マルチファンド会計の概要

マルチファンド会計は、トランザクション、修正および入金を複数の貸借一致セグメント値または資金に転記できるオプションの会計機能です。マルチファンド会計は、詳細な売掛/未収金配分とも呼ばれます。

デフォルトの会計モデルでは、1つのトランザクションの複数の収益、運送費および税金明細が連結され、1つの配分明細として計上されます。ビジネス・ユニットおよび元帳に対してマルチファンド会計が有効になっている場合、会計プロセスでは、勘定科目コード組合せの貸借一致セグメント値に従って、各トランザクション明細の詳細配分が作成されます。

マルチファンド会計を使用して、各貸借一致セグメント値の入金および使用をモニターおよび追跡できます。これにより、たとえば、一般運営資金、寄付基金、贈与資金など、特定の公共部門プロジェクトをサポートする資金の支出を管理できます。あるいは、ディビジョン、部門および製品別ごとに別々の請求書を作成する必要なく、組織の財務情報をモニターおよび抽出できます。

マルチファンド会計の使用は、新しいビジネス・ユニットおよびプライマリ元帳の設定専用です。マルチファンド会計は、標準入金とその他入金、請求書、クレジット・メモ、デビット・メモおよび修正といった売掛/未収金イベント区分にのみ適用されます。

各売掛/未収金イベント区分のマルチファンド会計でサポートされるアクティビティの詳細は、My Oracle SupportのEvents Supported for Multifund Accounting (文書ID 2558258.1)を参照してください。

マルチファンド会計の例

次の表は、請求書のマルチファンド会計の例を示しています。この例では、請求書101は2つの異なる資金ソースから資金を利用しています。

請求書101には、金額$1000と金額$500の2つの請求書明細があります。

明細番号

メモ明細

数量

単価

金額

1

1年間のサポート

1

1000

1000

2

1年間の追加相談

2

250

500

詳細配分を含むこれらの請求書明細の会計では、売掛/未収金と収益が2つの資金間で分割されます(追加の$190は税金および運送費です)。

明細

イベント

勘定科目

区分

借方

貸方

1

請求書作成

02-000-1200-0000-000

売掛/未収金

1120.00

2

請求書作成

03-000-1200-0000-000

売掛/未収金

570.00

3

請求書作成

02-000-4100-0000-000

収益

1000.00

4

請求書作成

03-000-4100-0000-000

収益

500.00

マルチファンド会計のレポート

使用可能なレポートを使用して、マルチファンド会計詳細配分のレビューおよび突合せを行います。

売掛管理からの一般会計消込レポートおよび売掛/未収金年齢調べマルチファンド会計のGL勘定科目別レポートを使用して、マルチファンド会計詳細配分を管理できます。

ノート: マルチファンド会計詳細配分をレビューするためのこれらのレポートの使用は、マルチファンド会計を使用するように設定された元帳およびビジネス・ユニットにのみ適用されます。

売掛管理からの一般会計消込レポートで使用可能なツールを使用して、マルチファンド会計詳細配分をレビューおよび突合せできます。「売掛管理から一般会計への消込の準備」プロセスを実行し、売掛管理から一般会計への消込タスクを使用して要約および詳細レポートにアクセスします。

売掛/未収金年齢調べマルチファンド会計のGL勘定科目別レポートを使用して、マルチファンド会計に使用可能な元帳およびビジネス・ユニットの年齢調べ詳細を生成およびレビューできます。このレポートは、Oracle Transactional Business Intelligenceカタログからスケジュールします。