての元帳のトランザクションについてユーザーに通知する場合は、「すべての元帳または元帳なし」の元帳値を使用します。

ロール

1つ以上のロールが、エラー・カテゴリおよび仕訳ソースの特定の組合せに基づいて通知を受け取ることができます。

これは元帳に対し、次のように機能します。たとえば、GLロールに、ユーザー1、ユーザー2、ユーザー3の3人のユーザーが含まれているとします。ユーザー1は元帳1に対するアクセス権を持ち、ユーザー2とユーザー3は元帳1と元帳2の両方に対するアクセス権を持っています。このロールに対してエラー・カテゴリを「すべて」に設定し、ソースを「すべて」に設定すると、ユーザー1には元帳1のデータとエラーのみが表示されます。ユーザー2とユーザー3には、両方の元帳のデータとエラーが表示されます。

エラー・カテゴリは次のとおりです。

カテゴリ

説明

勘定科目マッピング

勘定体系マッピングおよび補助元帳会計マッピング・セットの問題。

勘定ステータス

無効な勘定科目などの勘定ステータスに関連する問題、または貸借一致勘定の生成に関連する問題。

承認

否認済仕訳バッチ、承認を必要とする仕訳バッチおよび承認処理中の仕訳バッチ。

貸借一致

会社間、仮勘定、入力通貨、端数処理などの、貸借一致に関連する問題。

Budgetary Control

予算引当に関連するエラー。

重大なエラー

誤ったバッチ・ステータスなどの重大な問題。

通貨換算

換算レートの欠落や無効な通貨など、通貨に関連する問題。

仕訳インタフェース

仕訳データのインポートに関する問題。

期間ステータス

クローズ期間や未オープンの予算引当年度などの、期間ステータスに関連するエラー。

補助元帳トランザクション・データ

Oracle Fusion Payables、Oracle Fusion Project Costing、Oracle Fusion Receivables、Oracle Fusion Assetsなどの補助元帳からのトランザクション・データに関する問題。

システム・エラー

システム関連の問題。

警告

プロセスによって生成された警告。

その他

事前定義済のエラー・カテゴリ以外のエラー。たとえば、元帳または法的エンティティへの貸借一致セグメント値の割当て、文書連番、逆仕訳、データなし、平均日次貸借一致に関連するエラーです。

「会計自動化の管理」ページの最後のセクションは、「会計自動化除外」セクションです。ここでは、オプションで会計自動化から除外する仕訳ソースを選択できます。

さらに、次のような考慮事項があります。

  • 会計自動化では、トランザクションの会計日が自動化が使用可能にされた日付以降である場合を除き、自動化が使用可能になる前に作成されたトランザクションは処理されません。

  • 会計自動化では、転記用の未完了バッチは処理されません。

  • Receivablesを使用していて、会計自動化を使用可能にする予定がある場合は、「会計自動化」がスケジュールされている時間より前に「売掛/未収金会計の作成」プロセスを毎日実行するようにスケジュールする必要があります。

ユーザーおよびEメール通知

会計自動化プロセスでは、2つのタイプのEメール通知が生成されます。「通知するデフォルト・ユーザー」または「通知するデフォルト・ロール」フィールドで指定したユーザーまたはロール用の通知タイプと、「エラー通知」セクションで指定したユーザーまたはロール用の通知タイプです。いずれの通知タイプでも、Eメールの件名には会計自動化の実行日時が含まれます。

デフォルトのユーザーまたはロールは、処理されたデータおよびエラーに関する情報が含まれる通知を毎日受信します。この通知のEメール件名の例は、「レビュー用の6/1/19 8:00からの会計自動化結果」です。

エラーが発生した場合、その他のユーザーは「エラー通知」セクションで指定された通知を受信します。この通知のEメール件名の例は、「6/1/19 8:00の会計自動化で注意を必要とする問題が発生」です。

