財務レポートおよび配賦での階層メンバー名に関する考慮事項
財務レポートおよび配賦用の階層をOracle Essbaseキューブに公開する必要があります。階層がEssbaseキューブに公開されると、階層内の各ノードに対して完全修飾メンバー名が生成されます。
完全修飾メンバー名は、財務レポートおよび配賦ルールで階層内のノードを参照するために使用されます。
ツリーとツリー・バージョンの各組合せは、異なる勘定科目階層としてEssbaseキューブに公開されます。
勘定体系の子値または親値が複数の階層バージョンに割り当てられると、完全修飾メンバー名に階層バージョン名が含まれます。
財務レポートおよび配賦階層のメンバー名
階層の変更が原因でメンバー名が変わる場合は、財務レポート、配賦ルールおよびスマート・ビュー・テンプレートに対する影響を考慮する必要があります。考慮点は次のとおりです。
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最初に単一の階層をキューブに公開し、その後別の階層を公開した場合は、メンバーのメンバー名が変更されることがあります。このような変更は、メンバーに同じ勘定体系値が含まれる場合に発生します。
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完全修飾メンバー名が変更されると、そのメンバーを参照する既存の財務レポート、配賦ルールおよびスマート・ビュー・テンプレートの更新が必要になります。そうしないと、これらのプロセスでエラーが発生します。
たとえば、財務レポートの定義時に単一の階層バージョンV1のみが存在していました。階層バージョンには、コスト・センターについて勘定体系値500が含まれます。パスには階層バージョン名が含まれません。これは、キューブに含まれる階層バージョンは1つのみであるためです。完全修飾名のパスは500です。
その後、新しい階層バージョンV2を公開します。バージョンが2つになり、コスト・センター500は2つの階層バージョンであるV1およびV2に関連付けられるため、完全修飾メンバー名が変更されます。値500を選択する際、キューブにはメンバーを一意に識別するためのロジックがあります。2つの階層バージョンの完全修飾メンバー名は次のようになります。
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[All VF Cost Centers-V1].[999].[500]
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[All VF Cost Centers-V2].[999].[500]
元の名前のパス500を参照していた財務レポート、配賦ルール、スマート・ビュー問合せなどの構成を、正しい名前を使用して更新します。