パーティ階層での与信限度額の導出方法

与信チェックが開始されると、与信チェック・プロセスにより、通常は、顧客アカウント・プロファイル内の与信限度額値が検索され、値が見つからない場合は、顧客プロファイル内が検索されます。

与信限度額値が見つかると、与信チェックが続行され、特定の与信承認要求について顧客の与信が確認されます。

また、顧客にパーティレベル階層を定義することもできます。パーティレベル階層を使用する場合は、与信チェック・プロセスでパーティ階層の与信定義を使用して顧客の与信限度額が決定されます。

パーティレベル階層は、「階層の管理」設定タスクを使用して設定されます。Credit Managementで特定の階層タイプを使用するには、Credit Managementの階層タイプ・プロファイル・オプションを使用して、階層タイプを指定します。このプロファイル・オプションのデフォルト値は「なし」です。ユーザーが割り当てないかぎり、Credit Managementでは顧客階層は使用されません。パーティレベル階層を使用する場合は、Credit Managementの階層タイプ・プロファイル・オプション値を、「階層の管理」設定タスクで定義された正しい階層タイプに設定します。

パーティレベル階層が顧客に定義されている場合、与信チェック・プロセスでは最初に階層の親パーティから与信限度額を導出し、階層の各子パーティの使用可能貸方を考慮して、実際の与信限度額を決定します。

たとえば、次のVision Corporationのパーティレベル階層を想定してみます。

この図は、メインの親会社、4社の子会社、各子会社のアカウントのあるVision Corporationの階層を示しています。

パーティ・プロファイルの与信限度額は、すべての子会社が使用可能な貸方金額合計を定義します。この例では、Vision Corporationの与信限度額は$5000万です。特定のパーティの実際の与信限度額は、定義されている与信限度額と、与信限度額が定義されていない子の両方を考慮して導出されます。

Vision USAには、その3つのアカウントに使用可能な$2000万の与信限度額があります。アカウント1には与信限度額$500万が指定されているため、アカウント2とアカウント3の両方で最大$1500万を使用できます。

Vision Middle Eastには、その2つのアカウントに使用可能な$300万の与信限度額があります。アカウント7とアカウント8の両方でこの$300万を使用できます。

Vision CanadaとVision Mexicoには与信限度額が定義されていないため、これらのパーティは実際上、貸方で未定義の$2700万を使用できます。

たとえば、Vision Canadaのアカウント4が$250万のオーダーを発行し、Vision Mexicoのアカウント6が$350万のオーダーを発行した場合は、これらのオーダーが承認されると、Vision CanadaとVision Mexicoで使用可能な残りの貸方は$2100万になります。