1採用の概要

この章の内容は次のとおりです。

採用の実装の概要

このガイドでは、Oracle Recruiting Cloudの設定および実装タスクについて説明します。ガイドに記載されているタスクを使用して、キャリア・サイトの構成、ジョブ応募フロー、候補者選択プロセス、ジョブ求人、ジョブ・オファー、ジョブ応募質問リスト、インタビュー質問リスト、採用キャンペーン、候補者プール、エージェンシ採用などを含む完全な採用プロセスを設定および構成できます。

Oracle Recruiting Cloudは、Oracle Human Capital Management Cloudの一部です。Oracle Human Capital Management Cloudの実装を開始するには、アプリケーション実装コンサルタント・ロール(ORA_ASM_APPLICATION_IMPLEMENTATION_CONSULTANT_JOB)を持つユーザーが、ビジネス要件に応じてオファリングをオプト・インする必要があります。オファリングのオプトインおよび設定を管理するには、『Oracle Applications Cloud Functional Setup Managerの使用』ガイドを参照してください。

前提条件:

Oracle Recruiting Cloudを設定する前に、次のいずれかを実装する必要があります。

  • Oracle Human Capital Management Base

  • Talent Management Base

また、他のアプリケーションおよび要素の構成も必要です。この表には、ビジネス・ニーズやプロセスに適合するように構成を設定するのに役立つガイドやヘルプ・トピックといった情報のソース、およびそこに含まれる内容の説明がリストされています。

ソース 内容

Oracle HCM Cloud Oracle Talent Management Cloudスタート・ガイド

Talent Management Cloudのオプション、購買およびアクティブ化のオプションの概要、タレント管理アプリケーション実装のための基本情報、および作業領域について説明します。

Oracle Talent Management Cloud Talent Management Baseの実装

ユーザーおよびロールの同期、実装ユーザーの設定、企業およびワークフォース・ストラクチャ、ワークフォース・プロファイル、承認、ヘルプ構成などについて説明しています。

Oracle Global Human Resources Cloud Global Human Resourcesの実装

ユーザーおよびロールの同期、実装ユーザーの設定、企業およびワークフォース・ストラクチャ、ワークフォース・プロファイル、承認、ヘルプ構成などについて説明しています。

Human Capital Management Cloudとの統合

統合タイプ、ファイル・ベースおよびスプレッドシートのローダーの使用方法、Oracle Taleo Recruiting Cloud Serviceとの統合、Webサービス、および共存について説明します。

Human Capital Management Cloud Oracle HCM Cloudの保護

Oracle Human Management Cloudのセキュリティ、ロールのタイプおよびその作成方法、ユーザー・アカウントの管理、セキュリティ・プロファイルのタイプとその管理、およびOracle Fusion Transactional Business IntelligenceおよびBusiness Intelligence Publisherのセキュリティについて説明します。

採用および候補者エクスペリエンス・オファリング

採用および候補者エクスペリエンス・オファリングを使用して、キャリア・サイトの構成、ジョブ応募フロー、候補者選択プロセス、ジョブ求人、ジョブ・オファー、ジョブ応募質問リスト、インタビュー質問リスト、採用キャンペーン、候補者プール、エージェンシ採用などを含む完全な採用プロセスを設定します。

次の表では、「採用および候補者エクスペリエンス」オファリングの主要な機能領域について説明します。このオファリングのすべての機能領域および機能のリストは、オファリングの実装を計画するときに使用する「関連付けられた機能」レポートで確認してください。

機能領域 説明

採用および候補者エクスペリエンス管理

ジョブ求人、採用キャンペーン、タレント・コミュニティ、インテリジェント・マッチング(推奨)、候補者検索アーカイブ、採用コンテンツ・ライブラリ、地理階層および階層構造に適用可能な共通設定の構成。

ジョブ求人

ジョブ求人テンプレート、インタビュー・スケジュール・テンプレートの構成。

候補者エクスペリエンス

キャリア・サイトとジョブ応募フローの構成。

候補者ジョブ応募

候補者選択プロセス、質問および質問リスト、ジョブ応募が否認または取下げされた理由を識別するための事由の構成。

ジョブ・オファー

ジョブ・オファー付加フレックスフィールドの構成。

候補者のソーシング

採用キャンペーンEメール・テンプレートおよび候補者プール管理プロセス構成の構成。

採用および候補者エクスペリエンスの機能領域

「採用管理者」ロール(ORA_PER_RECRUITING_ADMINISTRATOR_JOB)を持つユーザーは、「採用および候補者エクスペリエンス」機能領域にアクセスする必要があります。

