23休暇を売却するための福利厚生プラン構成
この章の内容は次のとおりです。
休暇を売却するための福利厚生プランの構成方法
福利厚生プランを構成して、加入者が休暇または疾病時間を売却できるようにします。オープン登録に対してこれらのプランを設定できます。このトピックでは、これらのタイプのオファリングを構成する方法と、オプションで売却済の休暇欠勤ユニットを休暇欠勤管理に転送する方法について、設定のアドバイスを提供します。

福利厚生と統合するための休暇欠勤プランの構成
休暇欠勤管理で休暇欠勤プランを作成または編集する場合、「エントリおよびバランス」タブで「福利厚生統合使用可能」チェック・ボックスを選択します。次に、「プラン構成」作業領域でプランを作成または編集するときに、「基本詳細」ステップで休暇欠勤プランを福利厚生プランに関連付けます。
プラン機能または休暇欠勤プランの変更
ライフ・イベントが「開始済」ステータスの場合、対応する福利厚生プランの休暇欠勤プランまたはプラン機能を変更できません。
この関連付けが行われると、加入者は、売却する金額を決定する前に休暇欠勤バランスを確認できます。登録ウィンドウがオープンされるまで、加入者は売却するユニットの量に引き続き変更を加えることができます。売却された休暇欠勤ユニットに関する詳細を休暇欠勤管理に転送する場合は、登録クローズ・プロセスを使用する必要があります。
福利厚生プランの機能および登録の構成
福利厚生プランを作成または編集するとき、「休暇売却」または「疾病時間売却」プラン機能のいずれかを選択します。表示される「休暇欠勤プラン」リストで、セッションの有効日時点でアクティブな、福利厚生に対して使用可能な休暇欠勤プランのいずれかを選択できます。
「登録」ステップでは、登録ルール「現行、選択のみ; 新規、選択可」を選択する必要があります。これは、加入者が休暇を売却するときに常に明示的な選択を行うようにするためです。これらのタイプのプランへの登録は、休暇を売却する機会を提供している特定のイベントにのみ制限されます。登録を後続のイベントに繰り越すようにこれらのプランを構成することはできません。また、休暇欠勤ユニットを売却する選択は加入者のみが行う必要があるため、これらのプランのデフォルト登録ルールを構成できません。
ユーザー値の構成
レートおよび補償範囲値の管理ページで、ユーザー値セットを作成します。ユーザー値セットは、加入者が登録時に売却できる時間ユニットを示します。加入者が売却価額を受け取る給与期間を示すようにする場合は、別のユーザー値のセットを作成します。また、登録時に加入者がユーザー値を選択または入力できるオプションもあります。値をレートおよび給与期間の値と補償範囲に関連付ける必要があります。
レートおよび補償範囲の構成
「福利厚生レートの管理」ページで、プランのレートを作成します。ユーザー値セットをレートに関連付けます。休暇を売却するように構成されたプランに対して作成するレートは、加入者が登録時に値を選択または入力できるようにするため、自動的に「プライマリ」に設定されます。変動レートを使用すると、適格に基づいてユーザー値の表示を変更できます。取扱コードは自動的に「置換」に設定されます。
福利厚生補償範囲の管理ページで、必要に応じて補償範囲を作成し、ユーザー値セットと関連付けます。たとえば、加入者が売却価額を受け取る給与期間を示すユーザー値セットを作成したとします。このユーザー値セットを補償範囲と関連付ける必要があります。
加入者および管理者の操作
セルフサービス・ページで、適格な加入者はアクティブな登録ウィンドウで時間を売却できます。休暇の売却用に構成された関連福利厚生プランを選択します。管理者は、「登録」作業領域で加入者にかわって時間を売却することもできます。
登録後に、休暇欠勤バランスを休暇欠勤管理に転送する場合、管理者は「登録クローズ」プロセスを実行できます。「登録クローズ」プロセスは、「評価およびレポート」作業領域の「プロセス」タブにあります。
休暇を売却するための福利厚生プランの構成に関するガイドライン
このトピックでは、このような福利厚生プランを構成する前に考慮する必要がある構成上の側面および制限について説明します。
休暇欠勤管理
福利厚生で使用する休暇欠勤プランは、休暇欠勤管理(売却された休暇欠勤ユニットの詳細)に転送する場合にのみ構成します。既存のレートを持つ既存のプランを変更するのではなく、休暇欠勤管理との統合のために新しいプランを作成する必要があります。