通知には次のセクションを含めることができます。

  • 転記済トランザクション要約

  • 自動化エラー要約

  • 承認待ち要約

  • 自動化エラー詳細

  • 承認待ち詳細

転記済トランザクション要約

このセクションには、転記済残高の要約が元帳別に表示されます。デフォルトのユーザーまたはロールのみがこの要約を受信します。会計自動化の実行後にいずれの元帳にも会計トランザクションが正常に転記されなかった場合、このセクションのかわりにメッセージが表示されます。

転記の要約の例を次に示します。合計288 USドルがVision Corporation元帳に転記され、712,566 USドルがSeven Corporation元帳に転記されました。

この図は、Eメール通知の「転記済トランザクション要約」 セクションの例を示しています。この要約には、「元帳」、「合計金額」および「通貨」の 3つの列を含む表があります。この表には 2行のデータが含まれています。

例に示されている各列の詳細は次のとおりです。

説明

元帳

仕訳バッチが転記された元帳(プライマリ、セカンダリおよびレポート通貨)の名前。

合計金額

元帳に転記された仕訳バッチの計上済借方の合計。

通貨

元帳通貨。

自動化エラー要約

このセクションには、元帳、ソースおよびエラー・カテゴリ別にエラーの要約が表示されます。エラーのあるエラー・カテゴリが割り当てられている、1人以上のデフォルト・ユーザー(またはロール)がこの要約を受け取ります。

次に例を示します。Vision Corporation元帳には、合計金額が165 USドルで貸借一致エラーのある3つのトランザクションがあります。すべてのエラーは最後に実行された会計自動化における新規エラーであるため、エラー数の3が「新規」列に表示されます。エラーは、「自動コピー」および「手動」両方の仕訳ソースで発生しました。Maria Smithには「自動コピー」ソースのエラーが通知され、Michael Taylorには「手動」ソースのエラーが通知されました。

この図は、会計自動化の実行後に送信された
Eメール通知の「自動化エラー要約」セクションの
例を示しています。このセクションには、「元帳」、「エラー・カテゴリ」、
「合計金額」、「通貨」、「エラー数」、「ソース」
および「通知されたユーザー」の7列がある表があります。「エラーの数」列の見出しは、 「合計」と「新規」の2列にまたがっています。この表には、1行のサンプル・データが含まれています。

例に示されている各列の詳細は次のとおりです。

説明

元帳

トランザクションの元帳(プライマリ、セカンダリまたはレポート通貨)。日次レート・インポート・エラーなど、トランザクションに関連付けられている元帳がない場合は空白になります。

エラー・カテゴリ

エラーに関連付けられているエラー・カテゴリ。

合計金額

エラー・カテゴリが原因で処理できなかった、元帳の計上済金額の合計。

通貨

元帳通貨。

エラー数-合計

エラーがあるトランザクションの数。Eメール通知のエラー詳細セクションにリンクしています。

エラー数-新規

最後に実行された会計自動化で初めて発生したエラーのあるトランザクションの数。Eメール通知のエラー詳細セクションにリンクしています。

ユーザー通知済

常に通知を受け取るデフォルト・ユーザーを除く、エラーが通知されたユーザー。該当する元帳、ソースおよびエラー・カテゴリについてのEメール通知を受信するように設定されたユーザーがいない場合は空白になります。

承認待ち要約

このセクションには、承認を必要とする仕訳バッチ、承認処理中の仕訳バッチまたは否認済の仕訳バッチの要約が年齢調べバケットごとに表示されます。デフォルト・ユーザーと「承認」エラー・カテゴリが割り当てられているユーザー(またはロール)が、この要約を受け取ります。

次に例を示します。Vision Corporation元帳には、過去3日以内に承認待ちだった、合計金額が7 USドルの1つの仕訳バッチがあります。

この図は、会計自動化の実行後に送信された
Eメール通知の「承認待ち要約」セクションの
例を示しています。このセクションには、「元帳」、「金額」および「通貨」の列と、
それぞれ金額と件数が示されている、年齢調べバケット列を
持つ表があります。この表には、1行のサンプル・データが含まれています。

