解析ルール・セットの概要

Oracle Fusion Cash Managementでは、銀行取引明細書インポート・プロセス中にデータを変換する解析ルール・セットがサポートされます。解析ルールを使用して、フィールド間でデータを移動します。

解析ルール・セットは銀行口座設定で銀行口座に関連付けられます。この解析ルール・セットは、一般的に取引明細書明細追加情報フィールドのデータを解析して、より具体的な取引明細書明細フィールドに移動する場合に使用されます。解析ルール・セット内の各解析ルールは、次のフィールドで構成されます。

  • 順序: ルールを処理する順序を決定します。

  • トランザクション・コード: 取引明細書明細タイプの決定に使用されるコード。

  • ソース・フィールド: 解析するデータが格納されているインタフェース表のフィールド。

  • ターゲット・フィールド: データの解析先となる取引明細書明細フィールド。

  • ルール: 解析するソース・フィールド内のデータを決定するための構文が含まれます。

  • 上書き: ターゲット・フィールドの既存データを上書きするか、データの解析をスキップするかを制御するために使用されます。

解析ルールの構文を次に説明します。

[LITERAL](<[MATCHING TOKEN],[START-END]>)[LITERAL]

ここで

LITERALは、ソース・データと正確に一致する必要がある、識別子によって表される文字列または文字値を表します。

MATCHING TOKENは、抽出するデータを記述するトークン(またはトークンのセット)を表します。次の表に、有効なトークンとその説明を示します。

トークン

説明

N

有効な数値の抽出

.

小数部

X

英数字の抽出

~

ソース・フィールド内の解析位置からデータの末尾までまたは次のリテラルまでのすべてを抽出します。

START

データの抽出を開始する位置。解析位置によってオフセットされます。有効な数値である必要があります。

END

データの抽出を停止する位置。ENDには有効な数値または~トークンを使用できます。

次の表に、いくつかの例を示します。

説明

ソース・データ

ルール

ターゲット・データ

ソース・フィールドから数値レート・データを抽出する

EST/TRX RTE 3.76 USD/LIBOR CPTY: PRU

RTE (N.NN)

3.76

ソース・フィールドから日付の値を抽出する

Dt.01/01/2011?Receipt

Dt.(1-10)?Receipt

01/01/2011

ソース・フィールドから小切手番号を抽出する

Account Number 1005

Account Number.(X~)

1005

ソース・フィールドから通貨を抽出する

$^EUR:Dt

$^(1-3):Dt.

EUR

同じソース・フィールドから不明な文字列長の相手方を抽出する

EST/TRX RTE 3.76 USD/LIBOR CPTY:PRU

CPTY: (X~)

PRU

位置一致を使用して同じソース・フィールドから通貨を抽出する

PRU EST/TRX RTE 3.76 USD/LIBOR CPTY: PRU

RTE(7-9)

USD

入力追加情報から契約IDを抽出する

TXT:AR:Receipt Num:CEF-1:For:2010$^USD:Dt.01/01/2011?Receipt Method:CE-Foreign:Receipt Type:Standard:BU:Vision Operations:Customer:World of Business:Account No.1001

Account Number(NNNN)

1001

顧客参照からトランザクションIDを抽出する

CustRef # A.23@orlc.com

CustRef (X~).com

# A.23@orlc