休暇欠勤管理を使用せずに、福利厚生で休暇を売却するための休暇および疾病プランを引き続き構成できます。
休暇欠勤バランス
構成された休暇欠勤タイプに応じて、加入者は休暇欠勤バランスを確認してから、福利厚生登録時に売却額を決定できます。これを設定するには、休暇欠勤プランに関連付けられている休暇欠勤タイプが事前のバランスを維持するように構成されている必要があります。バランスを維持しない休暇欠勤プランでは、休暇欠勤バランスは表示されません。
福利厚生プラン機能
プランにレートが定義されておらず、登録機会が存在しないかぎり、プラン機能を変更できます。ただし、福利厚生プランが評価され、登録機会が1人の従業員に作成された場合は、プラン機能を変更できません。
レート
休暇または疾病休暇の売却プランで使用するレートを作成する場合、給与に渡すルールと「連絡済金額」ルールを設定できません。このようなプランに対するレートの表示タイプは常に「プライマリ」に設定され、取扱ルールは常に「置換」に設定されます。
登録および調整
これらのタイプのプランの登録では、加入者が登録時に売却を選択した休暇欠勤ユニットの詳細が格納されます。加入者に支払われる実績時間は登録に含まれません。
調整を行う必要がある場合は、福利厚生プログラムではなく休暇欠勤管理を使用して調整できます。福利厚生での登録は上書きできません。
その他の構成の制限
これらのプランの性質により、無制限登録用に構成することはできません。また、主治医の指定、証明要件、扶養家族または受取人の指定または処理項目要件に対してこれらのプランを構成することはできません。
これらのプランのオプションは作成できません。これは、個々の加入者だけが休暇や疾病時間を売却できるためです。オプションが存在する場合は、プランの機能を「休暇売却」または「疾病時間売却」に変更できません。
加入者は、これらのタイプの福利厚生プランで休暇欠勤時間のみ売却できるため、支出オプションやロールオーバー・レートを作成できません。
ユーザー値セットを定義するためのオプション
ユーザー値を定義して、加入者が登録時にこれらの値を選択または入力できるようにします。たとえば、加入者が売却する休暇のユニット数を選択できるようにします。あるいは、質問に対する特定の回答を選択できるようにします。このトピックでは、ユーザー値を構成する方法について説明します。
ユーザー値は、「レートおよび補償範囲ユーザー値の管理」ページで定義します。
加入者が値を選択する
登録時に加入者に特定の値を選択させる場合は、ユーザー値を作成または編集するときに、「ユーザー値」セクションの値セットを定義します。たとえば、ユーザーが8時間または16時間を選択して売却できるようにする場合は、次のように各ユーザー値を作成します。
列 | 値 |
---|---|
値コード: 売却する時間数を定義します |
8 |
内容: 登録時に値がどのように表示されるかを定義します |
8時間 |
アクティブ: ユーザー値が有効であることを示します |
はい |
次に、レートを作成または編集するときに、「ユーザー値」計算方法を使用して、ユーザー値セットをレートに関連付けます。
加入者が値を入力する
リストから選択させるかわりに、加入者に値を入力させる場合は、ユーザー値を作成または編集するときに、「一般」セクションの「登録時に金額を入力」チェック・ボックスを選択します。次に、範囲を定義します。たとえば、8から24の範囲を増分8で定義して、加入者が8、16、または24を入力できるようにします。これらの値は、「最小値」、「最大値」および「増分」フィールドに入力します。たとえば、加入者が0.5や1.25などの一日未満の単位で売却できるように、小数範囲を定義することもできます。
登録ページには、加入者をガイドするための範囲値と増分値を含むインストラクション・テキストが表示されます。
加入者が2つのフィールドで入力または選択する
加入者に1つではなく2つのフィールドに情報を入力させることができます。たとえば、売却する期間を入力する際に、売却価額を受け取る給与期間も選択させることができます。
時間入力を使用可能にしてレートに関連付けるためにユーザー値セットを作成する方法と同様に、給与期間1や給与期間2など、別のユーザー値セットを作成します。そのユーザー値セットを補償範囲に関連付ける必要があります。

設定のガイドライン