「採用および候補者エクスペリエンス」機能領域にリストされたタスクは構成可能で、既存の構成を再訪問して採用ビジネス・プロセスと一致させる必要があります。採用および候補者エクスペリエンスに固有の機能領域は次のとおりです。

  • 採用および候補者エクスペリエンス管理

  • ジョブ求人

  • 候補者エクスペリエンス

  • 候補者ジョブ応募

  • ジョブ・オファー

  • 候補者のソーシング

採用および候補者エクスペリエンス管理

タスク 説明

企業採用および候補者エクスペリエンス情報

求人番号生成方法: ジョブ求人番号は手動または自動で生成できます。手動による方法を選択すると、ユーザーは求人番号に任意の書式を使用できます。特定のプリフィクス、サフィクスまたはパターンを強制することはできません。自動方法を選択すると、「求人番号開始値」フィールドに入力した値に従って、ジョブ求人番号が開始されます。

求人番号開始値: 求人番号開始値は、自動ジョブ求人番号生成方法を選択した場合にのみ必須です。

採用組織ツリー名および採用組織ツリー・バージョン: 値リストから採用組織ツリー名を選択します。既存のアクティブなツリーを選択するか、採用用に新しいツリーを定義できます。組織ツリーは、「組織ツリーの管理」タスクを使用して定義します。

未確認のジョブ応募最大数: 候補者がアイデンティティを検証する前に、候補者によって実行できるジョブ応募の数。

「HRに移動」での重複チェック: HRへの移動で外部候補者重複チェックを実行する設定を定義します。詳細は、「ジョブ・オファー後の重複のチェック」を参照してください。

キャンペーン管理: Eメール・バッチ制限、Eメール最大再試行回数およびその他のEメール関連の設定を定義します。詳細は、「採用キャンペーンの設定」を参照してください。

候補者検索アーカイブ: 候補者検索アーカイブを使用して、採用担当者が実行した候補者検索を追跡します。検索結果アーカイブでは、連邦契約履行プログラム事務所(OFCCP)の要件がサポートされます。詳細は、「候補者のアーカイブ検索」を参照してください。

オファー・レター: 「トークン解決済のオファー・レターのダウンロード」設定を有効にすると、採用ユーザーにはそのオファー・レターに属する実際の値のみが表示され、その特定の候補者に関連する実際のセクションのみが表示されます。詳細は、「解決済トークンありのオファー・レターのダウンロード」を参照してください。

タレント・コミュニティ: タレント・コミュニティを使用可能にすると、外部候補者はタレント・コミュニティに参加して、組織への関心を示すことができます。プロファイルの作成、希望する事業所とジョブ・ファミリの指定、LinkedInやIndeedなどのサード・パーティからのプロファイルのインポート、履歴書のアップロードを行えます。内部候補者と外部候補者の両方に対して、ジョブ・アラート頻度を設定することもできます。詳細は、「タレント・コミュニティの設定」を参照してください。

Googleジョブ検索: Googleジョブ検索を有効にすると、新しいジョブをGoogleに掲載できることがGoogleに通知されます。詳細は、「Googleジョブ検索の有効化」を参照してください。

派遣就業者は外部候補者: この機能を使用可能にすると、派遣就業者が外部候補者として処理されます。詳細は、「外部候補者として派遣就業者の処理」を参照してください。

候補者自動確認: この機能を使用可能にすると、候補者がジョブに応募する際にEメール・アドレスを確認する必要はありません。そのEメール・アドレスは自動的に確認されます。詳細は、「候補者自動確認の有効化」を参照してください。

候補者の姓の確認および電話番号要求: 外部候補者に、過去に別の候補者が使用した電話番号の再利用を許可できます。候補者は、電話番号を自分のものとして請求できます。

Office 365カレンダ統合: Microsoft 365とのインタビュー・スケジュール統合を有効にします。詳細は、「Microsoft 365とのインタビュー・スケジューリング統合の有効化」を参照してください。

外部候補者に対するサインイン状態を保持: 外部候補者がキャリア・サイトに移動してインタビューをスケジュールしたり、詳細情報を提供したり、オファーを表示したり、別のジョブに応募したりするときに、すぐにサインインできます。

