消込タイプ
消込タイプは、1つ以上の消込可能な清算勘定および関連する消込ルールで構成されます。「清算勘定消込の管理」タスクを使用して、それらを構成および保守します。
勘定体系レベルまたは元帳レベル
勘定体系レベルまたは元帳レベルで消込タイプを定義できます。勘定体系レベルの消込タイプは、消込が使用可能になっている、関連するすべてのプライマリおよびセカンダリ元帳に適用されます。保守を容易にするために、勘定体系レベルで消込タイプを定義してください。
元帳で関連する勘定体系のルールとは異なる消込ルールが必要な場合は、消込タイプの作成時に元帳を指定できます。選択した勘定体系を使用し、清算勘定消込が使用可能になっているプライマリおよびセカンダリ元帳の中から選択できます。
「清算勘定消込の管理」ページには、勘定体系レベルまたは元帳レベルのいずれで定義されているかにかかわらず、すべての消込タイプが自動的に表示されます。
消込タイプ名
消込タイプには一意の名前を使用します。一貫性のある命名規則を保持することが推奨されます。勘定体系レベルの定義と元帳レベルの定義を区別するために、勘定体系または元帳の名前をサフィクスとして付加することを検討してください。この規則に従うことで、様々な消込処理ページで適切な定義を識別できます。また、消込タイプの名前をアプリケーション内、および元帳および勘定体系にわたって一意に保つためにも役立ちます。
勘定科目照合ルールおよび勘定科目フィルタ
消込タイプの作成時には、勘定科目照合ルールを選択する必要があります。勘定科目照合ルールは、消込プロセス中に一致する仕訳明細を見つけるために重要な勘定体系セグメントを識別します。反対に、選択したルールによって、消込プロセスにおいて重要ではなく、関連のないセグメントも示されます。これらの関連のないセグメントは、まとめて突き合せられる対象の仕訳明細をグループ化および照合する際に考慮されません。
勘定科目照合ルールは、次のとおりです。
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プライマリ貸借一致セグメント、勘定科目別
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プライマリ貸借一致セグメント、勘定科目、コスト・センター別
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勘定科目組合せ別
勘定科目照合ルールを選択したら、勘定科目フィルタを使用して、有効な清算勘定の組合せに属するセグメント値を指定します。通常は、選択した勘定科目照合ルールに含まれるセグメントのセグメント値のみを指定します。少なくとも、いずれか1つのセグメントの値は指定する必要があります。多くの場合は、勘定科目セグメントの値を指定します。セグメントの値を指定しない場合、消込プロセスでは、関連する仕訳明細をまとめて照合およびグループ化する際に、そのセグメントの基礎となる子値すべてを清算勘定の組合せにおける有効な値とみなします。
勘定科目照合ルールに含まれないセグメントの値を指定した場合、そのセグメントの指定した値すべてに関して仕訳明細がまとめて突き合せられます。
たとえば、勘定体系に次のセグメントおよび子値があるとします。
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会社: プライマリ貸借一致セグメント値01、02、03
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コスト・センター: 000、100、200
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勘定科目: 範囲00000 - 99999
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製品: 100、200
勘定体系は、消込が使用可能になっているVision Services (USA)元帳で使用されます。消込タイプは次の属性を持ちます。
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名前: 承認済請求
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勘定科目照合ルール: プライマリ貸借一致セグメント、勘定科目別
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勘定科目フィルタ:
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コスト・センター: 100から200
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勘定科目: 22100から22101
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この表は、Vision Services (USA)元帳およびApproved Claims消込タイプについて、プロセスが照合および消込のために仕訳明細をグループ化する方法を示しています。
セット1 |
セット2 |
セット3 |
セット4 |
セット5 |
セット6 |
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01-100-22100-100 |
01-100-22101-100 |
02-100-22100-100 |
02-100-22101-100 |
03-100-22100-100 |
03-100-22101-100 |
01-100-22100-200 |
01-100-22101-200 |
02-100-22100-200 |
02-100-22101-200 |
03-100-22100-200 |
03-100-22101-200 |
01-200-22100-100 |
01-200-22101-100 |
02-200-22100-100 |
02-200-22101-100 |