ユーザー値を設定するときは、次のことを考慮する必要があります。
-
ユーザー値を構成して、登録時に加入者が値を入力(選択ではなく)できるようにすることができます。これは、補償範囲ではなく、レートの登録時に値を入力する機能を構成できるためです。
-
ユーザー値の構成では、登録時にユーザー入力を許可するか禁止するかのいずれかにする必要があります。両方の構成を混在させることはできません。
-
変動レート・プロファイルをレートに関連付ける場合は、レートのユーザー値構成(登録時にユーザー入力を使用可能または使用不可にするためのもの)が変動レートのユーザー値構成と同じであることを確認する必要があります。
-
変動補償範囲プロファイルを補償範囲に関連付ける場合は、ユーザー値構成で登録時にユーザー入力を許可しないようにする必要があります。登録時に、補償範囲ではなくレート・レベルでユーザー入力を有効にできます。
-
変動レートをレートに関連付ける場合は、「ユーザー値」の計算方法を使用するように両方を設定する必要があります。
休暇時間を売却するための福利厚生プランの構成
この例では、オープン登録ウィンドウ中に加入者が休暇時間を売却できるように福利厚生プランを設定する方法を示します。
次の表に、このシナリオにおける主な検討事項の概要を示します。
考慮すべき決定事項 | この例の場合 |
---|---|
加入者が売却できるようにする休暇のタイプは何か。 |
休暇 |
加入者がいつ休暇を売却できるようにするか。 |
オープン登録 |
加入者が休暇を何時間売却できるようにするか。 |
加入者は次の中から選択できます。
|
休暇時間リストに加えて給与期間リストを表示するか。このリストを使用すると、加入者は、売却する休暇に対する支払を受け取る給与期間を選択できます。 |
はい。加入者は、次のいずれかの四半期に支払を受け取るように選択できます(登録時に選択可能)。
|
Oracle Fusion Absence Managementを使用していることを前提として、アプリケーションでは売却後に休暇欠勤プラン・バランスを更新するか。する場合、どの休暇欠勤プランのバランスを更新するか |
はい。アプリケーションでは、休暇の休暇欠勤プランの休暇欠勤を更新する必要があります。 |
タスクの概要
この作業例には、実行する次のタスクの詳細が含まれます。-
休暇時間売却プラン機能を使用して福利厚生プランを作成します。休暇欠勤プランを福利厚生プランに関連付けます。オープン登録の福利厚生プランを構成し、「現行、選択のみ; 新規、選択可」登録ルールを設定します。
-
ユーザー値を作成して、売却する休暇期間と支払を受け取る給与期間を加入者が選択できるようにします。
-
福利厚生プランのレートを作成します。「ユーザー値」計算方法を使用して、売却する時間を表示するユーザー値セットを選択します。
-
福利厚生プランの補償範囲を作成します。「ユーザー値」決定ルールを使用して、給与期間を表示するユーザー値セットを選択します。
-
設定をテストします。
福利厚生プランの作成
福利厚生プランを作成するには、次の手順に従います。-
「プラン構成」作業領域の「概要」ページで、「プラン」タブをクリックします。
-
「作成」をクリックします。
-
「基本詳細」ステップで、次の表に示すようにフィールドに入力します。
フィールド 値 プラン名
休暇売却
プラン・タイプ
任意
使用
プログラム外
プラン機能
休暇時間売却
休暇欠勤プラン
休暇
連絡済レート周期
任意
-
適格と登録のステップで、オープン登録の福利厚生プランを設定します。登録ルールとして「現行、選択のみ; 新規、選択可」が選択されていることを確認します。
-
「保存してクローズ」をクリックします。
休暇金額を表示するためのユーザー値の作成
ユーザー値を作成するには:-
「プラン構成」作業領域の「タスク」パネルで、「レートおよび補償範囲ユーザー値の管理」を選択します。
-
「作成」をクリックし、表に示すように各フィールドに入力します。
フィールド 値 名前
時間
摘要
加入者が売却する時間を選択するためのユーザー値セット
-
「ユーザー値」セクションで、「作成」をクリックします。
-
表示される行で、表に示すようにフィールドに入力します。
フィールド 値 値コード
5
この場合の値コードは、売却時間数を示します。
内容
5時間
アクティブ
はい
-