添付エンティティの管理

添付エンティティを編集および作成するタスク。添付エンティティは、通常、表やビューなどのデータベース・エンティティで、添付を関連付けることのできるビジネス・オブジェクトを表します。このタスクを表示するには、人材管理アプリケーション管理者ロール(ORA_HRC_HUMAN_CAPITAL_MANAGEMENT_APPLICATION_ADMINISTRATOR_JOB)も必要です。

添付カテゴリの管理

添付カテゴリを編集および作成するタスク。添付カテゴリは、添付を分類し、保護するために使用します。このタスクを表示するには、人材管理アプリケーション管理者ロール(ORA_HRC_HUMAN_CAPITAL_MANAGEMENT_APPLICATION_ADMINISTRATOR_JOB)も必要です。

採用および候補者エクスペリエンス参照

データ妥当性範囲、カラー・スキームおよび会議ステータスなどの採用および候補者エクスペリエンスの参照値をレビューおよび保守するためのタスク。このタスクを表示するには、人材管理アプリケーション管理者ロール(ORA_HRC_HUMAN_CAPITAL_MANAGEMENT_APPLICATION_ADMINISTRATOR_JOB)も必要です。

採用および候補者エクスペリエンス値セット

フレックスフィールド・セグメントのコンテンツを検証する値セットを管理するタスク。このタスクを表示するには、人材管理アプリケーション管理者ロール(ORA_HRC_HUMAN_CAPITAL_MANAGEMENT_APPLICATION_ADMINISTRATOR_JOB)も必要です。

採用および候補者エクスペリエンス・プロファイル・オプション値

レビュー対象就業者レポートを検索するためのフォルダ指定など、採用および候補者エクスペリエンスの動作を制御するためのプロファイル・オプションの設定および値を定義するタスク。このタスクを表示するには、人材管理アプリケーション管理者ロール(ORA_HRC_HUMAN_CAPITAL_MANAGEMENT_APPLICATION_ADMINISTRATOR_JOB)も必要です。

採用対応カテゴリの構成

対応カテゴリを構成するためのタスク。顧客対応は、採用担当者および採用マネージャが候補者とのやり取りに関するノートを作成する際に使用されます。デフォルトの対応タイプ:

  • 電話済

  • LinkedIn InMail (LinkedIn採用担当者システム接続統合で使用)

  • LinkedInノート(LinkedIn採用担当者システム接続統合で使用)

  • 面接済

  • Eメールの送信

  • SMS送信済

  • テキスト・メッセージ送信済

デフォルトの相互作用タイプを無効にしてラベルを変更しないことをお薦めします。これにより、予期しない動作が発生する可能性があります。

採用コンテンツ・ライブラリ

候補者ジョブ応募、候補者プール・メンバー、候補者プロファイル、見込み顧客、免責条項、電子署名文書、ジョブ・オファー・レター・テンプレートの通知など、採用の様々な領域で使用される様々なテキストベースのコンテンツを管理するタスクです。

地理階層

採用目的で使用される地理の領域を定義するタスクです。地理階層は、各国に対して定義された地理階層構造に従って、地理が追加される国のリストで構成されます。

地理階層構造

地理階層を構築できる地理レベルの体系を定義するタスク。地理階層構造には、最大3つのレベルを設定できます。最初のレベルは国を表します。

採用カテゴリ使用可能化

経歴チェック、ジョブ配分、プロファイル・インポートなどのパートナ・サービスを使用可能にするタスク。

採用カテゴリのプロビジョニングおよび構成

経歴チェック、ジョブ配分、プロファイル・インポートなどのパートナ・サービスを構成するためのタスクです。

候補者ディメンション・ソース名

候補者が作成したソースを追跡するためのタスク。

採用メッセージ構成

候補者とのSMS通信を使用可能にするタスク。

HTML Eメール・テンプレートの管理

候補通知用のHTMLテンプレートを作成するタスクです。

候補者セキュリティ・プロファイル

候補者セキュリティ・プロファイルを作成するタスクです。

ジョブ求人

タスク 説明

ジョブ求人テンプレート

ジョブ求人テンプレートを構成するためのタスクです。ジョブ求人テンプレートにはジョブに対する特定の要件が含まれ、採用担当者および採用マネージャがジョブ求人を作成する際に使用されます。