例に示されている各列の詳細は次のとおりです。

説明

元帳

仕訳バッチの元帳(プライマリ、セカンダリまたはレポート通貨)。

金額

承認フローに含まれる仕訳バッチの合計。

通貨

元帳通貨。

承認待ちバッチ: 金額

前回の承認処理以降に承認待ちだった仕訳バッチの合計金額。0 - 3日、4 - 7日、8 - 11日、12日以上の年齢調べバケットに分けられています。

承認待ちバッチ: 件数

前回の承認処理以降に承認待ちだった仕訳バッチの数。0 - 3日、4 - 7日、8 - 11日、12日以上の年齢調べバケットに分けられています。Eメール通知の「承認待ち詳細」セクションにリンクしています。

自動化エラー詳細

このセクションには、「自動化エラー要約」セクションで報告されたエラーの詳細なトランザクションまたは仕訳が示されます。

「自動化エラー要約」セクションで報告された貸借一致エラーのトランザクションの例を次に示します。3つのエラーはすべて、一般会計仕訳で発生しています。エラーの後の「エラー」列に、問題を解決するために実行できる訂正処理が示されています。計上済金額の合計は165 USドルで、これは「自動化エラー要約」セクションで報告されたものと同じ金額です。
ノート: 「トランザクション」列に表示される情報は、トランザクションのタイプに関するものです。たとえば、転記エラーの場合、トランザクション情報には仕訳バッチ名と期間名が含まれ、仕訳名と明細番号が含まれる場合もあります。補助元帳トランザクションの場合、「トランザクション」列には、補助元帳アプリケーションの名前と請求書番号および金額などの詳細情報が含まれます。
この図は、この例の貸借一致エラーを 示しています。この表には、「トランザクション・タイプ」、「ソース」、「トランザクション」、 「エラー」および「金額」の5つの列があります。

例に示されている各列の詳細は次のとおりです。

説明

トランザクション・タイプ

次のようなエラーのソースを識別します。

  • 補助元帳トランザクション: 買掛管理および売掛管理などの補助元帳アプリケーションからのトランザクション

  • 会計仕訳: Oracle Fusion Subledger Accountingアプリケーションで作成された会計仕訳

  • 仕訳インタフェース: Oracle Fusion General Ledger仕訳インポート・トランザクション

  • 総勘定元帳仕訳

  • 日次レート・インポート

ソース

トランザクションの仕訳ソース。

トランザクション

トランザクションのオブジェクトおよび識別情報。たとえば、買掛/未払金トランザクションの補助元帳トランザクション・タイプには、アプリケーション、パーティ名、パーティ・サイト名、請求書番号、日付および金額が表示されます。

エラー

発生したエラーに関する情報(場合によっては推奨される訂正処理を含む)。最後の自動化実行で初めて発生したエラーには、先頭にドット・アイコンが付きます。

金額(通貨)

トランザクションの計上済借方の合計。

承認待ち詳細

このセクションには、「承認待ち要約」セクションの詳細が示されます。

承認処理中の仕訳バッチの例を次に示します。Mary Johnsonにより承認が開始され、最後の承認処理からの経過時間は1日未満です。

この図は、承認待ちの2つの仕訳バッチの 詳細を示しています。この表には、「仕訳バッチ」、「ソース」、「作成者」、 「ステータス」、「金額」、「未処理日数」の6つの列があります。

例に示されている各列の詳細は次のとおりです。

説明

仕訳バッチ

仕訳バッチの名前。

ソース

仕訳バッチのソース。

作成者

承認を要求したユーザー。

ステータス

バッチの承認ステータス。

金額(通貨)

元帳通貨での仕訳バッチ金額。

未処理日数

最後の承認処理からの経過日数。