ステップ3を繰り返して、次のユーザー値を作成します。
値コード 意味 8
8時間
12
12時間
-
「保存してクローズ」をクリックします。
給与期間を表示するユーザー値の作成
-
「レートおよび補償範囲ユーザー値の管理」ページで、「作成」をクリックし、次の表に示すようにフィールドを入力します。
フィールド 値 名前
給与期間
摘要
加入者が支払を受け取る給与期間を選択するためのユーザー値セット
-
「ユーザー値」セクションで、「作成」をクリックします。
-
表示される行で、表に示すようにフィールドに入力します。
フィールド 値 値コード
1
内容
給与期間1
アクティブ
はい
-
ステップ2を繰り返して、次のユーザー値を作成します。
-
給与期間4
-
給与期間8
-
-
「保存してクローズ」をクリックします。
レートの作成
-
「プラン構成」作業領域の「概要」ページで、「レートおよび補償範囲」タブをクリックします。
-
「標準レート」タブで、「作成」、「標準レートの作成」をクリックします。
-
次の表のように、各フィールドに値を入力します。
フィールド 値 レート名
休暇時間選択
プラン名
休暇売却
雇用主
任意
レート表示タイプ
プライマリ
アクティビティ・タイプ
任意
税タイプ・コード
任意
-
「追加情報」セクションの「計算」タブで、「計算方法」リストの「ユーザー値」を選択します。
-
表示される「ユーザー値名」リストで、「時間」を選択します。
-
「保存してクローズ」をクリックします。
補償範囲の作成
-
「概要」ページの「レートおよび補償範囲」タブで、「補償範囲」タブをクリックし、「作成」をクリックします。
-
次の表に示すように、フィールドに情報を入力します。
フィールド 値 補償範囲名
休暇給与期間選択
プラン名
休暇売却
タイプ
休暇
-
「計算方法」セクションで、「決定ルール」リストから「ユーザー値」を選択します。
-
表示される「ユーザー値名」リストで、「給与期間」を選択します。
-
「保存してクローズ」をクリックします。
設定のテスト
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「登録」作業領域で、「タスク」パネルの「オープン登録の処理」タスクを使用して、加入者を検索し、オープン登録イベントを処理します。
-
「タスク」パネルから「登録」をクリックします。
-
福利厚生プランを選択し、必要なリスト(「補償範囲」列の給与期間と「レート」列の休暇)が表示されるかどうかを確認します。
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「休暇欠勤バランス」フィールドが表示されない場合は、非表示になっている可能性があります。「登録」表の「表示」メニューの「列」サブ・メニューで、「休暇欠勤バランス」を選択します。
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「評価およびレポート」作業領域、「プロセス」タブ、「選択プロセス」セクションから、「登録クローズ」プロセスを実行します。福利厚生プランに対してこのプロセスを実行して、対応する休暇欠勤プランのバランスを更新します。
-
「休暇欠勤」作業領域で、休暇欠勤プランの更新済バランスを確認します。
休暇の売却に関するFAQ
登録時に加入者が選択できる値を定義するにはどうすればよいですか。
「プラン構成」作業領域の「レートおよび補償範囲ユーザー値の管理」タスクを使用して、登録時に加入者が選択できるユーザー値を作成します。
たとえば、加入者が次の休暇時間を売却対象として選択できるようにするとします。
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5時間
-
8時間
-
12時間
これらの値を含むユーザー値セットを作成します。ユーザー値コードは、各ユーザー値を一意に識別します。ユーザー値コードは数値である必要があります。ユーザー値セットとレートを関連付けて、登録時に「レート」列に値を表示して、選択できるようにします。
加入者が売却する時間を選択できるだけでなく、加入者が売却価額を受け取る給与期間などを選択できるようにすることも可能です。その場合、加入者が選択する給与期間ごとにユーザー値を作成します。次に、ユーザー値セットと補償範囲を関連付けて、登録時に「補償範囲」列に値を表示して、選択できるようにします。