ジョブ求人付加フレックスフィールド

ジョブ求人の付加フレックスフィールドの検証および表示プロパティを定義するタスクです。付加フレックスフィールドは、エンティティに属性を追加するために使用します。このタスクを表示するには、人材管理アプリケーション管理者ロール(ORA_HRC_HUMAN_CAPITAL_MANAGEMENT_APPLICATION_ADMINISTRATOR_JOB)も必要です。

インタビュー・スケジュール・テンプレート

インタビュー・スケジュール・テンプレートを作成するタスクです。採用担当者および採用マネージャは、ジョブ求人のインタビュー・スケジュールを作成するときに時間を節約できます。

候補者エクスペリエンス

タスク 説明

キャリア・サイト構成

ヘッダー、フッター、ロゴ、背景イメージ、ブランド・テキスト、フォント、色などの外部キャリア・サイトのルック・アンド・フィールを構成するタスク。

ジョブ応募フロー構成

キャリア・サイトのジョブ応募フローを作成するタスクです。ジョブ応募フローは、キャリア・サイトでジョブに応募する際に候補者が入力する一連のページです。

ダブル・オプション管理

ダブル・オプト・インを有効にすると、外部候補者がジョブに応募したとき、タレント・コミュニティにサインインしたとき、または候補者セルフサービス・ページから、ジョブ・アラートや採用マーケティング・コミュニケーションを受信できるようになります。候補者がオプト・インすると、候補者は自分の選択を確認するメッセージを受信します。

候補者エクスペリエンス・マップ・プロバイダの構成

外部候補者は、マップ・ビューを使用してジョブを検討できます。掲載されたジョブがマップにピンで留められるので、候補者はジョブの場所を視覚的に確認できます。候補者はジョブ詳細に簡単にアクセスして通勤時間を計算できます。

候補者ジョブ応募

タスク 説明

候補者選択プロセス構成

採用プロセスを介して候補者を移動し、ジョブのベスト候補者を評価して見つけるフレームワークを定義するタスクです。

質問リスト参照

質問リスト・ステータス、質問タイプ、質問順序、セクション順序などの参照を管理するタスク。このタスクを表示するには、人材管理アプリケーション管理者ロール(ORA_HRC_HUMAN_CAPITAL_MANAGEMENT_APPLICATION_ADMINISTRATOR_JOB)も必要です。

質問ライブラリ

質問を作成および管理するタスクです。

質問リスト・テンプレート

質問リスト・テンプレートを作成および管理するタスクです。

質問リスト

質問リストを作成および管理するタスクです。

候補者選択プロセス事由

ジョブ応募が否認または取下げされた理由を識別するために使用する事由を定義するタスク。

ジョブ・オファー

タスク 説明

ジョブ・オファーの付加フレックスフィールド

ジョブ・オファーで使用される付加フレックスフィールドを管理するタスクです。オファーには、「割当」セクションの一部として管理される付加フレックスフィールドの別のセットを含めることもできます。これらのフィールドの構成方法については、グローバル人事管理の実装ガイドを参照してください。

候補者のソーシング

タスク 説明

候補者プール管理プロセス構成

候補者プール・プロセスを作成するタスク。

採用エージェンシ

承認済のサード・パーティ・エンティティとしてエージェンシを作成し、それに1つ以上のエージェントを関連付けるためのタスクです。これにより、採用担当者は、エージェンシ対応の求人に候補者を送信するようエージェントに依頼できます。

紹介付加フレックスフィールド

フレックスフィールドを作成して、候補者をジョブに紹介する際に採用担当者、エージェンシ・ユーザーおよび従業員が追加情報を入力できます。

ディープ・リンク

ディープ・リンクを使用して、HCM Cloudアプリケーションのページに直接、簡単にナビゲートできます。ディープ・リンクは、イントラネット、カスタムおよびサードパーティ・アプリケーションのモバイル・レスポンシブ・ページやドキュメントでも使用できます。これにより、ユーザーはHCMクラウドでトランザクションを実行でき、HR情報に迅速にアクセスできます。

ディープ・リンクにアクセスする手順は次のとおりです。

  1. メイン・メニューを開きます。

  2. 「ツール」「ディープ・リンク」に移動します

  3. ディープ・リンクのURLをコピーします。

  4. URLを目的の場所に貼り付けます。

ディープ・リンクを開くと、使用可能なすべてのディープ・リンクのリストが表示されます。