03-200-22100-100 |
03-200-22101-100 |
01-200-22100-200 |
01-200-22101-200 |
02-200-22100-200 |
02-200-22101-200 |
03-200-22100-200 |
03-200-22101-200 |
この例では、仕訳明細が6つのセットにグループ化されています。勘定科目照合ルールは「プライマリ貸借一致セグメント、勘定科目別」であるため、各プライマリ貸借一致セグメント値(01、02、03)が勘定科目フィルタに含まれる各勘定科目セグメント値(22100、22101)と組み合せられて、独自のセットにまとめられます。
製品セグメントは勘定科目照合ルールにも勘定科目フィルタにも含まれていないため、各セットにはすべての製品セグメント値(100、200)が含まれます。
最後に、コスト・センター・セグメントは勘定科目照合ルールに含まれていませんが、勘定科目フィルタには含まれています。コスト・センター・セグメント値は000、100および200ですが、勘定科目フィルタでは100および200のみが指定されています。これは、消込対象の仕訳明細は、コスト・センター100および200を含む勘定科目組合せにかぎられるということです。また、コスト・センターは勘定科目照合ルールに含まれていないため、各セットにはコスト・センター100および200の両方を含む仕訳明細が含まれます。
まとめると、次の勘定科目組合せには、プライマリ貸借一致セグメント値01、02および03と勘定科目セグメント値22100および22101が含まれていますが、コスト・センターが000であるため、これらの組合せは消込から除外されます。
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01-000-22100-100
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01-000-22100-200
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01-000-22101-100
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01-000-22101-200
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02-000-22100-100
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02-000-22100-200
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02-000-22101-100
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02-000-22101-200
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03-000-22100-100
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03-000-22100-200
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03-000-22101-100
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03-000-22101-200
消込開始日および最後の自動消込実行
すべての消込タイプに消込開始日が指定されています。消込開始日および自動または手動の消込時に指定した基準が、消込対象の清算勘定仕訳明細を取得するために使用されます。消込開始日より後の会計日を持つ仕訳明細のみが消込可能です。
「清算勘定消込の管理」ページには、最後に成功した自動消込実行の日付が表示されます。この日付を使用して、完了した消込および保留中の消込を追跡してモニターできます。期間クローズ活動に不可欠な要素である、清算勘定消込をそれにあわせて計画できます。
手動消込の許容範囲
手動消込の許容範囲を金額およびパーセントで設定できます。仕訳明細の純計上済金額が許容範囲内の場合、手動消込を使用して明細を消込できます。指定に応じて、次のようになります。
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金額およびパーセント両方の許容範囲フィールドを空白のままにした場合、許容範囲は設定されません。
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2つの許容範囲フィールドのいずれかに値を指定した場合、その金額またはパーセントが適用される許容範囲になります。
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金額とパーセントの両方を指定した場合は、2つの許容範囲のうちより狭い方が適用されます。
パーセント許容範囲は、グループ化された仕訳明細の借方または貸方の合計額のうち、大きい方に基づいて計算されます。金額許容範囲は、元帳通貨での絶対金額に基づきます。
消込タイプの変更
消込タイプ名、摘要、許容範囲のパーセントまたは金額、消込開始日および消込タイプがアクティブかどうかを変更できます。編集された消込タイプは、編集以降のすべての先日付消込プロセスに適用可能な定義になります。すでに消込が済んでいる既存の仕訳明細グループは、この変更の影響を受けません。以前に突き合せられたグループでも、戻し処理を行うことができます。
非アクティブな消込タイプ
非アクティブな消込タイプは、非アクティブになった瞬間から、自動および手動の清算勘定消込プロセスの対象外となります。また、非アクティブな消込タイプは、「未消込トランザクション・レポート」の発行ページにレポート・パラメータとして表示されません。ただし、「消込済トランザクション・レポート」を発行する際、および「消込戻し処理」ページでは、非アクティブな消込タイプを使用できます。